まるみのあっちこっち巡り

ー31,000枚を超える写真とともに綴るお出かけブログー

映画 逆転のトライアングル

2023-06-21 00:50:49 | 映画(劇場鑑賞)

カンヌ国際映画祭パルムドール受賞、
第95回アカデミー賞主要3部門ノミネート!
そして、クルーズ船も舞台の一つ。
これは見ておきたい

インフルエンサーでモデルのヤヤが、
人気に陰りが見えるモデルのカールのカップルが、
招待を受けて豪華客船クルーズの旅に出ます。

嵐に見舞われたキャプテンズ・ディナーのシーンは、
ありえない、ここまでやらなくてもの連続。

ロシアの大富豪、英国の武器商人などの
リッチでクセモノだらけな乗客なので、
何が起きても不思議ではないのですが・・・。

ある夜、船が難破、海賊に襲われ、
無人島に流されて無事だった人々の
ヒエラルキーの頂点に立ったのが、
サバイバル能力抜群な船のトイレの清掃婦。

キャスティング時には、故・樹木希林さんの
名前も候補に挙がっていたといいますが、
ドリー・デ・レオンで大正解。
船の中で会ったかもという感じで、演技力も抜群!

現代格差社会を痛烈に皮肉り、
ブラックユーモア満載のエンタメ作品、
館内は静まり返っていましたが、
私も笑えませんでした。

この映画、クルーズ船の中では上映する

監督:リューベン・オストルンド
出演:ハリス・ディキンソン/チャールビ・ディーン
/ウッディ・ハレルソン/ドリー・デ・レオン他
2022年/147分/スウェーデン


驚愕のタイタニック号残骸の観光ツアーですが、
この映画のことを思い出しました。
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映画 トップガン マーヴェリック

2022-07-26 00:27:33 | 映画(劇場鑑賞)



前作から約36年ぶりとなる続編『トップガン マーヴェリック』。
複数回鑑賞する“追いトップガン”という言葉まで生まれたとか、
2022年日本公開作品の興行収入No.1

自宅で映画を観る環境も格段に良くなっているので、
ミニシアターでの上映作品は別として、
映画館へ足を運ぶのを控えていましたが、
こればかりは大きなスクリーンでと思いました。

あの懐かしいテーマ曲の響きとエンジンの鼓動、
教官として戻ったマーベリックに時の流れを感じつつ、
パーフェクトと思える続編に夢中になり、
ラストは涙をポロリと流していました。

絶対に映画館で見たい作品です。

監督:ジョセフ・コジンスキー
出演:トム・クルーズ/マイルズ・テラー
/ジェニファー・コネリー他
2022年/131分/アメリカ

イオンシネマ多摩センター

2022.7.19

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映画 エルヴィス

2022-07-17 00:51:00 | 映画(劇場鑑賞)



「キング・オブ・ロックンロール」と称されるエルヴィス・プレスリー。
ビートルズやクイーンなど多くのアーティストたちに影響を与え、
「世界で最も売れたソロアーティスト」として
ギネスに認定されています。

音楽で世界を変えたスーパースターの
“伝説”の裏側を知る
ミュージック・エンターテイメント。

瞬く間にスターとなった一方で、
保守的な価値観しか受け入れられなかった時代、
中傷の的になり警察の監視下に置かれ、徴兵。
最愛の母との亀裂と死、妻子とも別れ・・・。

エルビス・プレスリー役のオースティン・バトラーが、
ほぼ全編にわたり、歌唱とダンスを披露する熱演。
名優トム・ハンクスが演じるのが、悪名高い強欲マネージャー。
才能に恵まれ、音楽を純粋に愛した男の波瀾万丈のドラマ。

腰を小刻みに揺らし、つま先立ちする独特でセクシーな
パフォーマンスで熱唱するエルビスの姿に、
興奮してしまう理由がわからないと思っていたのに、
159分の間にいつの間にか魅了されていたような。

監督:バズ・ラーマン
出演:オースティン・バトラー/トム・ハンクス/
オリビア・デヨング/リチャード・ロクスバーグ
2022年/159分/アメリカ

ヒューマントラストシネマ渋谷

2022.7.11

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映画 ナワリヌイ

2022-06-30 00:42:19 | 映画(劇場鑑賞)



暗殺未遂事件の直後からナワリヌイや家族、
調査チームに密着、極秘裏に製作したドキュメンタリー。

サンダンス映画祭にてシークレット作品として上映、
あまりに衝撃的な内容で世界的な話題を集め観客賞と
フェスティバル・フェイバリット賞をW受賞。

緊急公開決定された作品を見逃してはならないと
猛暑の中、映画館へと向かいました。

プーチンが最も恐れた男――"ロシア反体制派のカリスマ"
アレクセイ・ナワリヌイ氏をニュースなどで見ていましたが、
美男美女のカップルは映画俳優よりもルックスも良く、
ドキュメンタリーなので演技力とは言わないまでも
これが演技なら主演男優&主演女優賞かも

事件の背後に何があったのか明らかになるのですが、
ロシア国民にこそ見て欲しい作品です。

ナワリヌイ氏のメッセージは、
「諦めるな」
「悪人が勝つのは、善人が何もしないからだ」

政府の強大な闇に切り込む人の言葉は、
胸に突き刺さるようです。

監督:ダニエル・ロアー
出演:アレクセイ・ナワリヌイ/ユリヤ・ナワリヌイ
マリア・ペヴチク/クリスト・グローゼフ他
2022年/98分/アメリカ

シネ・リーブル池袋

2022.6.27

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映画 スージーQ

2022-05-20 01:54:08 | 映画(劇場鑑賞)



スージー・クアトロ:1950年生まれ。
デトロイトの音楽一家で育ち、
姉たちとのガールズバンドを経て、
史上初の女性ロッカーとして一世を風靡し、
現在も精力的な活動を続けています。

70年代、女性のためのロックがない時代に
道を切り拓いたのは彼女だったー

曲は知らないけれど、
顔や名前には記憶があるような

世界初の女性だけのロック・バンドが、
スージー・クアトロに憧れていたと言っていたとか、
1978年「サケロック大関」のテレビCMに起用、
映画を観ているうちに記憶が蘇ってきます。

テージを離れてのセルフコントロールもしっかり、
特別扱いされるような子育てもせず、
ドラッグにも手をつけず、
ミュージカルなど女優業までもこなしていました。

体形こそ変化しているもののキュートでピュアな
ベースを抱える現役ロックンローラーなのが凄すぎる。
ポジティブで本当にカッコいい

極上のロック・ドキュメンタリー
見逃さずに良かったです。

監督:リーアム・ファーメイジャー
出演:スージー・クアトロ/ジョーン・ジェット/
アリス・クーパー/デボラ・ハリーほか

2019年/104分/オーストラリア

ヒューマントラストシネマ渋谷

2022.5.14

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映画 オートクチュール

2022-05-02 12:00:00 | 映画(劇場鑑賞)
ディオールのオートクチュール部門のアトリエを舞台に、
世代も境遇も異なる2人の女性の
人生が交差する様子を描いたヒューマンドラマ。

お針子が一刺し一刺し手縫いをし完成させる、
刺繍もレースも全て手編みのオートクチュール。
縁のない世界であるだけに
そのアトリエを覗いてみたいと映画館へ。

現役お針子の手仕事の美しさを見たいのに
それはほとんど見せてはくれないけれど、
それはどうでも良くなりました。

アトリエ責任者を務める孤高のお針子エステルと
郊外に暮らす移民二世の少女シャド。

フランスの人種差別や宗教的差別等が浮き彫りで、
「移民」「家族」「孤独」「パリ」「階級」「ジェンダー」
そして、「ヤングケアラー」とてんこ盛りの社会問題。

フランス大統領選挙も興味深くなっているけれど、
この映画も期待以上に面白いものでした。

監督・脚本:シルビー・オハヨン
出演:ナタリー・バイ/リナ・クードリ/
パスカル・アルビロ

2021年/フランス/100分

ヒューマントラストシネマ有楽町

2022.4.16
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映画 ストレイ 犬が見た世界

2022-04-13 00:14:54 | 映画(劇場鑑賞)
殺処分ゼロの国トルコ・イスタンブールを舞台に、
路上で生きる犬たちの視点から世界を捉えた
ドキュメンタリーをツレが観たいというので映画館へ。

しかし、ツレはどうやら

犬たちが自由に街を歩き、
人間との共存社会を築くトルコ。
猫が多いとは思いましたが、
犬もこんなにいたの

自立心が強くいつも単独行動をしている犬
ゼイティンと出会ったエリザベス・ロー監督が、
半年間にわたり犬たちに密着。

犬の目線と同じローアングルで撮影し、
犬たちの視点を通して、
チェチェン、シリアと世界情勢を垣間見るようで、
人間社会の様々な問題を考えさせられます。

イスラム教の礼拝への呼び掛けアザーンに合わせ、
遠吠えを続ける利発そうな目のゼイティンに
何か神がかったことを感じたとか

「音に反応しただけ」と、冷静なツレ。
まあ、そうかもしれないけど・・・。

監督:エリザベス・ロー
出演:ゼイティン/ナザール/カルタル(犬たち)ほか

2020年/72分/アメリカ

ヒューマントラストシネマ渋谷

2022.4.7

 
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映画 クレッシェンド 音楽の架け橋 

2022-02-22 00:46:52 | 映画(劇場鑑賞)
巨匠指揮者ダニエル・バレンボイムが率いる
中東の障壁を打ち破ろうと設立したオーケストラ
「ウエスト=イースタン・ディヴァン管弦楽団」がモデルの
映画 「クレッシェンド 音楽の架け橋」。

敵対するパレスチナとイスラエルのオーケストラ、
コンサートまで21日間の合宿の行方は・・・。

涙腺崩壊!

替えのマスクは持ち歩いていますが、
マスクの中が大変な状態になるのでした。

平和を祈るコンサートを行うという企画は、
テロ攻撃や報復の連鎖で敵対し合う彼らにとって、
相手を許す、受け入れることは容易ではなく、
パレスチナ・イスラエル問題は根深い。

どうにもならない事もある中で、
音楽により生まれた小さな共感を積み重ね、
心の壁を溶かしていくしかないのです。
言語は違っても楽譜は世界共通。

マエストロの言う言葉は私自身にも響きました。
「待つんじゃない、自分から一歩踏み出せ」

ラヴェルの「ボレロ」は好きな曲の一つですが、
この曲を聴く度にこの映画を思い出すことになりそうです。







監督:ドロール・ザハビ
脚本:ヨハネス・ロッター/ドロール・ザハビ
出演:ペーター・ジモニシェック/ダニエル・ドンスコイ/
サブリナ・アマーリ

2019年/ドイツ/112分

ヒューマントラストシネマ有楽町

2022.2.18
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映画 クライ・マッチョ

2022-02-03 00:17:39 | 映画(劇場鑑賞)
親の愛を知らず、家で虐待されるよりはと
闘鶏用のニワトリとストリートで生きてきた少年を
父親である元雇い主から頼まれてメキシコから
アメリカ国境までの旅をする落ちぶれた元カウボーイ。

「人は自分をマッチョに見せたがる。
すべての答えを知ってる気になるが、
老いと共に自分の無知を知る。
気づいた時は手遅れなんだ」

多くを語ることはないのですが、
一つ一つの言葉に、所作に、イーストウッドの描く、
生きる上で必要な「強さ」を見出だしていきます。

監督デビュー50周年、40作目の監督作であり、
主演も務める最新作「クライ・マッチョ」。
91歳で監督と主演の二刀流は、
誰も成しえなかったことでしょう。

過去の栄光にしがみつくこともせず、
若者に迎合することもなく、
年齢を言い訳にしないどころか、
恋愛も成就させるとはクール過ぎるけれど・・・。

1980年頃のメキシコの田舎町の雰囲気も伝わり、
良い時間を過ごせたように思います。







監督:クリント・イーストウッド
出演:クリント・イーストウッド/エドゥアルド・ミネット/
ナタリア・トラヴェン

2021年/104分/アメリカ

ヒューマントラストシネマ渋谷

2022.1.28

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映画 ドライブ・マイ・カー

2022-01-22 00:18:20 | 映画(劇場鑑賞)
村上春樹の短編小説「ドライブ・マイ・カー」を原作に
妻を失った男の喪失と希望を綴った作品の映画化で、
カンヌ国際映画祭で日本映画初の脚本賞をはじめ、
海外で4冠獲得の偉業を果たし再上映です。

3時間という上映時間が気になっていましたが、
ツレも「サーブ900ターボ」を見るかと
久し振りに二人で映画館へ。

西島秀俊演じる舞台俳優で演出家の家福(かふく)は、
妻を突然失い2年、広島での演劇祭に愛車で向かい、
ある過去をもつ寡黙な専属ドライバーや
かつて妻から紹介された俳優と出会うなどして、
目を背けてきたことに気づかされ・・・。

東京・広島・北海道などのスケール感あるロケーション、
サーブ900ターボの走り、美しさと厳しさが溶け合う映像美。

言葉を大切にする姿勢と、文学へのリスペクトに、
どことなく奇妙だと思っていた物語に
いつしか吸い込まれ、一言一句聞き逃したくない、
観ていたい、気づけば3時間。

登場人物が再生へと向かう姿に
心を揺さぶられるロードムービーでした。

監督:濱口竜介
出演:西島秀俊/三浦透子/霧島れいか/岡田将生

2021年/179分/日本

ヒューマントラストシネマ渋谷

2022.1.18




ロケ場所の一つで2021年11月に宿泊したグランドプリンスホテル広島にて

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映画 ドント・ルック・アップ

2021-12-18 00:11:46 | 映画(劇場鑑賞)
地球に接近する巨大彗星を発見した大学院生と天文学者が、
世界中にその事実を伝えるべく力を尽くすという
物語を豪華キャストが演じています。

現代社会の人間の愚かさを嘲笑うかのような
ダークでブラックなコメディー。

メディアを巧みに操る狡猾さ、拝金主義、
痛切な批判が込められた作品で、
このようなことが起こりえるかも

笑える部分もあるのですが、
消化不良を起こしそうなくらい詰め込み、
もっと短くまとめて欲しかったです。

政治をはじめ、明るい未来が描けない人々の
不平不満が溜まっているから仕方がないのかも。

監督:アダム・マッケイ
出演:ジェニファー・ローレンス/レオナルド・ディカプリオ/
メリル・ストリープ/ケイト・ブランシェット/
ロブ・モーガン他

2021年/139分/アメリカ

ヒューマントラストシネマ渋谷

2021.12.14

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映画 TOVE トーベ

2021-11-01 00:35:36 | 映画(劇場鑑賞)
「ムーミン」の原作者として知られるフィンランドの作家
トーベ・ヤンソンの半生を綴ったドラマ。

子どもの頃、毎週楽しみに見ていた「ムーミン」のアニメ。
フィンランドでは「ムーミン」グッズをおみやげに購入しました。
世界中で愛されるキャラクターのムーミンがいかに生み出されたか、
フィンランドの風景も見られるかもと映画館へ。

彫刻家の厳格な父親の教えとは相反する型破りな彼女の生活。
自分の表現と美術界の潮流とのズレなどの葛藤は
理解できますが、不倫や同性愛の描写が多く、
気持ちがついていけなくなりました。

ムーミンを見る目が変わりそうとも思いましたが、
複雑、多面的、寂しがりやだが人に拘束されたくない、
ムーミン谷のキャラクターは映画の登場人物がモデルとか。
「ムーミン」誕生には必要不可欠だったのかも

監督:ザイダ・バリルート
出演:アルマ・ポウスティ/クリスタ・コソネン/
シャンティ・ルネイ/ヨアンナ・ハールッティ

2020年/103分/フィンランド・スウェーデン

ヒューマントラストシネマ有楽町

2021.10.29

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映画 アナザーラウンド

2021-10-20 00:23:31 | 映画(劇場鑑賞)
血中アルコール濃度を常に0.05%とするとリラックスし、
仕事の効率が良くなり、想像力がみなぎるという
アルコールをめぐる仮説を証明するため、
酒を飲み続ける実験に挑む中年男たちの行く末を描き、
第93回アカデミー賞で国際長編映画賞を受賞した作品です。

中年男たちは同僚で、職業は高校教師。
マッツ・ミケルセンが冴えない歴史教師を演じるのですが、
アルコールが効果を発揮、興味深い授業へと変貌。
良いことばかりではありませんが・・・。

起伏の富んだ味わい深いドラマで、
マッツ・ミケルセンの憂いある表情の変化、
かつてダンサーであった彼が披露するダンスも効果的、
彼の魅力が存分に発揮されています。

日本の高校とは異なるデンマークの教育現場や
家庭を垣間見るのも好奇心をそそります。
予想以上に見応えあり、
映画館へ足を運んだ甲斐がありました。

監督:トマス・ヴィンターベア
出演:マッツ・ミケルセン/トマス・ボー・ラーセン/
マグナス・ミラン/ラース・ランゼ /マリア・ボネヴィー
2020年/115分/デンマーク・オランダ・スウェーデン

ヒューマントラストシネマ有楽町

2021.10.16

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映画 イン・ザ・ハイツ

2021-10-02 01:34:46 | 映画(劇場鑑賞)
2008年に初演された傑作ブロードウェイミュージカルの映画化。
NYの片隅に取り残された街ワシントンハイツで、
夢に踏み出そうとする若者たちと人々の絆の物語。

従来スピーカーでは再現できなかった正確な音域での
上映であるodessa theatreのシアターで鑑賞。

ラテン音楽をベースにラップを取り入れたメロディに
1シーン540人のダンサーで贈る圧巻の群舞、
映画館に足を運ぶべき作品の一つです。

舞台は、中南米系移民が多く住むワシントン・ハイツ。
移民に対する根深い差別が残っていることなど、
厳しい現実に直面しながらも夢を追う。

自らの祖国、自分に流れる血を誇りに思い、
今生きるこの場こそが私の祖国。

アンソニー・ラモスの人を惹きつける柔らかな笑顔が
外国客船に乗船するとクルーは中南米の人が多いのですが、
乗客を楽しませようと笑顔で接してくれたクルーたち、
彼らも同じ想いで仕事をしていたのかと思います。

カリブ海クルーズに、また行きたくなってしまいました。

監督:ジョン・M・チュウ
出演:アンソニー・ラモス/メリッサ・バレラ/
コーリー・ホーキンズ/レスリー・グレイス
2020年/143分/アメリカ

ヒューマントラストシネマ渋谷

2021.9.29

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映画 テーラー 人生の仕立て屋

2021-09-13 00:48:27 | 映画(劇場鑑賞)
アテネで36年間、伝統と格式を重んじる高級スーツの
仕立て屋を父と営んできた寡黙なニコス。
店は銀行に差し押さえられ、父は倒れ・・・。

本国ギリシャの映画祭で三冠達成した作品。

セリフは極限まで削られ、ナレーションもない。
状況や心情は察するしかないのですが、
字幕が少ないので、美しい風景や俳優陣の表情に集中、
淡々と物語が進むものの飽きない不思議さも。

人力の移動式テーラーがスズキのバイクに、
真っ白なシトロエンの車で、
オーダーメイドのウェディングドレスを届ける。
これからも腕一本で生きていくのでしょう。

ギリシャの金融破綻は、雇用者の3分の1が公務員、
コネ重視の国民性も問題であったというのは、
ギリシャを旅した時にも耳にしましたが、
こうして財政危機から立ち直ろうとしているのですね。

欲望にストレートな国民性など
ギリシャの生活をリアルに感じさせてくれました。

監督・脚本:ソニア・リザ・ケンターマン
出演:ディミトリス・イメロス/タミラ・クリエヴァ
2020年/101分/ギリシャ・ドイツ・ベルギー合作

ヒューマントラストシネマ渋谷

2021.9.10

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