会話


D4 + AF-S NIKKOR 35mm f/1.4G

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穏やかに晴れた休日、昨日からひとりということもあり、朝からのんびりと過ごした。
カメラを持って出てはみたが、撮ろうという意思に欠けたためか、あまりシャッターを切ることは無かった。
明日から出張なので、なるべくハードなことはしたくない。
都内をうろついた後、銀座の床屋で頭を刈ってもらい、ゆっくりとした。

帰宅途中、いつもの行きつけの古い時計屋さんに顔を出した。
店内に先日とは違う外国人が立っていた。
今回は旅行者というわけではなさそうだ。
きちっとした身なりの白人で、テレビか何かのインタビュワーのように見えた。

店主との英語の会話を横に立って聞いていた。
「インターネットで売ることはしないのか?」
「まあ、過去に考えたことがないわけではない」
「これだけの品揃いなのだから、オークションに出せば、ものがかなり動くだろう」
「それだと忙しくなるからね」
「そりゃあ、忙しいさ。売れるんだから」

店主が気乗りしないのが、白人は理解できない様子であった。
「あなたの店は、有名ではないのか?」
「まあ、ある種のコレクターの間では一応名は通っているらしいよ」
「インターネットで販売する気は本当にないのか?」
「あまり考えていないね」

商売が目的でやっているわけではない、というところが、そもそも理解の域を超えているのかもしれない。
それでもその業界の人なので、心は通じ合うようで、白人は目を輝かせて質問していた。

これから本格的な取材が始まるようで、今日は早く店じまいしたいと、申し訳なさそうに店員さんが言ってきた。
新しい時計が入ったかチェックしに寄っただけだから、また来ますよと言って、僕はお店を後にした。



今日の時計ベルト。
シチズンのオルタナVO10-6851Bにカミーユ・フォルネのアンティークカーフのブラックをつけた。

同社の既製品ベルトの中ではもっともスタンダードなシリーズだろう。
ラインナップ中一番安価なもののひとつで、かなり売れている製品と思われる。
個人的には白いステッチのベルトはあまり好きではなかったので、今まで手を出さなかった。
しかしミリタリー系と組み合わせると、ステッチがはっきりと目立つ方がそれらしく見える。

表面はざらつきのある艶消しの黒。
カーフでありながら革らしい感じがあまりせず、ちょっと無機質な印象を受ける素材だ。
ステッチは漂白したような白だが、使用して汚れてくればちょうどよくなるという。
スタンダードなシリーズでありながら、同社の他の製品と比べると、むしろ風変わりなベルトに思える。

ところでこのベルトの幅20mmは、尾錠サイズ18mmと16mmの2種類が用意されている。
これは面白いやり方といえる。
ドレスウオッチ向けのエレガントな20-16mmと、スポーツウオッチやクロノグラフなどに合う無骨な20-18mmの2種類を揃えてあるのだ。
あるいは、付け替える時計の尾錠サイズに合わせられるように考えたのか・・・
いずれにしても、それだけ売れ筋ということであろう。

いつもなら20-16mmを選ぶところであるが、今回はオルタナや厚みのあるオメガとの組み合わせを考えたので、20-18mmの方を選んだ。
ブラック同士の組み合わせだから悪くはないのだが、表面の仕上げのためか、必ずしも時計に合っているとはいえない。
しばらく使い込めば、もう少し味が出て馴染んでくるのかもしれない。

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