電脳筆写『 心超臨界 』

知識が増えるほど不思議が深まる
( チャールズ・モーガン )

「笑いのメカニズム四段階仮説」を触れ回る――木村洋二さん

2009-02-08 | 03-自己・信念・努力
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「人生は愉快」夢は幸せ予測――関西大学教授・木村洋二
【「拓くひと」09.02.04日経新聞(夕刊)】

なぜ笑い 何に役立つ 科学的追及

あまたの動物の中で笑うのは人間だけ。しかし、なぜ笑い、笑いにどんな意味があるのか――。アリストテレス以来、古今東西の哲学者が持論を唱えているが、体系立って解き明かした例はない。関西大学教授の木村洋二(61)は「21世紀こそ、笑いをまじめに研究する時だ」と説く。

京都大学で社会学を学んでいた1970年代、社会の不合理を見つけては否定し、虐殺はなぜ起きるのかを、みけんにしわを寄せて考えていた。

77年に関大助手に就き30歳になったころ、山小屋で仲間3人とキノコ鍋をつつき酒を酌み交わしていると突如、笑いが止まらなくなった。3時間ほど笑い転げ「脇腹の痛みが1週間ほど消えなかった」。

木村はこの体験から「人生に意味はないけれど、十分に愉快だ」と、生きる喜びを実感した。同時に笑いの統一理論の着想をつかみ、笑いの謎を追及しようと決心する。

3年かけて書き上げた論文の評判は芳しくなく、もっと分かりやすい説明が必要と猛省。今はズレて、ハズレて、ヌケて、アフレる「笑いのメカニズム四段階仮説」を触れ回る。

笑いにはあらゆる負荷をゼロに戻す力がある。木村はそれを車のニュートラルギアに例え「現代社会はローギアでアクセルを踏み続けている状態。いずれ壊れる危険をはらむ」と憂い、ニュートラルギアの大切さを訴える。

最近は、免疫機能の向上や疲労の軽減など、医学や脳科学の分野でも笑いが注目されている。客観的な研究には専用の計測器が必要と、昨年装置を試作した。単位はaH(アッハ)。横隔膜の筋電位を取り、爆笑しると「5アッハ」、含み笑いは「1アッハ」などと表示する。作り笑いや愛想笑いには反応しない。

「毎日2000アッハ笑うと、がんになる確率が20%減る」「1日1000アッハ笑うと離婚率が70%下がる」。将来、こんな予測が実現できないかと、木村は楽しみにしている。
(敬称略)

(編集委員・永田好生

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