今年の一月は風邪で寝込んでいる間に皇居の歌会初めも終わってしまった。
また昨年応募した短歌も入選したかどうか分からない。
そんな事情の中、遅ればせながら今回短歌について今年初めて載せる事にした。
天皇陛下の退位に寄せて
退位のちも民見守らるる両陛下 新たな世への岩戸に光 湧水
国と民の明日と行く末案じつつ長き重荷を手渡す時来し 湧水
今年の歌会初めの天皇陛下のお歌 お題は「光」
贈られしひまはりの種は生え揃ひ葉を広げゆく初夏の光に
皇后さまお歌
今しばし生きなむと思ふ寂光に園(その)の薔薇(さうび)のみな美しく
雲間よりさしたる光に導かれわれ登りゆく金峰(きんぷ)の峰に 皇太子さま
大君と母宮の愛でし御園生(みそのふ)の白樺冴ゆる朝の光に 皇太子妃雅子さま
山腹の洞穴(どうけつ)深く父宮が指したる先に光苔見つ 秋篠宮さま
日の入らむ水平線の輝きを緑閃光と知る父島の浜に 秋篠宮妃紀子さま
入選者
土佐の海ぐいぐい撓ふ竿跳ねてそらに一本釣りの鰹が光る 高知 奥宮武男
剪定の済みし葡萄の棚ごとに樹液光りて春めぐり来ぬ 山梨 石原義澄
以上が私の心に残ったお歌。
特に両陛下の歌も皇太子、秋篠宮の歌も味わい深いと思った。
最近の私の歌
童らもひよどりカラスも近づかぬ鉢みかん一個冬を越しつつ 湧水
逆光の紅葉まぶしき夕里に道塚ごとくエンマの声す 湧水
やはり歌は少し自信がない。
ついでに昨年応募した歌はと言えば、
大屋根の青あさがおがはばたきぬ あさぎまだらの旅のラジオに 湧水
過疎村の空はろばろと天の川今宵人の子産まれむとすも 湧水
寒風の寺のふみ切り立ち待てば 枯れ葉からから連なり渡る 湧水
路線バス降りれば頭上を嬉々として わが家のつばめが鳴き飛びまわる 湧水たぶん?
夢かない手にせし袋の膨らみを そのまま母子へ中の福ごと 湧水
(以上)