ふと、原作を読んだら良いじゃないかと思ったら、大当たり。
水上勉の最高傑作ではないか。
戦後すぐの貧しかったころ、もうれつな台風により青函連絡船が転覆して何百人もの死者が出る。北海道岩幌町の質店に強盗、一家四人を惨殺し証拠隠滅に火を放つ。火は市街に延焼し、小さな街の大半を焼き尽くす大火となった。
そのふたつの事件を発端に貧しい人々の群れが描かれている。
1962年1月から12月まで週刊朝日に連載されたが完結せず、加筆し完結した力作。
-------------- 備忘メモ -----------------
上57 強盗をしたときの返り血がついた服のまま出所 お金は1日分の食費分しかない どうやって帰ることができるのか/できないよね
上88 大間 函館市が原発差止の訴訟をしたとこだ
上268 東北 大間の貧しさ 青い砂が金を産むか
上356 しつこく嫌らしい刑事 彼女は行方を眩ますために娼婦となる
下320 下巻は警察小説ともなってるな