今週の『週刊エコノミスト』の特集は「電機 勝利の方程式」でした。
個人的には個々の企業や特定分野は別として、
日本の電機セクターには「勝利の方程式」はもう存在しないと思う。
ドイツの通貨政策の狡知を理解できるような賢さ、
人口政策の死活的な重要性を理解できるような聡明さが
日本政府にも政党にもエコノミストにも評論家にも決定的に欠けているから。
P36には、ソニーがiPadを、三洋がiPodを2000年頃に開発していたのに
経営側がそれを見捨てていたことが分かります。
負けるべくして負けている訳です。
また、医療機器分野での日本メーカーの弱さはつとに有名ですが
相変わらずリスク回避で外国製品の草刈り場になっている現状を
P39でジャーナリストの塚崎氏がリポートされています。
◇ ◇ ◇ ◇
P40で元経産省の長谷川榮一・東大大学院教授が
「公務員の新規採用削減に反対」と題した寄稿も必読です。
給与が高い高齢職員を減らした方が人件費節減できるし、
組織の新陳代謝も進むという堂々の正論。
でも、能力の低さを自覚していて意欲に欠ける連中は
この手の正論には汚い手を使ってでも全力で反対してくるものです。。
当ウェブログとしては、天下りは全員の名前と役職、報酬を原則開示して
利益相反があれば行政訴訟の対象とするシステムが望ましいと思う。
政府からの天下りにはそれだけの重責と説明責任がある筈だ。
◇ ◇ ◇ ◇
今週の週刊ダイヤモンドは資産運用特集。水準は平均的と思います。
ただマクロの市況を判断する目安はあるので少しは紹介して欲しい。
(僭越ながら当ウェブログの方が市況判断では勝っていると思う)
特集ではP44「資産運用業界の歪んだ構造」が圧倒的に面白い。
この販売会社の強欲ぶりははっきり言って「終わっている」。
私はコスト3%でも「ふざけるな、この野郎」と感じるが、
最近は何と手数料+信託報酬で4%を超えるそうだ。
これでは投資信託ではなく、業界へのプレゼント以外の何ものでもない。
ただ、外資系が日系運用会社をけなしているのは頂けない。
外資の為替デリバティブのあざとさを見てから言え、という感じ。
本質ははっきり言って日系も外資も大して変わらない。
そうそう、P108の住宅ローン特集も良い。
何となく「時限爆弾」に似た性質があるような気がしてならない。。
◇ ◇ ◇ ◇
週刊東洋経済は公務員特集。
「東洋経済は既得権層に対する切り込みが甘い傾向があるので
その点は毀誉褒貶をクリアにして健全な言論を展開されたい」
と先週書いたのですが、悪い予感的中。
健全な批判精神が欠如していて、はっきり言って話にならない。
以下の通り、非常に偏った政治的バイアスがありありと出ている。
○官民格差隠蔽のトリックを完全無視
○正規職員と非正規職員との「身分差別」を完全無視
○労働組合の「政治介入」を完全無視
○退職手当債に代表されるモラルハザードを完全無視
○人事と待遇における悪平等を完全無視
○経済破綻による待遇切り下げのリスクを完全無視
読んでいて溜め息ばかり出ました。
編集部はなぜ大阪で橋下市長が圧倒的支持を集めたのか、
日本の公共部門がなぜ国際的に評価されていないのか
全く理解していないと言わざるを得ない。
▽ 来週号の鉄板で売れる特集で気を取り直せるか?
でもTOEICの代案を提示できずに中途半端な特集で終わる危険性もかなり……。
個人的には個々の企業や特定分野は別として、
日本の電機セクターには「勝利の方程式」はもう存在しないと思う。
ドイツの通貨政策の狡知を理解できるような賢さ、
人口政策の死活的な重要性を理解できるような聡明さが
日本政府にも政党にもエコノミストにも評論家にも決定的に欠けているから。
『エコノミスト』2012年 5/29号 | |
P36には、ソニーがiPadを、三洋がiPodを2000年頃に開発していたのに
経営側がそれを見捨てていたことが分かります。
負けるべくして負けている訳です。
また、医療機器分野での日本メーカーの弱さはつとに有名ですが
相変わらずリスク回避で外国製品の草刈り場になっている現状を
P39でジャーナリストの塚崎氏がリポートされています。
◇ ◇ ◇ ◇
P40で元経産省の長谷川榮一・東大大学院教授が
「公務員の新規採用削減に反対」と題した寄稿も必読です。
給与が高い高齢職員を減らした方が人件費節減できるし、
組織の新陳代謝も進むという堂々の正論。
でも、能力の低さを自覚していて意欲に欠ける連中は
この手の正論には汚い手を使ってでも全力で反対してくるものです。。
当ウェブログとしては、天下りは全員の名前と役職、報酬を原則開示して
利益相反があれば行政訴訟の対象とするシステムが望ましいと思う。
政府からの天下りにはそれだけの重責と説明責任がある筈だ。
◇ ◇ ◇ ◇
今週の週刊ダイヤモンドは資産運用特集。水準は平均的と思います。
ただマクロの市況を判断する目安はあるので少しは紹介して欲しい。
(僭越ながら当ウェブログの方が市況判断では勝っていると思う)
特集ではP44「資産運用業界の歪んだ構造」が圧倒的に面白い。
この販売会社の強欲ぶりははっきり言って「終わっている」。
私はコスト3%でも「ふざけるな、この野郎」と感じるが、
最近は何と手数料+信託報酬で4%を超えるそうだ。
これでは投資信託ではなく、業界へのプレゼント以外の何ものでもない。
ただ、外資系が日系運用会社をけなしているのは頂けない。
外資の為替デリバティブのあざとさを見てから言え、という感じ。
本質ははっきり言って日系も外資も大して変わらない。
『週刊ダイヤモンド』2012年 5/26号 | |
そうそう、P108の住宅ローン特集も良い。
何となく「時限爆弾」に似た性質があるような気がしてならない。。
◇ ◇ ◇ ◇
週刊東洋経済は公務員特集。
「東洋経済は既得権層に対する切り込みが甘い傾向があるので
その点は毀誉褒貶をクリアにして健全な言論を展開されたい」
と先週書いたのですが、悪い予感的中。
健全な批判精神が欠如していて、はっきり言って話にならない。
『週刊東洋経済』2012年 5/26号 | |
以下の通り、非常に偏った政治的バイアスがありありと出ている。
○官民格差隠蔽のトリックを完全無視
○正規職員と非正規職員との「身分差別」を完全無視
○労働組合の「政治介入」を完全無視
○退職手当債に代表されるモラルハザードを完全無視
○人事と待遇における悪平等を完全無視
○経済破綻による待遇切り下げのリスクを完全無視
読んでいて溜め息ばかり出ました。
編集部はなぜ大阪で橋下市長が圧倒的支持を集めたのか、
日本の公共部門がなぜ国際的に評価されていないのか
全く理解していないと言わざるを得ない。
▽ 来週号の鉄板で売れる特集で気を取り直せるか?
『週刊東洋経済』2012年 6/2号 | |
でもTOEICの代案を提示できずに中途半端な特集で終わる危険性もかなり……。