飛騨さるぼぼ湧水

飛騨の山奥から発信しています。少々目が悪い山猿かな?

節分と立春がまもなく  寒ざらし!

2024-01-31 14:40:57 | 俳句日記の部屋
節分と立春がまもなく  寒ざらし!

鮮やかに 春は色々 寒ざらし  湧水

喜びが 心から湧く 立春かな  湧水

心の奥 喜び沸きし 節分かな  湧水

起きし床 春の句を聞く 節分前  湧水

布団の中 春句楽しむ 立春前  湧水

わが喜び 周りを春に 変えてゆき  湧水

朝寒も 喜びに変わる 立春前  湧水

球根にも 春を告げたし 節分近し  湧水

春の句を いっぱい聞きて 春迎え  湧水

ストーブに 別れ告げつつ 手を当てる  湧水

凍え指 暖めて遅き 朝拝かな  湧水

わが古民家 朝陽さすまでの 辛抱かな  湧水

立春を 告げたき野道の ふきのとう  湧水

鉢や畑の 球根に告げむ 春が来し  湧水

どこか野に 出(いで)しふきのとう 春浅き  湧水

野草木に 声で告げたき 春近き  湧水

立春や 野山に顔出す 春見つけむ  

わが心は 春日春風 寒雨道  湧水

肌着のまま 慌てて出でむ つくしかな  湧水

寒波去り 昼陽の散歩 「早春賦」  湧水

首出して 食べるおでんや 喪服人  湧水

春畑を 踏めばわが身の 重さかな  湧水

(おしまい)

連載小説「幸福の木」 379話 なぜかスペインデー?

2024-01-28 11:36:47 | 小説の部屋

ハイハイハイハーイ、おまたせ、飛騨の小路 小湧水でーす、寒い日が続いてまーす、早く春よ来い!とぼやいているウチの先生からの原稿が届きましたので、小説に参ります、はい、では、開幕開幕!

379 なぜかスペインデー?

水族館のお姉ちゃんの推理の話が続いた。
「で、現在の状況はと言えば、
あのエアロビクスのお姉ちゃんは彼に振られたので、腹いせに、恋にウブナ太郎とタタロをもてあそんで憂さ晴らしをしているようなものだと思います。
まあ、二人が喜んで従っているのでしょうから、それほど害はないので、・・ふられた相手の婚約祝いを盛り上げる余興に出るなんて、むしろ懐の大きな行為としては褒めるべきでしょうが・・」
としょうがない!とでも言うように苦笑いした。
すると、説明を聞いていたママさんが、
「で、彼女と太郎達がする余興って、いったい何なの?・・あんた聞いているの?」
と水族館のお姉ちゃんに聞き直した。
「いえ、私は直接聞いたんじゃないけど、ちょっと内緒で練習を覗いた感じでは、何かダンスや踊りみたいでした」
「えっ、ダンス?・・ダンス?でも三人でしょ?どう言うダンスなの?」
「そう、どう言うダンスかしら、私には分からないわ・・」
その時、突然人影と男の声が現れた。
「それはタンゴじゃ、アルゼンチンタンゴだよ」
「あっ、大家さん」
ママさんが思わず叫ぶと、水族館のお姉さんも、
「あら、大家さん、何か久しぶり、今までどこへ行ってたんですか?」
と嬉しそうに尋ねた。
大家さんは少しはにかみながら、
「いや、私は大家だよ、あっちの長屋の事もあるし、自分の家の事もあるし、いろいろ忙しいんだ、この長屋だけにかかっていられないんだよ」
とちょっと偉そうに答えた。
「へえーっ、そうなの?私はてっきりあの高級ワインとウイスキーを太郎に取られたのでショックで自宅で寝込んでいるのかと思ってたわ、良かった元気そうで」
と水族館のお姉ちゃんは馴れ馴れしく大家の背中を叩いた。
「やめてくれ、私はそんな懐の小さい男ではないわい、そんな事はもうさっぱり忘れたわい」
といかにも迷惑そうな顔をした。
「あのワインとウイスキー、まだ有るわよ、今夜飲むんだって、婚約祝いに」
水族館のお姉ちゃんがいたずら子供のような目で、そう告げると、大家さんの偉そうだった顔が、急に変わった。
「そんな事よりも、ダンスの事よ」
ママさんが、隙を見て話題を変えた。
「えっ、何?さっきタンゴって言ってたわね?太郎とタタロ達が踊るのはタンゴなの?それ、本当なの?」
ママさんが完全に疑いの表情で言った。
「あのさ、私は大家だよ、責任者だよ、世話人達がバスで夕方頃到着するって連絡があったんで、それを皆に伝えに来たんだ。ついでにお土産も買ってくるので皆も夕食を楽しみにしていてねと言う伝言もだ」
と、ママさんの疑いに憤然とした様子だった。
「で、そしたら、世話人宅の一室で、エアロビクスの先生と太郎とタタロたち三人が余興の練習をしていて、私にもマイクやcdの事を手伝ってほしいと頼まれたんだ」
するとママさんがうなづきながら、
「ああ、それで詳しく知ってるんだ、分かったわ」
と納得した。
「でもタンゴって男女二人で踊るんでしょ?」
水族館のお姉ちゃんが突っ込んできた。
すると大家さんが、
「それが、何でも男性側が1人じゃ頼りなくて無理なので二人で踊るらしい」
「えーっ、男性が二人?えーっどうやって?・・まさか人形浄瑠璃みたいに?ハハハハ」
水族館のお姉さんが笑いだすと、
「ホホホホ、ほらっ、二人羽織って言うのがあるんじゃない?ホホホホ」
と ママさんも笑い転げた。
それを大家さんが恥じたように、
「ああ、どうやってなんて私には分からん、何でも始めはフラメンコを踊るらしい、タンゴはその後だと言ってた」
と不機嫌そうに答えた。
すると水族館のお姉ちゃんが、
「えっ、フラメンコ?あのスペインのフラメンコ?それなら分かるわ」
とニヤリと笑って、
「そうよ、きっと彼女が1人でオペラのカルメンのように踊るのよ。もちろん太郎やタタロを恋の奴隷のように従わせて、歌やギターを弾かせるのよ。そう、彼女が得意になってやりそうな舞台だわ」
ママさんと水族館のお姉ちゃん達は、そんな話が盛り上がって腑に落ちた。
やがて、夕方になると、一台の旧式の新しそうなバスが到着した。
そして、世話人夫婦達がお土産を重そうに持ってゾロゾロと降りた。
出口で大家さん達が出迎えていると、
「ただいま、帰りました。はい、これは大家さん達の分、特大サイズよ」
と大きなおもそうな丸い土産を手渡した。
「何だ、まるで縄文土器じゃ、けっこう重いな?」
大家さん達が怪訝な顔になった。
「ぱ、え、り、あ、よ、この中身はパエリアよ、スペイン料理のパエリアの出来立てを鍋ごと持ってきたのよ」
「まだ温かいわ、土鍋のようにガスレンジで暖め直してもいいけど、これで十人分はあるわよ」
「お粥やオジヤとは違うからね、スペイン料理よ」
と世話人達が笑い合った。
お土産って何だろうと興味深々で見ていた水族館のお姉ちゃんが、驚いて大声を上げた。
「ママさん、これって、もしかしたら「引き寄せの法則」じゃない?フラメンコがパエリアを引き寄せたのよ、間違いないわ!」
すると爺達も目を丸くして、面白がり始めた。
「おお、引き寄せかい、面白い、・・こりゃ、そうなると今夜はまちがいなくスペイン祭りじゃな、はっはっはー、ところでスペインの酒って何じゃ?やはり闘牛とビールかい?」
昼酒の赤ら顔の爺達の笑い声が、長屋中に響いた。
夕方、三軒長屋の皆はそれぞれの家で、帰宅した世話人夫婦達と共に夕食をした。
もちろんハナ達ボランチアの人達もお土産のパエリア料理をごちそうになった。
大広間の一郭では、爺達や村長や木花咲姫達が、大家さんと一緒にパエリアの鍋を囲んでいた。
今夜はお祝い事があるそうよ」
と言う伝言が長屋中に伝わり、夕食が終わると、皆がゾロゾロと大広間に集まり始めた。
大広間は一変していて、中央に大きなグランドピアノと仮説の板の間が置いてあった。
そのグランドピアノには長い黒髪の美しい女性がいて、軽やかに鍵盤に白い指を走らせていた。
演奏されている曲があまりにも美しくてエレガントだったので、大勢が集まって来ても皆は静かだった。
「わー、なんてロマンチックな曲なの!」
ハナナとハナが思わず声を上げた。
「あっ、あれは星空のピアニストと言う曲よ、リチャードクレイダーマンの曲よ、私の一番好きなピアノ曲よ」
水族館の姉ちゃんも、思わず蘊蓄が出た。
「ああ、ほんと、ロマンチックなピアノ曲ね」
ママさんもうっとりしていた。
「でもさ、あれは誰なの?妹さんとは違うわ、私の一番好きな曲を弾いているなんて、誰かしら?」
水族館のお姉ちゃんが探るように長い黒髪の女性を凝視した。
「あれっ・・あれって」
急に声のトーンが変わった。
「あれって彼女よ・・まちがいないわ!」
と低い声に変わって驚いていた。
「いやいや、びっくり!驚いたわ、あれはエアロビクスの彼女よ、彼女って、いったいカ
ツラをいくつ持っているのかしら?」
皆も、その変貌ぶりに驚いていた。
やがて大家さんが大広間の前方に立っと、ピアノ曲も終わった。
「皆さんこんばんわ、大家です、今宵はお祝いのためにお集まりいただきましてありがとうございます。
今まで美しいピアノを弾いてくださったのは、エアロビクスの先生でした。お礼の拍手をいたしましょう」
「パチパチパチパチ!」
「さて、今宵のお祝いの前に、もうひとつ、皆さんに素敵な贈り物があります。
それは本格的なクラシックピアノコンサートです。
もちろん音は本物のオーケストラの音です。
曲は有名なチャイコフスキーのピアノコンチェルトです。この曲はピアノとオーケストラの合同の演奏曲となります」
「・???・・・」
大広間に沈黙の空気が流れた。
「オーケストラだって?いったいどう言う事?何言ってるの?」
サウンド オブ サイレンスだった つまり、沈黙が奏でる音?
「はい、皆さん、納得がいかないと言う顔つきでございますが、はい、このグランドピアノをピアニストの妹さんが弾きます。オーケストラは発明兄さんが担当いたします、はい」
「はい、また納得がいかないと言う顔つきでございますが、はい、発明兄ちゃんは昔のベルリンフィルハーモニーの評判の高かったカラヤン指揮の音源を大切に持っています。
彼はその音源からピアノ音だけを消して、オーケストラだけの音をスピーカーから流します。
そうすると、妹さんとベルリンフィルハーモニーとの合奏曲となります。
これは、時空を超えた、日本で、いや、世界で初めての試みとなります。
はい、では、早速、クラシックピアノリサイタルの開幕です。
皆さん、盛大な拍手で二人をお迎えいたしましょう!」
「パチパチパチパチ!」
ピアニストの妹さんと発明兄ちゃんが並んで前に立つと、さらに盛大な拍手が沸いた。
やがて大広間の灯りが消され真っ暗になった。
そこにひとつのライトがグランドピアノとピアニストの妹さんを照らした。
突然、大きなスクリーンが出現し、そこにはベルリンフィルハーモニーのオーケストラが映されていた。
そして、大音響と共に演奏が始まった。
皆は生のピアノの音とスピーカーからのオーケストラの演奏の迫力に圧倒された。
しかし、子供達もいるため、演奏は二十分ほどに短縮され、子供達が飽きる前に終了した。「皆さん、いかがでしたか?今宵のクラシックピアノリサイタルは?
はい、では改めてご紹介させてい

明るく楽しく面白く! 楽しい事を引き寄せよう!

2024-01-24 15:05:57 | エッセイの部屋

喜べば喜びが来たる!

これは、宗教家の出口王仁三郎師や岡田茂吉師の有名な言葉である。

この言葉は、よくよく見れば、「喜べば」が先で条件である。
そう、元々喜び事があって喜んだ訳ではない。
つまり、何も喜ぶ事がない時でも、まず先に喜べば、その後に喜び事が来ると言う至言である。
今、世の中は震災や積雪、物価上昇政治家の腐敗、海外の戦争や争い等で満ちている。
世のニュースや情報が伝えるのは、悩ましい事ばかりで、喜ぶどころか悲しむ事ばかりだ。
だったら、冒頭のように、喜べば、喜びが来たる!と言うのは本当だろうか?
高名な偉い方々が言われているのだから、一度、ダメモトで本当かどうか?試しに実行してみようと思った。
喜べば喜びが来たる!と言う、この内容は、最近は様々な言葉で言われている。
例えば、スピリチュアル的な表現で言えば、「思考が先、現実は後!」と言う表現になる。
最初に、「喜べば」、つまり喜ぶと言う思考を先に行う。
そうすると、「喜びが来たる」と言う現実が後になって追い駆けてくると言う事である。
他にも宗教的には、霊が主で体が従と言う「霊主体従」も同様である。
さて、喜び事でなく、その反対の事について述べる。
心配事ばかりを真剣に考えて毎日を過ごしていると、その心配事が現実化する事があるとスピリチュアルの世界ではよく言われる。
いわゆる引き寄せの法則と呼ばれるものだ。
喜ぶ等のポジチブ思考は喜び等ポジチブ事を引き寄せ、悲しみ等のネガチブ思考が悲しみ等のネガチブ事を引き寄せると言うものだ。
これは「思考が先、現実が後!」の悪い具体例である。
確かに、心配事ばかりを考えていると、心が暗くなり明るい笑いや希望が無くなる。
そして、ストレスで免疫力も下がる。
このネガチブな暗い不幸な状態をスピリチュアルでは、波動が下がった状態、波動が低い状態と言う。
波動が低い時には波動の低い物を引き寄せ、波動が高い時には波動の高い物を引き寄せると言う。
なので、波動の高い喜び事や幸福を引き寄せるには、まず自分自信が、波動の高い状態にならなければならない。
それが、冒頭で述べた「喜べば」と言う事だと思う。

私事になるが、
私は現在、1人暮らしで遅く起きて、朝は必ず奥の間の神様に向って朝拝を続けている。
その朝拝に、最近になって、新しく次のような言葉を最後に付け加える事にした。

「神様、今日もメシアとして、明るく楽しく面白く一日を過ごさせていただき、御業にお使いいただけますように、お使いいただきましてありがとうございました」

である。
この「明るく楽しく」は以前から考えていた言葉であるが、最近は特に「面白く」が絶対に必要だと思うようになった。
それはいつものお祈りの大半が、最近亡くなった人達や病気で苦しんでいる人達のお祈りばかりなので、つい心が暗くなってしまうからだ。
例えば個人的に楽しい事が起こってウキウキしていても、お祈りの中で亡くなった人達や病気で苦しんでいる人達の事を思うと、せっかくのウキウキ気分も消えてしまう。
お祈りが終わったら、新たな気持ちで元気いっぱいに出発するためには、最後に元気の出る言葉を発しなければ!と思っていたからだ。
(21世紀は言霊(ことたま)と想念の時代)
それで、以前から「明るく」「楽しく」の言葉を考えていたが、最近のイスラエルのガザや能登半島の震災のニュースに接するようになって、今はその加わった暗さにも負けない、もっとより強いポジチブ的な言葉が必要と感じたからだ。
そのポジチブ的な言葉に「面白く」が最適だと思った。
確か、何かの本で、人が面白がる時に出すエネルギーは宇宙遠くまで届き、それを受け取った宇宙意思が、そんなに喜ぶのならもっと応援してやろう!とさらに協力してくれると本に書かれていた事を思い出したからだ。
話は変わるが、以前、東日本大震災の時に、上皇様が、被災地に「心を寄せて苦難を分かち合う」事の大切さを示された。
現在も能登の震災に対して天皇陛下を始め、皆が心を寄せて助け合おうとしている。
心を寄席、苦しみを分かち合う事は人としてとても大切な事で、是非とも実行したい。
しかし、それが心配や心痛になって自分の波動を低くネガチブ的になって体調まで悪くしてしまうと逆効果になってしまう。
なので、心を寄せて苦しみを分かち合ったら、心配を離れてポジチブ的な波動の高い思考にもどる事が大切だと思う。
それには、自分ができる事をせいいっぱい行って、その後は何とかなるさ!と割り切って心配を忘れる事だと思う。
何とかなるさ!と言う思いには、私には漠然と神にお任せする気持ちが宿っている気がする。
私の場合は、はっきりと神様を信仰しているので、
「神様にしっかりお祈りしお願いしたから、後はおまかせだ」と割り切って、心配を忘れる事ができる。
そして、後は「喜べば喜びが来る!」と、できるだけ明るいポジチブ的な事を考えるようにしている。
それに加えて、前述のように、明るい事楽しい事を考えると共に、さらに面白がる事も波動を高める大事な事だと思っている。

ついでに、上記の、
「神様、今日もメシアとして、明るく楽しく面白く一日を過ごさせていただき、御業にお使いいただけますように、お使いいただきましてありがとうございました」

この文の中の、あれっ変だ?と気になる箇所も説明しておく。
この、自分の事を「メシアとして」と表現する理由は、
お祈りの時に、神の子メシアとして新たに生まれさせてください!とお願いして、続いて、「メシアとして新しく生まれさせていただきましてありがとうございました」と近未来の自分を想像してお礼を述べているからだ。
今現在お願いしている自分と、近未来にそれが叶ってメシアとして生まれた自分の二人が時を越えて一体となっていると言う考え方だ。
ちょっと理解しにくい事だが、
今と言う瞬間が、様々な近未来とつながっているから、メシアとして生まれた自分を想像上で思い込めば、そう言う近未来への道筋(タイムライン)につながる事ができると思うからだ。
最後の、「・・ますように、お使いいただきましてありがとうございました」
も「・・ますように」は現在の朝の事で、「お使いいただきましてありがとうございました」は、極近未来の夜の事だ。
これも、上記と同様に、近未来の自分を想像してお礼を言えば、そう言うタイムラインにつながる事ができると言う考え方だ。
今と言う瞬間の自分の思考や行動によって、驚く事に、未来も、場合によっては過去も決める事ができる!と言う、かつてない宇宙の秘密が明らかになるかも知れない。

(つづく)

積雪代わりの雨! 「大寒」の飛騨

2024-01-22 15:05:33 | 俳句日記の部屋

大寒や ここを超えれば 春が見え  湧水

大寒を 迎え最後の 寒波かな  湧水

灯油の 補充のしげき 寒に入り  湧水

「大寒」の 峠うれしき 散歩かな  湧水

被災地に 仮風呂ごとく 寒の晴れ  湧水

寒断食 破る一個の おにぎりかな  湧水

プチ断食 終えてサラダの 美味しさかな  湧水

知らぬ間に 野鳥食べたる ひまわり実  湧水

川柳

おむすびの 一個までがわが 断食かな  断食と絶食は違うかな?

断食が プチからミニへと 変わる土日  体調次第?

断食で 美味しさに気づく おはぎかな  空腹の効果?

断食で なぜか増える? 間食かな  間食は駄目だろう?


連載小説「幸福の木」 378話 意外な結末!

2024-01-20 22:14:58 | 小説の部屋

ハイハイハイハーイ、オマタセ、飛騨ノ小路 小湧水デース、大寒デス、来週ハ大雪カモ?デモ能登ニハ降らないでホシイデスネ、本当ニ、ハイ、原稿ガ届きマシタノデ、即、小説ニ参りマス、ハイ、デハ、開幕、開幕!

378 意外な結末!

大広間の片隅で長老と修験者が酒を酌み交わしながら話し合っていた。
「いやいや、驚いたのう、こんな結末になるとは?」
と言って長老は酒盃を傾けた。
「ああ、全くじゃ、とんでもない事になってしまった。こんな事になるなんてお釈迦様でも知らなかったじゃろう?」
修験者も、同じように盃を傾けた。
「それにしても、どうしてこんな事になってしまったんじゃ?ワシには今もさっぱり分からん」
「全くじゃ、そもそもは太郎とタタロがあの妹さんに告白をするために始まった事じゃろう?」
「そうそう、それが、どう言う訳か、明日はあの発明兄ちゃんと妹さんの婚約発表の祝賀会と言うじゃないか?しかも皆がほぼ全員集まってお祝いをするそうじゃ、いったいどう言う事じゃ?」
「あの太郎やタタロは結局妹に振られたんじゃから大丈夫かと心配しておれば、聞けば、明日の祝賀会には二人とも余興に出演して祝いを盛り上げるって言うから驚きじゃ、いったいどうなっているんじゃ?」
「ああ、分からん、分からん、さっぱり分からん、さあ、もう一杯行こう」
と二人はまた盃を酌み交わした。
そこへ、ママさんと水族館のお姉ちゃんがやってきた。
「あらあら、ここは夜は静かだから休憩しようと思ったら、長老さん達も一服していたんだ」
とママさんがにっこりと頬笑んだ。
すると一緒にきた水族館のお姉ちゃんが、
「あらっ、もう既に一杯やってるみたい」
とうらやましそうに盃やトックリをを見下ろした。
それを見て長老が答えた。
「ああ、よかったらどうぞ!盃ならそこの厨房にあるから持ってくればいいし、酒よりもワインやウイスキーが欲しければ、太郎が棚に隠しているから、それを飲めばよい」
「えっ、それって、もしかしてボールで倒した、あの高級ワインやウイスキー?」
水族館のお姉ちゃんが期待の顔で聞いた。
「ああ、そうじゃ、太郎の奴、忙しくて飲んでいる暇がないみたいじゃからな」
と長老が答えた。
「ああ、そうそう、太郎さん達はかわいそうにね、告白がうまくいってたら、今頃は美味しいお酒になったのに、反対に涙の焼け酒になってしまったわ」
とママさんが憐れみの表情をした。
「へえーっ、そうなのかい?それは初耳じゃ、ワシ達は太郎とタタロはお祝いの余興に出ると張り切っていると聞いているぞ、」
「すると、ママさんも目を大きく開いて、
「えーっ、そうなの?どうして?妹さんに振られたんだから喜んだりできないはずだわ、まして二人のためのお祝いの余興なんて!いったいどうなっているの?」
それを聞いて長老達も、仲間がいたと言う顔で合槌を打っていた。
「へえーっ、ママさんが理解できんとは驚きじゃ、やはり、最近の若い者達のする事は、ワシ等にはさっぱり分からんはずじゃ、どうじゃ?いや、どうですか?ママさん達も、一口飲んだら?」
と言う訳で、こうして四人の飲み会が始まった。
「そう言えば、あの時のエアロビクスのお姉ちゃんの爆弾発言には驚いたのう、ワシは目ん玉が飛び出すほどじゃった」
と長老が言い出すと、皆はお茶式でのその時の驚きを思い出し、改めて思い出し話を始めた。
黒髪カツラを取った茶髪の顔に、優雅な和服を着せたようなエアロビクスのお姉ちゃんが、「妹さんには恋人がいます、相思相愛です」
と爆弾宣言をした時には、皆が驚いた。
さらに「その相手は発明兄ちゃんです、二人は本当の兄姉妹ではありません」
と言った時には、唖然としていた皆の顔が固まった。
ところが、ところが、ママさんが「そんな個人的な情報を調べたのか?」と詰問した時、彼女が、「私の感です、女の第六感です!」
と堂々と言った時には、もう誰もが唖然を越えて呆然も越えてあきれ果て、話す気力も失った。
幸いにも、深刻さが分からないハナナとハナが、すぐに軽い口を開いて質問したのでお茶席全体を覆っていた沈黙が破られた。
「あのー、ピアニストのお姉さん、恋人がいるって、本当ですか?」
「あのー、相思相愛って本当ですか」
「恋人って、あの発明兄ちゃんって本当ですか?」
「二人とも本当の姉妹じゃないって本当ですか?」
ハナナとハナが、交互に、少しは遠慮がちに間をおきながら、ピアニストの妹さんに次々と質問を続けた。
妹さんは顔を真っ赤にしたまま答える事なく黙ってしまていたが、さらに質問されるので、とうとういたたまれなくなって逃げ出すようにお茶席の端に座っていた発明兄ちゃんの許へ駆け寄った。
そして、発明兄ちゃんの背後に姿を見られないように隠れてしまった。
「・・・」
またお茶席が長い沈黙となった。
するとママさんの後ろにいた水族館のお姉ちゃんが、耳元でアドバイズした。
「ママさん、ここはママさんが仕切るしかないわよ、彼女や皆は利害関係や恋愛関係がからんでいるから、誰も仕切れないわ、ママさんしか事態を治められないわ」
すると、じーっと考え込んでいたママさんが、突然立ち上がった。
そして全員を見渡せる中央に進んで襟を正して座った。
さらに頭を深々と畳に付けた。
しばらくして頭を上げると、ヤクザの親分のように口上を言い出した。
「皆さん方、この場は不肖わたくしが仕切らせていただきます、元々わたくしの発案である告白会から始まった事ですので、責任を取らせていただきます。
ただ今いくつかの質問が出ましたが、事、この事態を収めるためには、お答えいただく必要があります。
兄殿が兄妹を代表して、男らしくはっきりと答えていただくしかありません、また妹殿も自信の有無についてはお答え願います。宜しいですね?」
と言ってママさんは厳しい眼力でにらんだ。
離れて見ていたハナ達までが、自分が言われているように震えあがった。
兄妹達は恐がってただうなづくだけだった。
わたくしの質問は、兄殿には二つ、妹殿には一つだけ、それだけでございます。
返事ははい、か、いいえのどちらかで願います。余分な説明は不用でございます。では、兄殿から参ります」
ママさんは、そう言って頭を上げて、発明兄ちゃんと妹さん達を再び鋭い眼光で見つめた。
「はっ、はい、いっ、いいです」
発明兄ちゃんは、ヤクザが乗り移ったようなドスの効いたママさんの声に震えながら答えた。
「では、兄殿から質問、兄殿と妹殿は本当の血のつながった兄妹ですか?」
「・・・・」
「いっ、いえ、違います」
「答えはいえ!だけでけっこう。では二つ目の質問、兄殿は妹殿と結婚したいですか?」
「えーっ?、・・?えーっ?・・?」
あまりにも突然の、あまりにも単刀直入の質問に、発明兄ちゃんの心の準備がすぐにはできなかった。
「はいか、いえか?どちらか?」
「えーっ?・・はっ、はい・・です」
「ですは余分。では、妹殿に質問」
すると、兄の背後に隠れていた妹が、おずおずと横に姿を見せた。
「では、妹殿、あなたは兄殿と結婚したいですか?はいか、いえで答えるよう」
「・・・はい・・」
妹さんが小さな声で答えると、途端にママさんが放っていた青白いオーラが消え去った。
「ははー、この度はご協力にいたみ入ります」
とママさんは兄妹達に深々とお礼の拝礼をして、今度は皆の方へ向き直った。
「はい、皆さん、これで万事収まる事と思いますので、わたくしはこれで失礼いたします。お騒がせいたしました、ご勘弁願います。では!」
と立ち上がって、水族館の姉ちゃんと共にお茶席を早々と立ち去ったのだった。
この情景を皆は思い出していた。
「ああ、そうそう、あの時のママさんはカッコ良かったのう、まるで映画の最後のシーンみたいじゃった」
と修験者がうっとりした表情で言った。
「ああ、ワシも思い出した、そうじゃった、ママさん達が去ってから、皆がいろいろ話し合って、目出度い二人の婚約発表だから、皆でお祝いを盛大にしてやろうと決めたのじゃった。
もっともワシ達は途中で引き上げたんで、後から聞いた話じゃがのう。
それにしても、あの太郎やタタロまでもが出演して余興をすると言うから、驚きじゃ」
と長老が肚に落ちないと言う不可解な表情で打ち明けた。
するとママさんも、
「あの太郎とタタロはどこまでお人よしなんだい、男のプライドってものが無いのかい?情けない」
と怒り出した。
すると水族館のお姉ちゃんが、落ち着きはらって、また探偵のような口調で説明を始めた。
「それは間違いなく彼女の影響ですね。そう、彼女の影響と言えば聞こえがいいけど、はっきり言えば、彼女の企みと言うか、仕業ですね。
私の推測によれば、今回の一連の騒動の原因はすべて彼女です。
彼女の真の狙いは、あの発明兄ちゃんでした。
素晴らしい発明をするあの兄ちゃんを恋人にしたかったのです。
それで、ママさんから頼まれた、太郎とタタロの妹さんへの告白会を利用したのです。
ピアノを弾いたりお茶会を開いて自分の日本的な魅力をアピールしたりして彼の気を引きたかったのです。
でも、結局、彼は見向きもしなかった。
それで、彼が誰かを恋している、その相手が妹さんだと分かった時に、あの爆弾発言となったのです・・・」
ここまでの話を聞くと、不意に、長老が言い出した。
「ああ、そう言えば、あの時じゃ、彼女が真っ直ぐ直視していたのに、彼が視線を避けて目を反らしていたな、あの時じゃ、なるほど、なるほど、そう言う事じゃったのか?」
と長老達は、肚に落ちたようにうなづきながら、続きの話を待った。
「で、現在の状況はと言え