最近、ちょっと嬉しいニュースがあった。
菅総理が、2050年までに日本のco2排出量をゼロにすると宣言した事だ。
ようやくにして日本の旧い体質の政界が、世界の潮流に乗ったと思った。
既に英国、ドイツ、フランスヨーロッパ先進国は2050年のco2ゼロ宣言をしており、世界中の77国もその宣言をしている。
またco2大国の中国も、つい先月に2060年ゼロ宣言をして、ついにわが日本も中国に追い抜かれ、ますます世界の先頭集団の末端から遅れてしまった。
どうした日本、かつての誇りはどこへ行ったのか?
アメリカはトランプ選手になって大会放棄しているが、今度の選挙で選手交代すれば、あっと言う間に先頭集団にもどる。
そんな昨今の世界状況の中で、幸い、今回の新政権の2050カーボンニュートラル宣言は、遅ればせながらも嬉しいニュースだった。
私も以前に温暖化対策の緊急性をブログで述べたが、それは、これで政界が変わらなければ、もう日本の政治には期待できない!と言う最後通告のつもりだった。(文末に前回の提案を再掲載します、参照資料(1))
それが、今回のカーボンニュートラル宣言となって実現したので、ホッとしている。
今回の日本の宣言に続いて、早速韓国も宣言した。(まだ、アメリカやインドやロシア等が残っているが、いづれそうなると思う)
これで、世界の温暖化防止のためのエネルギー政策の本格的なパラダイムシフトが加速されると思う。
具体案はこれからであるが、未知の新技術開発など新しい産業も生まれてくると言う、未来への希望も湧いて来る。
これこそが、前政権の「第三の矢」だと思う。
これからの具体案では、間違っても原発再稼働などと言う旧政策に後退しないように見守りたいと思う。
ついでに、福島原発のトリチウム汚染水対策については、私が以前に提案した、貯水池案を是非とも参考にしてほしいと思う。
現在、私が一番良いと思う最終案は、
近くに120万トンほどの池を造り、さらにトリチウム半減期の12年貯蔵する。
そして、12年後に海水で世界各国の排水基準値以下に薄めて海へ放出すると言う案である。
この案ならば、近辺海外諸国の理解が得られると思う。
以前に提案した案も、ついでに再掲載します。参照資料(2))
(以上)
参照資料(1)
脱炭素と水素社会へ! 変われ日本!
先日、日本の経産省が非効率な石炭発電所100基を停止すると発表した。
「いよいよ日本も、ようやくエネルギー政策を転換して脱炭素社会に舵を切ったか?
そして、世界からの不名誉な「化石賞」の汚名を返上する事になったか!」
と喜んだのも束の間、大きな勘ちがいだった。
詳しく見ると、石炭発電に頼る従来からの政府の方針はほとんど変わっていなかった。
100基廃止!と言う誇大宣伝文句に期待しただけに、非常に残念だった。
今、世界や日本の状況を観察すると、前にも紹介した、
「コロナウイルスからの人類への手紙」
の指摘が当たっているとしみじみ感じる。
今や中国やインド等々が加わった世界中の国々の、かつてないco2の大量排出に伴う地球の温暖化によって引き起こされる気候変動が加速している。
そのため日本でも、今回の線状降水帯のような今までにない豪雨災害を始め、超巨大台風、高潮など海面上昇被害が続いて起こり、それ等が年々加速している。
さらに見渡せば、その影響は地球全域に広がり、南極や北極の氷山、ヒマラヤの氷河、シベリア凍土の溶解も、今年から著しく加速し始めたようだ。
また、今回のコロナ渦が起こる前は、オーストラリア、アメリカ、ブラジルでかつて無い地球規模の大規模な森林火災が起こり、その国々では消化などできなかった。
文字通り、地球が悲鳴をあげている!
またプラスチックゴミによる海洋汚染では、クジラ、亀などの多くの海の生き物が今も死んでいる。
今、誰が、こんな地球環境や生態系を無視した文明を止められるのか?
豊かさの名のもとに、金や欲望を煽り、経済優先、便利さ優先の人間中心の、このタガが外れ行き過ぎた文明を、いったい誰が止められるのか?
だから、とうとう天が大自然が、これを止めようと知らせようと改めさせようと、今回のコロナを広げさせたのではないか?
その起源が数千年前に遡る人類の現在の文明は、1700年代半ばに興った産業革命以後、石炭を初め石油等化石燃料を大量に燃やし始めた。
それ等は、地球の大自然が数億年と言う長い時をかけて空気中の炭酸ガスを地中に埋め固めたものである。
それをこの文明は、わずか300年足らずの間に、大量に掘り出し燃やし続けた。
そして、さらに今もその量が増え続けている。
現在の地球の温暖化と気候変動は、そのために起こるのは明らかである。
このまま現状のまま続くはずはない。
いつか止まらざるを得ない事態が起こるのも、明らかである。
人類は、もし存続しようと願うならば、化石燃料使用は停止して、降り注ぐ太陽光のエネルギーの利用の文明に切り換えなければならない。
それは、石炭や石油や天然ガス使用を止めて、太陽光やそれに起因する風力や雨水力森林などの再生可能エネルギーに切り換えなければならなくなると言う事だ。
私達の子孫や人類の将来を考慮すれば、誰かがその事に着手しなければならない。
その意味に於いては、今回の日本の経産省の発表は、情けないくらい画期性がない。
日本には現在140基ほどの石炭発電所があり、その内117基が旧式で効率が悪いと言われる。
今回、政府はその効率の悪い小さな発電所を100基ほど廃止すると言うもので、その代わりに新たな大型石炭発電所を新設し、相変わらず国内需要の3割りほどを発電する体制は変えないのである。
石炭発電所を全廃すると言うヨーロッパ諸国に比べ、一周遅れの感があり、化石賞をまた三度も贈られそうで、日本人として恥ずかしいかぎりである。
この歴史的な人類的な課題に対して、現在の日本では、期待すべき政治家は、ほとんどが「寄らば大樹の陰」で黙っているか、むしろその逆の経済重視の加害者にこそなれ、全く便りにならない。
為せば成る!
原発事故や災害に学んだ我々、地震国日本は、危険な原発や炭酸ガス大量排出の石炭発電を止めて、今後は自然エネルギーを主にすべきである。
そこで為すべき事は、新しい技術の開発を急ぐ事である。
化石燃料に代わって、自然エネルギーを効率良く利用できる新しい技術である。
以前から私は太陽光発電で水を電気分解して、生産した水素ガスと酸素ガスを液化して電機や燃料として利用すれば良いと唱えてている。
液体水素と液体酸素は将来のロケットの燃料にもなる。
また現在のジェット機に代わる未来の飛行機の燃料に利用すれば、成層圏も飛行できるエコな飛行機となる。
水素ガスは、周知のように、燃料電池の燃料として発電でき車や家庭用電源にもなる。
またプロパンガスのように家庭用燃料にも使用できる。
現在は、日本では電力が余った時、太陽光や風力によって発電された電力が捨てられている。(このため民間の太陽光発電や風力発電会社が潰れた)
それは国が規定で、原発や火力発電所の電力を優先して送電線に流す事ができる仕組みになっているからである。(今回の経産省の発表では、この事を見直すと言及していたが、果たして?)
このように捨てられている余剰電力は、水素ガス生産を始めれば捨てる事なく百%利用できる。
日本の水素ガス生産が盛んになれば、それは輸入している石油や天然ガスの代わりに火力発電所でも燃料として利用できる。
これは、太陽光や風力の発電が少ない時の補助的な発電所ともなり得る。
また水素生産は、海外と協力して大量生産が可能で、天然ガスや原油のように運ぶ事ができる。
例えば、中東やオーストラリアの広大な砂漠に共同投資して、太陽光発電で生産した水素ガスを液化して船で日本へ運送する事もできる。
また現在の高圧で液化する方法でなく、新しい低圧の液化方法も見つかるかも知れない。
そうすれば現在のタンカーやタンク車やポリタンクも使用できる。
日本は、今後こうした未来の水素社会実現のための新しい基礎技術開発を、世界に先駆けて国全体で力強く進めるべきであると思う。
そして、世界の脱炭素化の取り組みに於いて一周遅れと言われる不名誉な日本を、トップランナーの地位にまで押し上げるべきである。
日本には、そのための十分な技術力と資金力もある。
無いのは、そうした先見性を持った政治家やリーダーである。
つい最近、神戸大学の光化学の立川研究チームが安価な酸化鉄を使用して画期的な光触媒を発明したとのニュースがあった。
それは、酸化鉄の赤さびの結晶を使って、水を水素と酸素に分解する世界最高性能の光触媒を作る事に成功したとの事だった。
従来のものに比べ10倍の性能があり、将来太陽光を当てれば、低コストで水素が生産できると言う素晴らしい発明だ。
また、旭化成は、既に電力を利用して、アルカリ水の電気分解で水素ガスを製造に着手しており、euのドイツでも共同開発を進めていると言う。
今年の3月に、日本の福島県で水素ガス製造施設を立ち上げた。
それは、再生可能エネルギーを使用した世界最大級の水素製造施設だと言う。
そして、隣接する太陽光発電(20MW)と系統からの電力を使用して、10MWの水電解システムによって、年間最大900トンほどの水素を製造し、貯蔵や供給もすることができると言う。
まだ田舎の私が知らないだけで、他にも素晴らしい技術が有りそうだ。
このように日本にはまだ多くの未来の水素社会を目指した様々な新技術開発の潜在能力が眠っている。
なので、それ等を発掘し、国中のあらゆる企業が「水素社会実現」と言う壮大な夢の元に協力し合えるような統合体制を国の主導で図って、一日でも早く日本から水素社会と脱炭素を実現してほしいと思う。
以上、「コロナ渦に思うこと」より
(おわり)
参照資料(2)
原発汚染水対策(その 4 ) トリチウムの半減期は12年! 逆ピラミッド貯蔵池
前回大切な事を書き忘れていた。
それは、問題になっているトリチウムの半減期は12年だと言う事だ。
この半減期は、原発から出る放射性物質の中では比較的短いものだ。
例えば、セシウム137は約30年、ストロンチウム90は約29年なので、それに比べれば短い方である。
(ちなみにプルトニウム239は2万4千年、ウラン235は7億年、ウラン238は45億年と言われる)
トリチウムの半減期が12年と言う事は、12年経てば放射能は1/にに半減し、24年経てば1/4に減り、36年経てば1/8に減少すると言う事だ。
先日たまたまnhkテレビの「サイエンスゼロ」を見ていたら、福島原発の汚染水問題を取り上げていた。
その中で、現場では処理後の汚染水のトリチウムの放射能を測定していた。
その値は1リットル当たり95万ベクレルで、海に流してもよいと言う国の基準値の16倍だと言う。
これが、6万ベクレル以下ならば海に流せるそうだ。
ああ、これだ!と思った。
もし、現在16倍の放射能の汚染水を12年貯めておけば半減して8倍に減り、24年蓄えればさらに半減して4倍になり、36年後には2倍の量に減る。
2倍の汚染水ならば同量の水で薄めて海に流す事ができる訳だ。
つまり、36年貯蔵しておいてから海に流す、と言う事である。
ここまで努力すれば国内外からも理解が得られ地元で心配されている風評被害も起こらないと思う。
この解決方法が今のところベストだと思う。
この実現のために、それほどコストのかからない前回に提案した逆ピラミッド貯蔵池を検討してみたらいいと思うが、いかが?
(つづく)
原発汚染水対策(その 3 ) 逆ピラミッド貯蔵池?
福島第一原発の汚染水が、現在、海に捨てる方向に進んでいるようだ。
地元の漁業者や住民の強い反対は少数なので押し切られても、前回にも述べたように韓国や世界の環境団体の反対が起こると思う。
「他に方法が無いから仕方ない、皆そうしている!」と言う事だろうが、量が多く日本としても恥ずかしい事だと思う。
このまま何もせず薄めて捨てるより、さらに貯蔵を続けて、その間に日本中の知恵を集めて真の解決策を模索したらどうだろう?
この努力は、今後の世界の原発の廃炉や突発事故の処理のノウハウとして役立つと思う。
さて、そのための方法として、
まず、最も緊急課題の毎日増え続ける汚染水タンクについて述べる。
1、もう敷地は貯蔵タンクでいっぱいなので、近くに巨大な池を造ってそこへ移したらどうだろう?
その案として、縦と横100mほどの地面を掘って、ピラミッドを逆さにしたような貯水池を造る。
これはブルドーザーやダンプカーやショベルの重機があればできる。(もちろん、出た土は周囲に盛り上げるので池の深さが増える)
経費は燃料とまんなわーだけだから、日にちさえかけて急がなければタンク設置ほどのコストがかからないと思う。
掘り終わったら、丈夫なシーとを広く張り合わせて水が漏れないように底部全面に敷く。(掘る時に粘土が出れば、池の底部広くに敷き詰めれば理想的である)
2、この貯水池にタンクの汚水水をポンプでどんどん移動させる。
貯水池の深さは、土質にもよるが50mほどあれば30万トンは蓄えられる。
池が満杯になったら、表面全面を丈夫なシートで覆う。
近年の豪雨はシートの上に貯めて、後日にポンプで排水する。
この方法ならば、豪雨も入る事なく、台風の風や地震にも耐えられる。
この逆ピラミッド貯水池を順番に4池ほど造っていけば、120万トンの汚染水を貯蔵できる事になる。
120万トンと言えば、現在敷地内の1000基ほどのタンクに溜っている汚染水の総量に相当する。
3、この新しい逆ピラミッド貯蔵池に汚染水を貯め続けている間に、真の解決策を見い出す。
これは、今までにない新しい発想が必要だと思う。
4、放射性物質の有効利用
この先は、まだ思案中なので、中途の案である。
(つづく)