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風が吹き始めた。風は冷たく鋭かった。白いものが舞い降りてきた。その白いものは、綿のように軽く静かに降り積もり、緑の大地を覆い始めた。それは、春からいきなり冬に入っていったようなもの。ジーン・ウールが大地の割れ目から地の底に降りていったのは、ごく自然な成り行きだった。
大地の割れ目から降りたそこは、冷たい風からジーン・ウールを守った。空気はひんやりしていたが、寒いと言うほどでもなかった。地の底は、以前ここに来たことがあるとしか思えないほど、懐かしかった。ジーン・ウールには、何も考えないでも行く道筋が見えていたに違いない。ジーン・ウールは、地の底に通じる道を探るため壁を調べ始めた。そして、まるで当たり前のように入り口を見いだした。暗い壁からぽっかりと開いたその入り口から入ると、その先はまるで通路のように奥にと続いていた。
気がつくと洞窟と思われたところは広い空間で、柔らかな淡い光に満たされていました。
洞窟の奥に進むと美しい回廊に出ました。その回廊の、最初の扉はラピスラズリで出来ていました。なぜか心惹かれる扉だったのです。扉を開けると、そこには見たことのない風景が広がっていました。
チグリスとユーフラテスの二つの河の間に城壁で囲まれた町がありました。住居の屋根は粘土で固められ、町の真ん中に高い塔が建っていました。そして塔の周りの木立は、新緑に輝いていました。
風が吹き始めた。風は冷たく鋭かった。白いものが舞い降りてきた。その白いものは、綿のように軽く静かに降り積もり、緑の大地を覆い始めた。それは、春からいきなり冬に入っていったようなもの。ジーン・ウールが大地の割れ目から地の底に降りていったのは、ごく自然な成り行きだった。
大地の割れ目から降りたそこは、冷たい風からジーン・ウールを守った。空気はひんやりしていたが、寒いと言うほどでもなかった。地の底は、以前ここに来たことがあるとしか思えないほど、懐かしかった。ジーン・ウールには、何も考えないでも行く道筋が見えていたに違いない。ジーン・ウールは、地の底に通じる道を探るため壁を調べ始めた。そして、まるで当たり前のように入り口を見いだした。暗い壁からぽっかりと開いたその入り口から入ると、その先はまるで通路のように奥にと続いていた。
気がつくと洞窟と思われたところは広い空間で、柔らかな淡い光に満たされていました。
洞窟の奥に進むと美しい回廊に出ました。その回廊の、最初の扉はラピスラズリで出来ていました。なぜか心惹かれる扉だったのです。扉を開けると、そこには見たことのない風景が広がっていました。
チグリスとユーフラテスの二つの河の間に城壁で囲まれた町がありました。住居の屋根は粘土で固められ、町の真ん中に高い塔が建っていました。そして塔の周りの木立は、新緑に輝いていました。