COLKIDが日々の出来事を気軽に書き込む小さな日記です。
COLKID プチ日記
アンカーボルト
LEICA X1
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幾人かの人が同じ事を言ったので、多分本当に起きた現象なのだろうが、今回の地震で工場が受けた被害をあらためて検証すると、地面にちゃんと固定してあった機械が、かえって倒れてしまった例が多いという。
通常工場内の機械は、不用意に動いてしまうのを防ぐため、地面にアンカーボルトを打ち込んで固定する。
アンカーボルトというのは、床のコンクリートに埋め込んだボルトのことで、それにナットで機械の脚を固定する。
要するに機械を地面にネジ止めしてしまうのだ。
多くの場合、床にドリルで穴を開けて、中で開いて抜けなくなる特殊な構造のボルトを打ち込む。
実際には機械の重量などを計算して、引き抜き強度を考えて取り付ければ、問題は起きないのかもしれない。
しかし一般の工場では、そこまで計算して施工することは少なく、ほどほどの太さのアンカーボルトで留めてしまう事が多いと思う。
ところが今回の地震が起きてみると、このアンカーボルトを引きちぎって機械が倒壊する例が多かった。
留めていない機械は助かったのに、固定していたがために、つんのめるように倒れてしまったのだ。
もちろん機械の重量バランスにもよるのだろうが、まさかこんな事になるとは予想していなかった。
僕の会社では、もしもの時のために、機械をアンカーボルトでガッチリと固定するようにと日頃から話していた。
ところが職務怠慢でそのままになっている機械が多く、地震が起きる前にやってしまわなければ・・・と、数日前にも会議で話したばかりだった。
ところがそれが幸いしたようで、揺れに対しフリーな状態であったためか、一台も被害を受けなかった。
皮肉な結果だ。
しかし次回もっと大きいのが来たら、そううまくはいかないだろう。
たとえば機械同士を鋼材で連結して、安定させると同時に、機械の間に挟まれる事故を防ぐとか、いくつかのアイディアが出ている。
ただ強固に固定するより、ある程度クッション性を持たせた方がいいのではないかという考え方に変わった。
大きめの地震を経験したことで、いろいろと想像が働くようになったのだ。
ところで会社で起きた実質的な地震の被害がこれ(笑)
バッターンと倒れて、透明なアクリルのカバーが粉々になった。
仕方なく破片を掃除機で吸い取り、余震でまた倒れるといけないので、そのまま床に倒してある。
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伊豆に旅行に行ったとき お寺の四隅の太い柱が石の上に載せてあるのを思い出しました。
建物を地面に固定してないんですね。伊豆は地震の多い土地なので基礎の石同士の摩擦によるエネルギーの吸収と
載せただけの建造物による破壊の防止をうまく考えてあるなぁと感心したことを覚えています。
地震の破壊エネルギーは大きなものですが 熱に換算すると案外たいしたこと無いんですね。
COLKIDさんが高速で運転するBMWだって壁にぶつかれば大破ですが、 ブレーキとパッドの熱に変換することで
車体に何のダメージもなく急停止出来るわけです。
免震構造の住宅でこの原理を応用したものもありましたね。
ところで機械の転倒防止の話、たしかに連結して平面結合してしまえば倒壊は防げますね。外周部がぶつからないように工夫すればいいアイデアだと思います。
コンクリートの床との接触面で摩擦熱を発生させるようにしておけば かなり地震のエネルギーを吸収出来ると思います。
ビヨヨーンと飛んでいってしまい、かえって危険かな・・・
そういえば地震の間、僕のBMWはピョコピョコと跳ねていたそうです(笑)
以前内装屋のバイトをしていたことがあるのですが沢山打ちました、アンカー。
ただ考えてみると今回の地震は長い時間の大きな横揺れだったため、固定したものが高ければ高いほどテコの原理で力点部分に強い力が加わりアンカーが外れてしまったんだと思います。
ですので今回のような地震では床固定よりも上部をL金具などで壁固定して、そこからはCOLKIDさんの仰るとおり鋼材で連結するのが良策だと思います。
その点ではスプリングよりゴムの方がいいのではないでしょうか?
あるいは車のサスペンションと同様の装置とか。
考えてみれば、地震はその時によって揺れの種類が違うので困りますね。
我家は天井との間に突っ張りが入っていますが、今回はけっこう有功だったようです。
みなには、大きいのが来たときは、床が1mくらい左右にガッ、ガッて揺れると考えるように・・とイメージさせています。
今までと違って、何となくイメージできているのが、みなの顔つきでわかります。
ただそうはいっても、機械は重量物なので、かなりのエネルギーで動くので難しいですね。
車のショックみたいのも手かもしれませんね。
壁の強度が低いので抜けてしまうかも・・・(笑)
今のところ一番やっかいなのは工場内のホイストで、揺れの方向に寄っては、勢い良くレール上を移動してしまったり、落下したりする可能性があると思うので、とにかく下にいないようにと言っています。
そうです。
でも固有周期も重量も振動波形も車とは異なるから、ちゃんと動的解析しないとかえって励起したりしますけど。(笑
そして、動的解析ができる技術者はほとんどいませんけどね。
地震時には縦に1G以上の加速度が加わるので、一瞬全てのものは空中に浮遊します。
その間に横方向にも振動もしているので、後付けのアンカーボルトの頭は切れるんですね。
普通はアンカーボルトは、1本に機械の重量が全て加わっても大丈夫な強度が要りますよ。
皆さんが良く使うケミカルアンカーや後打ちアンカーはカタログの最大荷重見てもわかるように重量機械の固定には使えないはずです。
東京都内のあちこちに超高層ビルが建っていますが、基本的に外装は全てアンカーボルト1本で固定しています。残りの3本はフリーです。
よく、施工者やその関係者に説明するのですが、「カーテンウォールというのは、壁の先端にセルシオが沢山ぶら下がっているようなものなんです(笑。」
「そこが地震時に凄い変形をするんだから、そこを固定するような事をしたらダメに決まってるよね!」と。
だいたいは、ビルのプレキャストコンクリートは、重量として数トンあります。
ガラスも同じくらい重たくて、1トン程度にはなりますから、支承部の強度はきちんと設計しないとかえってあぶないですね。
機械と同じくらいお金をかけてベースを設置すれば大丈夫でしょうが、一般の町工場ではとてもそんなこと出来ません。
そういえば今回地震の時に高層ビルの40階にいたという人がいました。
ビルから振り落とされそうなほど大きく揺れて、死ぬぅと思いながらも、よく倒れないものだと感心したそうです。
風にしなる木の上にいるみたいだったそうです。