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原発停止で新規投資は首都圏だけで2兆円超の増加、原発13基分の出力増へ - 原子力は経済成長の敵だ

2015-06-11 | いとすぎの見るこの社会-地球環境を考える
日本経済新聞の報道によれば、原発停止と電力自由化を見据え
火力発電への新規投資が2兆円を超えたとのことだ。

当ウェブログは、原子力比率の高いフランスの成長率が低いこと、
成長率でドイツに劣るばかりか製造業もドイツに劣っていることから、
原子力はただのレント(政治利権)に過ぎず、経済成長の妨害要因だと指摘してきた。

愚劣な安倍内閣の円安誘導による燃料費高騰の現実を無視し、
電力料金の高騰ばかり強調して国民を「B層」扱いして欺き、
原発再稼働を狙う醜悪な「第五列」の情報操作の悪質さと欺瞞は、
報道によっても完璧に証明されつつある。

省エネと風力に注力する合理的なエネルギー政策を選択できれば日本経済は甦る。
地中熱と木質バイオマス熱利用を推進すれば地方経済にもポジティブであるが、
問題は今の自民党が原子力と癒着し、そうした「正しい」政策を妨害していることだ。

それは同時に、新規雇用を生まない利権勢力に利益誘導し、
日本経済の成長をも妨害するというより重大な問題を内包している。

どのみち安倍政権は黒田日銀と一蓮托生で轟沈する運命にあるのだから、
早めに崩壊して歪んだエネルギー政策を放棄するのが
唯一残された国益に貢献する道なのである。

「原子力は日本経済に有害なのである。
 成長率の低迷が何より雄弁にそれを証明している」

「異次元緩和などと「次元の低い」政策を行っている日本よりも
 明らかに成長率の高いドイツは、コージェネ発電の比率が13%に達している。
 日本経済のために、原子力を撃滅してコージェネに転換するべきなのである」

「ドイツはコージェネ発電の比率を2020年までに25%に引き上げようとしている。
 同じような少子高齢化が進む両国が、成長率で差がついている理由は明白だ。
 日本では原子力利権がのさばって経済成長を抑圧していからだ」

「賢明でかつ投資も増え、経済成長に繋がる合理的なコージェネが普及すると
 確実に電力大手の売上は減り、原子力の必要性が全くないことがバレるので
 利権勢力としては何としても国民にとっては非常に有益なコージェネを普及させたくないのだ」

「残念ながら自民内の脱原発派は強力な代案を出していない。
 コストの安い風力発電のため送電網を整備するとともに、
 (愚劣なバラ撒きである国土強靭化やリニアの10分の1以下の予算で可能だ)
 経済合理性の高いコージェネ発電の買取制度を創設し、
 地中熱での節電分をネガワット取引で売却できるようにすべきである」

と当ウェブログは主張してきた。
原発再稼働後に成長率は下方修正され、
安倍政権はエネルギー政策でも「次元の低さ」を晒け出すことになろう。

▽ 小規模分散の天然ガス利用はコージェネ拡大に寄与し、震災にも非常に強い

『天然ガスが日本を救う 知られざる資源の政治経済学』(石井彰,日経BP社)


合理的なエネルギー政策を妨害する最大の要因は、原子力利権と癒着政党である。

「今回の電源構成の案は、安倍政権と経産省が大嘘つきであることを証明した。
 世論に敵対して原子力比率を死守する小細工を行い、
 経済合理性に反してレントシーカーに利益誘導を行ったのだ」

「安倍政権は元々口先で誤摩化して利益誘導ばかりを行う
 腐った体質であることがこれまでの「実績」によって完璧に証明されているので、
 何ら驚くべきことではないが、これは明白に国益に反するものである」

「原子力のレントが温存されることで国内投資は抑圧され、
 省エネ・再生可能エネ導入の努力を怠る企業が
 有権者から搾取したカネで安い電力コストを左団扇で享受する」

「ただでさえ少子高齢化で停滞している日本で、
 このような怠惰で既得権をぬくぬくと延命させる経済が成長する筈はない。
 世界で最も原子力比率の高いフランスの成長率が恒常的に低く、
 製造業の競争力も低い現実を直視するがいい」

「異次元緩和などというカンフル剤を打ってもドイツに劣る日本の低成長を直視すべきだ」

「同時にこれは、反成長や原理的な反対ばかり唱える幼稚な脱原発派が
 「次元の低い」自民党政権にすら勝てないということを意味する」

「原子力というモンスター・システムがいかに強大か、いかに嘘つきか、
 カネをバラ撒いて政官を買収するのがいかに巧みか、彼らは全く分かっていない」

「我が国の経済成長のためには、需要のある分野で様々な苦労と工夫を重ね、
 努力してイノベーションを起こすことが不可欠なのである。
 オープンな市場での競争が起きず、独占的に公費を受け取れる原子力は怠惰で最悪の選択だ」

「原発ゼロは可能であるばかりか、日本経済の成長のために必須である。
 原発利権を撃滅しなければ、今の低成長から脱することもできない。
 潜在エネルギー資源を豊富に持つ地方経済の「創生」の成否もそこにかかっている」

としてきた当ウェブログの警告は、低成長の現実が立証することになる。

 ↓ 参考

「ベースロード電源に天然ガスを入れると一発で原発の比率が下がる」- 利権勢力の走狗になり果てた経産省
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/6dc8ae5449c1fc011738410a15c2c4bd

コージェネレーションの急成長は確実、2030年迄に全電源の7%に -「15%を目指すべき」との声も
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/b8067d44524b710bec11a333716f6b4f‎

日本は既に省エネ「劣等生」、コージェネが不十分でビルの消費エネルギーも多い -「世界トップから脱落」
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/bdbe09d8dd34742ef530ce1011b5cb0c

▽ 日本は発電部門は無駄だらけ、コージェネに代表される省エネ投資が圧倒的に不足している

『エネルギーを選びなおす』(小澤祥司,岩波書店)


計画中の首都圏向け火力、原発13基分 投資2兆円超(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ02H0U_V00C15A5TJC000/
首都圏需要向けに計画中の火力発電所の合計出力が約1300万キロワットと、原子力発電所13基分に上ることが分かった。関西電力や東京ガスなど電力小売りの全面自由化(2016年4月)をにらみ、地域・業種を越えた進出が相次いでいる。総投資額は2兆円を上回る見通しだ。コスト競争を通じた電気料金の抑制が期待できる一方で、供給過剰の懸念もあり、計画通りに建設が進むか不透明な面もある。
 東京電力が3月末に締め切…〔以下略〕”

投資が増えているのは結構なことであるが、火力への依存度は下げなければならない。
コージェネ法で小規模分散のコージェネを大幅増強するとともに、
ネガワット取引を実施して地中熱導入を促進するべきだ。


消費者の8割以上「電気代下がれば電力会社のりかえたい」(ZUU Online)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150608-00000018-zuuonline-bus_all
”8割以上の消費者が、電気代を下げられれば、電力供給会社を乗り換えたいと考えているという。6月8日に、みずほフィナンシャルグループの子会社であるみずほ情報総研が公表した調査結果で明らかになった。
 同調査については、みずほ情報総研が2015年2月中に、全国の男女約3500人を対象に実施したもので、電力供給会社の選択やその基準について調べたもの。
〔中略〕
 同調査によれば、8割以上が「電気代が下がれば電力会社をのりかえたい」という。具体的には、回答者の実に83%が「電気料金が現在より低ければ乗り換えたい」と回答し、その中の66%が「電気代が20%以上、下がるなら乗り換える」とした。
 ほかにも同社は、発電方法別の消費者の受け止めについてもアンケートを実施。例え電気代が高くなっても、再生可能エネルギーから発電された電気だけを使いたと回答した消費者は5%にとどまる結果となった。他方で、回答者の32%が原子力で発電された電気を「利用したくない」と回答しており、一般の原子力発電への抵抗感はなお残っている現状が浮き彫りになった格好だ。(ZUU online 編集部)”

このように、再生可能エネルギーで最も重要なのはコストだ。
(だから送電コストの低い風力を優先すべきなのである)
原子力への抵抗が32%というのも低過ぎであり、
日本でまだまだ省エネへの理解が広がっていない現状が分かる。
このようにエネルギーリテラシーが低いと利権勢力に騙されるだけだ。


新電力へ切り替え加速、大手解約は原発3基分(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/economy/20150125-OYT1T50072.html
”全国の企業や自治体が、電力の購入契約を大手電力会社から新興電力に切り替える動きが加速している。
 四国、沖縄を除く8電力の合計で、2014年に原発3基分に当たる約300万キロ・ワットの需要が新電力に移った。夏のピーク時(約1億5000万キロ・ワット)の約2%だが、これまでに新電力へ移った累計約1200万キロ・ワットの4分の1を占める。16年4月の電力小売り全面自由化をにらみ、今後も新電力の開業が続く。
 東日本大震災後の原発停止に伴い、火力発電の燃料費が膨らんだため、大手電力は企業向けの電力料金を約3割値上げした。これに対し、新電力の料金は大手電力より数%安いとみられている
 関西電力の場合、累計で約250万キロ・ワットが新電力に流れた。〔以下略〕”

これはこれで結構な話だが、新電力はまだまだ比率が低い。
需要側(企業・家庭)が省エネと自家発電(コージェネ・太陽光)を進めることで
電力コストは低下し、投資も増え真の「経済の好循環」が実現するのである。

あと、この読売記事の「原発停止に伴い火力発電の燃料費が膨らんだ」は間違いだ。
火力発電の設備更新をサボり、風力発電の普及を妨害してきたからこうなったのだ。
(参入障壁の高い原子力でラクラク稼ごうと企んだから因果応報で赤字に陥ったのだ)
円安でどれだけ燃料費コストが上昇したかも明記すべきである。


役員報酬「まだ下げてなかったとは」批判浴びた関電、再値上げへ“身を削る改革”焦点に(産経新聞)
http://www.sankei.com/west/news/150303/wst1503030060-n1.html
”4年連続の赤字が確実となり、業績回復へ“悲願”の電気料金再値上げを目指す関西電力。3日、大阪市内で陳述人の意見を聞く経済産業省の公聴会が開かれたが、2年間で2回目の値上げには消費者の反発が強く、冒頭から厳しい意見が相次いだ。関電は家庭向け電気料金で平均10.23%の値上げを申請したが、認可には、削減目標に到達していない人件費、保有資産の売却など“身を削る改革”の進展がポイントとなる。
 関電は平成25年度の値上げの際、27年度までの3カ年で行う人件費や燃料費などの経費削減計画を策定。26年度中に全体での経費削減数値目標は達成する見込みだが、個別にみると未達の項目もある。
 その1つが人件費で、削減目標を2年連続で達成できない見込み。今回の値上げの審査でも最大のポイントとなっている。値上げに関し消費者庁が作成した点検項目では、役員や顧問への報酬についてもチェックが必要と指摘された。
 役員報酬は前回の値上げの際、1人平均年4100万円の報酬を1800万円にまで下げるよう求められたが、昨年までの実績は2100万円。今年1月にようやく1800万円へ引き下げることを表明した。3日の公聴会では「まだ下げていなかったことは驚き」と批判も出た。また、元役員など顧問7人に計4千万円支給している顧問料も削減を求める声が強い。

 そのほか、100社近い関係会社、保有する有価証券や不動産なども積極的に売却を進め、値上げ幅を抑えるべきだとの批判もあり、関電は27年度に経費削減目標を当初計画より340億円積み増すとした。〔以下略〕”

顧客無視の関電の殿様体質は、この報道からも明らかである。
原子力依存度を高めたハイリスクで愚かな経営判断の責任を取った者が
ほぼゼロである無責任経営こそが問題なのだ。
現場の真面目な社員に謝罪して経営陣は退陣すべきである。
(まともな民間企業であれば当然の話だ)

こうした顧客無視の企業の目を覚まさせるために、
国民は新電力に切り替えるとともに省エネを進めるべきである。
そうしなければ保守退嬰の殿様企業はいつまで経っても自らの誤りを認めず、
特権に齧り付いて投資減退・経済停滞を招く元凶となる。
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