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「法王は祈る 分離壁に否」

2014年05月29日 | 
「法王は祈る 分離壁に否」

 
 
パレスチナに平和はもたらされるのだろうか。65年前にイスラエルに追い立てられ、中東各地に散らばった。この人々のうち、何割かはイスラエル領内のパレスチナ自治区に住んでいる。
 
イスラエルは悪辣にも、この自治区と自国領内の間に2002年から十メートル近い高さのコンクリート製の分離壁建設を進め、パレスチナ人の生活区域を分断し、人々をさらに苦難に追いやっている。この壁は別名アパルトヘイト・ウォールとも呼ばれる。
 
住民は一日三回開けるゲートを通って壁の向こう側の畑に行く。水源がパレスチナ側にない地域もある。「壁の向こうの土地を返せ」「閉じ込められるのはもうたくさんだ」と毎金曜日にデモが行われているが、自治区住民の苦悩は計り知れない。
 
国際司法裁判所は2004年に「イスラエル政府の分離壁の建設は国際法に反し、パレスチナ人の民族自決を損なうものとして不当な差別に該当し、違法」であるという勧告を出し、また国連総会も建設に対し非難決議を出している。だが、イスラエルは無視を決め込んで建設を続行中だ。
 
ところがインターネットで5月25日のBBCニュースをみて驚愕した。フランシスコ・ローマ法王が滞在中のイスラエルで、予定外の行動に出、分離壁に手を当て、さらには頭を当て祈っている写真が掲載されている。その壁には「パレスチナに自由を」との英語の落書きが鮮明に見える。法王の注意を引いたのは、「法王、私たちには正義を説く人が必要です」との言葉だったという。この法王の行動は「分離壁はいらない」「分離壁の建設をやめるべきだ」と言っているに等しく、十二億人を超えるカトリック信者に大きな影響を与えるに違いない。
 
イスラエル側は「壁を建設した理由が伝えられていない」と反発していると報じられているが、その理由なるものは自爆テロの防止だという。しかしイスラエルの暴圧を受けながらも、実際は自爆テロの数は減少傾向にある。パレスチナ人に自由を、そして平和な生活を保証すれば、自爆テロなど直ちになくなるはずだ。
 
なお、日本人がパレスチナ人に対しできることがある。第一にイスラエルがアパルトヘイト差別国家であることを認識すること。そしてイスラエル系(イスラエルを支援する会社)の商品をボイコットすること。欧州にも広がっている不買運動の効果は絶大だ。南アフリカも不買に屈した。不買対象はスターバックス、マクドナルド、コカコーラ、ネスレなどがある。
 
関連リンク
YouTube - Catholic News Service: Pope Francis prays at West Bank wall
 
クリエイティブ・コモンズにて、転載。救援連絡センター発行「救援」紙の、2面の連載コラムより。
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