みすず本「他者の苦しみへの責任」 示唆に富むけど難解なりき
『他者の苦しみへの責任 ソーシャル・サファリングを知る』 A・クラインマン他著 みすず書房
みみず、じゃなかったみすず書房は、鬼門だ。なにしろ挫けたことしか記憶にない。
本書は、気張って全頁に目を通した。しかし悲しいかな、7割方しか理解できなかった。哲学領域の知識に乏しいゆえか。
スーダンでの「ハゲタカと少女」の写真。その背景と、自殺した写真家。消費される映像。
>インドとパキスタンの分離独立時、両国で拉致され暴行を受けた10万人にのぼる異教徒の女性たちの声なき嘆き。
>貧困と紛争のために、エイズや暴力によって 死に追いやられたハイチの若い命。
>脳死に対する日本とアメリカの意識の違いと、臓器提供を待つ患者や家族の苦悩。
>スリランカからイギリスに難民として移住 したタミル人が抱えるアイデンティティの問題。
>いくつかの国で自白を引き出すために今なお続けられる拷問。
どれもが、考えてみるべき課題なのだ。
インテリゲンチャは、義務として読むべきだわ。そして私に、易しく教えてちょうだい。