波打ち際の考察

思ったこと感じたことのメモです。
コメント欄はほとんど見ていないので御用のある方はメールでご連絡を。
波屋山人

書写山圓教寺、大樹玄承執事長がチベットについて

2008-04-06 06:18:06 | Weblog
西の比叡山とも言われる有力な書写山円教寺(姫路市)の偉い人がチベットについて言及したことが反響をよんでいる。
関西テレビの4/5土曜午前の番組。
Youtubeでもその日のうちに何万人もの人が録画を見て、コメントを書き込んでいる人も多い。動きが早い。
http://www.youtube.com/watch?v=BjlbL0j_qQ8
http://jp.youtube.com/watch?v=BA0-spV806M&feature=related

政治に踏み込まず宗教者(天台宗僧侶)としての意見を表明し、自分のこととして意見を述べ、何かを否定するわけでもない。
やむにやまれず、ひかえめだけどしっかりと自分の立ち位置を説明した。
謙虚で誠実な態度。
大樹玄承(おおきけんじょう)氏は、自分をごまかすことに耐えられなかったのだと思う。

非難を避けた、こういう抗議の方法もあるのだ、と感じる。
チベットをサポートする人たちと一緒に見られたくない平和団体や人権団体や反戦団体の人たちも、こういう抗議の方法には違和感がないのではないだろうか。
感じるのであれば、どういうところに違和感があるのか教えてほしい。

頭が良く謙虚で誠実な人は、中国政府や人民解放軍の敵ではない。
自分を守り中国を攻撃するのが好きな偏狭な人と同じではない。
中国政府が今回の件で大樹氏を強く批判し、入国を拒むようであればかなしく思う。

先日、チベットの事件について懸念を発表した野口健さんが中国側からのチョモランマ登頂を拒否されたけど、もしかしたら野口健さんの発言が影響したのかもしれない。
だけど、大樹さんも野口さんも中国が嫌いな人ではない。

中国の偉い人だって、隣にいる人が権力者に殺されたら、権力者に遠慮して黙り込むか、隣人が不当に殺されたことに対して意見を表明するか、迷うのではないでだろうか。
隣の人がひどい目にあっていても知らんぷりをする人のほうが、信用ならないかもしれない。
大樹さんや野口さんは、中国がひどい目にあっていたらきっと中国をサポートするために声を上げる人だ。
中国の偉い人には、そういうところを見極めていただければと思う。


今回、書写山圓教寺の大樹執事長がチベットについて生放送で声明文を読み上げる舞台を用意したのは、関西テレビの「ぶったま」(毎週土月曜 9:55~11:42)という番組。
司会をしていた青山繁春氏は姫路の名門私立中高(淳心学院)出身だ。

関西テレビはフジサンケイグループの系列。 どちらかといえばやや保守系でしょう。
大阪では、新聞は読売が一番よく読まれ、次が朝日、次が産経だけど、朝日と産経は僅差で、2~3年のうちには朝日が産経に抜かれるのではないかとも言われている。
橋下知事も開明的だけど旧来の革新派とは全然違う路線。

大阪は革新系というかマルクス主義系の人が強い勢力を持っていると思っていたけど、最近の関西の言論界は、ちょっと独特な状況なのかもしれない。


※追記 円教寺の大樹玄承執事長(51歳?)の父親は大樹孝啓住職大僧正(84歳?)のようですね。
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世界各国の森林率を見て思うこと

2008-04-06 03:30:55 | Weblog
日本在住のオーストラリア人、マーガレット・プライスさんの著書「神楽坂日記」に、日本は水資源が豊かな国だ、というようなことが書かれていたと思う。
たしかに、日本では水が不足している地域は少ない。

ほとんどの欧米や中国の主要都市は、日本の半分以下の降水量しかない。
だから、欧米や中国の方が街がほこりっぽくなっていることが多いし、人々の肌も乾燥していることが多い。
雨が多いとうんざりすることも多いけど、わるいことばかりではない。

・世界各国の降水量
http://wwwsoc.nii.ac.jp/jdf/Dambinran/binran/TPage/TPKurabeKousui.html

雨が多い日本では、田んぼでも畑でも庭でも公園でも、放置しておけば数年のうちに草で覆われ、木が生えてやがて落葉広葉樹や常緑広葉樹が多い雑木林となる。
下草も多く人が足を踏み込むのも難しい林となる。
山岳地帯の、高齢者ばかりの限界集落は、数十年もすれば森に飲み込まれてしまうのではないかと言われている。
日本は庭や畑の草抜きがたいへんだけど、植物の生育には適している。

日本より湿度が低く気温も低い欧米では温帯ではなく冷帯に属する地域も多く、下草の少ない針葉樹林が多い。下草が少ないと森の中を歩くのは簡単。

植生にはその地域の気候が大きく影響するから、森林面積を増やすことがむずかしい地域も多い。降水量の少ない地域では木が育たず、どうしても草しか生えないところも多い。

中国は降水量が少ないことに加え、人口増加や工業化の影響で砂漠化が進行している。
オーストラリアも旱魃が続き、砂漠の面積が拡大している。

ただ、かつて森林に覆われた地域で、気候があまり変動していないのに森林が少なくなっている地域も多い。
それは、都市化された地域だったり、穀物や家畜の生産工場と化した地域だったり。

近年では、ブラジルの森林消滅が進行している。穀物やバイオエタノールを得るために森林を伐採してサトウキビ畑や大豆畑・小麦畑にしたり、牧牛を育てるために牧場を作ったりしている。
均質の商品を大量に生産するためには、広い土地を利用することが必要なのですね。
一昔前の悪しき資本主義というか、下手な生産性至上主義でしょうか。

横浜や多摩や私鉄沿線は、ほんの100年前は山や林だったところが多い。それが切り崩されて今では崖の上にまで家々が並んでいる。

ドイツやイギリスやアイルランドなども、2000年前は都市部のローマやギリシャから遠く、うっそうとした森に覆われていた。
それが、今ではドイツ30%、イギリス12%、アイルランド10%程度の森林面積しかない。平地の林が伐採され、牧草地や農地にされた。


地球温暖化に関連して二酸化炭素の排出量を削減しようという流れがあるけど、それと平行して、地球規模での緑化運動を進めてもいいのではないだろうか。
森林面積を増やすことは地球環境の浄化につながる。
森林は二酸化炭素を吸収し、酸素を排出し、多くの生命を育み、地表の温度を下げ、環境を安定させる。

私は、世界の緑化を日本政府が提案し、国連が主導して緑の地球作りを進めてもいいのではないかと思う。

具体的には、各国の森林率50%を目標にするのだ。
2000年前の地球は70%以上が森林だったのではないか。
それが今30%まで下がっている。最大の原因は、人類の存在と活動。

また、すでに森林率50%を超えている国でも、地域ごとの森林率を見ればいい。
東京都の森林率は36%、埼玉県と千葉県が32%、大阪が31%。
これを50%以上にすることを目標にしてもいい。

・都道府県別森林率
http://www.rinya.maff.go.jp/toukei/genkyou/shinrinritsu.pdf


世界の森林率は約30%。
東アジアは約20%。
日本や韓国は60%以上だけど、モンゴルや中国の北部・西部は森林率が10%以下。

アメリカ、カナダ、メキシコはそれぞれ33%程度。
ヨーロッパは、フィンランドは70%以上、スウェーデンも70%弱の森林率だけど、
スペイン、イタリア、ドイツ、スイス、ギリシャ、フランスなどは30%前後。
イギリス、オランダ、アイルランドなどは10%前後。


北海道や、イギリス・フランスなどのヨーロッパの田園地帯は美しい。
広く開けた牧場の、小高い丘に生えている牧草は絵になる。
だけど、そのような風景を見ると私はこんなことをふと感じる。

「この風景はとても美しい。すばらしい。だけど、ここは何十年もむかしは木々に覆われていたのではないか。土地が、苦しんでいないか。
かつてこの土地を覆う木々が日陰をつくり、落ち葉を供給し、水分をキープし、動物や微生物など多くの生命を育んでいた。
その世界が一掃されたあとのシンプルな牧草地帯は、多くの水をキープする力もない。そのうち降水量も減ってしまうのではないか。貴重な生態系を滅ぼし、環境に大きな影響を与えているのではないか」



世界森林資源調査2005(FAO)という調査がある。
下記のPDFファイルの220ページから、世界各国の森林率についての記載がある。
英文だけど、興味のある人は見てください。
ftp://ftp.fao.org/docrep/fao/008/A0400E/A0400E00.pdf

国名 森林面積(1000ha) 森林面積(%)

ザンビア        42,452   57.1
ジンバブエ       17,540   45.3
マダガスカル      12,838   22.1
南アフリカ       9,203    7.6
ケニア         3,522    6.2
(東・南アフリカ合計) 226,534   27.8

スーダン        67,546   28.4
エリトリア       1,554    15.4
エチオピア       13,000    11.9
モロッコ        4,364    9.8
エジプト        67      0.1
リビア         217     0.1
(北部アフリカ全体)  131,048   8.6

コンゴ         22,471   65.8
コンゴ民主共和国    133,610   58.9
赤道ギアナ       1,632    58.2
カメルーン       21,245   45.6
セネガル        8,673    45.0
コートジボワール    10,405   32.7
ガーナ         5,517    24.2
ナイジェリア      11,089   12.2
(西・中央アフリカ全体)277,829   44.1

日本          24,868   68.2
韓国          6,265    63.5
朝鮮民主主義人民共和国 6,187    51.4
中国          197,290   21.2
モンゴル        10,252   6.5
(東アジア全体)    244,862   21.3

ラオス         16,142   69.9
ブータン        3,195    68.0
マレーシア       20,890   63.6
カンボジア       10,447   59.2
ミャンマー       32,222   49.0
インドネシア      88,495   48.8
ベトナム        12,931   39.7
スリランカ       1,933    29.9
タイランド       14,520   28.4
ネパール        3,636    25.4
フィリピン       7,162    24.0
インド         67,701   22.8
バングラデシュ     871     6.7
パキスタン       1,902    2.5
(南・東南アジア全体) 283,127   33.4

グルジア        2,760    39.7
トルコ         10,175   13.2
イスラエル       171     8.3
イラン         11,075    6.8
アラブ首長国連邦    312     3.7
イラク         822     1.9
アフガニスタン     867     1.3
サウジアラビア     2,728    1.3
カザフスタン      3,337    1.2
(西・中央アジア全体) 43,588    4.0

フィンランド      22,500   73.9
スウェーデン      27,528   66.9
ロシア         808,790   47.9
ラトビア        2,941    47.4
オーストリア      3,862    46.7
ポルトガル       3,783    41.3
スペイン        17,915   35.9
チェコ         2,648    34.3
イタリア        9,979    33.9
リトアニア       2,099    33.5
ブルガリア       3,625    32.8
ドイツ         11,076   31.7
スイス         1,221    30.9
ノルウェー       9,387    30.7
ポーランド       9,192    30.0
ギリシャ        3,752    29.1
フランス        15,554   28.3
ルーマニア       6,370    27.7
ベルギー        667     22.0
ハンガリー       1,976    21.5
デンマーク       500     11.8
イギリス        2,845    11.8
オランダ        365     10.8
アイルランド      669     9.7
アイスランド      46     0.5
(ヨーロッパ合計)   1,001,394  44.3

プエルトリコ      408     46.0
トリニダード・トバゴ  226     44.1
ジャマイカ       339     31.3
キューバ        2,713    24.7
(カリブ全体)     5,974    26.1

パナマ         4,294    57.7
コスタリカ       2,391    46.8
ニカラグア       5,189    42.7
グアテマラ       3,938    36.3
(中央アメリカ全体)  22,411    43.9

メキシコ        64,238   33.7
カナダ         310,134   33.6
アメリカ合衆国     303,089   33.1
(北アメリカ全体)   677,464   32.7

ミクロネシア連邦    63     90.6
パラオ         40     87.6
ソロモン諸島      2,172    77.6
パプアニューギニア   29,437   65.0
フィジー        1,000    54.7
ニューカレドニア    717     39.2
ツバル         1      33.3
ニュージーランド    8,309    31.0
オーストラリア     163,678   21.3
トンガ         4      5.0
(オセアニア全体)   206,254   24.7

コロンビア       60,728   58.5
ブラジル        477,698   57.2
ボリビア        58,740   54.2
ベネズエラ       47,713   54.1
ペルー         68,742   53.7
パラグアイ       18,475   46.5
エクアドル       10,853   39.2
チリ          16,121   21.5
アルゼンチン      33,021   12.1
ウルグアイ       1,506    8.6
(南アメリカ全体)   831,540   47.7

世界全体        3,852,025  30.3


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贅沢な生活

2008-04-06 02:16:54 | Weblog
私はお金を持っていないけど、贅沢な生活をしている。

たとえば、私のキッチンを見てほしい。
醤油は酵母が生きている醤油。無殺菌、成分無調整。
「弓削多田吟醸純生しょうゆ」の材料は国内産有機大豆と国内産有機醤油、食塩のみ。
360mlで650円。1.8リットルで300円の醤油に比べて10倍高い。
・弓削多醤油
http://www.yugeta.com/

塩は、ベトナム中南部カンホアの塩。500gで500円程度だったような。世田谷区若林の良質酒店「港屋」さんで時々買っている。これは乾燥地帯の塩田で作られた手作りの塩。いい味してます。このベトナム中南部はリゾートとしても注目のエリアで何度か行ったことがある。
・カンホアの塩
http://www.shio-ya.com/

もう一つ、陸の塩、岩塩もある。これはドイツのものだったかな。
料理に応じて、気分で陸の塩と海の塩を使い分けている。瑞々しいものには海の塩の方を使っているかな。

味噌は純生味噌。火入れをしていないから酵母が生きている。

胡椒はふつうに粒の黒胡椒をコール&メイスンのペッパーミルでひいている。
http://www.amazon.com/6-5-BEECH-ACRYLIC-PEPPER-MILL/dp/B000X9O5JK/ref=sr_1_12?ie=UTF8&s=home-garden&qid=1207410325&sr=1-12

砂糖は、あんまり料理に使わない。コーヒー用の小さな袋入りシュガーがあるくらい。

サラダ油も長い間使ったことがない。
ずっとオリーブオイルを使っている。たまにごま油も使うけど。

酢もあまり使わないけど、一応黒酢はある。
バルサミコ酢がほしいけどまだ買っていない。
(下北沢と三茶の間にある代沢のタンブランというワインレストランは料理がとてもおいしい。カルパッチョにかけてえるバルサミコソースがとてもいい味を出している。バルサミコ酢やワインを使ってバルサミコソースを作ってみたい)

それから、調味料ではないけど、生姜とネギは常備している。

ハーブは魚用にディル、肉用にローズマリー、いろいろとバジルを使うことが多いけど、常備しているというほどではない。


そういった調味料を使って、ささっと何品か作って、お酒を飲む。
お酒の在庫は豊富。
赤、白、スパークリング、日本酒、芋焼酎、梅酒、バーボン、ウィスキー、ブランデー、その他いろいろ部屋にキープしてある。
ワイングラスはボルドー用、ブルゴーニュ用などのリーデルのワイングラスは揃えている。2客ずつだけど。
日本酒は柳宗理デザインの110ml入りのグラス。
これは1個たったの120円で買える。お得。何ダースか持っている。
http://www.hyotan.co.jp/cnt/other/grass.html

べつに料理が好きなわけでもないし、こだわっているわけでもない。
ただ、貧乏人が贅沢をするには、安いもの、長く使えるものにお金をかけるしかないと思っている。

居酒屋に行くと1人4~5千円などすぐ使ってしまう。
だけど、4~5千円もあれば、1年以上使えるような量の、高級な醤油や味噌や塩を買うことができる。
一般的な価格が200~300円の商品だと、500~600円も出せば高級品を買うことができる。
一般的な商品と高級品と、たいして質は違わないのではないかと思う人もいるだろう。
だけど、明らかに味も質も違うものが多い。

4合瓶(720ml)800円の日本酒は、1200円の日本酒に比べて味や品質は半分以下の価値しかないことが多い。パック入りの日本酒などは、いいお酒を知っている人から見るとニセモノのお酒にしか思えない。
塩も、高いものは味わいに広がりがある。
多少高くてもいいから、本物を知ることは大事なことだと思う。

どこでケチり、どこで使うか。
やはり、価格の安い商品にお金をかけ、高い商品は買わない、というのが優雅な貧乏人の基本スタイルではないだろうか。
工夫すれば、貧乏でも贅沢することができる。
そして、深みのある世界を知ることができる。


ただ、昨日大森のイトーヨーカドーや他のスーパーに行って、高級調味料や食材の品揃えが充実していないと感じた。
あれだけ広い店舗に揃えられた生ハムやスモークドサーモンやオリーブオイルや山菜や高級な塩や醤油や味噌などのバリエーションは、やや高級なスーパー(成城石井、紀伊国屋、信濃屋、木村屋)に比べると貧弱。
けっきょく割高でそれほど質のよくないチリのスモークドサーモンやありきたりの山菜やニセモノっぽい生ハムを購入してしまった。
イトーヨーカドーやサミットやイオンやオオゼキは、野菜や肉は安いけど、質のいい調味料や高級食材は充実していないかもしれない。

それでも、イトーヨーカドーで買った材料を下に、お花見用のオリジナル料理をいくつか作ってみた。
茹でたタラの芽を生ハムで巻いたもの。茹でた蕗の薹をスモークドサーモンで巻いたもの。
スライスしたウドにマヨネーズをつけてスモークドサーモンで巻いたもの。
学生の頃作ってた、アスパラやオクラを豚肉で巻いて焼いたものも作った。

味? まあまあ。シンプルな料理は、素朴な味。
素朴だからこそ、ほんとうは質のいい素材で作りたかったけどね。

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