シャープ亀山工場の撤退の身勝手
『朝日新聞』(2010・8・17夕刊)に重要な情報が載っていた。「窓 論説委員室から」というコラムの「去りゆく工場」という記事だ。執筆は伊藤智章氏。全文引用しよう。
シャープが、亀山工場(三重県亀山市)の液晶パネルの生産設備を中国企業に売却し、その搬出作業がすすめられている。東海道の宿場町の面影の残る市街地から離れた郊外。林に囲まれた巨大なビルのような工場は、閑散としている。
「たった6年ですよ」。案内してくれたタクシーの運転手は悔しそうだった。
同じ敷地内にある液晶パネルの第2工場やテレビ組み立て工場は残る。とはいえ、2004年に操業を始めたばかりで、まだ白く光る第1工場の基幹ラインが無くなってしまう衝撃は小さくない。
同社が亀山立地を発表したのは02年。「先端技術は国内で」と明快で、日本製造業の可能性を感じさせたものだった。その会社がいま、海外消費地で生産し、売る「地産地消」を唱えている。
02年当時の知事は北川正恭氏。シャープに破格の90億円補助を打ち出し、市も45億円を上積みした。企業誘致の優遇競争の走りだ。いま、県も市も議会で突き上げられ、県は一部返還を求めた。もっとも総投資額は5千億円を超しており、税増収で「もとはとれた」ともいう。
しかし、工場周辺はいまだコンビニもほとんどなく、がら空きの単身者用アパートが目につく。世界市場の変化が速すぎ、かつてのように企業城下町や門前町が形成される時間もないのだろうか。
シャープは堺市にも新鋭工場を置いており、国産主義を捨てたわけではないらしい。とはいえ、企業と街の共存は、難しくなるばかりだ。
そういえば最近、「亀山モデル」というテレビコマーシャルのことばを聞いていないことに気付いた。県と市であわせて135億円もの補助金を出した。大盤振る舞いだ。「もとはとれた」と県はとりつくろっているようだが、移住してきた労働者の住民税も含めて全体として「もとがとれた」のだろう。シャープだけでいえば、食い逃げなのではないか。金をプレゼントしてあげるだけではなく、工場への道路敷設などさまざまな出費をし、便宜を図っているはずだ。設備投資資金は6年に短縮して減価償却を終えているにちがいない。短期間であっても、もうけだけはがっちりあげて去っていくのだ。本来ならありえない法外なお金をもらって。1年に換算するといくらだ。
そういえばシャープ堺工場誘致で大阪府と堺市があわせて確か135億円プレゼントしている。
それにしても大企業の身勝手には驚くばかりだ。地域経済、国民経済に果たす役割を考えているのだろうか。日本経団連などが法人税の引き下げを要求し、民主党もそれに同調している。これを批判すると、企業が法人税の安い外国に逃げていくという脅し文句がつかわれる。だが企業の海外移転の動機で法人税率は大変低い位置づけだということは企業アンケートで明らかになっている。でもこの脅しが使われる。こんどのシャープの動機は「地産地消」だという。先のアンケートでも「地産地消」が第1の理由だった。国民経済よりも企業利潤の最大化がすべてだ。非正規雇用で労働者をいじめるのも同じところからでている。でも「地産地消」とはよくいったものだ。野菜でもあるまいに。
先の参院選で消費税の増税と法人税の減税が論議の焦点になった。消費税導入の20年間、集められた消費税はそっくり法人税減税の財源にされた。それをさらにすすめようという問題だ。民主党の敗北でいったん立ち消えにはなっているが。それにしても財界の欲張りにはおどろく。
『朝日新聞』(2010・8・17夕刊)に重要な情報が載っていた。「窓 論説委員室から」というコラムの「去りゆく工場」という記事だ。執筆は伊藤智章氏。全文引用しよう。
シャープが、亀山工場(三重県亀山市)の液晶パネルの生産設備を中国企業に売却し、その搬出作業がすすめられている。東海道の宿場町の面影の残る市街地から離れた郊外。林に囲まれた巨大なビルのような工場は、閑散としている。
「たった6年ですよ」。案内してくれたタクシーの運転手は悔しそうだった。
同じ敷地内にある液晶パネルの第2工場やテレビ組み立て工場は残る。とはいえ、2004年に操業を始めたばかりで、まだ白く光る第1工場の基幹ラインが無くなってしまう衝撃は小さくない。
同社が亀山立地を発表したのは02年。「先端技術は国内で」と明快で、日本製造業の可能性を感じさせたものだった。その会社がいま、海外消費地で生産し、売る「地産地消」を唱えている。
02年当時の知事は北川正恭氏。シャープに破格の90億円補助を打ち出し、市も45億円を上積みした。企業誘致の優遇競争の走りだ。いま、県も市も議会で突き上げられ、県は一部返還を求めた。もっとも総投資額は5千億円を超しており、税増収で「もとはとれた」ともいう。
しかし、工場周辺はいまだコンビニもほとんどなく、がら空きの単身者用アパートが目につく。世界市場の変化が速すぎ、かつてのように企業城下町や門前町が形成される時間もないのだろうか。
シャープは堺市にも新鋭工場を置いており、国産主義を捨てたわけではないらしい。とはいえ、企業と街の共存は、難しくなるばかりだ。
そういえば最近、「亀山モデル」というテレビコマーシャルのことばを聞いていないことに気付いた。県と市であわせて135億円もの補助金を出した。大盤振る舞いだ。「もとはとれた」と県はとりつくろっているようだが、移住してきた労働者の住民税も含めて全体として「もとがとれた」のだろう。シャープだけでいえば、食い逃げなのではないか。金をプレゼントしてあげるだけではなく、工場への道路敷設などさまざまな出費をし、便宜を図っているはずだ。設備投資資金は6年に短縮して減価償却を終えているにちがいない。短期間であっても、もうけだけはがっちりあげて去っていくのだ。本来ならありえない法外なお金をもらって。1年に換算するといくらだ。
そういえばシャープ堺工場誘致で大阪府と堺市があわせて確か135億円プレゼントしている。
それにしても大企業の身勝手には驚くばかりだ。地域経済、国民経済に果たす役割を考えているのだろうか。日本経団連などが法人税の引き下げを要求し、民主党もそれに同調している。これを批判すると、企業が法人税の安い外国に逃げていくという脅し文句がつかわれる。だが企業の海外移転の動機で法人税率は大変低い位置づけだということは企業アンケートで明らかになっている。でもこの脅しが使われる。こんどのシャープの動機は「地産地消」だという。先のアンケートでも「地産地消」が第1の理由だった。国民経済よりも企業利潤の最大化がすべてだ。非正規雇用で労働者をいじめるのも同じところからでている。でも「地産地消」とはよくいったものだ。野菜でもあるまいに。
先の参院選で消費税の増税と法人税の減税が論議の焦点になった。消費税導入の20年間、集められた消費税はそっくり法人税減税の財源にされた。それをさらにすすめようという問題だ。民主党の敗北でいったん立ち消えにはなっているが。それにしても財界の欲張りにはおどろく。
世界の流れが急すぎるのは理解できるが、、、計画性がないので、こうなったのか? 誰にも何故こうなったのかが、わからないまま、進むのでしょうか?
2012年8月2日 シャープは5000人のリストラを発表しました。
アイデンテイテイの存在しない右肩上がりの数字だけの追求経営・・工場建築では大量の死亡事故・・ 一日でも早く液晶プラント稼動のために24時間での工事・・ 完成すれば社員は派遣や契約社員だらけ あげくのはての外国人派遣労働(マイクロバス事故)等の労働問題大量発生 Σ(゜□゜(゜□゜*)
地域破壊を起こすなら日本の国を捨てて外国企業になればよい 日本にいたって地域破壊や税金の無題使いをするだけ 日本国民豊かに・・や地域社会に貢献する気がなければ存在すら意味が無い 北川知事本来はそう言う観点での企業誘致をしたと思います皆さんどう思いますか \(*`∧´)/