「遠野」なんだり・かんだり

遠野の歴史・民俗を中心に「書きたい時に書きたいままを気ままに」のはずが、「あればり・こればり」

2019 石鳩岡神楽交流会 其の参

2019-11-28 17:47:09 | 郷土芸能

今日も寒い一日でした。

これからの時期、寒さに体が馴染むまでは不用の外出は控えたいものです。

これから年末までは実務に事務にと本業をこなすためにも、交流会話題は今回が最後です。

 

7番目 石鳩岡神楽さん

 

諷誦(ふうしょう)舞

 

最初は面を付け、荒々しくなる後半は面をはずし、

 

舞手は高天原の荒神である建御雷之男神(たけみかずちのおのかみ)だとも

その父、天之尾羽張神(あめのおばはりのかみ)だとも云われているそうです。

 

剣を振って一切の災難、諸処の邪悪を切り払う呪法の神舞い

 

早池峰神楽らしい荒舞です。

 

演目前に舞手の方と久しぶりにお会いした瞬間、別人かと・・・

かなり身体を絞っている感じがしたのは、この演目の為だったのでしょうか?

熱演でした!

 

8番目は其の弐で取り上げた綾内神楽さんの天女舞となり、

9番目は引き続き石鳩岡神楽さん

 

天降りの舞

名前のとおり、天照大御神が高千穂に天降りした話が基となります。

 

降臨した際、猿田彦が道案内をしますが、神社例祭の行列の先立ちとして猿田彦が出るのも

この話によるもです。

 

後ろ姿の猿田彦に隠れて見えませんが、4人での舞い

 

今まで何となく見ているだけでしたが、よく見ていると、

この後半のくずしでは、神楽の様々な所作が盛り込まれる舞いのようです。

今年の交流会では、石鳩岡神楽の前会長が終始、手平鉦に徹している姿が印象的でもありました。

 

最後は今回の当番である平倉神楽さんによる下舞い

 

三団体揃っての権現舞

 

恒例により、胎内くぐりをして、頭カミカミで終了となりました。

終わったばかりでなんですが、来年の交流会の演目がまた、楽しみです!

来年は綾内神楽さんが当番なので会場は北上だと思います。

書き忘れていましたが、今回は無料入浴券付きのお弁当を頂き、

また、お客さんで平倉に住む方からは「がんづき」も頂きましたことを御礼申し上げます。笑


2019 石鳩岡神楽交流会 其の弐

2019-11-27 13:38:33 | 郷土芸能

江戸時代の初め頃、遠野市小友町長野に平清水駿河在り。本姓菊池。

その系統が、遠野市上郷町に居た板沢氏、平倉氏(いずれも本姓菊池)、そして、東和町の菊池氏。

 

石鳩岡観音堂

その東和町菊池氏の中には、石鳩岡に移り住んだ人達がいたと、入内島一崇著「遠野菊池党」にあります。

 

石鳩岡神楽は菊池傳右エ門が大迫町岳神楽の小国常盤守から天保5年に許しを得て始められたとのことで、

遠野の平倉神楽さんが再興するにあたり、石鳩岡さんを師匠としたことに歴史的な縁を感じるところです。

 

さて、交流会は中盤へということで、

 

5番目 石鳩岡神楽さん

 

岩戸開き

 

アメノウヅメノミコトの舞う本開き

 

会長自身が舞っていました・・・ところで石鳩岡神楽さんの会員は何人いるんでしょう?

まだ顔がしっかり覚えきれません。汗

 

流れるような音に導かれ、舞台端から覘くと・・・流石です!

 

6番目 平倉神楽さん

 

鐘巻の舞

安珍道成寺の話で、女人禁制の寺に参詣

 

禁を犯した祟りにより、邪神になった様子を表します。

 

熊野の山伏が呪法をもって邪神にさせた大蛇との格闘シーン

 

山伏はやさしそうな方が演じていましたが、女性役は平倉さんの中で一番筋骨隆々そうな方。

メンバー間で、様々な役柄に挑戦して頂けるのも、観ていて楽しいものです。笑

 

御礼口上

 

そして、構成上、順番は前後して、

 

8番目 綾内神楽さん

 

天女の舞い

 

とりら、とりら~

 

思わず、本当の女性が舞っているのかと隅から隅まで観て、其の弐の終わりです。

 


2019 石鳩岡神楽交流会 其の壱

2019-11-26 18:19:59 | 郷土芸能

小雨降る24日(日)は、石鳩岡神楽さんと弟子にあたる北上市の綾内神楽さんと遠野の平倉神楽さんの交流会。

 

今年は遠野市土淵町水光園の芸能館が会場でした。

 

11時 奏楽 打ち鳴らしから

 

その後、今年の会場当番である平倉神楽と石鳩岡神楽、其々の会長さんの挨拶があり、

 

一番目は平倉神楽さん

 

稲田姫の舞

 

稲田姫の舞いと云われてもピンときませんが、八岐大蛇の話です。

その物語のどこに焦点を合わせた構成かによって舞いが違います。

出雲や九州などでは、八岐大蛇そのものをメインにしていますよね。

 

こちらでは八岐大蛇を鬼として演じます。

 

早池峰系神楽でよく観られる面をはずしての後半のくずし

 

 

二番目 石鳩岡神楽さん

 

三番叟

 

三番目 綾内神楽さん

 

小山の神舞

この小山の神は、たぶん初見だと思います。

 

出だしの雰囲気は山の神舞いのようにも感じられ、途中でお菓子が撒かれました。

勿論、拾いましたが。笑

 

その後、狂言仕立て風に・・・何と言って良いのやら・・・笑

 

これなら書けます・・・刀が鞘から抜けず、お客さんもお手伝い

その後は、きちんと舞い終えました。

流石にこの演目は手練れの方でないと、舞い難いでしょうが、前半のつかみはOK!

といったところでしょうか。笑

 

四番目 平倉神楽さんの八幡舞

 

演目前に若干の説明があり、これに関しては、二人の内、年配者は下ズボンを穿いているが、

若い方は穿いていないという説明でした!笑

 

まずは前半ということで、あっさりとスタートです。

 


2019 板澤しし踊り納め

2019-11-25 15:35:50 | 郷土芸能

今年も市内で活動する各郷土芸能の出番が終わる時期になりました。

例年、青笹と板沢のしし踊りでは11月の勤労感謝の日辺りを踊り納めにしていますが、

青笹はこの日に出演するイベントがあり、後日、行うとの情報があり、今年は昨年に続き、板沢さんに出撃。

ネットに時間等が公表されていないので、昨年の写真データを参考するのですが、見事にはずれ!

12時のつもりで11時に行くと、踊るのは2時過ぎぐらいになるとのことで、出直しです。汗

 

保存会長の旧宅を「ししの館」として使用しており、側にはあるりんご畑。

この取り残しのりんごを見ると、今年も終わりが近いと感じます。

 

12時からの宴で、ほどよい?酔い加減の皆さんが準備し、

 

来賓が館の中で見守る中、

 

今年一年無事、踊れたことに感謝し、最後の踊りです。

雨の日、雪の日ありの踊り納め

曇り空ながら今年は至って穏やかです。

 

私的には、今年はあまり撮れなかったように思いますが、「いつも、どうも!」

と、声をかけて頂けるのが、なによりです。

 

恒例のお花口上、今年も長い時間読み上げられ、その間、花巻からお出での春日流鹿踊のFさんとも

久しぶりにお話させて頂きました。

そのFさん曰く「遠野は不思議な雰囲気のある処だなあ・・・」

 

お供えを持って、

 

新米を持って感謝の踊りです。

 

現在のふくべ振りのアイドル?的な彼の前に、同じような存在だった男の子、

今は中学生となり、しし頭を被っていました。

時の流れるのの何と早いことか・・・と感じつつ、踊り納め終了です。

 

踊りの最中に笛吹きの方々を後ろから眺めていたところ、袴を身に付けた笛吹さんがいました。

交流のある他のしし踊りの方かと思っていましたが、高校時代鬼剣舞をやっていた方でした。

今は板澤しし踊りの笛吹に参加されているとのこと。

 

鬼剣舞の道具を持ってきており、友人と二人で披露

 

一人加護

 

笛が無く、太鼓一人でも、舞手の息遣いが聞こえ、すばらしい舞いでした!

 

アンコールの声がかかり、太鼓の方が舞い、

 

舞手が笛に

 

刀の舞いでした!

今回も一粒で二度美味しい出撃。笑

近年、東北本線沿いの地域では、団体や異なる伝統芸能を伝承する若者たちの交流が盛んになっており、

その中から異なる地域の芸能にも参加する方々が出てきて、地域や芸能の違いを超えた新たな広がりに

おじさんもびっくり!しつつ、感心しきりです。笑

 

 

 


おとも秋まつり

2019-11-20 17:13:34 | 郷土芸能

天気予報ではなく、そこに住む人間の感覚として雨から雪に変わるのでは?と思っていたところ、

 

今朝は雪。

11月も残り10日となりました。

昨日、久しぶりに葬祭幹事長がやってきて、先週辺りまでは神奈川に居る息子の結婚式で

バタバタしていたとのこと。

私はというと、先週・今週は黒いネクタイ続きで金曜で四件目、冠婚葬祭でも白いネクタイの方がいいですね!笑

その幹事長からの伝言です。

来年は人生の区切りとなる年齢にあたり、それを祈念して高校時代の同級会の予定になっています。

つきまして、その第1回打ち合わせ会を29日(金)午後6時頃から、

上から読んでも下から読んでもの店で行うとのことです。

地元関係者は、万障繰り合わせの上、出席願います。とのことでした!

 

さて、話題は日曜日の遠野市郷土芸能大共演会のその後ということで、

中野七頭舞いを観たその足で向かったのは、遠野市小友町。

 

今年初めて開催された「おとも秋まつり」です。

有料ながら、お弁当、ひっつみ汁、サラダ、おかず、スイーツ等々の食べ物もあり、地区センターは大盛況。

12時30分からは、地元郷土芸能が披露されるとのことで、ステージには獅子頭、権現様が飾ってあり、

既に打ち鳴らしは終わっていました。

写真の上段左側は山谷獅子踊り、真ん中が鷹鳥屋獅子踊り、右が長野獅子踊り、

下段左側が鷹鳥屋神楽、右が外山神楽 のようです。

本当はここに長野神楽があれば完璧でしょうが、庭元の家が何十年前かに火災となり、今は廃絶しています。

 

トップバッターは鷹鳥屋獅子踊りさん

 

お酒大好きの名物種ふくべさんの姿がありませんでした。

聞くところでは、亡くなられたとのこと。その後、存命とのことでした。申し訳ありませんでした。

赤いお面をおでこに付け酔っ払いながら踊っている姿が目に浮かびます。

 

続いて鷹鳥屋神楽さん

こちらも数年前に庭元の家が火事になり道具類を焼失しましたが、何とか幕神楽を演じられるまでに。

 

三番叟でした。

 

三番目は山谷獅子踊りさん

 

こちらは、いつもの皆さん

 

と云いたいところでしたが、太鼓と笛のベテランさんの顔がありませんでした。

仕事だったのでしょうか?

 

四番目は外山神楽さん

手平鉦の彼、山谷獅子踊りが演じられている時に、シシの顔を覗き込んでいました。

おじいさんが踊っていたようです。考えてみると、そのおじいさんと私は、それほど歳が離れていないような・・・。汗

 

演目は天女舞

 

外山の天女舞は、今まで別なお二方でしたが、これで三人目の舞手。

相当練習しているんでしょうね。

 

最後は長野獅子踊りさん

 

こちらは11月3日の長野まつりと異なり、種ふくべさんは別な方。

前回の方は、今回はシシ頭を被っていました。ちゃんと踊るんですね~!笑

 

いつもながら、種ふくべとシシ揃っての志村けんさんの「あい~ん」似のポーズが印象的です。笑

 

郷土芸能の閉めは、鷹鳥屋神楽さんで若者二人の下舞いからの権現舞

 

希望者の頭をカミカミ・・・希望していないのに連れて行かれ・・・観ていた人達は笑顔になりました!笑

 

最後の最後は餅・パン・お菓子撒き

町外、市外からの来場者も大勢で、第一回目は大成功だったのではないでしょうか。

返す返すも、このイベントと市の郷土芸能共演会が重なったことが残念です。

また、このようなイベントが新聞に取り上げられないのも・・・。