
↑ USD/JPY(ZAI)この水準では単独介入は困難
※ BLOGOSの方、このカテゴリー転載不要です。
先週は、30日の段階で市場の帰趨が決定していた。
中国の李副首相が「中国経済は下方圧力に直面している」と発言しただけでなく、
スペイン・イタリア国債が売られ急落していたからである。
これにとどめをさしたのが木曜の米中指標の悪化であり
金曜日の雇用指標の前に大勢は決していたのだ。
中国経済の鈍化は当ウェブログが以前から書いてきたことであり
特に驚くべきことではない。金融緩和は既定路線である。
「ターニングポイントに向けて近づきつつあることは分かる。
しかし現時点でそれがどこにあるかは全く見えない。
残念ながら、微かな音すら聞こえてこない」
というのが先週初めの見解だったが
早ければ今週中にも転換点が見えてくるかもしれない。
その場合、日米中露独による協調支援しか考えられない。
身勝手なアメリカもここまで市場に波乱が生じると
流石に放置できなくなる筈だ。
勿論、政治側の動きが遅く夏過ぎまで決断の遅れる可能性もある。
いずれにせよ世界経済動乱の6月が始まった。
さて先週、当ウェブログで書いた通りの状況になっている。
「当ウェブログの予想通り、ECBが利下げに追い込まれつつある。
この100円割れの状況で更に政策金利0.5%への引き下げとなると、
ユーロは史上最安値(1ユーロ88円)更新の可能性すらあると言えるだろう。
当然、ユーロ圏との取引の多い中国・ロシア経済だけでなく
米国や豪州も無傷ではいられない筈だ」
CFTCの公表値ではユーロショートが空前の規模に、
珍しいことに豪ドルショートが急増している。
あとは転換点の予兆を待つだけである。
以下の当ウェブログの見解は今週も維持する。
ECBの利下げが接近しつつある。
「強烈なモメンタムで続伸できるような環境も動向もなく、
安易なロングポジションの構築は控えなければならない」
「中国が半年余りの間に3度目の預金準備率の引き下げを決め、
中国経済の減速が疑いようのないものとなっている」
「遅くとも4月中に今年前半のピークを付けるだろう」
「各市場とも完全にモメンタムを失ってしまった。
心理的にこの打撃は大きい。初秋まで高値を奪回できない可能性が高い。
当然、短期的な戦略はショート中心となろう」
「市場の動きから見てセリングクライマックスはまだ先ではないかと思うが、
米指標から見て晩秋までじりじり嫌な下げが続いた昨年の二の舞はない」
「ゴールドは「完全に終わった」と断言して良い」
「香港や上海市場を見ても分かるように、
今の中国では内需主導で高成長を持続するのは不可能である」
「香港の市況停滞も明確になってきた。
原油価格が下がればムンバイにアウトパフォームされるかもしれない」
「円安は明確に日本経済にとってポジティブである」
「米経済の回復が日本経済や中国経済にも恩恵を与え、
今年は矢張りささやかながら良い年になりそうだ」
「ユーロ圏への輸出依存度が高いロシアと中国。
それにユーロ圏の守護神であるドイツ、
自国の金融機関を守ろうとするアメリカ、
円高ユーロ安を避けたい日本の5国が共同で
ユーロ圏支援に踏み切るシナリオもあり得るだろう」
「結局ドイツも追い詰められてユーロを防衛せざるを得ないだろう」
「仏独の合意にはまだまだ遠い道のりで、
11年前のユーロ危機の水準(100円割れ)にならないと
本格合意には至らないと見ている」
「ユーロ圏は深刻な経済悪化ではないだろうが停滞は必至」
「ユーロ圏の根源的特質として果断な危機対策はできない。
市場に催促されながら後手後手で防御策を小出しにするだろう」
「ECBはリセッション回避のためにも利下げ以外の選択肢はない。
ユーロは低空飛行を続けると思われる」
「中途半端に買戻しがきてしまったために
ユーロ圏救済策は数ヶ月単位で遠ざかると判断」
「油断したところで再度利下げに追い込まれる局面に警戒が必要だ。
その時に再度ユーロ円が100円を割り込む可能性がある。
(それがあるとしたら今年中だろう)」
さて概況は変更なし。予想より市況の落ち込みは深刻で急回復は望み薄。
「米経済の回復ペースが鈍化しているのは間違いありませんが
当ウェブログで書いたように大勢は上です。それは揺らぎません。
問題はどの地域、どの企業、どのセクターの回復が早いかです」
との見方も引き続き変わりません。
ユーロは下落トレンドから抜けていません。
↓ EUR/JPY(ZAI)重要な局面、乱高下に注意!

↓ AUD/JPY(ZAI)急激な買い戻しの可能性が高まっている

先週はギリシャの世論調査を受けてユーロ買い戻しから始まりましたが
水曜から市況が急変して大きく下抜けしました。
11年ぶりのユーロ安となった30日以降の情勢を見てみると。。
ユーロが対円で11年半ぶり安値、スペイン懸念などで=NY市場(reuters)
http://jp.reuters.com/article/bizforex/idJPTYE84U06V20120531
この報道にある木曜の段階の指標悪化の方が
週末の雇用統計よりも為替市場へのインパクトが大きかったと言える。
週初めの下げ止まり感が週央にはあっという間に吹っ飛んだ。
前日には西国債と伊国債が売られ、利回りが上昇していた。
アングル:円急伸で市場参加者は臨戦態勢、「円包囲網」狭まるか(reuters)
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE85006H20120601
愈々、為替介入が意識されてきた。
もとより日銀が企業の想定為替水準に配慮する筈はない。
当ウェブログの見解は三井住友信託の瀬良氏に近い。
尚、日本政府当局の口先介入についても言及されているが
余りにも凡庸で市場の予想通りの内容なので省略している。
ドル78円半ば、政府当局者の円高けん制で下げ一服(asahi.com)
http://www.asahi.com/business/news/reuters/RTR201206010089.html
この報道からも分かる通り、米雇用統計の下振れは
市場関係者がほぼ予想していた。
当ウェブログは単独介入はまだ無理な水準であり、
協調介入ならば可能、という立場である。
政治関連報道のヘッドラインに細心の注意を。
また、現時点のECBに可能な最大限の施策として
LTRO3と緊急利下げの同時実施が挙げられる。
その場合も急激な買い戻しの可能性がある。
◇ ◇ ◇ ◇
注目銘柄。丸紅が漸く射程圏内に入ってきた。
↓ 丸紅(Rakuten.sec)

丸紅(東証一部 8002) 404 → 437 / 453 → 587 / 450 → 587
542 → 608 / 494 → 577 / 540 → 577
541 → 602 / 529 → 602
三菱商事(東証一部 8058) 1,970 → 1,931 / 1,622 → 1,931
東京建物(東証一部 8804) 298 → 312
富士重工(東証一部 7270) 467 → 670
タカラレーベン(東証一部 8897) 458 → 472 / 544 → 743
ユナイテッドアローズ(東証一部 7606) 1,044 → 1,215
1,087 → 1,284
1,146 → 1,526
1,341 → 1,752
マツダ(東証一部 7261) 232 / 178
昭和シェル石油(東証一部 5002) 987 → 1059 / 966
716 → 723 / 688
富士重工はもう少し下がありそうだ。
↓ 富士重工(Rakuten.sec)

南欧国債利回り急上昇=スペインの銀行部門懸念で(時事通信)
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2012053001004
これが30日の報道。危機を予告していたのは国債市況だった。
この日を境にユーロが急落しているのは明らかである。
今週、ECBはスペイン防衛を迫られることになるだろう。
一部のネットメディアは失業率悪化を理由としているが明白な間違い。
雇用関連は通常の場合、遅行指標であり市場予想との乖離が重要。
数字自体が悪いかどうかではない。
◇ ◇ ◇ ◇
【 いとすぎの為替ポジション 】
月曜に買い戻しするものの週央からの下抜けで再度ユーロショート。
金曜深夜にクロス円が切り返しかけたのでポンドロングに転換。
(週明けに下抜けしたら勿論のこと撤退)
2012/06/01 120.02 GBP/JPY Lev ×1.5
現在 > 96.95 ユーロ/円(損益133%)← 今年の損益率
119.80 ポンド/円
77.98 ドル/円
◎ 2011年の損益率(手数料等除外)> 138%
◎ 2010年の損益率(手数料等除外)> 147%
◎ 2008年秋~09年末の損益率(手数料等除外)> 353%
▼ ポジション解消済み
2012/05/23 100.68 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
2012/05/14 102.44 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
2012/05/11 128.50 GBP/JPY Lev ×1.5
2012/04/27 106.60 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
2012/04/19 130.30 GBP/JPY Lev ×1.5
2012/04/13 128.88 GBP/JPY Lev ×1.5 (ショート)
2012/04/06 84.02 AUD/JPY Lev ×1.5 (ショート)
2012/03/30 132.57 GBP/JPY Lev ×1.5 (ショート)
2012/03/22 85.75 AUD/JPY Lev ×1.5
2012/03/13 128.51 GBP/JPY Lev ×1.5
2012/03/13 83.48 CAD/JPY Lev ×1.5
2011/07/11 80.40 USD/JPY Lev ×1.5
2012/02/17 125.76 GBP/JPY Lev ×1.5
2012/02/10 102.33 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
2012/02/02 81.42 AUD/JPY Lev ×1.5
2012/01/27 101.79 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
2012/01/25 77.71 USD/JPY Lev ×1.5 (ショート)
2012/01/20 99.72 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
2011/12/16 77.65 USD/JPY Lev ×1.5 (ショート)
2011/12/28 101.49 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
2011/12/23 79.27 AUD/JPY Lev ×1.5
2011/12/16 101.31 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
2011/12/09 78.70 AUD/JPY Lev ×1.5
2011/12/03 104.55 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
2011/12/03 77.87 USD/JPY Lev ×1.5 (ショート)
2011/11/25 102.89 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
2011/11/15 78.22 AUD/JPY Lev ×1.5 (ショート)
2011/10/31 77.98 USD/JPY Lev ×1.5 (ショート)
2011/11/09 79.33 AUD/JPY Lev ×1.5
…以下省略…
「資源国通貨は底打ちしました。
豪中銀は政策金利を引き上げ始めており、
豪ドルは緩やかな上昇トレンドに入っています」
豪ドルの中長期的な見通しは変わりません。72円が当面の底になりそう。
「90円から72円のレンジ圏を想定」
目先はネガティブだが、引き続きクロス円の急激な買い戻しに注意。
ユーロショートのポジションが空前の規模に膨張している。
ドル円は介入射程圏に接近中、単独か協調かでスタンスを変えること。
※ くれぐれも投資家各位で御判断下さい。
※ このウェブログを参考とし、めでたく投資収益を得られた方は、
収益への課税分を社会に貢献する組織・団体に寄付して下さい。
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※ BLOGOSの方、このカテゴリー転載不要です。
先週は、30日の段階で市場の帰趨が決定していた。
中国の李副首相が「中国経済は下方圧力に直面している」と発言しただけでなく、
スペイン・イタリア国債が売られ急落していたからである。
これにとどめをさしたのが木曜の米中指標の悪化であり
金曜日の雇用指標の前に大勢は決していたのだ。
中国経済の鈍化は当ウェブログが以前から書いてきたことであり
特に驚くべきことではない。金融緩和は既定路線である。
「ターニングポイントに向けて近づきつつあることは分かる。
しかし現時点でそれがどこにあるかは全く見えない。
残念ながら、微かな音すら聞こえてこない」
というのが先週初めの見解だったが
早ければ今週中にも転換点が見えてくるかもしれない。
その場合、日米中露独による協調支援しか考えられない。
身勝手なアメリカもここまで市場に波乱が生じると
流石に放置できなくなる筈だ。
勿論、政治側の動きが遅く夏過ぎまで決断の遅れる可能性もある。
いずれにせよ世界経済動乱の6月が始まった。
さて先週、当ウェブログで書いた通りの状況になっている。
「当ウェブログの予想通り、ECBが利下げに追い込まれつつある。
この100円割れの状況で更に政策金利0.5%への引き下げとなると、
ユーロは史上最安値(1ユーロ88円)更新の可能性すらあると言えるだろう。
当然、ユーロ圏との取引の多い中国・ロシア経済だけでなく
米国や豪州も無傷ではいられない筈だ」
CFTCの公表値ではユーロショートが空前の規模に、
珍しいことに豪ドルショートが急増している。
あとは転換点の予兆を待つだけである。
以下の当ウェブログの見解は今週も維持する。
ECBの利下げが接近しつつある。
「強烈なモメンタムで続伸できるような環境も動向もなく、
安易なロングポジションの構築は控えなければならない」
「中国が半年余りの間に3度目の預金準備率の引き下げを決め、
中国経済の減速が疑いようのないものとなっている」
「遅くとも4月中に今年前半のピークを付けるだろう」
「各市場とも完全にモメンタムを失ってしまった。
心理的にこの打撃は大きい。初秋まで高値を奪回できない可能性が高い。
当然、短期的な戦略はショート中心となろう」
「市場の動きから見てセリングクライマックスはまだ先ではないかと思うが、
米指標から見て晩秋までじりじり嫌な下げが続いた昨年の二の舞はない」
「ゴールドは「完全に終わった」と断言して良い」
「香港や上海市場を見ても分かるように、
今の中国では内需主導で高成長を持続するのは不可能である」
「香港の市況停滞も明確になってきた。
原油価格が下がればムンバイにアウトパフォームされるかもしれない」
「円安は明確に日本経済にとってポジティブである」
「米経済の回復が日本経済や中国経済にも恩恵を与え、
今年は矢張りささやかながら良い年になりそうだ」
「ユーロ圏への輸出依存度が高いロシアと中国。
それにユーロ圏の守護神であるドイツ、
自国の金融機関を守ろうとするアメリカ、
円高ユーロ安を避けたい日本の5国が共同で
ユーロ圏支援に踏み切るシナリオもあり得るだろう」
「結局ドイツも追い詰められてユーロを防衛せざるを得ないだろう」
「仏独の合意にはまだまだ遠い道のりで、
11年前のユーロ危機の水準(100円割れ)にならないと
本格合意には至らないと見ている」
「ユーロ圏は深刻な経済悪化ではないだろうが停滞は必至」
「ユーロ圏の根源的特質として果断な危機対策はできない。
市場に催促されながら後手後手で防御策を小出しにするだろう」
「ECBはリセッション回避のためにも利下げ以外の選択肢はない。
ユーロは低空飛行を続けると思われる」
「中途半端に買戻しがきてしまったために
ユーロ圏救済策は数ヶ月単位で遠ざかると判断」
「油断したところで再度利下げに追い込まれる局面に警戒が必要だ。
その時に再度ユーロ円が100円を割り込む可能性がある。
(それがあるとしたら今年中だろう)」
さて概況は変更なし。予想より市況の落ち込みは深刻で急回復は望み薄。
「米経済の回復ペースが鈍化しているのは間違いありませんが
当ウェブログで書いたように大勢は上です。それは揺らぎません。
問題はどの地域、どの企業、どのセクターの回復が早いかです」
との見方も引き続き変わりません。
ユーロは下落トレンドから抜けていません。
↓ EUR/JPY(ZAI)重要な局面、乱高下に注意!

↓ AUD/JPY(ZAI)急激な買い戻しの可能性が高まっている

先週はギリシャの世論調査を受けてユーロ買い戻しから始まりましたが
水曜から市況が急変して大きく下抜けしました。
11年ぶりのユーロ安となった30日以降の情勢を見てみると。。
ユーロが対円で11年半ぶり安値、スペイン懸念などで=NY市場(reuters)
http://jp.reuters.com/article/bizforex/idJPTYE84U06V20120531
”31日のニューヨーク外国為替市場では、ユーロが対円で11年半ぶり安値をつけたほか、対ドルで約2年ぶり安値を更新した。スペインの銀行をめぐる懸念のほか、一連の弱い米経済指標がユーロを圧迫した。
この日は、不安定な値動きとなった。
スペイン政府による国内銀行大手バンキア救済を支援するため、国際通貨基金(IMF)がスペインへの緊急対応策を協議しているとする米ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)紙の報道を受けて、ユーロは一時的に対ドルでプラス圏に浮上した。ただ、その後、IMFのラガルド専務理事がこのような計画はないと述べ報道を否定。ユーロの上げは続かなかった。
スペインは最終的には外部支援を要請せざるをえなくなるとの見方から、同国の国債利回りは、過去最高水準付近で高止まりしている。
〔中略〕
ユーロ/円は96.48円まで下落し、2000年12月以来の安値をつけた。終盤は0.91%安の96.84円となった。
ドル/円は78.37円まで下落し3カ月半ぶり安値をつけた。
ユーロの対ドルでの5月の下落率は6.7%と、2011年9月以降最大となる見通し。ユーロは対円でも8.3%下落し、2年間で最大の下落率になる見通しとなっている。
ドルは5月は対円で1.8%の下落になるとみられる。
〔中略〕
安全資産買いがドルを支援。主要6通貨に対するICEフューチャーズUSのドル指数は一時、83.215まで上昇し1年9カ月ぶり水準となった。その後、押し戻され前日比0.082%高の83.083となった。
この日発表された一連の米経済指標は弱い内容だった。第1・四半期の国内総生産(GDP)改定値が前期比年率で1.9%増と、速報値の2.2%増から下方修正されたほか、新規失業保険申請件数は前週から小幅増加。申請件数の増加は4週連続となった。5月米ADP民間雇用者数は13.3万人増と予想を下回り、5月のシカゴ地区購買部協会景気指数は予想外に低下した。
6月1日には5月の米雇用統計が発表される。ロイター調査の予想では、非農業部門雇用者数は15万人増と、前月の11万5000人増から増えると予想されている。
ウェルズ・ファーゴの通貨ストラテジスト、バッシリ・セレブリアコフ氏は、雇用統計について「非常に弱い数字になることが懸念されている。(非農業部門雇用者数の増加が)10万人を割り込めば、悲観的な流れが恐らく続くだろう」と指摘。「必ずしもこの流れが強まるかどうかは分からないが、10万人を下回れば、米経済の減速を示す最も大きな兆候と受け止められるだろう」との見方を示した。
弱い米指標と欧州情勢をめぐる懸念を背景に、トレードウェブによると、米国債の指標である10年債利回りは1.5326%の過去最低水準となった。”
この報道にある木曜の段階の指標悪化の方が
週末の雇用統計よりも為替市場へのインパクトが大きかったと言える。
週初めの下げ止まり感が週央にはあっという間に吹っ飛んだ。
前日には西国債と伊国債が売られ、利回りが上昇していた。
アングル:円急伸で市場参加者は臨戦態勢、「円包囲網」狭まるか(reuters)
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE85006H20120601
”円高が止まらぬなか、市場参加者は円売り介入に備え始めている。スペイン金融不安に加え、市場予想よりも悪い米経済指標が続出して円が全面高。ユーロ/円は2000年11月以来の安値を付けたほか、ドル/円は3カ月半ぶりの安値となった。
日本の当局者が「口先介入」を強め始めているが、ドイツ国債や米国債の金利が歴史的水準に低下するなか、円相場は海外金利の影響を強く受けている状況だ。6月は重要イベントが目白押しであり、「円包囲網」が狭まるか警戒感は一層強くなっている。
〔中略〕
マーケットの介入に対する見方は分かれている。みずほ証券FXストラテジストの鈴木健吾氏は介入について「78.15円を下回ると現実味を帯びてきて、実際に78円を割ったら入る可能性が強まるのではないか」との見方を示す。 昨年11月の覆面介入時の高安の中間が78.15円だったことに加え、3月日銀短観の大企業・製造業の2012年想定為替レートが78.14円であるためだ。
一方、JPモルガン・チェース銀行の債券為替調査部長、佐々木融氏は現時点で円売り介入が行われる可能性は低いとみている。
〔中略〕
三井住友信託銀行のマーケット・ストラテジスト、瀬良礼子氏も「介入のタイミングについては75円付近までは動きづらいのではないかとみている」という。ドル/円は昨年10月31日に75.31円の戦後最安値を付けたが、当局は戦後最安値の更新直後に介入に踏み切っている。
〔中略〕
海外主導の円高傾向が続いているが、6月のカレンダーには欧米の重要イベントが並んでおり、リスクオフモードが当面続く可能性がある。
6日には欧州中央銀行(ECB)理事会、17日にはギリシャの2回目の総選挙が予定されている。スペインの金融不安からスペイン10年債利回りが7%の大台を視野にとらえて「週末のたびにスペインが支援要請に駆け込むのではないかとの憶測が浮上している」(欧州系銀行)なか、ユーロ圏財務相会合やG20も見逃せない。一方で、今晩の米経済指標の内容が市場予想よりも悪ければ、19日からの米連邦公開市場委員会(FOMC)に向けて米追加緩和観測が強まりかねない。
さらに、きょう発表の中国5月PMIは市場予想を下回ったが「中身はけっこう悪かった」(ブラウン・ブラザーズ・ハリマンのシニア通貨ストラテジスト、村田雅志氏)との声が出ている。新規受注指数、仕入れ価格指数といった景気の先行指数と呼ばれている指数が軒並み急落した。9日からは5月分の中国の経済指標が発表されるが、結果次第では中国の景気減速懸念が一段と強まりかねない。
<ユーロ/円の導入来安値>
ユーロ/円は1月の安値97.04円を下回って96円台に沈んだことで、市場では00年10月に付けた史上最安値88.80円が意識され始めた。ただ、現時点ではユーロ/円が早期に同水準まで割り込むとの見方は多くない。新生銀行・市場営業本部部長の政井貴子氏は、短期ならば「欧州でのリーマン・ショックの発生」がユーロ/円の最安値更新の条件としたうえで、長期的には、ECBが量的緩和に踏み切らざるを得ないとみられることから、通貨的な価値は落ちざるを得ないと話す。もっとも、短期的にリーマンショック並みの金融危機が想定しにくいとしても、市場関係者の多くがユーロの本格反騰シナリオを描いているわけでは決してない。
ある大手信託銀行のディーラーはきょう、ドル/円について77円台に下落する場面では打診買いに動きたい意向であるとしながらも、週末の欧州関連のニュースフローが警戒されることから、水準によっては週明けは介入含みとなるため、4日月曜日は所属するチームが早朝に出勤して事態の推移を注視するとしている。”
愈々、為替介入が意識されてきた。
もとより日銀が企業の想定為替水準に配慮する筈はない。
当ウェブログの見解は三井住友信託の瀬良氏に近い。
尚、日本政府当局の口先介入についても言及されているが
余りにも凡庸で市場の予想通りの内容なので省略している。
ドル78円半ば、政府当局者の円高けん制で下げ一服(asahi.com)
http://www.asahi.com/business/news/reuters/RTR201206010089.html
”午後3時のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点に比べてややドル高/円安の78円半ば。
政府当局者による円高けん制発言が相次いだこともあり、円高進行にはひとまず歯止めがかかった。ただ、今夜発表の5月米雇用統計は上振れよりも下振れの相場へのインパクトが警戒されており、仮に下振れればリスク回避の動きから、さらに下落圧力が強まる可能性がある。
〔中略〕
安住淳財務相は閣議後の会見で「行き過ぎた動きが続くようであれば、断固とした対応をしていかなければならない」と強調。財務省の中尾武彦財務官も、都内で行われたセミナーで講演し、「必要なら強い決意を持って措置を取る」と述べ、為替介入を辞さない姿勢を示した。
みずほ証券FXストラテジスト、鈴木健吾氏は介入水準について「78.15円を下回ると現実味を帯びてきて、実際に78円を割ったら入る可能性が強まるのではないか」との見方を示す。
同氏はその根拠として、昨年11月の覆面介入時の高安の中間が78.15円だったことに加え、3月日銀短観の大企業・製造業の2012年想定為替レートが78.14円であることを挙げた。
<米雇用統計は下振れ警戒>
市場では、前日発表の米経済指標が軒並み市場予想より悪かったことから、今晩の5月米雇用統計、5月米ISM(サプライマネジメント協会)製造業景気指数も弱い内容になるとの警戒感が強い。
〔中略〕
市場では相場のポジティブな反応は限られるとの見方が目立つ。「仮に雇用統計が上振れたとしても、欧州を震源地とする足元のリスクオフの大きな流れは変わらず、相場への影響は一時的にとどまるだろう」(外銀)との見方が出ていた。逆に下振れれば「リスク回避のドル買い、円買いがさらに加速する可能性が高い」(外資系証券)という。
〔中略〕
豪ドルは軟調。中国国家統計局が発表した5月の購買担当者指数(PMI)が50.4と、市場予想の52.2を下回ったことを受け、豪ドル/米ドルは一時8カ月ぶり安値となる0.9648米ドル付近まで下落した。ユーロもつれ安となり、1.2324ドルと1年11カ月ぶりの安値をつけたが、いずれもその後はやや戻している。
来週は欧州中央銀行(ECB)の理事会が行われるが、市場ではユーロ買い戻しのきっかけになると期待する向きもある。ただ「LTRO(長期資金供給オペ)3などECBが小手先の政策を出してきても、根本的な問題は解決しない。必要なのはドイツの政治判断で金融機関の資本増強が加盟国一致で進められること」(邦銀)との見方も出ていた。”
この報道からも分かる通り、米雇用統計の下振れは
市場関係者がほぼ予想していた。
当ウェブログは単独介入はまだ無理な水準であり、
協調介入ならば可能、という立場である。
政治関連報道のヘッドラインに細心の注意を。
また、現時点のECBに可能な最大限の施策として
LTRO3と緊急利下げの同時実施が挙げられる。
その場合も急激な買い戻しの可能性がある。
◇ ◇ ◇ ◇
注目銘柄。丸紅が漸く射程圏内に入ってきた。
↓ 丸紅(Rakuten.sec)

丸紅(東証一部 8002) 404 → 437 / 453 → 587 / 450 → 587
542 → 608 / 494 → 577 / 540 → 577
541 → 602 / 529 → 602
三菱商事(東証一部 8058) 1,970 → 1,931 / 1,622 → 1,931
東京建物(東証一部 8804) 298 → 312
富士重工(東証一部 7270) 467 → 670
タカラレーベン(東証一部 8897) 458 → 472 / 544 → 743
ユナイテッドアローズ(東証一部 7606) 1,044 → 1,215
1,087 → 1,284
1,146 → 1,526
1,341 → 1,752
マツダ(東証一部 7261) 232 / 178
昭和シェル石油(東証一部 5002) 987 → 1059 / 966
716 → 723 / 688
富士重工はもう少し下がありそうだ。
↓ 富士重工(Rakuten.sec)

南欧国債利回り急上昇=スペインの銀行部門懸念で(時事通信)
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2012053001004
”【ロンドン時事】30日の欧州市場では、スペインの財政や銀行問題に対する懸念を受けて、債務危機に見舞われている南欧諸国の国債利回りが急上昇(価格は急落)した。
〔中略〕
スペインの10年物国債利回りは一時6.7%台(前日終盤は6.4%台)と、昨年11月末以来の水準となった。
イタリア国債利回りも上昇。10年債利回りは一時6.1%台と、前日終盤の5.9%台から大幅上昇した。
経営難に陥ったスペイン銀行大手バンキアは前週末、190億ユーロ(約1兆9000億円)の公的資金注入を受け入れると発表。ただ、市場での資金調達が困難となったスペイン政府が、同行救済に欧州中央銀行(ECB)の資金供給オペレーション(公開市場操作)利用を計画し、ECBに拒否されたと一部で報じられるなど、同国の銀行部門をめぐる不透明感は払拭(ふっしょく)されていない。”
これが30日の報道。危機を予告していたのは国債市況だった。
この日を境にユーロが急落しているのは明らかである。
今週、ECBはスペイン防衛を迫られることになるだろう。
一部のネットメディアは失業率悪化を理由としているが明白な間違い。
雇用関連は通常の場合、遅行指標であり市場予想との乖離が重要。
数字自体が悪いかどうかではない。
![]() | 『会社四季報』2012年2集 春号 |
◇ ◇ ◇ ◇
【 いとすぎの為替ポジション 】
月曜に買い戻しするものの週央からの下抜けで再度ユーロショート。
金曜深夜にクロス円が切り返しかけたのでポンドロングに転換。
(週明けに下抜けしたら勿論のこと撤退)
2012/06/01 120.02 GBP/JPY Lev ×1.5
現在 > 96.95 ユーロ/円(損益133%)← 今年の損益率
119.80 ポンド/円
77.98 ドル/円
◎ 2011年の損益率(手数料等除外)> 138%
◎ 2010年の損益率(手数料等除外)> 147%
◎ 2008年秋~09年末の損益率(手数料等除外)> 353%
▼ ポジション解消済み
2012/05/23 100.68 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
2012/05/14 102.44 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
2012/05/11 128.50 GBP/JPY Lev ×1.5
2012/04/27 106.60 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
2012/04/19 130.30 GBP/JPY Lev ×1.5
2012/04/13 128.88 GBP/JPY Lev ×1.5 (ショート)
2012/04/06 84.02 AUD/JPY Lev ×1.5 (ショート)
2012/03/30 132.57 GBP/JPY Lev ×1.5 (ショート)
2012/03/22 85.75 AUD/JPY Lev ×1.5
2012/03/13 128.51 GBP/JPY Lev ×1.5
2012/03/13 83.48 CAD/JPY Lev ×1.5
2011/07/11 80.40 USD/JPY Lev ×1.5
2012/02/17 125.76 GBP/JPY Lev ×1.5
2012/02/10 102.33 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
2012/02/02 81.42 AUD/JPY Lev ×1.5
2012/01/27 101.79 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
2012/01/25 77.71 USD/JPY Lev ×1.5 (ショート)
2012/01/20 99.72 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
2011/12/16 77.65 USD/JPY Lev ×1.5 (ショート)
2011/12/28 101.49 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
2011/12/23 79.27 AUD/JPY Lev ×1.5
2011/12/16 101.31 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
2011/12/09 78.70 AUD/JPY Lev ×1.5
2011/12/03 104.55 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
2011/12/03 77.87 USD/JPY Lev ×1.5 (ショート)
2011/11/25 102.89 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
2011/11/15 78.22 AUD/JPY Lev ×1.5 (ショート)
2011/10/31 77.98 USD/JPY Lev ×1.5 (ショート)
2011/11/09 79.33 AUD/JPY Lev ×1.5
…以下省略…
「資源国通貨は底打ちしました。
豪中銀は政策金利を引き上げ始めており、
豪ドルは緩やかな上昇トレンドに入っています」
豪ドルの中長期的な見通しは変わりません。72円が当面の底になりそう。
「90円から72円のレンジ圏を想定」
目先はネガティブだが、引き続きクロス円の急激な買い戻しに注意。
ユーロショートのポジションが空前の規模に膨張している。
ドル円は介入射程圏に接近中、単独か協調かでスタンスを変えること。
※ くれぐれも投資家各位で御判断下さい。
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