あんのん雑記

愛媛県西予市野村町の慈雲山安穏寺、
住職の雑記です

『芋にかいぼし・・・』

2013年11月06日 | 日記
いただきもののサツマイモを蒸かしていただきました

ホクホクして大変おいしい。
せっかくなので

「かいぼしとはいいませぬが、イリコと一緒にたべませう。」
と家人にイリコを所望したところ

「お芋にイリコですか・・・?」と家人

「いやほら、古来より『芋とかいぼし(イワシをほしたの)』といって、
芋とイリコはよく合って美味であるというではありませんか」

「いえいえ、初めて耳にいたしましたよ・・・」

こどもの頃から聞かされて、お芋とイリコはセットだったので、
全国共通の言葉と思っていたらどうも違うらしい・・・

そこは現代っ子、インターネットで調べると
愛媛県生涯学習センターのサイトの「愛媛の記憶」という記事にヒット
愛媛の南予の海岸地域の言葉のようです
そして、芋にかいぼしの後に続きがありました

「芋にかいぼし、箸いらず」

水田が無く米栽培が不可能の為、段々畑で栽培できるサツマイモが主食で、
耕作に漁にと重労働の中、献立もゆっくり考える暇もない
芋が主食でイワシをおかずにかじって、箸など必要ない
そんな過酷な食生活を表現した言葉です

てっきり、味わいが合っておいしく
栄養的にも良いという言葉かと思っていたら、
先人たちの苦労が染み込んだ、
生きるという事がギッシリ詰まった言葉でした・・・

お芋とイリコを噛みしめながら、しみじみと今の豊かさに感謝
また、こども達にもこの言葉をきちんと伝えていこうと思った秋の一日でした