飛騨さるぼぼ湧水

飛騨の山奥から発信しています。少々目が悪い山猿かな?

連載小説「幸福の木」 398話 消防団の出初式?

2024-03-31 21:26:57 | 小説の部屋

ハイハイハイハーイ、おまたせ、飛騨の小路 小湧水でーす、急に熱くなりました、ウチの先生も畑で種イモでも植えようか?なんて言ってます、はい、原稿も届きましたので、早速、小説に参りまーす、開幕開幕!

398 消防団の出初式?

夜中に村の警察官と消防団が突然踏み込んできたのを一番驚いたのは、村長だった。
「ワシじゃ、ワシじゃ、村長じゃ、どうしたんじゃ不意に乗り込んできて、泥棒でも追い駆けているのか?」
驚いている村長を、先頭の警察官が厳しい顔でにらみつけて、
「ああ、やっぱり村長だ、村長も村長ですよ、恥ずかしいとは思わないんですか?こんな場所にいるなんて、ちょっと留置所で反省してもらいましょうか?」
「えっ、なに?留置所だって?何でじゃ?何も悪い事などしていないのに、ああ、きっと何か誤解か勘違いしているな・」
と言いながら、村長は最後尾で小さくなっている大家さんの姿を見つけた。
「あっ、何じゃ、そこに大家がいるじゃないか?その大家に聞けば誤解か勘違いが解けるじゃろうに、おーい、大家さんよ、何してるんじゃ?」
と村長は大家に声をかけた。
「いやーっ、村長さん、これは村長さんが悪いんですよ、変なメールを送ってくれるもんだから、私の言い訳よりもメールの方が信用されてしまって・・」
と大家は情けない顔で答えた。
すると警察官が、さらに厳しい声で近くの人達に、
「さあ、お前達、早く白杖しろ!ストリップショーはどこでやっていたんだ?ここでやっていたのか?
それにしても、これは何だ?三人とも奇妙な格好だが?」
と目の前の床ステージの上で組み合っているような太郎とタタロとエアロビクスのお姉ちゃん達を見た。
すると、突然、修験者が声を上げた。
「ああ、分かった!メールに使ったストリップなんて言葉が悪かったんじゃ、ワシのせいじゃ、ストリップって言葉を使ったのが誤解の元になったんじゃ」
すると村長も、懸命に言い訳をした。
「そうじゃ、ワシがストリップって言うメールを送ったのが悪かったんじゃ、それが誤解の元じゃ、ここは子育て長屋じゃ、青少年の教育場じゃ、今夜の余興の踊りもストリップなんて全く無関係じゃ」
すると、警察官と消防団員は、太郎達とエアロビクスのお姉ちゃん三人をチラチラ見ながら、まだ怪訝な顔のまま、
「それじゃ、これはいったい何だ?」
と尋問した。
それにすぐに答えたのは、ハナとハナナだった。
二人は黙って成行きを見守っていたが、とうとうシビレを切らしたように大声を出した。
「あの、警察と消防の皆さん方、どうぞ後ろに振り向いて大画面のスクリーンをよくよく見てくださーい、そこに、この三人が映っています」
それを聞いて、警察官と消防団員達が、慌てて、後ろへ振り向いた。
そこには大スクリーンに空中を飛んでタンゴを踊っているエアロビクスの先生の美しい姿と、それを太郎とタタロが格好良く受け止めている姿が映っていた。
皆は、驚き感動した。
「えーっ、何だ、この踊りは?すごいー!こんなのは初めて見る踊りだ。すご過ぎる!こんなアクロバット的な踊りなんて、生まれて初めて見た」
警察官と消防団員達は、口を開けたまま、いつまでも立ち尽くしていた。
結局、と言う訳で、ようやく誤解も解けた。
突然の警察官の姿を見て、大広間にいた皆が家へ帰ってしまい、余興も自然閉会となってしまった。
慌てて大家がママさんと水族館のお姉ちゃんに頼んで、酒や酒の魚を持って来させた。
こうして警察官と消防団達が、中断した大家さん宅での酒宴を、改めてこの場で飲み直す事になった。
太郎やエアロビクスのお姉ちゃん達三人は、まだ練習を兼ねてかスクリーン上での空中タンゴを踊り続けていた。
そのスクリーンの映像は、消防団達にとっては格好の酒の魚になった。
「それにしても、どうして、このまるでレスリングのような動きが、あの大画面のスクリーンの中では、華麗な空中タンゴになるんだろうな?」
酒を飲みながら、警察官と消防団員達が、床ステージの三人とスクリーン上の三人を不思議そうに見比べていた。
すると大家が気をきかせて、発明兄ちゃんを呼んで、vrやセンサーバンドによるアバターについて説明させた。
「なーるほど、そう言う訳で、この体の動きが、スクリーン上では拡大されてアバターの素晴らしいタンゴの動きになるんだ」
消防団員の独りが感心した。
すると、別の団員が、
「あのー、それなら、ちょっと聞きたいんですが、私達は毎年、正月の出初式で、ハシゴの上に乗って舞いのようなものを披露しているんですが・・・、
それもこの三人のタンゴのように、アバターでスクリーン上で華麗に映す事ができないでしょうかね?」
と質問した。
すると、発明兄ちゃんは、いとも簡単そうにあっさりと答えた。
「はい、すぐにできますよ。もしかして、あなたのスマホにその時の写真などがありますか❓」
「はい、あります、これです」
と消防団員がすぐにスマホの写真を何枚か見せた。
ああ、これがあれば大丈夫です、これを人物や背景のデーターとして取り込めばaiによってスクリーン上に映像として映す事ができます。
そうです、あの三人のようにスクリーン上に再現できますよ、今、やってみますか?」
と聞いてきた。
あまりにも簡単そうに言われたので、消防団員達は、しばらく互いに顔を見合わせていた。
が、すぐに、
「はい、是非とも、お願いします」
と言って、写真の入っているスマホを手渡しした。
発明兄ちゃんは、それを受け取ると、素早く自分のパソコンにデーターを取り込んだ。
そして、太郎達三人の背中を叩いて、
「あのー、ちょっとの間でいいですから、そのvr装置とセンサーバンドを貸してもらえませんか?」
と頼んだ。
「ああ、いいわ!ちょうど休憩したかったのよ」
とエアロビクスの先生が機嫌よく、簡単に貸してくれた。
すぐに三人の消防団員がゴーグルやヘッドホーンやセンサーバンド等装置を装着した。
しばらくすると、スクリーンには高いハシゴが何本か映り、遠くに乗鞍岳など飛騨の雪の峰々が映っていた。
「あの、内緒ですが、アバターには重力が6分の1ほど軽く設定しておきます。ちょうど月の上の重力と同じです。なのであなた方が思いっ切り飛び上がると、アバターは天高くまで飛んでいってしまいますので、慣れるまでは気をつけてください」
やがてスクリーン上ではハシゴの上で三人の消防団員が鮮やかな舞を披露し出した。
もちろん落ちても大丈夫だし、体も1/6ほど軽くなっているので今まで見た事のない動きの舞いができた。
消防団員達がスクリーンを見ながら面白がったり夢中になって荒業に挑戦したりして楽しんでいる様子を見ながら、村長がつぶやいていた。
「いやいや、世の中も変わったもんじゃ、特に最近のaiには驚きじゃのう、いろいろとすごい事までできるようになったもんじゃ」
すると、修験者が思い出したように、
「あっ、思い出した!ワシは女神の裸踊りの映像を見ている途中で、太郎達に装置を取り上げられたのじゃった。ちょうどこれからがいい所って時にじゃ」
と悔しそうな顔をした。
「えっ女神の裸踊り?、そうだ、裸と言えば」
と何かを思い出した警察官が、発明兄ちゃんに質問した。
「あの、ちょっと教えてほしいんだけど、最近、カクシ撮りが減ってきたらしい。その原因は、カクシ撮りしなくてもaiでふつうの写真から着ている服を取り去って裸体を撮れるようになったからだと言う人がいるが、本当にそう言う事ができるのだろうか?教えてほしいのだが・・」
すると、発明兄ちゃんは、少し考えこんでいたが、すぐに、
「はい、分かりました、では、このパソコンで試してみましょう」
と言って、パソコンを操作して画面を見せた。
「まず、この絵は有名なスペインの画家ゴヤの「聖衣のマハ」と言う絵です。
そう言われ、警官や村長や爺達が覗き込んだ。
ベッドの上で、絹の衣装を着た若い小柄な女性が横たわっていた。
「では、aiによって、この女性の衣服をすべてはぎ取って裸にします」
と言って操作した。
すると、画面には同じ顔の同じような体つきの女性が、裸体で同じようにベッドに横たわっていた。
「はい、これがaiが衣服を脱がせた姿です」
思わず爺達は、興味深そうに覗き込んだ。
「ところが、実は、このゴヤの絵には正解の絵があるのです。
つまり、ゴヤがこの女性をモデルにして裸体の絵を別に描いていたのです。
はい、これが、ゴヤが描いた裸体の絵です。」
と言って、発明兄ちゃんは、両方の絵を画面に並べた。
「はい、ゴヤが描いた裸体の絵とaiが描いた裸体の絵を比べて見ると、ほとんどが一緒です。このモデルの女性はアジア系のような体つきですが、aiはそのように描いています」
「・・・」
皆は無言のまま見比べていた。
「つまり、女性のふつうの写真があれば、aiによってその女性の裸の写真ができると言う訳です」
「・・・」
再び沈黙となった。
「本当だ、まさかこんな事ができるとは・・」
警察官がつぶやいた。

(つづく)

菜食の薦め (その 17 )  動物福祉思想 炊き込み「しめじ豆菜飯」成功!

2024-03-29 22:22:08 | エッセイの部屋

まずは朗報(良い知らせ)から、
前回述べた新しい炊き方の「しめじ豆菜飯」は大成功でした!
ご飯も柔らかくならず、しめじ等の味もよく浸みていて、本当に美味しかったです。
一応、炊き方を再度述べると、
前処理としてシメジや豆や菜の花等を煮てしめじ汁を作っておいて、その汁に米を入れて炊飯する、と言う訳です。

1、炊飯器に研いだ米を入れて、水をやや多めに入れる。

2、米だけを外に取り出し、炊飯器にしめじ、炒り豆、菜の花をいれて炊飯スイッチを押す。

3、沸騰し始めたら数分して、炊飯器のスイッチを切る。

4、30分ほどして、冷えたら、米を炊飯器にもどして、再度炊飯スイッチを押す。

以上、4の米を入れる時に、シメジ等のグも米も炊飯器全体に散らばらせておけば炊き上がりも良くなる。
ところが、驚いた事に、この炊き方は、既に地元では昔から行われていた炊き方だった。
今日来たヘルパーさんに自慢げに話したら、彼女の家では、昔から、シメジ等を鍋で煮て、ご飯を炊く時に、そのしめじ汁を使って炊くとの事だった。
しめじ意外の炊き込みご飯も、同じように前以て鍋で煮て汁にして、それを使って炊き込むとの事。
やはり、この炊き方は、伝統的に受け継がれている美味しい炊き方のようだった。
実際、本当に美味しいので、是非とも試してみてください。
はい、以上、報告まで。

さてさて、ここからが本題、

「みろくの世」では、人類が菜食になる!
と言われた岡田茂吉師の未来予言の言葉は、真実の事で、実際にそうなると私は思っています。
と言うのは、人類の未来は菜食になる!と予言や予想している人達が、他にも、多数いるからです。
例えば、最近になって多くの秘蔵情報が開示(ヂスクロージャー)されているスピリチュアルの分野では、多くの伝達者達(高次元や神霊や宇宙人的存在からのメッセージを伝える人達の事)が、「近未来には人類は動物食から植物食に変わる」とメッセージを告げている(ユーチューブ等で)。
以上のような宗教的スピリチュアル的な分野とは全く関係のない分野においても、学者や識者によって、地球的環境問題の観点や持続可能な社会と言う観点からも、人類は肉食を止めて菜食にすべき!と言う食糧問題解決のための現実的な方法として今後提唱する人達が出て来ると思う。
そうした新しい流れの中でも、今回、特に私が賛同し協力して世界に広げたいのが、ヨーロッパにおける動物福祉の思想とその運動だ。
動物福祉と言えば、一般の人達は身近かな問題としては、ネコやイヌなどのペット動物の愛護や保護問題を思い浮かべるだろう。
しかし私が問題にしたいのは、畜産業における大量飼育の現場においての動物福祉思想の有無だ。
動物を卵や肉を生産する機会のような製造機と見るか、それとも家庭で一緒に住んでいるペットと同じ感情や愛情を感じる生き物と見るかで、その対応に大きな違いが出てくる。
例えば、日本では鶏のほとんどがケージと呼ばれる金網の囲いの中で飼われ、ケージは何段にも積み重ねられて倉庫のような建物の中に、数万羽が集団で飼われている。
ところが、動物福祉のヨーロッパでは鶏の多くは放し飼いで大地の上で日光浴できる飼い方がほとんどだ。
市販の卵には、飼い方の表示義務があるので、そう言う飼い方でないとヨーロッパでは売れないようだ。
(ちょっと前に日本の農林水産大臣が突然辞職したが、それは日本のゲージ飼いを国会で問題にしないように業界から頼まれ賄賂を受け取ったのが理由だった)
また、昨年末だったか、岐阜県の養鶏場で二百数派の鶏が突然死んだ。
検査した結果、トリインフルエンザと判明し、一緒に飼われていた五万羽の鶏が処分されると言うニユースが流れた。
驚いたのは、その数字だ、五万羽の元気な鶏が、一度に処分される。
よく鶏や豚や牛の場合、処分とか、立処分とか呼ぶ分かりにくい言葉でマスコミ関係では胡麻化されるが、要は集団虐殺の事である。
原因は、狭い場所での無理な大量飼育の結果起こる事である。
私は千羽ほどの鶏を雛から育てた経験がある。
産まれたての雛達の目の綺麗な事や鳩ほどの大きさに育った頃、夕方止まり木にお尻を並べて止まっている姿のかわいらしさ等、ペットのネコやイヌと同じように愛着が湧いたものだ。
そんな鶏を5万羽も殺すなんて、ちょっと考えられない。
日本の近年の畜産業界の生き物を生き物と見なさない非道徳的な大量飼育方法は中国やアジア諸国にも広がってしまい、どんどん増えている。
これを止めなければならないと、私は思っている。
なので、動物福祉の思想をもっとヨーロッパから学ぶべきだと思う。

・・ちょっと疲れたので、まだ途中だが中断・・

(つづく)

いよいよ、さくら開花! 春の風

2024-03-27 21:41:45 | 俳句日記の部屋

早さくら 日に日に春や 京の町  湧水

太閤が 移したごとく 京さくら  湧水

鳳凰が 枝垂れ舞い降る さくらかな  湧水

年一度 鳳凰舞い降り 京さくら  湧水

枯死京を 生きかえらせて 花さくら  湧水

列島が 白く染まりて 花さくら  湧水

名残り雪 淡く優しく 温かく  湧水

汽車を待ち 土手に立てば つくしかな  湧水

いつまでも 堅き葉先の チューリップ  湧水

無季 山頂の巨岩

巨岩を 神が高山に 上げしかな  湧水 古代人

岩残し 大地削りて 山と為す  湧水 億万の時が造山

川柳

春眠や 爺の甘き 白昼夢  

古民家の 暇爺春の ハーレム夢  

独居爺には ハーレムと思う ホームかな  

春眠や 爺さんニタニタ 何の夢?  はー極楽、極楽!

通過後の いと素っ気なき 踏み切りかな  誰かさんみたい?

(おしまい)

連載小説「幸福の木」 397話 いかがわしい夜の集まり?

2024-03-26 15:06:03 | 小説の部屋

ハイハイハイハーイ、おまたせ、飛騨の小路 小湧水でーす、まだまだ春の遠い今年です、大谷さくらにも冷たい雪雨みたいです、ウチの先生は料理に夢中で、気候に無関心です。はい、かなり遅れてですが原稿が来ましたので、小説に参ります、はい、では開幕開幕!

397 いかがわしい夜の集まり?

「何じゃ、これからがいい所なんじゃ、それなのに邪魔しおって、いったい何じゃ?」
修験者は怒りながら、vrのゴーグルとヘッドホーンを外した。
すると太郎とタタロは、慌ててそれ等を自分達の頭に装着した。
エアロビクスのお姉ちゃんに急かされているので気が気でなく修験者の事など頭に無かった。
ハナとハナナも大慌てで手伝って、太郎やタタロの体の関節にセンサーバンドを付けた。
「さあ早く早く、こっちへ来て!・・発明兄ちゃん、早くスマホを準備してあげて」
案の定、エアロビクスのお姉ちゃんのシビレを切らしたような声が飛んできた。
目の前が真っ暗な太郎とタタロは、ハナとハナナの手に引かれてエアロビクスの先生の所へ急いだ。
「何じゃ、ワシの事など無視しやがって!」
太郎達の後ろ姿を、修験者がはらを立てながらにらんでいたが、手と足にはまだあの分厚い手袋と靴下が装着されたままだった。
「まあまあ、修験者さんよ、赦してやってくれ、若い人達は夢中になると、自分達の事しか見えんからのう、しかたないんじゃ」
村長が、そう言いながら、爺達の傍へ寄って来た。が、
「あっ、大事な事を忘れていた、そうじゃった!すぐに大家にメールを送らなっきゃ」
と言って、小さなケイタイのようなスマホをポケットから取り出した。
「えっ、村長、大家にメイルを?なんで?」
長老と修験者が怪訝な顔をして村長に聞いた。
「ああ、そうなのじゃ、大家が急な用事で外へ出たので、こちらの様子をメールで知らせてほしい!と頼まれていたんじゃった、こんな物を渡されてのう」
と村長が、その小さなスマホに向ってしゃべると、言葉が画面の文字になった。
「そうそう、このボタンを押せば、送られるんじゃった・・さーて、ど言う文章を送ろうかな?そうじゃ、一言一言を送ればいいんじゃ、それなら簡単じゃ」
と言って、スマホに向ってゆっくりとしゃべり始めた。
「10時 報告 女神 裸踊り 修験者 vr 中断」
何とか短い文ができると、ようやく送るボタンを押した。
無事に送られた音がしたので、やれやれと安心した。
そして、少し休憩すると、太郎やタタロの姿をチラチラ見ながら、次のメールを作った。
「太郎 タタロ エアロビクス姉ちゃん 団子踊り 開始」
「さあ、また送りボタンを押して・・」
とメールを送ろうとすると、長老が慌てて止めた。
「ちょっと待った待った!村長さんよ、この団子踊りって、タンゴ踊りの間違いじゃろう」
と慌てて指摘したが、村長はいっこうに平気な様子で、そのまま送信ボタンを押してしまった。
「おお、よく見れば、ほんとじゃ、ハッハッハー、ワシの声がナマッているのかのう?ハッハッハー、まあ心配ない、大家だったら分かるじゃろう」
しかし長老は心配になって真剣な顔で告げた。
「いやいや、村長さん、それはちょっとまずいですよ。メールには裸踊りもあるし、ここには飛騨古川の太鼓の裸祭もあるし、本当に団子踊りがあると思うかも知れんですよ。やっぱり訂正しておいた方が良いですよ。ついでに裸踊りの事も」
すると修験者も何か言い出した。
「そうそう、念のために訂正した方が良いかもな、最近は、昔からの有名なフンドシひとつの男の裸踊りも、女の人が参加できるようになったり、裸の男達の相撲でも女性相撲もできたし、裸って言葉もまぎらわしくなってきた。
他の言葉ではっきり言った方が良いかもな」
すると、村長も、それに納得して、追加のメールを送った。
「訂正 団子踊りは タンゴ踊り 裸踊りは ストリップ」

さてさて、一方、そのメール先の大家さんはと言えば、古民家の自宅にいた。
「いやいやおまたせ!遅れてすまん、すまん、今夜は十字長屋の大広間が使用中なので、こんな我が家での集まりになってしまって申し訳ない」
と数人の村の消防団の人達に詫びを入れた。
「それで、その代わりに高級な酒を持ってきたので、これで勘弁してもらいたい。さあ、飲んだ飲んだ!、地元の酒もいっぱいあるからな」
とワインとウイスキーの飲みかけのボトルを皆のコップに注いだ。
若い青年達は、互いに顔を見合わせていたが、早速、飲み始めた。
その時、玄関に来客の音がした。
「えーっ?こんな遅い時間に誰だろう、はーい、今参りますよー」
大家はそう言うと、スマホを畳の上に置いたまま玄関へ急いだ。
来客とは、村の警察官だった。
要件は、警察に通報があって、何でも十字長屋で何かいかがわしい踊りが行われているようなので、ちゃんと調べてほしいとの電話だったと言う。
それを聞いて驚いた大家は、大声で反論した。
「へえーっ、それはとんでもない誤解です。今夜は婚約発表の祝宴をやっていて、その余興です、いかがわしい事など決してしてませんよ。全くの誤解です。そうそう、その証拠に村の村長さんも同席しているんですよ。いったい誰が、そんなデマを言ってるんですか?」
大家さんが懸命に誤解を解こうと言い訳をしていると、置き忘れてきたスマホの着信音が聞こえてきた。
ようやく無事に誤解も解けて、やれやれと大家は安堵した。
そして、機嫌も良くなって、どうぞ今夜は一緒に飲みましょう!と、警察官を誘って、二人で部屋にもどった。
すると、消防団の皆が、大家のスマホの画面を静かに覗き込んでいた。
「なに、なに、何だって?」
画面には村長が送ったメールが映っていた。

「10時 報告 女神 裸踊り 修験者 vr 中断」
「太郎 タタロ エアロビクス姉ちゃん 団子踊り 開始」
「訂正 団子踊りは タンゴ踊り 裸踊りは ストリップ」

「えーっ、ストリップだって!本当かい?」
声に出した青年達が驚嘆した。

さて、話は少し時間を遡って十字長屋の大広間にもどる。
太郎とタタロはvr装置とセンサーバンドを装着して、エアロビクスのお姉ちゃんと同じようにスクリーンの映画の世界に入った。
スクリーンには、華麗な衣装のエアロビクスの先生とカッコ良い姿の太郎とタタロの姿が現れた。
エアロビクスの先生は、初めは太郎とタンゴをプロのように上手く踊り初め、途中からはタタロと踊り出した。
二人の男性の間を蝶々のように行ったり来たりして優雅に踊っていた。
その内に、タンゴの演奏のテンポが早くなると同時に、三人の踊りもより活発になって行った。
そして、最後にはとうとうアクロバット的になってしまった。
まるでサーカスの空中ブランコのように、彼女が空中をくるくる回りながら太郎からタタロへとまた、タタロから太郎へと舞い飛んだ。
その踊りは鮮やかで且つ見事で、皆は生まれて初めて目にする踊りだった。
スクリーンを見ていた皆は、唖然として魅せられ釘付けになっていた。
「おお、何と見事な踊りじゃ、まるでこの世の踊りとは想えんのう、あれでタンゴかい?今までに見た事もない踊りじゃ」
村長達も絶賛した。
その時、突然、大広間に異変が起こった。
スクリーンの後ろからドカドカと無遠慮に数人の男達が入ってきたのだ。
先頭は警察官、続いて青年消防団員達、よく見ると、最後に大家がいた。
ハナ達や爺達や観客の皆は突然の無遠慮な来客に驚いた。
まるでヤクザ達の賭博場へ突入する映画の一場面のようだった。
スクリーンを背にして警察官と消防団員達が、目の前の太郎達を見て怒鳴った。
「おお、何じゃ、これは?
ゴーグルとヘルメットを付けて?それに体中にサポートみたいなバンドを付けて?
ひょっとしてレスリングでも始めたのか?それにしても、女性1人と男性二人の三人レスリングとは、初めて見るが、これは新しいレスリングか?」
警察官と消防団員達は途惑った。
「ストリップはどこでやってるんだ?」
「ひょっとしてもう終わったのか?」
そして、何やらもつれ合っているような、男女三人の太郎達に尋ねていた。

(つづく)

菜食の薦め (その 16 ) アフリカの未来は明るい! バターの代わりは?

2024-03-23 15:03:01 | エッセイの部屋

初めに、前回の内容について、誤解のないように追加事項を述べます。
前回のブログで紹介した、キムチ漬と白菜の切り漬は別々ですので誤解のないように!
キムチ漬と白菜の切り漬は、別々のビニール袋に入れて、別々に二つの袋で作るので、くれぐれも両方を一緒に混ぜるなんて誤解しないよう願います。
それともう一点、前回に述べた「しめじ豆菜飯」の炊き込みご飯の第二弾は、まだ試作していませんので、今回の報告がありませんので悪しからず。
ついでに、別の報告があります。
それは、朝食のトーストに付けるバターについてです。
バターに代わる良い方法はないかと考えて、焼いたトーストをノコギリナイフで薄く二枚に切って、中にバナナとキャベツをはさんでサンドにしたと以前報告しました。
が、それも続けていたら、最近は飽きてきた。
そこで、次に考えたのがポテトサラダだ。
ジャガイモと玉ねぎとニンジンで醤油味のポテトサラダを作り、それをトーストにはさんでサンドにした。
それは「肉じゃが」の肉無し版だから、きっと口に合うと思った。
実際、試作してみるとまあまあ慣れた良い味だった。
ところが、今回、それに試験的に、オレンジジャムを混ぜたところ、肉ジャガの和風味が、一瞬にして西洋風味に変わった。
しかも極上の味だ。
一度に何度も試作品を食べられないので、まだ確認中であるが、このオレンジ風味のポテト味はかなり期待できそうだ。
それとは別に、もうひとつ試し始めた事がある。
それはホウバ味噌だ。焼いたホウバ味噌は熱いご飯の上に乗せれば最高に美味い。
バターの代わりに、そのホウバ味噌を食パンに塗ってトースターで焼いたらどうか?と言う事だ。
これはかなりの難問だ、ホウバ味噌が焼ける頃には、パンは焦げてしまう。
それで奇想天外なアイデアを思いついた。
冷凍していた食パンに、スーパーで買ってきたホウバ味噌を塗ってトースターで焼いた。
すると、予想通り、食パンがこんがり焼けた頃、ホウバ味噌も食べごろになった。
食べてみたら、やはり美味しかった。
が、欲を言えば、ホウバ味噌の下に、少々のご飯が欲しくなった、パンは台座みたいなもの。
はい、これも試作が始まったばかり、でもこの方法でも美味しいから、興味ある方は、どうぞ試して!

以上、最新の報告まで。

さて、これからが、本題!

前回では、
「例え、世界の人口が100億人になろうとも、人類が菜食(穀物芋等含む)にすれば、全人口が十分満足に食べていく事ができる」
と述べた。
ところで、その今現在の世界の人口は、80億人を越えて、インドが中国を抜いて世界一位になった。
ちなみに、振り返って見ると1950年は25億人、2000年は60億人、2023年が80億人である。
前回のブログでは、今では古典となった約200年前のマルサスの人口論について、ちょっと触れた。
が、その頃から、マルサスを含めて、未来の世界の人口と食糧問題については、悲観的な見方をする学者が多かったし、今も多いと思う。
私も若い頃から自然農法に取り組んでいたが、やはり人類全体の食糧問題となると、問題が大き過ぎて、そう言う悲観的見方の学者の意見に逆らえなかった。
自然農法だけでは、世界全体を救うのは少々無理だと思った。
その後、私は体調の悪化と視覚障害で現役を離れ、続いて徐々に自然農法からも離れた。
そして何もかも農業から離れて時が経った。
ところが、今年、今になって、突然に希望が湧いてきた。
もしかしたら、菜食を始めて体調が良くなったからかも知れない。
他にも嬉しくなる変化があった。
とにかく、原因は分からないが、前回述べたように、今年になって、ようやく人類の食糧問題や自然農法の未来についての明るい希望の光が見えてきた。
それが、何度も言うが、「みろくの世」の菜食だ。
「みろくの世の菜食とは、私も今まで全く知らなかった事で初めて聞いた言葉だ。
世界メシア教教祖の岡田茂吉師が70年ほど前に述べたと言う。
そんな事も知らずに、私は、かつて養鶏や肉牛の牧場経営に取り組んでいた。
まあ今となっては、過ぎた過去の話はこの程度にとどめ、前に向かって前身あるのみ!
今に生きよう、これからの未来につなげよう!と言う前向きの、
そう、長い厳しい冬を越えてきた春の芽吹きのような新たな気持ちになって取り組もう!だ。

元々、自然農法の基本的な考え方は「地産地消」と言う考え方である。
それは、その土地に住む人達が食べる農産物は、その土地で生産できると言う考え方だ。
なので、アフリカなら、アフリカの土地にアフリカに住む人達の食糧が生産できる。
そのように神がこの世を創られた。
と言うのが、根底的な考え方だ。
なので、そのような結果が出ないのは、人間側に誤った点があるからだ。
たしかにアフリカでは国どうしや部族どうしが鉱山利益や富を求ての争いや戦争で農業ができないケースも起こった。
また、農業分野においても、世界的に人間側の欲望を優先させた誤まった事態も起こっている。
例えば、ハンバーガーやファーストフード等に代表されるアメリカ主導の食事方法のグローバル化によって、その地元の伝統的な野菜や作物が軽視されてきた。
そして、金儲けの養鶏や養豚や肉牛牧場に今までの農地が占有され、そのために起こっている食糧不足である。
もっと具体的に言えば、熱帯地方の暑さや乾燥の強い土地にはキャッサバと言うヤマイモのような木みたいな作物(ブラジルのマンジョッカ)が昔から栽培されてきた。
伝統的にそのイモを粉にしたり、練ったりして主食にしてきた。
これこそが、暑さと乾燥の強いこの土地に住む人達に神が授けた作物なのだ。
なので、これを主の作物にして復活し、他の野菜も加えて菜食にすれば、その土地の人達も生活ができ餓死者など出ない。
もし、「みろくの世」の菜食の考え方が、こうしたアフリカの地にも普及して、多くの人々が実行するようになれば、世界の他の国々に生じた失敗例も食い止められる。
その失敗例とは、儲かるからと、大切な伝統野菜の農地を鶏や豚や牛の牧場に変えた事だ。
その結果は、その周囲の食糧が不足するようになった。
もし菜食が浸透すれば、このような誤まった社会的な流れも食い止められるだろう。


(つづく)