先日美人デザイナーのSに会った時に、キンタドコレイオとヴァスコダガマの二本のポルトガルの白ワインを渡して、君の部屋でどっちが美味しいかテイスティング会をしようなんて下心見え見えの誘いをして、今日がその日だったのだけど、当然の如くSはお友達も何人か呼んだからとメールしてきたのて、そうなると風邪気味のこっちとしては、無理して出かける意欲も元気もなく、どっちが美味しかったか教えてくれと返信するズルい奴。それに結果は既に分かっていた。この二つを比べたらキンタドコレイオの方が断然俺の好みなのだ。それなのに‥‥こんな姑息な手段を用いようとするなんて、つくづく自分が嫌になるけど、離婚して二年、いや結婚した六年前から一度も女性を口説いていない(つまり浮気してない)のだから、口説くテクニックが下手になっても当然だろう。だからって現役引退と云う訳にはいかない。どんなにみっともなくても生涯現役で貫いてやる、と決意を新たにしなくてもいいのに。因みにキンタドコレイオはポルトガルのダン地方のワインで、世界放浪の果てにポルトガルのサンタクルズに住み着いた火宅の人、壇一雄が自分と同じ名前(ダン)だと好んで飲んだとか。ふと三年前に行った真冬のサンタクルズの海岸がとても宗教的な雰囲気を持っていたことを思い出す。