福澤諭吉と日本の現代
講師:池田 浩士
第4回 2017年5月21日(日) 14:00~17:00
独立自尊と脱亜入欧―別の現実はありえたか?
遅れて出発した国民国家日本の「文明化」と「独立維持」とが、福澤諭吉の終生の課題でした。歴史的脈絡の中で客観的に見るなら、この課題と、それの実現のために福澤が提起した方策は、「正しかった」のです。
では、そのために日本社会とそこに生きる私たちは何を失ったか、そしてそれ以外の道はなかったのか?
――これを問うことこそ、後史を生きる私たちの責務です。
有名な「脱亜論」や日清戦争への加担を批判し、あるいは逆に称揚する前に、私たちは、福澤の選択がどのような帰結を私たちの現在までの歴史にもたらしたかを明らかにし、別の可能性をあらためて模索しなければならないでしょう。