蛇口屋

リフォーム業界のあれこれ

向き、不向き。

2007-01-27 18:12:32 | Weblog
久しぶりに、本気で怒っている人と、どうあがいても何を言い訳しても、逃れようもなく一方的に被害を出した、怒られるべき人間という、全く持って判りやすい図式を見てきました。

昨日の話の続きです。

どうしたら、暖房ボイラーと、給湯ボイラー(しかも壁掛け)を間違うか? っていう話です。
お宅のドアを開けた瞬間、対応してくれた奥さんはもう鬼の形相でしたし、ご主人は仁王立ちだし。

現場のユーティリティーに言ってみると、K沢くんは、バルブ以降で切ったパイプ(もはや止めようがない)を押さえていて、A山は真っ赤になって夥しく広がっている不凍液を拭き取っていて、まさに阿鼻叫喚の地獄絵図でした。

久しぶりの大爆発の現場に、蛇口屋はただあきれて立ちつくすしかありませんでした。
ご主人は、「ホント、素人よりもタチが悪いよ、ボイラー交換初めてだって言いやがったぞ、こいつ!」
多分、K沢くんが言ったんでしょう。確かに真実ですが、引き受けてしまった以上、会社の人間ならともかく、お客さんに向かっては言ってはいけないことです。
我々はプロだから、お客さんから仕事を任せていただけるんです。
こんな簡単な事が判らないようなら、K沢くんは職人には向いてませんね。
例え、社長が「大丈夫、出来るから」って言っても、それは引き受けてしまった以上、もうK沢くんの失敗なんです。
K沢くんには、「出来ません」と言う選択肢も存在していた筈です。

そして一番の犠牲者は考えの浅かったK沢くんでも、物事を簡単に考えすぎる社長でもなく、お客さんです。
ホント、出来ることなら、丸一に怒られていて欲しいくらいです。もう、かばいようがありませんから。

K沢くん、A山、涙目になって蛇口屋を見ない。

一体、どうして?と言う感情より、ひとまずここを処理しなければなりません。
セントラルヒーティングをよりにもよって一番寒い今日みたいな日に停止に追いやるなんて、なんとしても今日中の復旧しなければなりません。

その家の小学生くらいのご兄弟も、階段から不安そうに、こちらの様子を見ています。
見たらパジャマですよ。風邪引いて休んでいたなら、本当に申し訳ないです。
幸い切った所は一箇所なんで、そこを治して、不凍液を入れ替えさえすれば、なんとかなりそうでした。
時間は掛かりそうでしたけど、躊躇している暇はありませんから、すぐに処置にかかりました。

夕方頃には、ER谷係長も来てくれたので、お客さんに聞いて、OKを貰えたので、給湯ボイラーも交換して来ました。こんな事故をおこしてますからね、工事を反故にされても文句は言えません。

おおむね、工事が順調に進んでいる様子を見て、ご主人は怒りの表情から、安堵の表情になって、
「良かった、ちゃんとした人が来てくれて…」と言っていました。
一生涯忘れられない工事になりそうだとも言っていました。

最後に、床のクッションフロアの張り替えを約束して、試運転調整をして異常が無かったんでお礼を言って帰りました。

帰りに、良くは見ていないけど、K沢くんは泣いている様でした。

もう彼は二度と設備の仕事をすることは無いでしょう。
蛇口屋も、悪いんですが、彼が彼の性格では設備工事には向いてはいないと、帰って言うつもりです。

基本的には、設備の仕事なんて、誰でも出来るとは、蛇口屋は思っていますが、
物を考えない人間、言い訳の多い人、心配性過ぎる人はこの仕事に向いていないって言われています。
彼の場合全て適合する上にプラスαがありますから。
それを社長に言うのも、蛇口屋の責任の一つですから、他の職種で頑張れK沢くん。

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