魅惑の日本映画

日本がこれまでに生み出した数々の名作、傑作、(珍作?)の映画を紹介していきます。

★タイトル変更★

2008年10月15日 | Weblog
「魅惑のシネマスコープ」改め「魅惑の日本映画」
何もスコープサイズの日本映画に限っているわけでは無いので変更!!!

これからも主に昭和中期の邦画を週に一回のペースで紹介して行くのでよろしくお願いいたします。

あ、そうそう例の世田谷文学館で市川崑特集を組んでますね。
来月あたり早速行って参ります。

婚期★★★★

2008年10月15日 | Weblog

☆あらすじ☆

東京のある中産階級の家庭。理想を追うあまり、婚期を逸した感じの次女(若尾)、恋愛と結婚は別と割り切るドライ女性の三女(野添)、出戻りとして幾分ひがみを持つ長女(高峰)、それにこの家に嫁いできた兄嫁(京)。それぞれが生活の中で婚期という女のテーマに直面していく…
DVD裏面より抜粋


★感想★

今で言うホームドラマ(これもあんま言わないか)の走りでしょうか、内容と言えば小姑と嫁の確執、駄目男を演じさせたら日本一の船越の不倫話(船越英二はここでも絶品の演技を見せてくれます)など、よくお昼ごろドラマでやってそうな感じですが、この映画の根底に流れているものは、それはそれは奥深いです

男たちの前では弱弱しくあくまでしとやかで「あなたをたよりにしているんですよ。」と言った感じの女性陣は、裏では逞しく、女性としての生きる道を各々がしっかりと考えている。
一見どこかとぼけた感じのある京マチコ(兄嫁)も、高峰三枝子(長女・冴子)との二人の会話では、したたかだなあと思わせる節もあり、いや~深い


長女、そして兄嫁に比べれば、兄嫁に嫉妬していたずら手紙やいたずら電話をしかける次女(若尾)と三女(野添)なんて子供そのもので可愛いものですよ。まあ実際あんな生活が続くと思うとそれはご勘弁願いたいですけど。


意地悪な若尾文子と野添ひとみの掛け合いも、この映画では笑って見ることが出来ます。黒ブチめがねの若尾文子や、二人が焼き芋を兄嫁がいない間にこっそりと食べるシーンなんかは滅多に見られませんよ。(黒ブチ若尾文子は「あなたと私の合言葉 さようなら今日は」でも見られますが、私はこの映画の若尾文子の方がどこかはっちゃけてると思います。)


とうとう次女に見合い相手が見つかって、よかったねな展開になるんですが、相手がハゲだということで唐沢一家で家族会議になります(笑)

兄も長女も三女も皆何だかんだ言いながら収まる所へ収まって行く中で、次女だけがひとり取り残されてしまい、薄暗い部屋の中でこっそり泣く場面は、ちょっと切ないですね

そうそう、北林谷栄の存在はこの「婚期」にとって超重要です。
この映画の中で長女以上に冷静に人間関係をドライに見下ろしている感じで最高です

一級の女優陣が共演し、誰もが素晴らしい演技を見せてくれます。登場人物達の言葉遣いが心地よい映画でした。
現代でこれと同じ題材の映画があっても、見ることは、まずないだろうな…


監督 吉村公三郎
脚本 水木洋子
音楽 池野成
    
唐沢波子  若尾文子 
唐沢鳩    野添ひとみ 
妻・静    京マチ子 
唐沢卓夫  船越英二  
唐沢冴子  高峰三枝子 
婆や     北林谷栄   他

1961年度大映作品(カラー・スコープサイズ)

履歴↓↓

その夜は忘れない
ど根性物語 銭の踊り
億万長者
憲兵と幽霊
怪猫亡霊屋敷

激動の昭和史 軍閥

相棒(劇場版)
おとうと
衝動殺人 息子よ
満員電車
八甲田山

黒い十人の女
穴(大映)
血と砂
ハウス(HOUSE)
相棒(最終回SP『黙示禄』…番外編)

悪い奴ほどよく眠る
無法松の一生
蜘蛛巣城
江分利満氏の優雅な生活
大江山酒天童子
日本沈没

妖星ゴラス
斬る
待ち伏せ
殺人狂時代
太平洋奇跡の作戦キスカ
赤毛

戦国野郎

ブルークリスマス
大盗賊(東宝)
座頭市と用心棒
ガス人間第一号

電送人間
美女と液体人間
赤ひげ
世界大戦争
椿三十郎

用心棒
モスラ(1961年度版)
新幹線大爆破
隠し砦の三悪人
日本のいちばん長い日

☆はじめに☆