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公務員採用の口利きで300万円の謝礼、元市議会議員を逮捕 - 生涯給与の多さが問題の根本に

2013-08-19 | いとすぎから見るこの社会-雇用と労働
広島県の自治体の職員採用試験で、口利きの謝礼として
300万円を受け取った元市議会議員が逮捕された。

実に馬鹿馬鹿しい事件で、今だにこのような腐敗が
まかり通っているような地方には未来はなかろう。

しかし問題の根本にあるものを考えると根は深い。
300万円を口利きの謝礼として出すということは、
300万円を払ってもそれ以上の利得がある、ということだ。

民間企業で採用の口利きで謝礼を出した例など聞いたことがない。
自治体職員でこうした恥ずべき事件が発生した事実は、
民間企業よりも得られる利得が大きいということを意味する。

口利きだけで300万円だから、収賄であれば倍以上の額になるだろう。
30年勤続と仮定すれば、1年で20万円以上の効果がないと
カネを払う意味がない。

都や府以外の道県の官民格差は20%以上はあるとされるので
充分「元が取れる」口利き代だと言えよう。

▽ 現在の一時的に減少した水準でも相対的に高いかもしれない





『公務員の給与はなぜ民間より4割高いのか』(北見昌朗,幻冬舎)


国民生活を豊かにし、税収を増やす有能な人材なら高給優遇しても良いのだが、
悲しいことに実態はどう考えてもそうではない。

 ↓ 参考

公務員の賃金フラット化は当然である - 退職金2000万円超でも不満顔、「質」も北欧に遠く及ばない
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/404569ae1c83f2ca18a6294dfeafc868

地方公務員に毎年3兆円超の退職金給付、なぜ課税強化しないのか - 今後20年間で62兆円以上に達する
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/ae4eaf97d3de716d5616acc0aacc8d8c

▽ 日本の公務員の年功賃金は、先進国の中でも最高水準

『ドロボー公務員』(若林亜紀,ベストセラーズ)


▽ 公務員の賃金がフラットな北欧の方が財政健全で、成長率が高いという現実





『スウェーデン・パラドックス』(湯元健治/佐藤吉宗,日本経済新聞出版社)


職員採用で口利き容疑=謝礼300万円、元市議逮捕―広島県警(時事通信)
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201308/2013080700952&g=soc
”広島県三原市の職員採用試験で口利きを頼まれ、市幹部に働き掛けた謝礼として現金300万円を受け取ったとして、県警捜査2課などは7日、あっせん利得処罰法違反容疑で、元市議の自営業白須均容疑者(64)=同市鷺浦町=を逮捕した。口利きを頼んだとして後援者の会社役員高田敏明容疑者(65)=同市中之町=も同容疑で逮捕。いずれも容疑を認めているという。
 逮捕容疑では、白須容疑者は市議会議長だった2011年11月中旬、高田容疑者から採用試験で関係者の男性が合格できるよう口利きしてほしいと頼まれ、副市長ら試験委員5人に「何とかならないか」と働き掛け、合格が決まった同年12月下旬、高田容疑者から現金300万円を受け取った疑い。

限りなく収賄に近い事件だ。
都道府県よりも市町村の方がこうした癒着に近い事例が
発生し易い(人間関係のしがらみが多く、隠蔽されがちなため)との声も聞く。
こうした愚か者は逮捕されるまで目が覚めないということだろう。

その該当者が合否ラインをクリアしていたかどうか、
容疑者と合格した人物の関係はどのようなものだったのか、
その辺りが分かると事件の背景が見えてくるだろう。

合格した当人は役場にいられなくなる可能性が高いし、
小さな自治体だと悪い噂はあっと言う間に広がる。

代償が余りに大きいのでこのような愚劣な行為を
どうして行ってしまったのか全く理解できない。
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