「遠野」なんだり・かんだり

遠野の歴史・民俗を中心に「書きたい時に書きたいままを気ままに」のはずが、「あればり・こればり」

大乗神楽に出張る

2017-01-09 14:43:26 | 郷土芸能

昨日の遠野は出初式と成人式

いつもであれば出初式の行進を撮りに行くのですが、喉の調子が悪いので、屋外は遠慮し、

ちょっと離れたこちらへ

 

神楽は神楽でも「大乗」神楽

遠野及び沿岸中北部の皆さんには、全く馴染みのない名称です。

 

鬼剣舞の北上市及び花巻市南部に伝承される神楽です。

 

会場に着いた時には、既に二番目の演目になっており、その様子を観ていると

何やら、今まで観てきた神楽と趣が異なり、どう接して良いものやら・・・

舞台を見ると、早池峰系では幣束を注連縄に飾るのに対し、切絵のようなもの、

 

舞台の四隅柱下と舞台中央手前には、色付きの幣束

 

笹結という聞きなれない演目の後は、龍殿

これは早池峰系及び遠野山伏系にもある演目です。

演じるのは笹結と同じ二子築館神楽さん。演目の初めに法螺貝を吹きます。

遠野でも八幡神楽さんが同じように法螺貝を吹きますが、おそらく山伏系は同様だったのでしょう。

(そこで、いつも気になっているのが)

山伏が神事を行うのではなく、免許を持った神職が仕切る神社の例祭でも法螺貝を使用したかどうか・・・

(誰もそのようなことに興味を覚える人はいませんね・・・笑)

 

龍殿は、同じような構成でしたが、鬼剣舞の町らしく、太刀さばきが上手です。

 

続いて宿大乗神楽さんの子供たちによる下舞いと権現舞

説明にもありましたが、権現様には角も耳も無く、幕の模様はウロコ

龍とも蛇とも云われているようです。

やはり、今まで観てきた神楽とは違い、段々と怖い物見たさの態となってきました。

全く、先入観を持つ余裕もありません。笑

 

この宿大乗神楽さん、装束が山伏風

太鼓の叩き方や笛が複数である所が剣舞風です。笛は篠笛。

ちなみに大乗神楽とは修験の本地垂迹説に基づいた演目の解釈による山伏神楽のようです。

江戸時代、遠野では本山派大徳院と羽黒派の山伏たちとの間で檀那場・霞場をめぐる騒動がありましたが、

ここ和賀・稗貫でも花巻の一明院と羽黒派の山伏たちとの間でも同様でした。

 

宿大乗神楽さんの「地讃」・・・遠野では八幡舞

弓矢を持つのは一緒ですが、その他、メロディーやリズム等が異なっていました。

 

「七五三切」(しめきり)

早池峰系では「注連縄切」だと思いますが、舞手の人数は一人だったような・・・定かではありません。笑

 

遠野と異なり、大乗系は太刀を身に付ける舞が多い、何度も書きますが、そのサバキが上手

 

と云ったところで、前半の終了です。笑

 

さて、ひとつ告知です。

拙ブログに時折コメントを頂く、さいたま在住のyutaさんが写真展を開催するそうです。

風景・人物・郷土芸能・スナップ・猫など遠野で撮影した44点

荻野豊写真展「遠野現景--原形」

1月13日(金)午後2時から展示開始で29日(日)午後2時まで(月曜日は休館)

会場は遠野・蔵の道ギャラリー(中央通り4-28)

入場無料

1月は15日(日)のどんと祭、29日(日)の遠野市神楽共演会を除くと、あまりイベントは無いはずです。

ぜひ、足を運び、ご覧頂き、芳名帳に記帳までして頂ければ、ご本人もうれしいかと思います。