ハイハイハイハーイ、おまたせ!飛騨の小路 小湧水でーす、いやいや、ようやくウチの先生のパソコンが帰ってきました。
結局、バージョンアップがうまくいかなかったので、パソコンの先生宅へ入院してました。
ウチの先生の書きかけだった小説の文章も残っていたのですが、結局大幅な書換となって、それにかかりっ切りで、今週は俳句が無しだそうです。
はい、てな訳で原稿が届きましたので、早速、小説にまいりたいと思います。
はい、では開幕開幕!
273 レムリアの宮殿!
青い空と海、そして、ヤシの木の美しい砂浜、背後には緑の高原と富士山のような高い山がそびえていた。
まるでハワイのような温かい海の楽園の風景が広がっていた。
飛騨山中で育った太郎やハナ達皆は、広々とした青い空と青い海を見るのは初めてだった。
まして、その波打ち際で人間の若者と人魚やイルカがヤシの実を奪い合って楽しそうに遊んでいるのを見るのも、もちろん初めてだった。
皆にとっては眼を疑うような光景だった。
皆は、美しい人魚達の姿やイルカ達に釘付けになっていた。
緑のヤシの実が動く度に、人魚達の体の動きやイルカ達の器用な動きが生き生きと見えた。
しばらく沈黙を保っていた女神の声が、やがて聞こえてきた。
しかし、その声は、今まで聞いていた愛と優しさに満ちた母親のような響きとは、少し違っていた。
「初めまして、皆様、ようこそ、このレムリアにいらっしゃいました。わたくしは、今まで話されていた地球神霊のガイア様ではありません。このレムリアを守っている海の女神でございます。
わたくしは先ほどよりガイア様からあなた方にレムリアの事をお話しするように承りました。よろしくお願いいたします。
はい、このレムリアには、わたくしのように多くの女神がおります。
わたくしは海の女神、他にも風の女神、火の女神、土の女神、水の女神など、それぞれの働きに応じて、それぞれの女神がおります。
なので、大きな島には、それぞれの島の女神がひとりづつおります。
それでは、これから、海岸から少し離れて陸地の方へ案内いたしましょう」
そう言うと、皆が見ている映像は空高く舞い上がったように、ヤシの浜が小さくなった。
そして元のように、大小の島々が集まった大陸が見えてきて、所々に山が見えていた。
やがて、その中の大きな島の中の高い山に近づいた。
すると、緑の平な森の中に、三日月形の青い湖が見えた。
その湖の畔に集落らしき小さな家々が見えた。
その家々の周囲には畑のように森が開かれていた。
その庭のようなつつましい風景には、穏やかな平和な雰囲気が感じられた。
「この大陸に住む人々は、優しさと慈愛に満ちています」
海の女神の説明が始まった。
「ここに住む人々は優しい言葉と互いを思いやる人達ばかりで、言い争いなどもめったにしません。
その思いやりは人々の間だけでなく、植物や動物達に対しても同じです。
身の周りのすべての物に、愛と情けと慈しみを注いで暮らしています。
なので、植物達も動物達も、その人間の愛に懸命に答えています。
そうです、ここは争いのない皆が仲良く暮らしている、とても平和な楽園のような大陸なのです」
ハナやハナナ達は、なんて素晴らしい世界なの!と感動しっぱなしだった。
しかし、何故か太郎だけが違っていた。
浮かない顔をして、初めから天邪鬼のように不満顔だった。
そして、まるで自分には関係ない!とばかりにソッポを向いていた。
それはそうだ、女神の話は太郎には耳の痛い事ばかりだったからだ。
その太郎の態度に、皆を見守っている木花咲姫はもちろん、声だけの海の女神も気づいていた。
「ああ、そうでした、わたくしも気が付くのが遅れました。
皆さん方々は、ちょうどこのレムリア大陸の人々と同じですね。
そうです、皆さん方々も、このように猿さんや犬さん達と仲良く暮らしていらっしゃいます。
互いに助け合いながら、めったに言い争いや喧嘩などいたしませんね」
「えっ?俺達の事?」
急に、太郎が驚いて顔を向けた。
「もしかして、俺、褒められているのか?まさか!」
太郎は急に女神の話に関心を持った。
そして、皆と同じように目の前の映像に眼を向け、話に聞き耳を立てるようになった。
映像には、集落の近くの畑の野菜や実った果樹が映っていた。
そして、村人達や動物達が自由気ままに食べている様子が見えた。
太郎やハナ達は、その村人達と動物達の近さに驚いた。
すぐに手で触れられるほどの近さだった。
それなのに、動物達はのんびりした穏やかな様子だった。
それには、ゴクウやケンや長老達も、信じられないと言う顔でまじまじと見ていた。
やがて、女神の話が再開し声が聞こえた。
「もうお聞きになったと想いますが、このレムリアの人々は、愛と光のエネルギーが大変強く、波動や振動数も高いので、精神も身体もずいぶん軽いのでございます。
そして、地球上に降り注ぐエネルギーを取り入れて生活をしていますので、食べる物も少なくていいのです。
そうなのです。なので、一日に必要な食べ物も、わずかで十分なのです。
ほらっ、あれを見てごらんなさい、あのたくさんの桃の実や枇杷の実やマンゴの実を。
ここでは野菜も果物も村人全員が食べても小食で余ってしまうのです。
なので、野生の動物達に自由に食べさせているのです。むしろ、そのために、わざわざ余分に作っているのです」
皆が見ている映像には、ウサギの親子が村人達のすぐ横で畑の野菜を食べていた。
それを見て太郎がフと思った。
(おーっ、ウサギだ!野菜の根をかじっているぞ、おお、丸々と太っていて本当に美味そうだ。そう言えば、俺ももう長い間ウサギなんか食べていないな)
太郎は、思わず槍を握ってゆっくり立ち上がった。
タタロ達も同じ事を考えていた。
「あっ、奥に猪がいます。あれっ、よく見ると子連れだ、ウリ坊達もいる、母猪も子猪も両方とも丸々太って美味しそうだ」
タタロは思わず口に出してしまった。
猪親子と聞いてハナが、あの洞窟の猪親子を思い出して懐かしくなった。
えーっ?あんなに人間達に近寄って、ウリ坊さんやウサギさんなんか、すぐに捕まってしまうんじゃない?大丈夫なのかしら?」
ハナが心配そうに言うと、ハナナがあっけらかんと答えた。
「大丈夫よ、たぶん、もう慣れているのよ。イザと言う時に、すぐに逃げ込める穴が近くにあるはずよ」
ウサギやウリ坊達ののんびりした姿を見ていると、ハナも、そうかも?と想えてきた。
黙って見ていた長老達もしゃべり出した。
「それにしても、何と無防備な獣達じゃ、あれじゃ、一瞬で掴まってしまうぞ、のう?」
長老があきれたように言った。
すると、修験者も、うなづきながら、
「全くじゃ、野生の緊張感と言うものが感じられん。それに、あんなに丸々と太っていたら、逃げようにもモタモタしてすぐに捕まってしまうぞ」
と呆れ果てたように情けなさそうに見ていた。
「ほほほほほ!」
その時、女神と木花咲姫の笑い声が上品に響いた。
「ホホホホホ、ああ、皆さん方の温かいご心配ももっともですね、しかし、先ほど、わたくしが申しましたように、この大陸の人々はあなた方のように獣や動物達の肉は食べたりいたしません。
なので、ウサギさん達にとっても猪さん達にとっても、人間達は無害なのです、怖くないのです。
いえ、それどころか、むしろ、親戚や仲間のようなありがたい存在なのです。
なぜなら穴へ落ちたり鷲に襲われたりした時に助けてくれる存在だからです。
なので、ウサギさんも猪さんも熊さんも、みんな人間が大好きなので、喜んで近寄って来るのです」
それを聞いてタタロが唖然とした。
「えーーっ、熊もですか?本当に幼い子熊を連れている母熊もですか?」
と信じられないと言う顔で聞き返した。
「はい、その通りですよ、熊も他の獣達もそうなのです。
元々母親と言うのは、生まれたばかりの赤ん坊を他の獣達から守るのが本来の務めです。
それは、長年に渡って、赤ん坊達が人間や他の獣に襲われたからです。
しかし、この大陸では、もう長年に渡って人間達が獣達の赤ん坊を守ってきたので、人間の姿を見ると守り神のように安心するのです。なので、あんなに無防備な姿なのです」
それを聞いたハナとハナナは、改めてウサギ達やウリ坊達の丸々太った無防備な姿を笑い合った。
「それにしても、この大陸に太郎兄ちゃんがいなくて良かったね、もし・・・?」
とハナが冗談を言うと二人はからからと笑い合った。
それを見た太郎が、今にも怒り出しそうになった。
すると、女神と木花咲姫が慌てた。
「ああ、もうひとつ大切な事を言い忘れました。この大陸の人々はとても長生きなのです。あなた方の十倍も百倍も長生きします。
それは、争いもなく平和で、人々も獣達も仲良いので、ほとんど怒ったりしないからです。小食や獣の肉を食べない事も長生きの原因ですが、やはり怒らない事が大きいと想われます」
この話に長老達が食いついた。
「おお、これは良い話を聞いた、やはり怒る事は厳禁じゃ。即、短命につながるのじゃのう、気をつけなきゃ!
おい、太郎よ、お前もカリカリばかりしていると、ワシ等よりも早死にするかも知れないぞ、気を付けろよ」
長老が笑いながら太郎に言った。
太郎は心の中でカッとしたが、言われたばかりなので反論するのを我慢した。
「さあ、それでは、集落を離れて、この島の宮殿へ行ってみましょう。そこには美しい巫女さん達が日々務めております」
女神は、太郎の気分転換をさせようと、皆を高い山の宮殿へ案内する事にした。
「美しい巫女」と言う言葉を聞いただけで、太郎の心から怒りなど完全に吹っ飛んでしまっていた。
(つづく)
ハイハイハイハーイ、いやいやハワイみたいな楽園とはうらやましいですね、ハワイも日本も沖縄もイースター島もレムリアと言うか、ムー大陸のエネルギーが残っているとか、はい、富士山もそうだとか?はい、飛騨には、そう言うものは無いのでしょうか?
はい、では、またのお運びを願いまして、バイバイといたします、はいでは、チャオー!