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◆ 『蒼き鋼のアルペジオ』11巻・感想 海の底の正念場

2015年08月09日 | ◆マンガ 感想

『蒼き鋼のアルペジオ』 (Ark Performance 先生)

 

 10巻・連載時感想まとめ
  
 コンゴウ艦隊との戦いにより、401が窮地に!
 何とか仕切り直しをはかるものの、ここで予想外の異変が起き・・・

 といった展開を見せる11巻。
 窮地にあっても、信頼関係を崩さないクルーたちでしたが、
 新たな“霧”の艦隊が接近するなど、予断を許さない内容となっています。

 
 表紙は、またまたデザインを変えて、イオナさんとイ401!
 このデザイン変更については、ヤングキングアワーズ9号の巻末に、
 Ark Performance先生による解説が載っていますので、興味のある方はぜひ。
 
 
 
 

以下、ネタばれあります。 (未読の方はご注意ください)

 
 
 
 
 

【窮地の401】
●群像の帰還は近いものの・・・

 

 傷ついた401・・・

 コンゴウ艦隊との戦いにより、大きく損傷した401は海中へ。
 その最中、群像と連絡をとるイオナでしたが、彼の帰還はいまだ遠い。
 401も機能のいくらかをやられてしまい、仕切り直しの時間となります。

 といった状況に、不安が高まる冒頭シーン。
 とくに、いおりさんのいる機関部への道が絶たれてしまい、
 不穏な気配がただい始めていました。

 
 

●イ401のクルーたち

 

 イオナを支える信頼関係。

 窮地の401ではありますが、そこでクルーたちの前向きな姿勢が、
 艦長代理であるイオナの支えとなったことは、間違いないでしょう。

 こんな時であるからこそ、責めず、落ち込まず、むしろ笑顔で支援する。
 そうした杏平・静・いおり・僧の言動に、励まされるイオナの様子が、
 何とも微笑ましく、かつ高揚感あふれる場面となっていました。

 このことから、彼らは絶大な信頼関係を築けていることがよくわかりますし、
 それが、401にとって1つの強みになっているのだろうと感じれれましたね。

 メンタルモデル中心に、物語を追ってしまいがちではありますけども、
 こうした401クルー、すなわち人間とメンタルモデルの関係も見どころ。
 このことが、後に群像が語る「霧と人類の未来の姿」にも重なるのかもしれません。

 
  

●発見される401

 

 何とか海中でやりすごそうとする401でしたが・・・

 敵駆逐艦の哨戒を、音を立てずにやりすごす401。
 その様子が、静かに緊張感を高めています。

 が、哨戒範囲を狭められ、ついには発見されてしまい、ピンチへ!
 群像も動きつつ、コンゴウ艦隊の注意をそらしながら、
 いよいよ決戦か・・・ と思いきや、ここでさらなる窮地に。

 いおりさんとの連絡が途絶えてしまい、彼女に何事か起きたことが察せられ、
 さすがのクルーの間にも、焦燥感が生まれ始めます。

 これは、これまでの戦いの中でも最大級の危機。
 いおりさんの身に何が起きたのか、戦いの行方は!?
 と、気になる展開の連続に、目が離せなかったですね~。

 ここから、401は巻き返すことができるのか、いおりさんは無事なのか?
 次巻が待ち遠しくて仕方ありません! ・・・私は連載で読んでますけども(ォィ
 
 

  

【その他の動き】

●霧と人類の未来を見据える群像

 

 

 群像の見ている未来。

 前巻でも語られていたように、群像の視線の先には、
 “霧”と人類の共存といったビジョンが存在しています。

 おそらく、群像がそのことを明確に思い描けたのは、
 イオナをはじめ、ヒュウガやタカオといったメンタルモデルたちとの
 交流があったからこそなのではないでしょうか。

 だからこそ、群像にとっての「霧と人類の未来」が、
 401を中心とする「ここに在る」と、明言できているのだと感じました。

 このほか、翔像とムサシ、ゾルダンとU-2501、蒔絵とハルナたちなど、
 様々な「人とメンタルモデル」のつながりが存在しています。(コトノたちは例外?)

 翔像にはメンタルモデル疑惑があるので、不明瞭な部分はあります。
 また、蒔絵はデザインチャイルドですけども、こちらは問題ないでしょう。

 ただ、一般的な人類という意味では、群像とゾルダンこそが、
 より未来を見据えた“テストケース”となりうるのかもしれませんね。
 そうした点でも、2人はライバルといえるのかも・・・?

 
 

●アシガラ&ハグロ姉妹の行方

 

 轟沈したアシガラ&ハグロはというと・・・

 何か、ちっちゃくなって、海底散歩したりしているのが楽しかったですね(^^;
 そんな中でも、アシガラさんの方がハグロさんに対して、きちんと“お姉ちゃん”
 していたのは、なかなか微笑ましかったりも。

 メンタルモデルにも、だいぶ「姉妹」という概念が浸透していることがわかりますし、
 何より2人の個性が際立って、とても愉快でありました。

 そして、2人が行き着いた場所。
 そこでの“出会い”が、新たな「霧と人類」との関わりを作る可能性に、
 胸躍らずにはいられませんでしたよ! アシガラさんが良いキャラクターですからね~。

 今後この2人がどうなってゆくのか、ミョウコウ&ナチとの関係も含めつつ、注目です。
 
 
 
 

【U-2501の動き】
●クルー間の信頼関係

 

 そして、この巻の裏主役ともいえたのは、U-2501の面々。

 コンゴウ艦隊と401の戦いにおいて、コンゴウの旗艦装備を確認すべく
 動いていたゾルダンたちでしたが、そこへ、北米方面太平洋艦隊が迫ってきたため、
 事態は思わぬ方向へ・・・

 といった感じだったのですが、ここでは、ゾルダン・フランセット・ロムアルドという
 U-2501クルーたちの信頼関係が、401に負けないくらいのものに思える描写が
 いくつかありました。

 フランセットが、どの道、自分とロムアルドはゾルダンについて行くと、
 笑顔で語っていた場面は、彼女たちの艦長への信頼を感じさせるのに充分でしたし、
 北米方面艦隊とのやりとりの末、ゾルダンが選択した行動にも迷わず追随しています。
 この3人の一心同体ぶりは、もしかすると401クルー以上のものがあるのかも・・・?

 それを印象付けてくれるのが、今回の追加シーンとなっていた過去回想。
 欧州の戦禍の中、ゾルダンがフランセットとロムアルドを「拾った」ということらしく、
 そのことを示唆するような場面が描かれていました。

 このあたり、日本も疲弊していたとはいえ、学院で過ごしてきた401クルー(例外あり)
 とは、少し異なる凄味のようなものを感じずにいられませんでしたね。

 その過酷さが、彼らの絆をより強固にしたのかもしれない・・・
 なんて考えますと、401クルーにも引けをとらない=侮れないライバルであると、
 うかがい知れる気がします。

 

 

●レキシントンとU-2501

 

 北米方面太平洋艦隊との衝突!

 そして、北米方面艦隊レキシントンとの交渉が決裂。
 ゾルダンは、戦端を開くことを決意します。

 レキシントンが、空母ではない「空母」=海域強襲制圧艦ということもあり、
 どのような戦いを繰り広げるのかも気になりますが、それと同様に、
 ゾルダンの優秀さが垣間見える期待感も、高まる戦闘になりそうです。

 それにしても、この戦いが、結果的にとはいえ、ある意味ゾルダンの群像への
 サポートになっている点は面白い所で、ゾルダン自身は認めていませんけども、
 群像へのライバル心のようなものが感じられて、興味深いですね。

 この戦いがどう展開するのか、予断を許さない所ですが、
 コンゴウ艦隊と401の戦いも、第4施設をめぐる攻防も、はたしてどうなるのか・・・
 ますます今後も、目が離せません!

 

 

【ヤングキングアワーズ 連載時・感想】

 2015年 2月号  クルー間の信頼関係 そしてリサイクル品ちゃん可愛い

 2015年 3月号  霧と人類の未来の姿

 2015年 4月号  401の窮地 機関室の異変

 2015年 6月号  アシガラ&ハグロ姉妹の決断

 2015年 7月号  レキシントン登場

 2015年 8月号  レキシントンとU-2501 ヒエイとヒュウガ

 


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