菅原 色鉛筆
今にもこちらを向いて威嚇をしてきそうな迫力満点の菅原さんの最新作、なんと色鉛筆で描かれているのです!
毛並みをよ~く見てみると様々な色が使われており、写真で見るのがもったいないほど丁寧に描き込まれています。ヒゲなどの白い毛の部分は菅原さんが編み出した描き方によって、細い線でも潰れず一本一本ピシッとキマっています。
どのようにしてお描きになったのかお伺いしたところ、もう廃盤となった製図用の硬質白の色鉛筆で、ヒゲの線を強く描き溝を作るのだそうです。溝になっていれば他の色を塗ってもそこだけ潰れずに残る、というわけです。私も小原先生も知らなかった技です…感服致しました。
アトリエのみならず、作品を持ち帰りご自宅でも試行錯誤して制作に取り組まれておりました。それだけ力のこもった作品ですので、虎の目にも魂が感じられますね。凛とした表情がとてもカッコいいです!
体毛の微妙な色の違いも丹念に追われていて、特に顔の白から黄土色への移り変わりが美しいです。ペットとして飼われるような猫ちゃんとは違った、力強くガッシリとした鼻や顎などの作りもよく出ていますね。
背景の強さもちょうど良く、木々の部分のタッチも不思議な揺らぎを感じます。まるで虎の威厳やオーラなどで背景がジリジリ揺らいでいるかのようです。
この虎ちゃん、頬のあたりの黒の模様が墨でシュッと描いたようで面白いですね。
こちらの作品は展覧会に出品されるそうです。(そうでしたよね?)その際は是非毛並みの描き込みやヒゲの部分に着目してみて下さいね。
大竹でした。