元旦にやっていたNスぺの録画を見ました。
いや~、ほんと、NHKってこういった番組をきちんと作ってくれるので私は有難いです
良く、高柳さんとも話しますが「トップはさておき、現場のディレクターにはまだまだ良心がある人がいっぱいいるんだな」と。
中高生にはこういったものを勉強させた方が良いと私はいつも思います。
さて、その内容は「2030年」に色々な問題が分岐点にくると言われている、という事でした。
「あと10年をどうするかで、人類や地球の未来が大きく変わる」というテーマです。
まずは「温暖化」問題。
これは私も良く知っている分野ですが、昨年のドイツから来た谷口さんという青年が言っていた
「あと0.5℃世界の平均気温が上がったら、地球は取り返しがつかなくなる」という事ですね。
もう1つはAI問題。
アメリカ、中国は「AI搭載の自動兵器を2030年までに稼働させる」という目標を掲げているという事。
また、水の問題、格差や紛争問題なども取り上げられていました。
まずは地球温暖化問題。
日本のメディアでは、ほとんど取り上げられませんが、ヨーロッパではトップニュースに毎日出てきます。
というのは、「タイムリミット」が明確に告げられていること、それに対して若者が反応していることがあります。
産業革命時から地球の平均気温が1℃上がっているそうです。
それが1.5℃、つまりあと0.5℃上がると、「もう取り返しがつかなくなる」、と世界の科学者、そして国連も警鐘を鳴らしています。
以前のブログにも書きましたが、ドイツやヨーロッパは「あと1年ちょっとで行動を変えないと間に合わない」というタイムリミットが宣言されていて、学校をやめて集会にいったり、経営者は飛行機に乗るのを止めたり、と大変な状態だそうです。
細かいことはその時のブログに書いてあります→こちら
それに比べて日本は「石炭火力」を止めようとせず、世界中から批判を浴びています。
ドイツは環境問題に6兆円の投資を決めて9月の環境問題に臨みました。
その6兆円も補正予算は組まず、カーボンオフセット、つまり、環境対策してⅭO2削減できたと計算出来た分を日本などにお金で売って得る計画です。
一方で、大臣になったばかりの小泉環境大臣は何も策を持たずに参加したので、非常に冷たい評価を得ましたが、日本のメディアはそういった事より「セクシー発言」ばかり取り上げていました。
まあ、それはともかく、話を戻すと、そもそも自然というのはバランスを取ろうとします。
二酸化炭素が増えれば、それを吸う緑が増えます。
例えば二酸化炭素は海水に溶けるので、海中の緑も繁茂します。
気温が上がれば植物の生育も良くなるわけです。
しかし、自然とは離れた行為を私たち人間は行ってきました。
具体的には化石燃料を掘り上げ燃やしたり、森林を伐採したり、大規模な灌漑施設を使った農業で砂漠化を推し進めたり、家畜を大量に育てることでメタンガスを大量排出したり。
そのことにより、自然のバランスでは賄いきれなくなってきてしまいました。
例えば、海水中の二酸化炭素は飽和に近くなり海に溶けなくなってきました。
二酸化炭素やメタンガスの温室効果で、宇宙に逃げていくはずのエネルギーが地球の中にとどまり、気温が1℃上がってしまったのです。
この「1℃上がる」というまでには、例えば空気より温まりにくい海水が頑張って温度を蓄熱していたのです。
しかし、海底海が温度が上がってしまい、海表流も上がり始めて気温も上がってきました。
あるいは、ヒマラヤなどの氷河や南極や北極の氷が溶けることで、宇宙から飛んでくる太陽エネルギーを反射していた鏡の役割の氷が減り、蓄熱スピードが進みました。
また、氷解熱というのがあって、氷が溶ける時に熱を発します。
そういった事が積み重なって「1℃」上がったのです。
そして、あと0.5℃上がると、「温暖化は加速度を増し、今世紀末には4℃上がることになる」といわれています。
0.5℃上がると、森林火災はもっと増え、氷が溶け、海が温まりきり、もう後戻りがつかなくなり4℃上がることが科学的に計算できると言われています。
その「0.5℃以内の気温上昇に抑えないといけない期限」が2030年と言われています。
具体的には、2050年には「森林などが吸収する二酸化炭素量と排出する二酸化炭素量がブラスマイナス0」にしなくてはいけなく、そのためには2030年までに、現在の二酸化炭素排出量を半分にしなくてはいけない、と言われています。
「まずは現在の二酸化炭素排出量の増加を止め、それをあと10年で半減しなくてはいけない」
これが大命題であり、これが出来なければ、アマゾンなどの森林は自然火災で減ったりサバンナや平地の砂漠化が進み、南極大陸の棚氷などが溶けて海面が上昇し高潮の被害などが相次ぎ、世界中で住む場所を失う人が増え、熱帯地域では人が住めなくなり、土地争奪戦、水争奪戦が起き、さらに食べ物が不足し飢饉が起き、持つものと持たざるものとの格差がさらに開き、紛争が多発する、と言われています。
そういう事から国連が「紛争や戦争を無くすためにも、これから10年が勝負だ」と緊急宣言を出しているのです。
といった事を、まともに放送するのはNHKしかないんです。
お笑い番組を観ている場合ではない、というのがヨーロッパの若者達で、だから世界中の若者がデモなどに走っています。
日本で言えば、江東区など東東京などは人が住めなくなり、例えばスカイツリーは4m海に沈む計算になっています。
経済優先の前に、住むところが無くなり、子ども達の世界が大変なことになる、ということに対し、テクノロジーの発展を待つだけでなく、消費活動を抑える事も必要なわけです。
私は原発事故が直接の原因でしたが、未だにブラウン管のテレビやガラケーを使っていて、車も中古車で十分、フライパンもテフロンなどではなく私が1人暮らしの時に買った鉄のフライパンを使っていたり、子ども達の学習机も貰い物やリサイクル品にしています。
お金がないということもありますし、ある意味、意地になっているのもありますが、「だって、もったいないじゃない」という気持ちや「そんなに消費しているから原発が是という事になってしまうんじゃないか」と思ってきました。
それが今は「温暖化という人間が住む場所が無くなって、他の生物も絶滅に追い込んでいる」原因になっているんですね。
原発どころの騒ぎじゃない。
TEDで以前、話されていた内容で衝撃を覚えたのが「世界70億人のうち、洗濯機を使えている人たちは20億ぐらい」という話でした。
そして「世界中の人が洗濯機を使える消費レベルになったら、地球環境は終わってしまう」ということ。
衝撃を受けました。
「洗濯機を使える生活水準は、地球を破綻させるの!?」って。
そういうのもあり、さすがに洗濯機を手放すのはつらいけど、無駄な消費は出来るだけ止めよう、自分で直せるものは直そう、ものを大事にしよう、という思いになっています。
子ども達は「テレビ買い替えて」と叫んでいますが、いつか大人になった時に「うちはブラウン管だったな~」という記憶が、消費行動や生活について考える種になると信じています。
また地球温暖化だけでなく、戦争もAI搭載兵器が中心になり、アメリカと中国が2030年までに覇権を争っているようですが、既にAI搭載のドローンなどは開発されています。
そして人間が指示をしなくても、過去のデータに基づいてAIが自動攻撃をする、というのが実現出来ているそうです。
しかし、誤った事件が既に発生していました。
アメリカのジャーナリストがシリアなど内戦地域に入り込んでいたのですが、過去の通信記録や出入りした地域などからAIが「キル・リスト」を作り、その「キル・リスト」を基に暗殺を試みて、そのジャーナリストは乗用車を爆破されて、後部座席に乗っていたので一命をとりとめたそうです。
またオフィスも攻撃されて、近くにいた10歳ぐらいの子や仲間が殺されてしまった、ということも。
AI自体が完璧ではない、そこを制御できないまま実用化が始まっているそうで、シミュレーションで、ドローンの集団が学校のドアを破壊して、授業を受けている「テロリスト候補の学生」を教室中から探し出し、暗殺する、なんて映像が流れていましたが、恐ろしいですよね~。
他にも高校生の時に「海のプラスティックゴミを無くしたい」と思い立ち、TEDで発表し、活動をしたら1000万円のお金が集まり、NPO法人オーシャンクリーンアップを設立し、その後、大規模海洋ゴミ収集に初めて成功したり、今は44億のお金が集まり「河口で海へのゴミの流出を食い止める船」を開発し、いくつもの国に導入が決まっていたり、と凄いことをしている若者がいました。
そんな事例を紹介しながら、あと10年、どう生きるかを問う番組でした。
学校の授業も大切っちゃ大切ですが、中高生に是非見てもらいたいと思いました