2024年9月号記事

 

 

第3回

 

釈量子の宗教立国への道

 

幸福実現党党首が、大川隆法・党総裁による「新・日本国憲法 試案」の論点を紹介する。

 

 

釈量子

 

 

 

幸福実現党 党首

釈 量子

 

(しゃく・りょうこ) 1969年、東京都生まれ。國學院大學文学部史学科卒。大手企業勤務を経て、幸福の科学に入局。本誌編集部、常務理事などを歴任。2013年7月から現職。
釈量子のブログはこちらでご覧になれます。
https://shaku-ryoko.net/

 

日本の「和」の源流は天御祖神にあり

 

第一条 ②

 

 

 

新・日本国憲法 試案
『新・日本国憲法 試案』
大川隆法著
幸福の科学出版
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前回は、第一条に示された「和」の理念に、聖徳太子の仏教的精神が流れていることを紹介しました。これは、執着を去った心の調和が、国家や世界の平和として具現化していく──という思想でした。

この条文について大川隆法・党総裁は、「行きすぎた競争社会になることを戒めたものでもある」とも語られています(*1)。過度の競争から、ストレス社会となっているアメリカは、麻薬が蔓延するなど、さまざまな闇を抱えています。昨今も合法大麻を売る「スモークショップ」が流行り、街のところどころにその臭いが漂っているという支援者の声も聞きました。こうした殺伐とした未来にしてはなるまいという意志も、条文には込められていると言えます。

(*1)大川隆法著『新・日本国憲法試案』(幸福の科学出版)

 

新・日本国憲法 試案〔第一条〕

国民は、和を以て尊しとなし、
争うことなきを旨とせよ。
争うことなきを旨とせよ。
また、世界平和実現のため、
積極的にその建設に努力せよ。

 

 

「大和」のルーツは富士に降りた天御祖神

実はこの「大和」の精神について近年、さらに深いルーツが明かされています。大川総裁の霊査によれば、「実は、日本文明というのは、今から約三万年ほど前に天御祖神という方が、今の富士山がある所の近くに、宇宙より降臨したところから始まっている」(*2)のであり、なんとこの時に、「調和のあり方」「大和の心」が説かれたというのです(*3)。

かつて繁栄した富士王朝の遺構は、度重なる噴火により、今は樹海の下に眠っています。

これは、日本の「神概念」を根底から変え、『古事記』『日本書紀』に基づく"正史"を覆す内容です。しかし4世紀前後、景行天皇の頃に成立したとされる古文献『ホツマツタヱ』には、「天御祖神」の記述が確かに存在します。

天御祖神の最初の一息が渦を巻き、その中から宇宙の元素が生まれ、陰陽が分離して、ヒ(太陽)、クニタマ(地球)が生まれた。そして天御祖神の意による国造りが行われた──聖書をも彷彿とさせる創世記は、記紀には書かれていない「造物主信仰」が、かつて我が国には伝わっていたことを示しています。実際、大川総裁の霊査では、天御祖神は地球の創造神の本体に近い存在であることが分かっています。

『ホツマツタヱ』と同時期に書かれた『竹内文書』にも、天御祖神にあたる創造神が登場します。その原本は昭和初期、記紀と異なる内容が不敬罪だとみなされ押収され、そのまま戦火で失われてしまいました。国家神道全盛時代の悲しさと言えます。

また富士山麓の古い宮司の家系にも、富士王朝の存在を示す古文書が伝わっています。

天御祖神文明とその信仰の痕跡は、確かに存在するのです。

造物主の存在を前提として、お互いの違いや争いを乗り越える「大調和」の精神は、正義を曖昧にして"談合"的に物事を進める妖怪的な姿勢とも一線を画す、真なる「大和」の心と言えるでしょう。

(*2)大川隆法著『地球を包む愛』(幸福の科学出版)
(*3)大川隆法著『天御祖神の降臨』(幸福の科学出版)

 

 

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日本の民族神の呪縛からの脱却を

さらに、天御祖神が日本の枠を超えた存在であるということも重要です。それは、中国神話の創世神「盤古」と呼ばれる存在でもあり、孔子の儒教や、インド文明にも影響を与えた、まさに「東洋の源流に位置する神」(*4)でした。さらには東洋を超え、中東や、欧米のルーツとなる文明にも思想が流れていったことが明かされています。『竹内文書』にも、日本の王朝が五大陸に影響を与えたという記述がありますが、元になるような史実があったのです。

この歴史こそ、憲法試案条文にある「世界平和実現のため、積極的にその建設に努力せよ」という理念の、奥の奥にあるものではないでしょうか。日本が国家の気概を取り戻し、自己中心的な「一国平和主義」や、御利益信仰的な思想の限界に打ち克つ。そして、世界のために何ができるかを考える、「世界愛」に溢れた国として目覚めるための鍵となるはずです。

特に中国の習近平・国家主席は「われわれ中国人は、黒い髪と黄色い肌を今に受け継ぐ元祖の民族だ」と語るなど、うぬぼれの中華思想によって覇権を拡大しようとしています。天御祖神の真実はこの虚栄に揺さぶりを与え、人権無視の専制国家に立ち向かう勇気とリーダーシップを、日本に与えるものでもあるのです。

(*4)大川隆法著『天御祖神文明の真実』(幸福の科学出版)