岐路


Z9 + NIKKOR Z 50mm f/1.2 S

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先日、知り合いのデザイナーと話した。
彼によれば、AIで自動生成した画像を、すでに仕事で活用しているそうだ。
どこかに写真を撮りに行く作業が大幅に減り、もっぱらAIに指示して画像を作って貰うらしい。
そのためにソフトの月額の使用料を数千円支払っているという。

どうも日本はAIに関する法の整備が遅れているようで、今のところけっこう自由に使えるらしい。
AIを自在に使いこなせるかどうかが、デザイナーとして生き残れるかどうかの分かれめになる・・とまで感じているという。
現在はAIが「欲しい画像」をアウトプットするよう、適切な指示を出せることが、使用者側の技術になる。
また生成された画像も、どこから持ってきて繋ぎ合わせたものか分からないので、そっくりなものがないか、念には念を入れて調べるようだ。

そもそもデザイン自体をAIがやってくれるのだから、デザイナーやイラストレーターという仕事が不要になる。
将来的に今の仕事が存続できるのかどうか、かなり厳しい状況になっているようだ。
自分の首を絞めているようにも見えるが、だからといって新しい技術を拒絶したら、たちまち脱落してしまう。
例によって、IT技術の持つ罠にはまっている・・とも言える。

ひと事ではない。
写真だって、もう撮る必要は無くなる。
すべてAIが簡単に作り上げてしまうのだから。
写真というものが、「記録」ではなく「創造物」になるのだ。

完成度の高い画像を得ることだけが目的であるなら、AIに作ってもらえば、それで済んでしまう。
業務用としては、コストのかかる「本物の写真」を使うのは、贅沢なことになるのではないか。
撮影という行為自体が必要なくなるとしたら、カメラも画像加工ソフトも、そしてカメラマンもいらなくなる。
撮影して現像して楽しむ‥という行為は、アナログレコードのような趣味の世界の話になるのだろう。

ご存じかと思うが、AIで生成した画像がフォトコンテストで賞を取った。
作者はAIでこのようなことが出来てしまうという問題提起のつもりであったが、誤解なども加わり、話が大きくなっていった。
AI画像が世界的コンテストで入賞…作者が気付いた、人間としてのアーティストの重要性

しかしこれは大変意味のある問題提起であったように思う。
我々は大きな岐路に立たされているのだ。
AIの影響で、様々な分野の作品の在り方が、大きく変容しようとしている。
この流れについて行くのか、かたくなに拒絶するのか・・・それはあなた次第である。
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送迎


Z9 + NIKKOR Z 24mm f/1.8 S

大きな画像

工場に出勤する時は、早朝の決まった時間の電車に乗る。
駅で車に乗り換えて会社に向かう。
電車は、時折遅延はあっても、基本的にいつも同じ時刻に駅に到着する。
しかし駅から会社までの移動にかかる時間は、日によって前後する。

信号への引っかかり方で、数分の違いが出るのだ。
片側一車線の狭い交差点で、右折車が混ざり道を止めてしまうと、信号が青でも通過できないことがある。
とは言え、それに要する時間的ロスはある程度決まっているようで、会社に到着する時刻は、遅れても5分程度の範囲に収まっている。

大きく狂うのは雨の日である。
駅までご主人や子供を送る車で、駅周辺の道路がごった返すのだ。
しかもドライバーが大抵運転に慣れていない人なので、交通全体がスムースに動かなくなる。
駅前ロータリーで道の真ん中に堂々と車を停めて人を降ろしたり、右折する際に右に寄らずに道を塞いだり・・・
他の車の抗議のクラクションが鳴り響く。

その混乱から抜け出すのにけっこう時間がかかるのだ。
裏道に逃げることも考えたが、誰も思いつくことは一緒で、結局そちらもスムースには動かない。
しかも天気も悪いので、悪条件が重なってしまう。

まあ、雨の日は家族が車で送迎する・・というのは当然のことなのだろう。
実は我家は、父親が運転免許を持っていなかったので、僕が子供の頃は、送ってもらった経験がまったく無い。
横殴りの雨の中でも、雪の降り積もった中でも、かじかんだ手で自転車を運転して駅に向かった。
そのため、ずいぶん皆楽をしているなあ・・と羨ましく思う。
今は駅前に住んでいるので、そういうことは無くなったのだが・・・

というわけで、雨の日は会社に到着する時間の予測がつかない。
駅前の道路が両方向とも車で埋まってしまい、そこを抜け出すのに何分かかるか分からないのだ。
ほとんど動けないまま、信号機が何度か変わるのを眺めているだけのこともある。
仕方が無いので、始業時間より30分以上前に到着するくらいの余裕を見て家を出ている。
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コブラヴァンプ


Z9 + NIKKOR Z 50mm f/1.2 S

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スリップオンを履く機会が増えた。
楽なのを覚えてしまい、紐を結ぶのが面倒になってきた(笑)
ならば久しぶりにあれを履いてみようかな・・と、引っ張り出してきた。
フローシャイムのユーマである。(2017年4月24日の日記


(iPhone 13 Pro)

スリップオンの中でもコブラヴァンプと呼ばれる形の靴の原点だ。
60年代のもっとも高品質な時代のもので、数年前に自分の足に合うデッドストックが奇跡的に手に入った。
以来この靴だけは大切に持っていた。

ご存じの通り、僕はスリップオンは苦手で、実は数回しか使用していない。
しかしスニーカーのスリップオンで慣れてきて、革靴の方もトライする気になったわけである(笑)
久しぶりだったので、革をしなやかにした方が良かろうと、何日か前からデリケートクリームなどで水分を補給しておいた。


(iPhone 13 Pro)

やはり紐靴のようには足に固定できないので、歩くのも恐る恐るではある。
しかしさすがは名靴だけあり、一日履いてみたけれど、特に問題は出なかった。
踵もしっかり付いてくる。
そのうち履いているのを忘れてしまう程であった。
念のためにタンパッドも買っておいたが、必要なかった。

靴の形がシュッとしていてカッコよくて、自分の足のベタッとした形状と違う。
そのため小指が押されるように感じるが、きれいに面で当たっているためか、痛くなることは無い。
スリップオンとして妥当なフィッティングと言えるだろう。
長い距離を歩くための靴ではないが、軽くカジュアルに街を歩くには最高の一足である。
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宿題


Z9 + NIKKOR Z 50mm f/1.2 S

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今日は凄く疲れて、夕刻には体が重くて、歩くのも嫌なくらいであった。
辛くなってコンビニで栄養剤を買って飲んだ。
少し効果があって楽になった。

仕事が残っていて持ち帰った。
でもやる気にならないなあ・・・
明日やろうかとも思うが、明日もやる気にならないんじゃないかな・・・
夏休みの宿題みたいだね。
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天気予報


Z9 + NIKKOR Z 50mm f/1.2 S

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毎朝テレビでNHKの朝のニュースを流している。
ゆっくり座って見る時間は無く、脇目でそれを見ながら出勤の準備をする。
世界で何が起きているか、一通り確認しておく必要がある。
食事をしたり、着替えたりしながら、チラチラと見ている。

けっこう重要なのは、天気予報である。
今日の天気を見て、その日の服装などを決めなければならない。
朝は気温が低そうなら、羽織れるアウターを着るし、雨が降りそうならゴアテックスのシューズを選ぶ。
実質的に天気予報の情報がもっとも重要になる場合も多い。

ところが朝は出発の準備で大忙しなので、天気予報をじっくり見ている時間が無い。
30分早起きし、コーヒーを飲みながら新聞を開き、テレビの天気予報をしっかり聞くのが日課・・という友人もいる。
しかし僕の場合、朝早く出なければならないこともあり、起きてから家を出るまでのルーチンが分単位で決まっている。
手を止めて天気予報を見る余裕はないのだ。

天気予報の時間になると、天気図を前に前線などの状況を説明して、日本全国の天気を解説してくれる。
しかし残念ながら、その説明をじっくり聞く時間が無い。
日本全国の天気の移り変わりは、もちろん出張などでそれが必要な人もいるのだろうが、とりあえず今日の自分には関係ない。

身勝手な意見ではあるのだが、こちらとしては、早く自分の住む地域の天気の状況が知りたい。
そのため、全国の天気のコーナーは見ないで、その間は別の作業を進めている。
意外にしっかり見るのは、より短時間で情報を提供してくれる1分天気のコーナーだ。
ちょうど準備が一通り済んだ時間に流れることもあり、このコーナーはしっかり見ることが多い。

もちろん、ネットで天気を調べればいい・・というのは分かっている。
スマホには天気予報のアプリが入っており、毎朝ちゃんと目を通している。
地域の時間ごとの天候、気温、簡単なアドバイスなどが出ている。
またテレビのDボタンでも、ほぼ同じ情報を得ることが出来る。

しかし文章と絵で提示されるそれらの天気予報は、不思議と実感が伴わないのだ。
そのため服装を選ぶ際に、意外に役に立っていない。
まあこれは受け取り側の判断能力の問題なのかもしれないが・・・

その点、1分天気はけっこう有益である(笑)
外から中継するので、レポーターの表情や服装、周りの空気から、今の状況がリアルに伝わってくるのだ。
また後ろを歩く街の人たちの服装、傘の有無なども重要な情報になっている。
あれ、意外に厚着だな・・とか、もう降りだしているんだ・・とか。
1分の時間内にまとめなければならず、余計な情報を省いているので、簡潔で欲しい情報だけが手に入るところも嬉しい。
個人的にはこのコーナーは凄く有益だと感じている(笑)
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スリップオン比較


Z9 + NIKKOR Z 50mm f/1.2 S

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メレルのジャングルモック(2023年4月24日の日記)とキーンのターギー・スリー(2022年10月16日の日記)を交互に履いている。
どちらもそれぞれの会社を代表するスリップオンだ。

僕の持っているサイズは、ジャングルモックが7(25)で、ターギー・スリーは26である。
またアッパーの素材も前者がスエードなのに対し、後者はオイルレザーっぽい本革・・と違いがある。
そのため直接比較するのは少し無理があるのだが、それぞれに特色がしっかりある。


(Z9 + NIKKOR Z 24-70mm f/4 S)
※手前がジャングルモックで奥がターギー・スリー

どちらも「踵のホールド」重視でサイズを選んだ。
その結果、特にジャングルモックの方は、全長がわずかに短めに感じる。
しかしひとつ上のサイズにすると、歩くと踵が外れてしまう。
スリップオンは本当にサイズ選びが難しいのだ。

ジャングルモックの全長が短いと言っても、実用上は問題ないレベルで、実際にかなりお気に入りで、普段履く機会が多い靴のひとつになっている。
捨て寸は少なめだが、まったく無いわけではなく、親指の爪の上側が少しアッパーに当たる。
ただしそれほどの圧迫感はなく、普段は忘れている程度である。

ターギー・スリーの方は、柔らかい袋に足がスッポリはまる感じ。
少しルーズフィット気味だが、ストレスは非常に少ない。
細身に見えるジャングルモックの方が、寸足らずになるのは不思議ではあるが、サイズが25と一回り小さい事もあるのだろう。

見た目はジャングルモックの方が明らかにスマートである。
スリップオンではあるが、とてもスタイリッシュに見える。
ターギー・スリーはドーンと横幅が広く、先端部もオブリークトゥっぽく丸っこい。
好みが分かれるデザインで、人から何だかカッコ悪い靴だと言われることもある。


(Z9 + NIKKOR Z 24-70mm f/4 S)

履いた感触であるが、材質が違うので何とも言えないのだが、ジャングルモックの方が硬質感がある。
スエードなのにしっかりした感触で、引き締まった履き味である。
紐の無いスリップオンなので、ある程度強度を持たせる必要があるのだろう。

一方でターギー・スリーは、ソールの影響か、履いた感触が非常にソフトだ。
踵の周囲にも厚みのあるクッション材が入っている。
歩くとジャングルモックはカツカツという感じで、ターギー・スリーはヒタヒタという感じ。
履き心地に関しては、柔らかいターギー・スリーの方が好きかな・・・
それでいて履く頻度は、むしろジャングルモックの方が高いのが不思議なところであるが・・・

どちらにも共通して言えるのは、履いていて非常に楽で、ストレスが少ないということだ。
靴紐をしゃがんで締める必要が無いのが、こんなに楽とは思わなかった。
一度味わうと病みつきになり、リピーターが多いというのも頷ける。
それぞれに特色があるが、いずれにしても1足持っていて損は無い靴である。
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Z9 + NIKKOR Z 50mm f/1.2 S

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「羊羹食べる?」
と言われて渡された。


(iPhone 13 Pro)

ドーンと36本入り!
・・・重い。
2キロ以上あるんじゃないか。
隙間なく羊羹ぎっしりのソリッドな塊だからな。

調べたら96本入りというのもある。
そちらは6キロ近くある。
お土産に・・と言っても、どうやって持っていくんだ・・・
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サポート


Z9 + NIKKOR Z 50mm f/1.2 S

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会社の特殊プリンター駆動用のパソコン2台が古くなり、時折おかしな動きをするようになってきた。
OSはWindows10で、もう導入してから7年経つので、そろそろ寿命ではあるのだが・・・
当時同じパソコンを2台購入し、それぞれで業務用の機械を稼動していたのだが、2台ともほぼ同じような症状のトラブルが出ている。
恐らくそういう壊れ方をするパーツが使用されているのだろう。

そこは製造上重要な工程なので、パソコンが動いているうちに、新しいものに交換しなければならない。
いつもお願いしているシステムサポートの会社に連絡を取ったら、すぐに様子を見に来てくれた。

問題のパソコンの状況を確かめたところ、どうもwifiのバージョンが古くなって、数年前から2台ともネットに繋がらなくなっているようだ。
そのためWindowsの更新が滞っていることが分かった。
まあネットに繋がっていないのは分かっていたが、業務に支障がないので放っておいたのだ。

それが今回の不具合に絡んでいるかどうかは分からない。
しかし急に最新バージョンにアップデートすると、かえってそれが原因でまったく動かなくなってしまう可能性もある。
危険なので下手に更新はせず、今のパソコンはそのままそっとしておこう・・・という結論になった。

入れ替える新しいパソコンを見積もってもらうことになった。
本来ならWindows11にすべきなのだろうが、そうはいかない事情がある。
そのパソコンで稼動する特殊プリンターのドライバーが、2台ともWindows11に対応していないのだ。
一般家庭向けの機械ではないので、簡単には新しいOSに対応してくれない。
そのため新しいパソコンも、Windows10搭載のモデルにせざるを得ない。

今更・・と言われそうだが、業務用はそういう事が多いのだ。
OSが新型に変わっても、動作の検証は大仕事なので、簡単には対応できない。
メーカーにも確かめたが、やはりWindows10以外のOSでの動作は保証できないと言われた。
いまだに旧OSのパソコンが売られているのは、こういう事が起こるからであろう。

Windows10は程なくサポートが終了するので、システムサポート会社も導入に当たっては慎重になっている。
「10の場合、一筆書いていただいています」
とまで言われた。
数年後にOSのサポートが終了する時に、なぜ分かっていてこんな古いものを入れた・・と問題になる事が多いのだそうだ。
その時の責任を明確化するために、文書として残しておくのだと言う。

まあいずれにしても、肝心の機械が10でないと動かないのだから仕方が無い。
今回はWindows10のパソコンから選ぶしかない。
駆動するプリンター本体を最新のものに買い換えれば、11に対応しているかもしれないが、それには数千万円ものお金がかかる。

OSの保証期限が来たら、もうサポート出来ませんからね・・・と脅されるように言われた。
他に選択肢はないので致し方ない。
で、見積もってもらったのだが、やはりあれから資材高騰もあり、かなり価格が上がっている。
しかもパソコン本体だけでなく、その会社のサポート料金も値上げしており、合計でかなりの金額になる。

困ったものだな・・と、その見積書を見ていたが、ふと思いついた。
そもそも機械の稼動専用に使うパソコンなので、何も最新版にバージョンアップしていく必要は無い。
最初の性能のままで、数年間安定して動いてくれればいいのだ。
ウイルスなどに感染しないためにも、むしろネットから切り離して、独立させて使った方が長持ちするのではないか。

そう考えると、デルなどのサイトで旧OSのパソコンを買い、自分でドライバーを入れてプリンターに接続する方がいい。
それだと数万円で済んでしまうだろう。
(ただしドライバーの設定が細かいので、作業はけっこう大変ではある)
せっかく見積もってもらったが、方針を変えて、そのシステムサポート会社からは購入しないことにした。
近く直販サイトからまず一台購入して、入れ替えにトライしてみようと考えている。
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輸送事故


Z9 + NIKKOR Z 50mm f/1.2 S

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会社で生産した製品を、路線便で全国に届ける。
数ヶ月に1回くらいの割合ではあるが、輸送中に事故が起きる。
事故と言うのは、荷物を破損してしまう・・ということだ。
運送会社から事故の連絡が入ることもあるが、届け先の得意先から、製品が汚れているとクレームが入る場合もある。

本来は、運送会社が持ってきた時点で、荷物に問題がある場合は「受取拒否」をする必要がある。
よく見ずに受領印を押してしまうと、問題なく受け取りました・・・という意味になるので危険である。
後から文句を言っても、届けた時点では破損していなかったと、運送会社も主張することが出来る。

そうなると責任の所在があいまいになり、いろいろと揉める事になる。
結局は出荷元であるこちらが被るしかなく、泣き寝入りしたことも何度かあった。
出荷時点では念入りにチェックしているので、最初から汚れていることなどあり得ないのだが、誰かが折れないと事が収まらない。

しかし最近は、先方に届ける時点で、運送会社が「破損しています」と申告してくるようになった。
荷物をお持ちしましたが、一部破損しています・・と届け先に申し出るのだ。
受取拒否にしますか?・・と、運送会社側から聞いてくる。

結局輸送中の破損事故の発生は完全には防げないので、保険を使って対処する仕組みが定着してきたのだろう。
下手に隠そうとして、会社の信用を落とす方が損失が大きい。
時には、破損は外装だけで本体は大丈夫だから・・と届け先に受け取ってもらえる場合もある。

実は運送する側にしても、ほとんどの場合、その届けた本人が破損させたわけではない。
最終的に受取人に届けるのは、あくまで現地の営業所の配送員である。
だから破損した荷物を持って行って、相手から文句を言われる役割の人は気の毒ではあるのだ。

全国にものを送れば、途中配送センターなど中継地点で、何度か荷物の積み下ろしをする。
また自社では無く、委託した協力会社で行われる場合もある。
その輸送工程のどこかで、誰かが製品を破損したのである。

誤って荷物を破損した場合、そのまま報告せずに隠してしまう人がいるのか、あるいは届け先まで持って行ってから対応を決める仕組みになっているのかは分からない。
いつも先方に届く時点で事故が発覚する。
それから慌てて再度製造して配送手配しても、お客さんには予定の日に届けられず、迷惑をかけることになる。

具体的にどういう破損状況かというと、ウチの商品の場合、荷物を引き摺って外装を破ってしまう事故が多い。
もちろん荷物が大きくて重ければ、多少引き摺らざるを得ない事もあり、そのため製品は厚手のクッション材で包んで厳重に梱包している。
プロであれば荷物の扱い方は心得ているので、通常はそれで十分である。

ところが中には最初から持ち上げようとはせず、ズルズルと引き摺ったまま運んでいく人がいるのだ。
あれだけのクッション材を貫通して商品本体まで破損するとなると、よほど長い距離を引き摺って行ったのだろう。
地面に段差や突起などあっても、その上を擦ったまま通過し、外装がバリッと破れても、俺の知った事ではない・・という人である。

今までの経験から、輸送中の破損事故は、大抵同じ場所で発生している。
その地区の営業所に届くまでのどこかで、そういうラフに扱う人が混ざっているのだ。
そのため配送係が恐れて、その地域の得意先への輸送は、用心して梱包を強化したり、運送会社を変えたりしている。

あと過去に何度か発生しているのが、フォークリフトの爪を製品に突き刺してしまう事故だ。
配送センターに行くと、荷物をパレットに乗せて、凄い勢いでフォークリフトで移動しているのを見る。
時間との勝負・・と言う感じで、右へ左へと、フォークがかなりの速度で行き交っている。
その際に見誤って、爪をパレットの穴ではなく、その上の荷物に突き刺してしまうのだ。

返却された荷物を見ると、どうすればこうなるのか・・というような、酷い破損状態になっている。
そりゃあそうだ。
金属製の爪で串刺しにした状態である。

あの勢いでフォークリフトで走り回れば、いくらオペレーターがベテランでもこういう事故が起きる。
恐らく人手も不足しており、作業の効率を上げなければならないのだろう。
安全性を考えても、もう少し運用に余裕を持たせられないのだろうか・・とは思うが、将来的には自動化されて、ロボットが行う仕事になることを思うと、今は過渡期なのかもしれない。
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未公開シーン


Z9 + NIKKOR Z 24mm f/1.8 S

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西部劇の「ワイルド・レンジ 最後の銃撃」のDVDを観た。
公開当時、世間ではそこまで評価されなかったが、個人的に好きな作品で、定期的にDVDでも鑑賞している。
王道を行く西部劇で、何度観てもいいなと思う。
実は父親と最後に観た西部劇でもあり、その意味で思い入れもあるのだ。

それはそうと、DVDに映像特典で付いていた「未公開シーン集」というのを、初めて観てみた。
撮影はしたが、公開時に何らかの理由でカットして、採用されなかった映像だ。
DVDのメニューから飛べるのだが、あまり興味が無く、今まで観ようともしなかった。

数分程度の短いシーンが何篇か入っている。
しかもそれぞれに監督のケビン・コスナーのコメントまでが付いている。
カットするくらいだから、大したものではないだろうと思い込んでいた。

ところが観てみると、なぜこのシーンをカットしてしまったのだ・・というものばかりであった。
かなり重要と思われるシーンが多く含まれているのだ。
本編でストーリー上何となくあやふやになっている部分が、それらのシーンがあると明らかになる。

また映像的にも優れているシーンがあった。
これがあると無いでは、全体の分かりやすさやスケール感がかなり違ってくる。
この映像を加えて、再編集版をもう一度作り直したいくらいだ。

ケビン・コスナーも、このシーンをカットした俺の辛さを分かって欲しい・・と言っている。
中には演出上のミス、リズム感が違う・・といった、不採用の理由が明確になっているものもある。
しかしなぜこれをカットしなければならないのか、理由がはっきりしないものもある。
何となくではあるが、やはり時間の制約のようなものがあるのではないか・・と感じた。

映画は興行なので、映画会社は一日に何回放映できるか、いくら興行収入が上がるかにこだわる。
会社と監督がその点でもめるのはよく聞く話である。
「シン・ゴジラ」では、セリフを倍のスピードで話させて、時間を短縮させたというエピソードが話題になった。
会社にカットしろと言われて腹を立てた黒澤明監督が、そんなに切りたければフィルムを縦に切れ、と言ったのは有名な話である。

やはり映画の制作の現場って、実際には様々な制約に悩まされるものなのだろう。
ケビン・コスナーも泣く泣く切ったと言っていた。
まあ完全に自分の好きなように作ったら、それはそれで冗長なものになってしまうのかもしれないが・・・
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鳴き声


Z9 + NIKKOR Z 50mm f/1.2 S

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高校時代の同級生に、犬の鳴き真似が上手い奴がいた。
「ワン!」と、少し勢いをつけて吠える。
ちょうど小型から中型くらいの犬が、吠えた時の声にそっくりだった。
飼い主に何かを知らせたい時とか、自分を主張する時とかの、あの鳴き声である。
後ろから吠えられたら、ビックリして振り返ってしまうほど似ていた。

同窓会で久しぶりに彼に会った時に
「ねえねえ、犬の鳴き声をやってよ・・・」
と頼んだ。
高校時代にはいつもやってくれたのだ。

今は彼は出世して、会社を興した後それを売却し、IT系最大手の会社の役員などを歴任し、さらにどこかの大学の教授もやっている。
本も何冊か出しているし、日本のIT系を代表する数人に選ばれたりもしている。
もともとアメリカで育っているので、そういうバリバリ経済活動をする生き方が身に付いているのだ。
Facebookでも繋がってはいるが、他の人からは大先生の扱いなので、気安く呼び捨てで書き込み出来ない。

その彼に犬の鳴き声をやって欲しいと頼んだ。
彼は
「お前なあ、今の俺にそんな事言うのはお前だけだぞ」
・・・などと言いながらもやってくれた。
「ワン!」

「・・・あれっ、上手くできないな・・・ワンッ・・・ワンッ・・・」
何だそれは。
それではただワンッと言っているだけだ。
かつての本物かと思うようなリアリティが感じられない。
「しばらくやっていないからな・・・ワンッ」

彼は何度かトライしたが、結局上手く吠えることができなかった。
僕はそんな彼に言い放った。
「下手糞!」

しかし人のことばかり言っていられない。
以前僕はネコ語が話せることを書いた。(2021年1月16日の日記
何度かネコ語で付近のネコたちを騙したことがある。
おもしろいように引っかかるので、ちゃんと言葉として通じているのだろう。

ところが最近は、そのネコ語が上手く発声できなくなってきた。
声帯が狭くなっているのか、スムースに声が出てくれない。
以前は滑らかに口から出てきて、高音域までクリアに延びて、淀み無い声でネコ語が話せた。
それで多くのネコたちを騙してきたのだ。

それが今では、何だか喉に異物が絡まったかのように、濁った声になってしまう。
歳をとって喉の筋肉が弱まったのか・・・
たぶん犬の鳴き声が上手かった彼も、同じように声帯が老化してきたのだろう。
技術というものは、こうして失われていくのだな・・・
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夕食


Z9 + NIKKOR Z 50mm f/1.2 S

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昨日「生産-1」という記事を書いた。
その時点では続けて「生産-2」を書く予定であった。
しかしその時間がない。
というか、まだ内容が消化しきれていない感じ・・・
「生産-2」はしばらくの間、お預けにしよう(苦笑)

今日は近所のイタリアンのお店で家族で夕食を食べた。
僕の仕事が終わらなかったので、遅れてあとから合流する形になった。
天気のせいか、いつもほど混んではいなかった。

そこは最近みつけたお店で、高級店ではないのだが、なかなかの料理を出す。
押えどころを心得た味付けで、食べてみて感心するメニューが多い。
本場でしっかり修行してきたシェフが、さらりと作っている感じ・・・

特に今日はお店が空いていたので、出来立ての料理が次々に出てきて、その美味しさを存分に堪能した。
あのピザにはちみつをかけて食べるのが美味いんだ(笑)
こういう気軽に行けて満足できるお店が近所にあると助かる。
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生産-1


Z9 + NIKKOR Z 50mm f/1.2 S

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今から30数年前の話であるが、会社で新しく大型の機械を導入することになり、その操作方法を習うために、何週間かヨーロッパの都市に滞在したことがある。
アルプスの山々に囲まれた田舎町で、絵本の中のような素晴らしい世界であった。
日本では知られていない場所で、滞在中一度も日本人とすれ違うことはなかった。
先方が手配してくれた立派なホテルには、はるばる日本から来た僕を歓迎して、日本の国旗が揚げられていた。
まだ圧倒的にヨーロッパの方が進んでいた時代で、何もかもが豊かに見えて、日本との差に驚かされる事も多かった。

毎朝まだ暗いうちに迎えが来て(と言っても真冬だったので、現地では朝8時でも真っ暗で空には星が光っていたが)先方の会社に行き、インストラクターから操作方法を学んだ。
老練な技術者の男性が教えてくれた。
如何にも職人風の、がっしりした体型の白髪のおじいさん(と言っても今の僕より若いのであろうが)であった。

昼食などは工場の食堂で他の技術者たちと一緒に食べた。
その時に、そのインストラクターの男性がこう言った。
「私はこの会社にもう15年いる。長くいすぎなんだ」
「えっ、15年が長いんですか」
「他の連中は平均7年でステップアップして他の会社に行くよ」

それが僕には凄く不思議に聞こえた。
なぜかと言うと、その会社の製造している機械、特にその時導入しようとしていたものは、大きさが10畳間ほどもある巨大なもので、7年程度でマスターできるような代物ではなかったからだ。
単に操作するだけなら、講習を受ければ一通り覚えられるだろうが、実際に運用していくとなるとそうはいかない。
時間が経つにつれて様々なトラブルに見舞われるはずで、7年程度の経験では対処できない。

この手の機械はオンオフのスイッチを押せば勝手に動いてくれるものではなく、その日の気温や湿度、使用する材料のばらつきなど、様々な要因を考慮して調整する技術が必要になる。
何千もあるパーツも、稼動と共に磨耗していくわけで、パーツによって交換する時期も異なり、サイクルが7年以上のものも多い。
機械にはそれぞれ癖があり、それを掌握するだけでかなりの年月がかかるのだ。
車で言えば、運転するだけなら誰でも出来るだろうが、エンジンをばらして調整し直すくらいの技術が必要になる・・ということだ。

7年でオペレーターが入れ替わってしまったら、そういう職人的なノウハウの習得は難しい。
やっと覚えた頃に、辞めて他の会社に移ってしまうとしたら、どの会社も未熟な人ばかりの素人集団になってしまう。
それでどうやって運用しているのだろう・・・

ひとつの仕事に一生をささげる・・という日本的な考え方が、既にあちらでは古いものになっていた。
後から分かったのだが、欧州では階級制がしっかり出来ており、子供たちは若いうちから、職人なら職人として専門教育を受ける。
企業側も学生たちを受け入れて、実習教育に協力する義務があり、ちょうどその時も高校生が大勢働いており、僕も彼らと一緒に食堂でお昼を食べた。
つまり卒業した時点で、ある程度基礎的な教育は済んでおり、就職すればすぐに実戦に投入出来る体制なのだ。
一つの会社で7年間働いて高度な技術を習得し、それを武器により高い報酬を得るために次の会社に移っていく・・という流れが作りやすかったのだろう。

しかしそうは言っても、それで実際に運用できるものなのだろうか・・という疑問が残った。
コアになる技術は7年程度で極めるのはかなり難しいであろう。
それでも7年で結果を出す必要があるので、貪欲に技術を習得しながら、自分をアピールしていく生活にはなるのかもしれないが・・・
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定時


Z9 + NIKKOR Z 50mm f/1.2 S

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今日は疲れたので定時で先に帰ってきた。
暑さと言うより、連日遅くまで仕事をしていたので・・・
ただ生産は間に合わなくて、工場に何人か残って機械を動かしていた。

家で仕事の続きをやろうかと思い、データを持ってきたけれど、案の定やる気にならない。
家に帰ってしまうともう駄目だ(笑)
何故か自宅のパソコンで仕事をやるのに抵抗がある。
まあ朝から晩までずっとパソコン作業をしていたので、もう限界なんだけど・・・
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残業


Z9 + NIKKOR Z 24mm f/1.8 S

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このところ毎日遅くまで残業している。
けっこう忙しくなっているのだ。
このまま続いてくれれば、それはそれで嬉しいのだが、まあ一時的なものであろう。

さすがに連日だと疲れてくる。
そこにきて、この数日間、かなり暑くなるという予報が出ている。
5月としては記録的なことらしい。

ただでさえ疲れているところにきついなあ・・・
とりあえずは昨日からエアコンを試運転している。
電気代もどうにかして欲しいものだよなあ・・・
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