三浦恭三さんは小樽在住のベテラン画家。
道展、北海道抽象派作家協会、美術文化協会、小樽美術協会と、所属しているグループも多く、さらに年2度ひらかれるさいとうギャラリーの企画小品展にも出品しているためか、個展はひさしぶりのようだ。
今回は「浮遊」と題した20点が展示されている。
絵柄は、近年取り組んでいる、バイオモーフィックともいえる曲線をメーンにしたさまざまな形状が、しぶきなどをちりばめた地の上に、不規則に配された、動きと軽快さのある抽象画だ。
どの絵も、団体公募展に並ぶ100号クラスよりも小ぶりである。
ご本人に聞けば、これは100号にとりかかる前に描くエスキスのようなものらしい。
いろいろな配色を試してみるのだという。
冒頭の2点は、最初に右側を描いたあと、それをトレースして左側のものを制作したという。細部は微妙に異なっているが、ほとんどおなじ絵なのがおもしろい。
左から2番目の作品は、暗い中から色彩が底光りしているようで美しい。
これまでの三浦さんの作品にはあまり見られなかった配色である。
左の2点は、たぶんすでに80-100号程度の大作として結実していると思う。
処理のむつかしい絵の端をどうするか-というところに、配慮がなされている。
それにしても、このあくなき実験精神には頭が下がる。
三浦さんの、できあがった絵そのものは、苦労を重ねたところなどまるでない、動きと軽快さに富んだものだが、そこにいたるまでには、さまざまな試行錯誤が行われているのだった。
2009年7月20日(月)-25日(土)11:00-19:00
ギャラリーたぴお(中央区北2西2 道特会館 地図A)
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