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5年で半分が辞める外国人社員、あっさり見捨てられる日本企業 -「優秀な人が集まらない」実態

2014-07-28 | いとすぎから見るこの社会-全般
当ウェブログは「日本企業にも今日の経済停滞を招いた責任がある」との立場だ。
企業重視の立場は基本的に利益誘導と紙一重であり、
容易に薄汚いモラルハザードに転化する。
市場重視の立場と企業重視の立場には相容れない面があるのだ。

グローバル人材育成を能天気に称える安倍首相の軽い言葉に対し、当ウェブログは
「日本企業は単に「語学が堪能で外国人より従順で使いやすい」人材を求めているだけ」
だと指摘したが、それを裏付ける報道が出ている。

日本の電機大手の人事担当者によれば、
「外国人社員は5年で50%は辞める」そうだ。
これでは流石に「最近の若者はこらえ性がない」といった類いの低次元の言い訳はできまい。
まさか「最近の外国人はこらえ性がない」とでも言うのだろうか。

当ウェブログの指摘通り、日本企業の体質に問題があると見るのが当然である。

「AIUは受験マーケティングにおいて近年稀に見る成功を収めているので、
 今後卓越した人材を輩出する可能性は充分あると思うが、 
 それは単に入学定員を少数に限定して教育の密度を上げていることが主因である」

「真の「グローバル人材」なのであれば体質の古い日本企業は
 到底彼らを使いこなすことはできないであろう。
 勿論、「体質の古い」方が多数派であり、「なんちゃってグローバル企業」も少なくない」

あくまでも想定内の展開であろう。

▽ 「日本企業は技術はいいが経営が悪い」と外国人に言われているのが実態

『外交官が見た「中国人の対日観」』(道上尚史,文藝春秋)


以下が当ウェブログの従前よりの主張である。

「採用側の企業は新卒人材の良し悪しについて無遠慮に評する癖に、
 優秀な人材を逃す自社の魅力の無さを反省することは殆どない。
 所詮は自らが批判する相手と同類である。
 経験値が上であるというだけで偉そうにしていられるに過ぎない」

「「若者を見下す」輩は自己の低能さを認めたくないだけの悲しい欲望に囚われているのだ」

「それにしても「幸福も繁栄も、他人から与えられるものではない」と
 入社式で訓示していた新日鐵が今は政府にゴネて
 「法人税下げろ、原発再稼働しろ、六重苦を何とかしろ」と叫んでいるのだから
 実に皮肉な話である。自社が実行できていないことを新入社員に要求している訳だ」

以下の2つのエントリーを参考にされたい。

 ↓ 参考

国際教養大学の「神話」にも翳りが? -「使いにくい」との声や、日本企業の古い体質に合わず退職する例も
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/d8902538260985bbc1017e10d43d3a99

団塊の世代も言われた「扱いにくい、教育が悪い」- 昔から変わらない新入社員バッシングと入社式の式辞
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/b239671d85ebb2f3c169c5e9d5a9b2e2

▽ 日本企業の採用姿勢は、好況と不況で180度逆転する典型的なオポチュニズム

『大学キャリアセンターのぶっちゃけ話 知的現場主義の就職活動』(沢田健太,ソフトバンククリエイティブ)


5年で残るのは50%? 外国人社員が辞職する最大の理由(AERA)
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140719-00000003-sasahi-bus_all
”新卒でも外国人を採用する日本企業が増えてきた。しかしせっかく外国人を採用しても、辞められては元も子もない。
〔中略〕
「入社して5年後まで残っているのは50%」と嘆くのは、大手電機メーカーの人事担当者だ。
 売上高の半分強を海外から稼ぐグローバル企業だけに、毎年、海外で新卒を数十人、直接採用している。そういう意味では、先進的な企業なのだが、それでも5年もせずに辞めてしまう最大の理由は、「言葉の壁」。海外で直接採用するため、日本語研修も手厚く行っているが、会議での発言に加え、次々とメールに対応しなければならない「現実」に打ちひしがれ、辞めてしまうのだという。
 年功序列賃金、終身雇用、「あ・うん」の呼吸。そうした日本独特の企業文化も、海外のエリートを遠ざけている。
「受け入れ態勢が未熟でした」
 あるサービス業の社長は、そう漏らす。将来のアジア進出をねらい、中国の学生を採用したが、わずか1年で辞めてしまったという。日本語も堪能で、営業成績もトップクラスだったが、ある日、こう尋ねられた。
「自分はいつになったら課長になれるのでしょうか」
 社長が年功色の強い自社の職能資格制度を説明したところ、「では、あと5年以上かかるんですね」と切り返された。ほどなくして辞表が届いた。

 海外のエリートは上昇志向が強い。日本人のような「就社」意識はなく、よりレベルの高いキャリアが積めると思えば転職もいとわない。将来のキャリアパスを示せなければ、あっさりと見限られてしまうわけだ。”

すぐ辞める日本人の若者を口悪く批判する恥ずかしい企業人は多いが、
すぐ辞める外国人は不思議に批判されない。所詮は二枚舌でしかない。
いずれにせよ「すぐ辞められる自社」は殆ど論じられないのだ。


グローバル人材「英語で喋ればいいわけじゃない」と専門家(ポストセブン)
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140403-00000012-pseven-bus_all
”4月1日に多くの企業で行われた入社式。業界を問わず、新入社員に向けられた経営トップの訓示でいちばん聞かれたのは、「グローバル人材になれ」というゲキではなかろうか。例えば、こんな調子だ。

<グローバル人材として活躍するため、これからすべての時間を「成長する機会」と捉え、積極的に自らを磨き「仕事力」を高めよう>(三菱電機の柵山正樹社長)
<グローバルなダイハツマンに一日も早く成長されることを祈っている>(ダイハツ工業の三井正則社長)
<国際業務の拡大に対応するグローバル人材の育成を積極的に推進していく>(みずほフィナンシャルグループの佐藤康博社長)
<グローバル人材の不足をいかに克服するかが最大の課題>(ダイキン工業の井上礼之会長)

 しかし、一概にグローバル人材といっても、学生に求められる資質は企業によってまちまちなのが現状だろう。また、最近は英語はじめ語学力を重視する企業が多いため、「現地の言葉さえ喋れれば立派に海外で活躍できる」と勘違いしているフシもある。
 近著に『辞めたくても、辞められない!』(廣済堂新書)がある人事ジャーナリストの溝上憲文氏はいう。
「もちろん語学ができるにこしたことはありませんが、語学力は現地で仕事をしながらも学べますし、大事な商談なら通訳をつけて行うことだってできます。それよりも、海外の異文化を柔軟に受け入れる能力や、何よりも国境を超えて商談をまとめ上げる卓越したコミュニケーション能力と度胸がなければ使い物になりません。
 実例を挙げると、『無印良品』の海外店舗を急激に増やしている良品計画が、英語の得意な社員を中心に海外赴任を命じたところ、外国人の従業員を束ねられずにことごとく失敗したといいます。逆に、石油精製・販売大手のJXのように、海外駐在員でバリバリ活躍している社員の中にTOEICの点数が500点台でもタフネゴシエーターとして大きな仕事を取ってくる人もいます
 必死に語学力を身につけても、海外の商談相手を納得させたり、外国人の部下を統率するマネジメント力がなければ通用しない。とどのつまり、「日本でろくに仕事ができない人は海外に行っても同じ」(流通業界関係者)というのがグローバル人材の共通した定義であるといえる
「そもそもグローバル社員なんて、カッコイイものではありませんよ」と溝上氏が続ける。
「いまや日本企業の稼ぎ頭となっている海外展開は、中国や東南アジア、ブラジルなど。新興国といっても中には電話も通じていないような僻地に赴任させられることだってあります。レジが壊れても直す手段のない山奥のコンビニとか……。
 そんな場所で、泥まみれになって働く覚悟はいまの新入社員にはないでしょう。企業側も責任を持って『永住する覚悟で海外に出て稼いでこい』と言えないのが問題です。もっとも、現地法人の採用案内に“日本語必須”なんて書いているような企業がいくらグローバル人材を募っても優秀な人は集まりません」(溝上氏)〔以下略〕”

入社式でグローバル人材育成を謳っても実態はバラバラだ。
今でも現地で「日本語必須」などと言っている企業も企業である。

同じ日本企業でもグローバル化への対処の巧拙は天と地ほどの差があり、
劣等企業は口でグローバル化を唱えても実態が伴っておらず、
彼らの言い分を鵜呑みにしてはならない。
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