★あらすじ★
1959年(昭和34年)、CID(米軍犯罪調査課)通訳主任の秋山(宇野)は、米陸軍リミット曹長水死事件の調査を命じられた。「ザンメル」という謎の言葉を鍵に真相を追う彼は、やがて外国紙幣偽造事件やスチュワーデス殺人事件に遭遇。その背後には、松川・三鷹・下山事件といった戦後まもない怪事件の数々にも絡んでいたと噂されるアメリカ諜報謀略機関の存在が見え隠れしていき…
(DVD裏面より抜粋)
☆感想☆
「帝銀事件 死刑囚」で冤罪の恐怖、ジャーナリズムの精神を描いた熊井啓監督の第2作目です。
近頃のニュースでも幾度か耳にする「日米地位協定」がこの作品のキーワードです。
冒頭、タイトルが出る前に、アリの群れが火で焼かれていく場面は、戦後の日本政府(または日本民族)がアリで、炎がアメリカだということを象徴しています。はじめ見たときは「あれっ、何でこの画がタイトルバックに流れるのかな」と思いましたが、見て行くうちに「ああ、そういうことね」
斬新だ
主人公の宇野重吉はしがないおっさんの雰囲気をかもし出していますが、しかし事件に関して、自分なりの考えを持ち、一本筋の通った熱い男なのです
芦川いづみは清楚な感じの学校教師を演じていて、身内が巨大権力に殺されても自分の中に感情をしまっていましたが、ラストに唯一頼れる存在の人物がまた同じ権力に殺されたと告げられたときの一瞬の絶叫が非常に印象的でした。
大滝秀治は一言も喋りませんが、怖っ
政府がらみの話はアメリカではよく見ますが、日本では滅多に無く、しかも40年以上も前にこんな映画が作られていたことは画期的だと思います。こんな映画今では到底作れませんよね、よしんば作れたとしても配給先があるかどうかわかりませんし、少なくとも今の日本の製作者より当時の方が、こういう内容の映画に対して大らかだったというか、反骨精神を持っていたというのか。
日本の三大事件を一本の仮説をもとにつなぎ合わせ、日本政府の弱さ、アメリカという国の黒い一面をそれとなく匂わせながらも国家に潜む見えない厚い壁の存在を実感させられます。
伊福部明の音楽は荘厳な感じがしていいのですが、時々ゴジラっぽくなる時があちゃったりして、
怪獣映画じゃないです。本当の怪獣よりもっと恐ろしい怪獣がいるのかもしれませんね・・・
監督、脚本 熊井啓
原作 吉原公一郎
音楽 伊福部明
宇野重吉
芦川いづみ
二谷英明
鈴木瑞穂
武藤章生
大滝秀治
1965年度日活作品(モノクロ・スコープサイズ)
履歴↓
相棒Season7 「還流~密室の昏迷・悪意の不在~」
その夜は忘れない
ど根性物語 銭の踊り
億万長者
憲兵と幽霊
怪猫亡霊屋敷
激動の昭和史 軍閥
相棒(劇場版)
おとうと
衝動殺人 息子よ
満員電車
八甲田山
黒い十人の女
穴(大映)
血と砂
ハウス(HOUSE)
相棒(最終回SP『黙示禄』…番外編)
悪い奴ほどよく眠る
無法松の一生
蜘蛛巣城
江分利満氏の優雅な生活
大江山酒天童子
日本沈没
妖星ゴラス
斬る
待ち伏せ
殺人狂時代
太平洋奇跡の作戦キスカ
赤毛
戦国野郎
ブルークリスマス
大盗賊(東宝)
座頭市と用心棒
ガス人間第一号
電送人間
美女と液体人間
赤ひげ
世界大戦争
椿三十郎
用心棒
モスラ(1961年度版)
新幹線大爆破
隠し砦の三悪人
日本のいちばん長い日
☆はじめに☆