あんのん雑記

愛媛県西予市野村町の慈雲山安穏寺、
住職の雑記です

終戦の日 師匠の記憶

2015年08月16日 | 日記

70年前の師匠。特攻機「桜花」の搭乗員でした
8月10日に特攻の命令を受けましたが出撃する
ことなく終戦を迎え、生き残りました

混乱の中、何とか故郷まで辿りつきます
そこに待っていたのは生き残った者の過酷な運命

情報が少ない田舎の山の中、まだまだ戦争の空気
は濃く「卑怯者」「特攻から逃げて帰ってきた者」
と後ろ指を指されます

そして、その人たちは家族や親を戦争でなくした
人たちでありしました

「その頃は、本当に外を歩きたくなかった」と、今も
辛そうな表情を見せます

「特攻隊員であった事を話せるようになったのは
平成になってからかなぁ」と…

戦争は生き残った者にも大きな傷を残しました

終戦70周年ということで、野村町の図書館に当時の
飛行服や血書の鉢巻を初めて公に展示しました

その展示の最後には師匠は大きく
「戦争反対、戦争反対、戦争反対」と書いたものが
添えられていました