今日は。
飼育困難種を攻略する際、実はケージ、シェルター、その他器具の取捨選択から勝負は始まっています。
オブロンガの主食とも言えるブルーマロンの飼育ポイントを要約すると、
①PH6.8以下にしない→これ以下だと餌を食べず、やがて衰弱死する。
②水温24度以下を保つ→28度以上で死ぬ。
③緩やかな水流をつける→死なないが止水だとストレスで味が落ちる。
取り敢えず上記の3点が飼育の大原則かなぁと考えています。
①について
これはブラジルヘビクビで充分な知見を得ています。
私は誰に言われるともなくPH6.8〜8.0の間で飼育しています。
何故ならブラジルはPHが4を切ると極端に調子が悪くなるからです。
飼育1年目はスポンジフィルターでしたからPH7.5の飼育水も2週間で3.8まで降下するので水換えをして食欲を戻していました。
元来、水換えが苦手なカメなのでフィルターを設置し、月1回の換水にしたところPHも6.8を切ることがなくなりました。
どようさんのアドバイスに私は驚きましたがオブロンガはPHが下がると水を飲まなくなり脱水症状になると聞き、なるほどブラジルもそれでPHが下がると喰わなくなるのだと納得できました。
余談ですが昨年5月よりCaとMgを添加し、硬度150ppm以上にしたところ更に状態が上がったのでブラジルはPH、硬度ともに高い水質を好むという知見を得ました。
本来は硬度300ppm以上が理想ですが、幸いにもタートルプリンを食べてくれるのでその残餌、吸収しきれなかったCaも飼育水に混入しているので硬度150ppm以上に保っているのだと考えています。
②水温は…→仕方ありません。今年は4台目のクーラーを買います…
我が家のトゲモモは珍しくボリビア産WCなので暑さにめっぽう弱いのです…
こいつは水温30度以上が5日続くと確実に死ぬので今のクーラーを転用する訳にはいきません。
同居しているパラグアイ産WCは暑さに強いので同じ種でも分布による個性があるのでしょう。
③水流→未使用のエーハイムエコフィルターがあるのでこれを利用します。
さて、次はケージです。
上記3点、とりわけ①をクリアするには2つの方法しかありません。
すなわち、毎日全換水してPH7.0以上を維持するか?、PH7.0以上の飼育水を維持して濾過するか?
私は後者を選択します。
濾過で飼育水を回すとなるとカメの体重を100gとすれば30ℓが理想です。
しかし甲長4.5㎝、首を伸ばしても約9㎝のカメですから水深は8㎝が最大です。
水深が浅く、水量を稼ぐにはオーバーフローか表面積の大きなケージです。
こんな感じの設定にしました。
他にはフィルター、サーモ、PHモニターを付けます。
PHモニターは結局使うことなく2年間お蔵入りでしたが今回初めて使用してみます。
https://store.shopping.yahoo.co.jp/discountaqua2/10003088.html?sc_i=shp_sp_search_itemlist_shsr_title
フィルターろ材はPHハードを選択。
私は発売当初からこのろ材の品質を信頼しております。
http://www.taiheiyo-cement.co.jp/service_product/powerhouse/
こんな感じで飼育を開始しますがカメの飼育で一番怖いのは最初にこうした戦略を立てると容易に方針転換が出来なくなることです。
自分の戦略に拘泥するあまり最も重要なカメからのサインを見落とし対症療法を打てなくなることです。
今回も沢山の学びを私に与えくれるカメになると思いますがオブロンガを上手く育成出来たらおそらく私のカメライフはピリオドだと思います。
高校生以来、私の憧れのカメは1位 ブラジルヘビクビ、2位 コウホソナガクビ、3位コウヒロナガクビ、でした。
残念ながらコウヒロを飼育できる財力を得られなかった私にとってブラジルとコウホソが飼育できれば長い間の疑問が解決します。
今、こうした生体が買えるようになって改めて飼えない理由を突き止めたいという知の欲求があります。
ブラジルヘビクビの飼育方法をほぼ完全解明した今、最後の砦がコウホソです。
この個体を長期飼育でき、WC個体のようなフォルムを得て、更にメスであれば産卵すれば私のカメ旅は終わると思います。
繁殖は?
気が向いたら、でしょう。
本気で繁殖を目指している方とご縁があればやはりブリーディングローンを選ぶかなぁと思います。
とことん繁殖に興味のない自分に驚きますが、おそらく全ての物事の礎は情熱です。
生態解明に情熱をかける私はやはり解明とともに燃え尽きる自分を想像しています。
しかしこれもまた爬虫類飼育の楽しみ方ではないでしょうか?
爬虫類の消費的飼育は勿論許されないことです。
しかしこと曲頸はEUのスーパーマニア、ブリーダー達の果敢なチャレンジの恩恵をEUCBという形で享受してきました。
私の出来る事は飼育難種のデータを蓄積し、次代に引き継ぐ事です。
必ずや日本でもこうした難しいカメを殖やしたいという強者が出てくるはずです。
そんな時に反面教師としてこの飼育データを利用してくれたら飼育者として最大の喜びです。
この2種は水温25度以下、硬度150ppm以上あればおそらく死にません。
コウホソはひょっとすると紫外線も要素かも、と考えています。
この仮説を改めて検証していきたいと思います。