電脳筆写『 心超臨界 』

人格は知性に勝る
( エマソン )

読む年表 戦国~江戸 《 鎖国の完成――渡部昇一 》

2024-05-20 | 04-歴史・文化・社会
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私は江戸文化を愛する者ではあるが、しかし、日本の歴史全体からみると、徳川時代はやはり大きなマイナスの時代であったと思わざるを得ない。なぜなら、鎖国さえしていなければ、大東亜戦争はなかったはずだからである。それは戦時中、多くの人たちが考えていたことである。大東亜戦争が起こったのは、日本が近代産業国家として生きていくのに絶対必要な物資を、アメリカ、イギリス、オランダが止めたからだ。これが日本にとっていちばんの致命傷であった。もし鎖国をしていなければ、日本人はアジアに雄飛していたはずである。


◆鎖国の完成

『読む年表 日本の歴史』
( 渡部昇一、ワック (2015/1/22)、p140 )

1641(寛永18年) 鎖国の完成
鎖国は日本人のアジア雄飛を阻み、大東亜戦争の遠因となった

徳川家康が幕府を開いてから慶応3年(1867)の大政奉還まで264年。俗に“徳川三百年”と言われる。この間のヨーロッパを見ると、関ヶ原の頃にはイギリスがイスパニアの無敵艦隊を破って(1588年)東インド会社を作り(1600年)、家康が没した元和2年(1616)にはイギリスではシェイクスピアが、スペインでは『ドン・キホーテ』の著者セルバンテスが世を去っている。江戸中期の18世紀末にはアメリカが独立し(1776年)、フランス革命が起こり(1789~1799年)、19世紀初頭にはナポレオン戦争があった(1803~1815年)。徳川幕府が終わった慶応3年には、マルクスが『資本論』第一巻を出版し、アメリカがロシアからアラスカを買い、ビスマルクがドイツ帝国建設に乗り出している。

徳川幕府は外国船を徐々に制限し、寛永16年(1639)にポルトガル船来航を禁止、同18年にオランダ人を長崎の出島に移して、三代将軍家光の時代に名目上、鎖国が完成した。ヨーロッパで一大変革が起こった時代に、日本は国を閉ざしていたのである。

実際は長崎を通して世界の情勢を把握していたとか、鎖国にもプラスの面があったとか、肯定的に考える人もいる。たしかに鎖国によって日本は固有の天地を作り上げ、独自の文化を発達させた。

私は江戸文化を愛する者ではあるが、しかし、日本の歴史全体からみると、徳川時代はやはり大きなマイナスの時代であったと思わざるを得ない。なぜなら、鎖国さえしていなければ、大東亜戦争はなかったはずだからである。

それは戦時中、多くの人たちが考えていたことである。大東亜戦争が起こったのは、日本が近代産業国家として生きていくのに絶対必要な物資を、アメリカ、イギリス、オランダが止めたからだ。これが日本にとっていちばんの致命傷であった。もし鎖国をしていなければ、日本人はアジアに雄飛していたはずである。

戦国末期から、日本人は東南アジア各地に進出し、ルソン島やジャワ、タイのバンコクには日本人町ができていた。そういった地域が日本の植民地になっていたとはいわないまでも、そこにできている政府は親日的であって、けっして「日本にものを売らない」などといって日本を苦しめることはなかったであろう。であれば、大東亜戦争は起こらなくてすんだ。そういう考えかたに当時は子供たちまで納得していた。

もちろん、日本をよく治め、平和な時代を現出せしめたのは間違いないが、徳川幕府のいちばんの目的が徳川家の安泰にあったことは明らかだ。それは、徳川幕府を作った家康の深謀遠慮によるものであった。徳川幕府の本質は、家康という人物にすべて表われていると思う。
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