望月慎太郎が４強入り

　有明で開催されているジャパンオープンで、世界ランキング215位の望月慎太郎が世界41位のアレクセイ・ポピリンに勝って準決勝進出を決めました。望月は1回戦で世界31位のトマスマルティン・エチェベリを破り、ツアー12試合目で待望の初白星を挙げ、さらに2回戦では世界10位で今大会第1シードのテーラー・フリッツにフルセットで逆転勝ちのビッグアップセットを果たしました。これで３試合連続で格上を撃破。錦織圭以来のベスト４となりました。

　望月はいま20歳。錦織と同じく12歳の時に盛田テニスファンドの選抜試験に合格し、アメリカにテニス留学をしています。2019年の全仏ジュニアでベスト４、そしてウィンブルドンで日本人男子選手として初めてのグランドスラム優勝をしています。これにより日本人男子選手として初めてジュニア世界ランキング1位にもなりました。ジュニア時代の成績では錦織以上で、将来が嘱望されていましたが、プロ入り後は伸び悩んでいて、なかなかツアーレベルでは勝てませんでした。

　今大会でツアーでの初白星を挙げたわけですが、まさかトップ10選手に勝つとも、ベスト４まで進むとも思っていませんでした。これまでなかなか開かなかった才能が一気に花開いたような印象です。身長は175cmと錦織とあまり変わらない体格ですから、どうしてもパワー負けしてしまいます。錦織ほどの卓越したスピードやタッチセンスもないので、ツアーで戦うには武器が足りないと思っていましたが、急に何かに目覚めたかのように勝負強くなりました。

　  準決勝の相手はロシアの世界50位アスラン・カラツェフ。ランキングは今は50位ですが、一昨年には全豪ベスト４で世界ランキングも14位まで上げている実績のある選手です。今年は調子を取り戻してきているようですし、望月からしたらかなり格上の選手ですが、カラツェフにしてみれば勢いに乗る地元の若手選手と対戦するのはかなりイヤなはず。望月にもチャンスはあると思います。「期待しないで」と本人は言っていますが、大いに期待したいところです。