記憶から消えた映画


テレビで「メン・イン・ブラック」という映画を放映していた。
ぼんやりとしながら見たが、一度劇場で見ているにもかかわらず、内容を「まったく」覚えていない。
最後まで記憶しているシーンに巡り合わなかった。
こういう映画も珍しい(笑)

たしか当時トミー・リー・ジョーンズが来日してニュース・ステーションに出ていたが、何でこんな映画が大ヒットしたのか理解できない・・という顔をした久米宏氏が、多少失礼とも思える態度でインタビューをしていた。
映画の内容はまったく覚えていないのに、インタビューの様子は覚えているというのも、またおかしな話ではある(笑)
たしかにくだらない映画であるが、ぼけっとしながらテレビで見るには、程よい感じの映画だった(笑)

トミー・リー・ジョーンズも缶コーヒーのCMで有名になったが、やはりベストフィルムはロンサム・ダブのウッドロウ役だろうと思う。
あれほどの役は二度と巡ってこないのではないか?

D2Hs + Nikkor-HC Auto 50mm F2.0
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ポニョ


「崖の上のポニョ」を見てきた。
母親とMrs.COLKIDの三人で、夜9時から11時までの回に行ったが、お客の入りはまあまあで、100人近かったのではないかと思う。
70歳代と40歳代という異例の「親子連れ」で鑑賞した(笑)

作品は素晴らしかった。
傑作といっていい出来であったが、評価は分かれるかもしれない。
登場人物たちは、今までの作品と共通した宮崎ワールドの常連であるが、絵とストーリーを単純化したことが効いていて、今までになく有機的にバランスがとれており納得がいく。
意図的に水平線の高さをあやふやにしているところも面白く、夢の中のような非現実的な世界に引き込まれてしまう。

人間が自らの手を使い作品を描くということが、これほどのエネルギーと価値を持つのだということを認識させられた。
文化の成熟とはそういうものなのだろう。
これを見て一番衝撃を受けるのは、今や食傷気味ともいえるCGで作られたアニメーションの製作者たちかもしれない。
彼らに、これだけのものがその手を使って作れるか?と問いたくなる。

作品を見た子供たちが、考えていたところで反応してくれなかったと、宮崎氏がガッカリしている記事を読んだが、海という強大でグロテスクな存在が、恐怖感を与えている可能性は高い。
トトロのように、大地を中心としてストーリーが展開するような、安心して見ていられる世界の話ではない。

一方、特有の非現実的なストーリー展開は、リアリストの女性陣にはさっぱり理解できない面もあったようだ(笑)

Mrs.COLKIDの評価「角が丸まっていて目が疲れない映画だった」
母親の評価「金魚の話」
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おじさん


BSで放送されていた「ギャラクシー・クエスト」を、つい最後まで見てしまった。
オタクがオタクのために作ったような楽しい作品で、日本で公開した時は小規模で、小さな劇場に見に行ったのを覚えている。

今回何気なく見ていて「名探偵モンク」のトニー・シャルーブが出ているのに驚いた。
テレビでモンクを見ている時は、どこかで見た顔とは思っていたが、ギャラクシー・クエストのあの異性人と結ばれる無愛想な博士には結びつかなかった。
一見特徴の無い普通のおじさんなので記憶に残りにくい。
モンクを含めちょっと特殊な役柄が多いから、性格俳優と呼べるのかもしれない。

経歴を見てみると、意外にいろいろな作品に顔を出している。
しかもやはり癖のある役が多い(笑)
日本ではモンクで一気にお茶の間に浸透したが、あのように特徴の無い風貌の俳優さんをよくぞ主役に抜擢したものだと思う。
監督からすれば使いやすいような使いにくいような・・・(笑)

実際にはあの役でエミー賞やゴールデン・グローブ賞を受賞している実力派なのだ。
こういうおじさん系俳優さんは逆に熱心なファンが付きやすい。
僕も今は亡きチャック・コナーズやビル・ビクスビーのファンだし、マンクーゾのロバート・ロジアなんかも好きなのだが、知っている人は少ないだろう(笑)

D2X + Ai AF Micro Nikkor ED 200mm F4D(IF) + PN-11
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ザ・マジックアワー


書く時間が取れないのでとりあえず更新。
などと言いながら先程までBSで名探偵モンクを見ていた(笑)

土曜の夜に「ザ・マジックアワー」を見てきた。
初日とはいえ、レイトショーなのに100人近い観客数は、三谷人気をうかがわせるもの。

今までの三谷作品の中で一番まとまりが良く、ある完成度にまで達した印象を受けた。
またストーリーが実際に面白く、場内で観客が声を出して笑う場面が非常に多かった。
短時間しか出演しない人を含めて、役者の顔ぶれが凄く、それを楽しむのもこの映画の醍醐味のひとつになっている。
映画界が特殊な世界であることが伝わってくる映画だ。

Mrs.COLKIDは疲れていて最初のうち居眠りしていたので、レディスデイにでも、もう一度見に行くそうだ(笑)

SIGMA DP1
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ジャンパー


またレイトショーを見にシネコンに行き、真夜中過ぎに帰って来た。
「ジャンパー」という公開してからかなり経つ映画で、しかも一番遅い回で、どれだけのお客さんが入るのかを見てみようと思ったのだ。

実を言うと映画よりそちらの方に興味があった。
もしかすると観客は我々夫婦二人だけかも?と思っていたのだが、意外にも十数人のお客さんが来ていた。
帰りは0時過ぎるというのに、女性一人で来ているお客さんもいて、大丈夫なのかと心配になった。
ちょっと特殊な客層が集まっているようにも思えた(笑)

映画は予想通りのもの(笑)
悪評が多いが、期待していなかった分、僕はけっこう楽しめた。
お金もかかっているようだし、(好きではないのだが)サミュエル・L・ジャクソンといった有名どころも出ている。
母親役のダイアン・レインはなかなかいい味出していたが、この方とても自分より年下とは思えない(笑)

個人的に最大の問題は東京で撮影されたシーンで、銀座の交差点と渋谷の交差点をごちゃ混ぜにして同じ場所のように使うので、それが気になって映画どころではなくなってしまった。
いつも歩いている場所だけに、こういう使い方をされると辛い。
そのままジャンプして家に帰りたい気分になった(笑)

Mrs.COLKIDの感想:「疲れた・・・」
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クローバーフィールド


「クローバーフィールド/HAKAISHA」を見てきた。
9時過ぎのレイトショーだったが、けっこうお客が入っていた。
まあ公開初日なのだから当然ではあるのだが、理由はそればかりでなく、企画そのものに高い集客性があったのだろう。
予告編やCMを見ただけで、多くの人が「見たい」と思ったに違いない。

主人公の回すビデオカメラの映像・・それだけで最初から最後まで押し通す。
良く考えたら、悪名高き「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」と同じ手法ではあるが(笑)、それにしても奇抜で面白そうだ。
お客は予告編を見て、すぐにその内容を察して、これは見てみたいと思っただろう。
この映画は興行的にはけっこう成功しているのではないか?

宣伝はそればかりではなく、インターネットを巧妙に使い、想像をかき立てるような情報を少しずつ提示して、公開のかなり前から人々の関心を集めていたのだそうだ。
しかも映画を見ても謎は完全には解明されておらず、どうやらネットの情報が補完する形で、全体像が見えてくる仕掛けになっているようだ。
その新しい手法に感心するが、一方で宣伝の旨さばかりが目立っているようにも感じられる。

映画の持つ雰囲気については、予告編で既に想像しているから、実際に映画を見てもそれほど驚きはない。
素人の撮ったビデオという設定だから、独特の生々しさはあるのだが、画面がグラグラと揺れるので気持ちの悪くなる人が続出するだろう(笑)
で、生々しいわりに、主人公の行動に共感が持てないのは問題だ。

ニューヨークに住む主人公ロブは、仕事で副社長として抜擢されて、日本に旅立つことになる。
その送別会が開かれ、ビデオカメラでパーティを記録している最中に、突然得体の知れない怪物が街を襲う。
後は逃げ回るだけだ。
はやく日本に行っていればよかったのに・・と誰もが思うだろう(笑)
しかし主人公たち一行は、恋人を助けるためにあえて逆方向に進み、その間ビデオを回し続ける。
映画は、街が壊滅された後に、セントラルパーク跡地から発見されたそのビデオを再生している・・という設定。

悪夢のような独特の恐怖を味わえる。
しかし奇抜な手法が足かせになり、常に一人称的な表現になるので、視点を変えた大きな展開が出来ない。
結果的には目新しさだけがすべて、の作品になってしまったように思う。

怪物のデザインも古臭いし、あれだけ攻撃されて傷ひとつ負わないのは不自然だ。
それ以前に、今時怪獣が街を破壊する映画?という疑問が残る(笑)

Mrs.COLKIDの評価:
「テレビゲームのやり過ぎの人たちが作ったのではないか?」
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ノーカントリー


いつもネタばれにならないよう気をつけて書いている。
しかしこの映画の場合、見る前になるべく知識をつけない方がいいかもしれない。
白紙の状態で見たい人は、以下を読まない方がいいと思う。


アカデミー賞主要4部門を受賞した話題の映画。
早速近所のシネコンに見に行ってきた。

ストーリーは非常に単純でわかりやすい。
舞台は1980年代のテキサス。
ベトナム帰りのルウェリン・モス(ジョシュ・ブローリン)が、荒野でひとりハンティングを楽しんでいると、麻薬取引に関するトラブルで撃ち合いのあった現場に行き当たる。
死体だらけの中に大金を見つけたモスは、ちゃっかりそれをいただいてしまう。
しかしそれが彼の運命を変えた。
組織に雇われて追ってきた殺し屋シガー(ハビエル・バルデム)は怪物のような殺人鬼。
事件のほぼ全容を知るエド・トム・ベル保安官(トミー・リー・ジョーンズ)は、モスを助けようと動くが・・・

このストーリーがそのまま進んだら、典型的なアクション映画になってしまい、オスカーを取るほどの作品に仕上げるのは厳しいだろう。
ところがモスと殺し屋シガーの戦いが実に丁寧に描かれており、非常に見応えがあるため、この後どうなるのだろうと、見るものにそうとうの期待を抱かせる。

中でも殺し屋シガーのキャラクターは傑出しており、独自の価値観に基づいて冷徹に動く、まるで悪魔のような絶対的存在の人物。
自分と何らかの接触を持った人物を、それが一般の人であろうとなかろうと、容赦なく全員殺してしまう。
一方逃げるモスの方もなかなかの実力と頭脳を持つ人物で、戦争の殺し合いの中をくぐり抜けた者特有の行動力を持っており、シガーの凄まじい追撃を何とかかわしてみせる。
この二人の戦いは抜群に面白い。
ペキンパーを思わせる演出は、当時のテキサスの雰囲気を生々しいほどに感じさせる。

ところがそれが実は観客を陥れる罠なのである。
これはいうなれば観客の心理をもてあそぶような作品だ。
わかりやすいストーリーが、いきなり難解なものへと変わる。

これは小説的な展開をする作品といえる。
映画の公式をぶち壊しており、ある意味革新的ともいえるだろう。
しかし、こういう演出のやり方が「あり」だというならば、それこそ何でもありになってしまうのも事実だ。
観客は狐につままれたような気分になり、鳩が豆鉄砲を食らったような顔で劇場から出てくる(笑)

たしかに非常にユニークで見事な作品である。
だがこのやり方を何度も続けられては堪らない。
出来れば今回限りにして欲しいと思う(笑)

正直言うと正攻法でストーリーを進めた作品も見てみたかった。
原作通りだとはいえ、この映画の製作は、一種の賭けであったような気もする。
結果はご存知の通り、ラッキーコインだったわけだが・・・

ところでトミー・リー・ジョーンズはミスキャストではないか?
(1980年代の時点で)時代の変化に取り残されつつある彼ら年配者たちのぼやきが、実は映画のテーマになっている。
しかし保安官の心理描写が不十分だし、何よりトミー・リー・ジョーンズは存在感がありすぎる。
彼なら何かやってのけなければおかしい・・という思いが残ってしまう。
その違和感が狙いと言われればそれまでなのだが・・・

Mrs.COLKIDの評価
「私はアメリカ人ではないので、この映画はよくわからない」(笑)
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また行ってきた。


夜になって近所のシネコンに話題の「ノーカントリー」を見に行ってきた。
こんなのありかよ!っていう感じの映画だった(笑)
先週の「バンテージ・ポイント」といい、通常の枠に当てはまらない問題作が続くね(笑)

D3 + AF-S Micro NIKKOR 60mm F2.8G ED
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バンテージ・ポイント


この映画の評価は賛否両論に分かれるようだ。
個人的には非常に面白かったが、Mrs.COLKIDは物足りないという意見だった。
単にストーリーを追うだけなら、たしかに深みが無くて物足りないかもしれない。

これは実験的な作品といえる。
大統領が演説の最中に狙撃され、大勢の人が集まっている広場が爆破される。
その事件の23分程前から、狙撃後の大混乱までの出来事を8回繰り返す。
たったそれだけの作品なのだが、その繰り返しの中でストーリーを展開し、ちゃんと完結させるシナリオは、書くのがなかなか大変だったろうと思う。

だんだんと謎が解明されていく形をとっているが、謎自体は大したものではないので、そこに価値を見出そうとするなら、この作品はまったくの駄作になってしまう。
実際このストーリーで普通に撮ったなら、これはかなり辛い作品になったであろう。
視点を変えて同じ時間を8回繰り返すだけで物語を完結させるという、特殊な制約の中で話を進めなければならないため、展開上どうしてもご都合主義になっている部分もある。
要するにこの映画は、その演出形式としての面白さを楽しむことが出来るかどうかがポイントとなる。

爆発により大勢の人が亡くなるシーンを、何度も何度も繰り返すわけだから、最初から最後まで緊張しっぱなしで気が緩む瞬間が無い。
90分という最近の作品としては上映時間が短いこともあり、全編を通じて無駄を感じさせない。
時間を短くしたことは、成功していると言ってよく、爽快でさえあった。

カーチェイスのシーンも、CGをほとんど使っていないためリアリティがあり、まるで自分が運転しているようで楽しい(?)
こういうシーンはどういうわけかアメリカで撮影すると大味になりがちだが、舞台はスペイン(撮影はメキシコシティ)で、なかなか密度感のあるものに仕上がっている。
これは監督の力量だろうと思う。
俳優陣は特に突出した人はいなかったが、特殊な映画なので、それでいいのかもしれない。
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見てきた


近所のシネコンで「バンテージポイント」を見てきた。
なかなか見事な出来だった。
単純なストーリーをよくここまで「見せた」と思う。
引き締まっていて無駄がまったく無いのも良かった。

地味だが見たい作品が、今けっこう公開されている。
近いうちにまた見に行きたいと思った。
夜の回は安いし・・・(笑)

そういえば先日「エディット・ピアフ/愛の讃歌」のマリオン・コティヤールがアカデミー主演女優賞を受賞した。
僕は見ていないが、映画を見た母親によると、素晴らしい出来だったらしい。
小規模の公開だったが、もう一度みたいから、これを機に再度上映してくれないかと言っているが、そうはいかなのだろうね(笑)

D3 + AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8G ED
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ジェシー・ジェームズの暗殺


昨晩見た映画。素晴らしい作品で今も余韻が残っている。
今日は他の映画を見に行く予定であったが、余韻を消してしまうのが惜しくて中止した。

ジェシー・ジェームズはオールド・ウエストを代表する無法者である。
北部に対し深い憎悪を持つ民衆が、その象徴ともいえる列車に対し強盗を仕掛けるジェームズ兄弟一派の行動に共感を抱き、義賊として祭り上げられ英雄となった。

彼が部屋の壁の絵を直そうと後ろを向いた時、裏切った部下に背後から撃たれて死んだことは、西部劇を知る者なら常識であるし、この映画でもその瞬間へと続く緊張感が大きなポイントとなる。
それはOKコラルの決闘や、ナンバー10酒場でヒコックが撃たれた日のように、極めて重要な歴史的瞬間なのだ。
その知識がないと、この映画が与えてくれるため息が出るような高揚感は、多少薄れるかもしれない。
しかし現代のハリウッドを代表する役者や作家たちの多くが、恐らく西部劇で育ちそこに回帰する志向を持つとことを考えると、西部劇を知らずして彼らの心理を理解することは難しいのではないかと思える。

ジェシー・ジェームズを扱った映画の代表格というと、僕の世代にはウォルター・ヒル監督の「ロング・ライダーズ」だろう。
これは今でも時折見たくなる異色作である。
しかし過去のすべての作品は、いわゆる「西部劇」の枠から出ることの出来なかった作品だ。

そういう作り方が、今や通用しなくなってしまったことが西部劇の悲劇であり、作られる本数が激減した理由である。
しかし、この映画「ジェシー・ジェームズの暗殺」は、見事に「現代の西部劇」のあり方を表している。
徹底した歴史的な検証に基づくリアリズム、そこに映画としての微妙な心理描写や高度な映像美が加わることで、素晴らしい作品に仕上がっているのだ。

ジェシーに銃弾が放たれた時の、あの歴史的瞬間に立ち会ったような衝撃・・・
それが完全に真実の通りとは言えないとしても、まるで真実を目の当たりにし、長年の疑問が解けたような興奮・・・
単に役者の演技の素晴らしさだけではなく、その瞬間を再現しようとした熱い心に、ベネチア映画祭をはじめとする幾多の賞がもたらされたのだろう。
つまり世界の映画人は西部劇を知っているということだ。

ブラッド・ピットは長年にわたり、この原作の映画化を望んでいたという。
実際彼の演じるジェシー・ジェームズはなかなか見事だ。
この演技は、それだけ長い時間をかけて頭の中で熟成されたからこそ出来るものだろう。
長い間、有名なジェシー・ジェームズの写真から我々が勝手に作り上げたジェシーに対するイメージ・・・それを、実際にはこういう人間だったんだよ・・と明かされるようなショックを受けた。

そしてブラッド・ピッドと同等に素晴らしいのは、事実上主演と呼べるロバート・フォードを演じたケイシー・アフレックだろう。
その素晴らしさは見ればわかる。

映画は暗殺者ロバートのその後の人生をも追う。
この場面は非常に重要だ。
西部のヒーローと呼ばれるた人物のうち、殺されて命を落としたもの以外の多くは、この映画で描かれるように、劇場で自らを演じるといった哀れな後半生を送る事になった。
時代はもう彼らの様な殺人者を必要としていなかった。
彼らは金儲けしか考えなかったダイム・ノベルの作家たちがでっち上げた英雄であり、大衆にとっての見世物に過ぎず、そして名を売ろうという暗殺者から逃げて回る生活を余儀なくされた。
現代の西部劇はその点の描写を避けて通れない。
何となれば勧善懲悪の能天気な西部劇は、ダイムノベルの延長に過ぎないのだ。

「ジェシー・ジェームズの暗殺」は、何といってもカメラが素晴らしい。
あの真っ暗闇から汽車が近付いてくるシーン。
ガラス越しにジェシーを見つめるロバートの、ガラスの表面のしわに映りこむ美しい外光。
思わず見入ってしまう。
フォーカスを外した部分のレンズの色収差が気になって仕方が無かったのは、D3を買ったが故か(笑)

銃の指導はかの天才早撃ちガンマンのセル・リード。
彼は最近ハリウッド映画の殺陣師として復活している。

僕の専門とするガンベルトにも触れておこう。
映画の中で登場するガンベルトの多くは、カリフォルニア・タイプとカートリッジ・ベルトの組み合わせでクロスドロースタイルでの使用が多い。

ジェシーのガンベルトはレザー・アーチストのウィル・ゴームリー氏が作ったもので、実物は黒かったそうだが、恐らくブラッド・ピットの服装と同化して目立たなくなるのをふせぐために茶褐色に作られた。
ベルトのカートリッジ・ループは通常より幅が広いのが特徴で、銃弾をすっぽりカバーするようになっている。
実物の写真を手本にしているから当たり前だが、ホルスターのカービングは当時のカリフォルニア・タイプに施された典型的なスタイルをよく再現しており、特に映画の中では薄暗い場面でひいての映像が多いので、なかなか品質が高そうに見える。

だが氏の腕はガンベルト製作者としては中堅といったところだ(笑)
実は十数年前に彼にガンベルトを作ってもらったことがある。
日本人からの依頼は初めてだったようで、彼から日本で売り込んでくれないかと頼まれた。
仕方なく御徒町でショップを運営していたT氏に見せたが、この品質では無理と断られた。
こんなに出世するとはね(笑)
今T氏がいたら、ジェシー・ジェームズ・ガンベルトとして高く売り出すところだろう(笑)

ところで一番重要な場面で、ジェシーはこのガンベルトを外して椅子の上に置き、賞金のかかった自分の首を狙っているとわかっている手下たちの前で無防備に背中を見せる。
なぜそんな自殺ともとれる行動に出たのか。
これは歴史家の間で、今でも議論を巻き起こす場面だ。
映画の中でも、ジェシーが撃たれるとわかっていながら、そういう行動をとったように描かれている。

真実は常に論理的に進むとは限らない。
後からは理由の付かない行動を、人間は往々にしてとる・・ということだろう。
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DJANGO


上野の怪しい界隈にある映画館に「SUKIYAKI WESTERN ジャンゴ」を見に行った。
夜の一番最後の回でお客は約15人。
電話で「座れますか?」と聞いた僕が馬鹿だった(笑)

評価するのが難しいのか簡単なのかわからない映画だ。
普通の人にはくだらなくて理解不能な映画。
マカロニの洗礼を受けた人にはあの時代を思い起こさせる熱い映画。
一部の若い人には案外新鮮に映るかもしれない映画。

映画の題名は「続・荒野の用心棒」を思わせるが、内容はマカロニウエスタン全体へのオマージュとなっており、ストーリーは黒澤の「用心棒」的(あるいはレオーネの「荒野の用心棒」的)となっている。
しかも主題歌はあの名曲「さすらいのジャンゴ」を北島三郎氏が日本語で歌っている!
これは物凄い企画といえるだろう(笑)

かく言う僕は、完全にマカロニの洗礼を受けたクチだ。
それも年齢からわかる通り、テレビ放映版のマカロニウエスタンである。
「続・荒野の用心棒」(原題DJANGO)はテレビ版のラストシーンの翻訳がすごかった。
あの神をも恐れぬ台詞・・・
映画とはかくあるべきと思わせるラストの逆転さよなら満塁ホームラン的6連射。

「SUKIYAKI WESTERN ジャンゴ」は人を殺して殺して殺しまくる。
生かしておいて欲しい人まで殺してしまう。
このうんざりするような手法は確かにマカロニのものだ(笑)
(考えてみたら黒沢から受け継いだ部分ともいえるのだが・・)
あの当時は何か物語を考えると、何かと「皆殺し」にしてしまったものだ。
マカロニを見て育った自分にそういう一面があるのではないかと、今になって思わず反省してしまった(笑)

「さすらいのジャンゴ」はサントラと称されたイタリア語バージョンのレコードを擦り切れるほど聞いた。
だから今でもイタリア語で完璧に歌える(意味はわからないけど・笑)
(イタリア語が話せる女性に聞いてもらったら「ほぼ合っている」と言われた・笑)
今回北島三郎氏が主題歌を歌っているのを聞いて感動のあまり鳥肌が立ったよ(笑)
これで英語版とイタリア語版と日本語版の三つの「さすらいのジャンゴ」が揃ったことになる。

いや、何よりもマカロニウエスタンにこれほどの思いを持ち続ける人たちが大勢いるということに感動した。
きっと本国イタリアにもマニアがいるに違いない。
遠い国日本で、映画が作られるほどイタリア製西部劇のファンがいることを知ったら、彼らも感動してくれるに違いない。
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TOKKO


話題の映画「TOKKO 特攻」を渋谷に見に行った。
渋谷って何であんなに暑いのかな?
やっぱり「谷」だから?

やっと見つけたすごく小さな映画館で、スクリーンの大きさは自宅にあるホームシアターと大して変わらない感じ。
シートは5列30席ほどあるのだが、それとは別に前の方に椅子とテーブル(!)がいくつかサロン風に並べられている。
もしかしてこの場所は元はキャバレーだったのではないか???


映画「TOKKO 特攻」は、日米の兵士たちの証言を記録したドキュメンタリー作品である。
監督のリサ・モリモトは、アメリカ在住の日系人であり、日本の特攻隊は「狂信的な集団」だと教えられて育った。
しかしやさしかった自分の叔父が元特攻隊員であったことを知り、衝撃を受けると同時に、アメリカでの「特攻隊」に対するイメージに疑問を持つ。
それがこの映画が製作されるきっかけとなった。

製作者が中間的立場にいる人物であり、アメリカ的な教育を受けているため、特攻隊員たちに自分の疑問を遠慮なくぶつける。
それに対し元特攻隊員たちも、恐らく他の人たちから聞かれた時よりも素直に、自分の気持ちを述べる。
その結果、この作品は非常に貴重な記録となり、アメリカ人の「特攻」に対する認識を覆すものとなった。

自分の家族や親戚に激しい戦闘の体験者がいたら、なかなかその経験について聞くことは出来ないものである。
実際僕にも特攻隊上がりの叔父がいたが、聞けばそれなりに話してはくれたが、当人も話したくないことがあるのがその表情から見て取れるので、こちらもそれ以上聞くことは出来なかった。
あちらも身内には話したくないことがあったはずだ。

特に敗戦色が濃厚になった頃、敵との直接の戦闘を体験した者は、その体験を話したがらないことが多い。
何しろ殺し合いの真っ只中の出来事なのだ。
敵を殺さなくては自分や仲間、家族が殺されるという、明らかに異常事態であるし、同時に日本が破滅に向かって進んでいることも、多くの者にとっては明白であった。
人間関係も壮絶な状況に陥る。
言いたくないことや、言うに言えないこと、言葉で表現できないことがいっぱいあるだろうし、言ってもわかってもらえないという思いもあったことだろう。

もちろんこの映画の中の証言者も、すべてを語ることはしていないと思う。
だが彼らが語ってくれた特別攻撃隊として出撃した時の心情は、日本人の特攻に対する意識をも覆す部分がある。
長い年月が、事実を少し明るみにすることを許したのだろう。

敗戦というあまりに大きな出来事が、歴史に対する日本人の認識をねじ曲げたし、そういう意味で我々も当事者なのだとつくづく思う。
自分の親や祖父母が、アメリカと戦争したことさえ知らないような若者は、世界の人々から対等に見てもらうためにも、こういう作品を見ておくべきだろう。
その辺にいる一見さえないおじいさんだって、戦争から生還した人にほかならず、それゆえ今自分が存在していることに気付くはずだ。
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トランスフォーマー


仕事が終わってから、表題の映画をひとりで見に行った。
晩御飯は、いつもならMrs.COLKIDの管理下、ちゃんとカロリー計算されたものを食べるのだが、今日は仕方なく映画館のそばのハンバーガー屋でポテトとドリンクとのセットを食べた。
これはいかにも体に悪そうだ(笑)
昔はこういう不健康そうなものばかり食べていたが、その生活を続けていたら、今頃僕は生きていないだろう。
独身者が長生きしないわけだ・・・なんて考えながら食べたのだが、後でわかったことだが、Mrs.COLKIDの方は僕の母親といっしょに、ちゃっかりフランス料理を食べに行ったらしい。
ウワー、やられた・・・

映画の方はというと、フランス料理に代わるほどのものでは、当然ない!(笑)
まあ一言で言うと「ロボットが暴れまくる映画」、それに尽きる。
何しろおもちゃの変身ロボットが主人公なのだから、馬鹿々々しいと言ってしまえばそれまでの映画だ。

個人的にあの手のおもちゃに何の思い入れも無いので、よくこれだけお金をかけるものだと感心してしまった。
あのどぎついデザインはアメリカ人好みなのだろうか?
見る方にとっては、大真面目ではなくコミカルに作ってあるのが救いになっている。

監督は悪名高きマイケル・ベイだが、製作総指揮のスピルバーグがうまく制御しているのか、持ち味が生きている。
むしろ非常に凝った構図やスピード感溢れる映像は評価するべきかもしれない。
ストーリーが子供っぽく、登場人物たちの生活もちょっと受け入れ難い価値観を感じさせるので、映画として高い点数は付けられないだろうが、映像に関しては個人的にけっこう楽しんで見た。

俳優ではジョン・ボイトが何とか締めてくれた感じだ。
eBayやPaypalなどが登場するのは面白かった。
ただ最後の終わり方はもう少し何とか考えてほしいと思った。
あれではやはり子供向けの映画だ。
(写真は映画関連のサイトより)
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ワールド・エンド


と、ここでいきなり割り込むが(笑)、日曜日に映画を見てきた。
「パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド」という作品だ。

特に見たいとは思っていなかったのだが、ジョニー・デップ・ファンのMrs.COLKIDが券を買ってきてくれたので、二人で見に行った。
2作目を見た時、この上もう1本続きを見なきゃならないのか?と苦言を呈したのを思い出す(笑)

作品の方は、期待してはいなかったが、そつなくまとめられていて、まあこんなものだろうという感じ。
それより、こういうアメリカ映画の作り方が、いつまで通用するのだろうかと心配になった。
要するに1本公開してみて、受けたら続編をあと2本企画する・・というやり方である。
特にこのシリーズの場合、ジョニー・デップの怪演で1作目が予想外に受けてしまったので、それでやめておけばよかったものを、無理に3作に引伸ばしたような印象が強い。

そういう興行としてのやり口や、物語のお決まりの展開、もはや驚くこともなくなったCGに、観衆は飽きはじめているのではないか。
映画館から出てきたお客の顔を見ると、それが表情に出ているのだ。
やはりアメリカ映画は苦しいのかなあ・・と感じた。

2作目を見た時、ついに最後まで1作目の内容を思い出せなかった。
そのまま復習もしなかったので、いまだに1作目の内容を思い出せない。
で、その状態で3作目を見たわけだが、結局細部は訳がわからなくても、特に支障はきたさなかった(笑)
そういう映画である。

ところで、人間が(ある種の娯楽として)簡単に死んでいくのが、ちょっと気になった。
ディズニーがジブリと組んだ時に、「もののけ姫」で人が残酷に死んでいくシーンにショックを受けたそうだが、僕はむしろこの作品の「殺し方」の方が気になった。
子供は残酷だから、そんなの平気だろうが(笑)、大人の方が心が痛む。

ま、マカロニウエスタンで育った人間が今更何を・・と言われそうだが(笑)
何分ディズニーの実写映画というと、「地球の頂上の島」を思い出す世代なので・・・(笑)

Mrs.COLKIDの評価
「2作目よりは面白かった」
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