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「一生安泰に暮らしたい」- 日本人のメンタリティが閉塞感の源、正社員既得権・年金既得権を生み出す

2010-01-26 | いとすぎから見るこの社会-全般
現在の日本経済の癌細胞は、余りにも大き過ぎる既得権だと思う。
大企業正社員の既得権・公務員既得権・高額年金既得権として
広く存在するために、認識され難いだけである。

一生安定を望むことは、勿論個人の自由であるが
安定を求める層に高い賃金・給付を払い過ぎているのである。

一部の人々がローリスク・ハイリターンを享受しているため、
日本経済そのものが尻拭いをさせられることになるだろう。
つまり日本経済や国債自体がハイリスク・ローリターンになる。
経済を成長させ、高齢化日本の社会保障制度を支える者こそ、
本来は評価され正当に報われるべきなのだ。

既得権層か日本経済か、どちらかが滅びなければならない。


一生安泰に暮らしたい日本人の心が招いた閉塞感(diamond.jp)
http://news.goo.ne.jp/article/diamond/business/2010012003-diamond.html

”「閉塞感」という言葉が使われて久しい。90年代初頭から使われているだろう。20年
 経った今でも、昨今の社会状況を的確に表現する言葉として、その価値は益々高まっ
 ているように思う。だが、閉塞感を英語に訳すのは難しい。ぴったり当てはまる言葉
 がないのだ。そもそも、そういう感覚がないのだ。
 アメリカ人ならこう言うだろう。「閉塞感?そんなに悩む必要があるの?今いる会社
 が嫌なら辞めればいいじゃないか。政治が嫌なら次の選挙で別の政党に投票すれば良
 いじゃないか」実に、単純明快である。
 なぜ日本人だけが閉塞感を感じるのか。それは、日本社会が簡単には変化できない構
 造になっているからではないかと思う。そこには制度の側面と日本人のマインドセッ
 ト(心の持ち様)の側面がある。
 制度としては、国家公務員制度と大企業のガバナンスが堅固な構造を持っている点が
 指摘される。マインドセットとしては、一回の就職で死ぬまで楽チンな人生を送りた
 いと願う日本人のワンパターン化した人生設計
がある。
 国家公務員制度は戦後一貫して強大化してきた。自由民主党が50年の長きに渡って政
 権政党として君臨してきたことも影響している。国家公務員が広範な組織を作りだし
 たのは、1970年代前半に田中角栄が首相になった頃からではないかと思う。田中角栄
 は「政治家は選挙に勝つことだけを考えろ、頭を使うことは官僚に任せろ」が持論だ
 った。田中政権の強い後ろ盾を得て、政治に関わりなく自分たちの権力を維持できる
 仕組みを作っていった。
 具体的には、国会の承認をできる限り経ないで済むように法律を作り、自らの裁量で
 民間企業に許認可を行えるように法律を作っていった。仲間内で人事を決め、自分た
 ちの年金を手厚くして、退官後にも外郭団体、地方自治体、果ては民間企業にも天下
 りするポストを作った。天下りのたびに高額な退職金を手中に収め、公務員制度の中
 で出世していけば、死ぬまで安泰に過ごせる自己完結的な制度である。
 国家公務員への権力集中が、地方自治体の無力感を招き、民間企業の活力を奪ってい
 った。彼らが変わらなければ、自分たちではどうにもできない「閉塞感」が多くの市
 民を憂鬱にした。

 〔中略〕
 日本人のマインドセットはどうであろうか。国家公務員として出世を目指すには一流
 大学を卒業しなければならないし、大企業の社長を目指すには一流大学を出なければ
 ならないといった固定観念が広く支配している。母親は自分の生んだ子供が一生安泰
 な人生を送れるように尻を叩く。確実に既得権者になることを願うのである。
 同じ企業の内部でも既得権者が存在する。正規社員は非正規社員から見れば既得権者
 である。非正規社員の待遇に不平等感があっても見て見ぬ振りをする。
自分は努力し
 て既得権者になったのだから、彼らが割を食うのは仕方ない。大企業の年金受給者も
 既得権者の大きな集団である。会社が倒産寸前になっても既得権者はその権利を主張
 する。日本航空がその良い例である。
〔以下略〕”

三菱銀行を辞めて海を渡り、西海岸のベンチャービジネスの世界に入った
安藤茂彌氏の鋭い観察眼である。
日本を離れたために、客観視できているのだと思う。

私も全く同意見だ。日本航空と同じように、
日本の既得権層は、日本経済が滅亡間際になっても
自らの権利だけを主張し続ける
だろう。





『週刊ダイヤモンド』2009年 12/5号

国民は、多くの労組が仲間内の利害しか眼中になく、
公益を私物化する既得権層であると気づき始めている。
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2 Comments

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Unknown (Unknown)
2010-01-27 21:56:44
いつも気骨あるエントリーにパワーを貰っています。

こういう声がもっともっと大きくなること、
そして、破壊の実践例が出てくることが大事だと思います。
返信する
有り難うございます (いとすぎ)
2010-01-28 00:22:32
コメント有り難うございます。
そうですね、実践が大切ですよね。

私は破壊というよりも労組を説得して
新しい枠組みに協力して貰う方が
政治的に容易かと考えております。
(例えば所得控除の縮小や日本版CNAFの創設)

気骨があると受け取って頂けるのは幸いですが、
どちらかと言えば他者との関係をこじらせかねないので
私としては悩みの種、成る可く自重しています。

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