カメさん日記

趣味のカメさん日記です。レア種で情報が少ない種を中心に書いていきます。

飼育の基本

2019-09-23 09:00:00 | 飼育論

今日は。

Twitterで度々呟きますが断片的ですし、表層的なのでしっかりと私の考えを示しておきます。

私の飼育の根本的な考えは「飼育設備には金をかけろ、金がないなら手間をかけろ」です。

若い頃より使えるお金が幾分増えた今では「金と手間と愛情をかけろ」が本音です。

ミズガメ飼育に関しては長らく換水万能飼育方法が流布されてきました。

私はそれを否定はしません。

飼育水=飲料水であるミズガメにとっては汚水は脱水症状を引き起こしやがてそれはシェルロットという恐ろしい病気を引き起こします。

飲料用にたる水質を担保するべく飼育者は換水に勤しむ訳ですが、これは正直にいえば死なないレベルを維持する行為です。

私の個人的な見解として「カメに濾過は不要。換水で大丈夫。」を表明しています。

日本の水道水は非常に高品質なので多くのミズガメは換水だけで繁殖まで可能です。

特に毎年国内CBが出回る種においては日本の水に馴致しており敢えて濾過をするメリットがありません。

濾過においての私の見解ですが、濾過は換水間隔を引き延ばす機材ではなく、飼育水を作る機材であるということです。

我が家は原則月1回の換水です。

ですから相応の水量が必要なため必然的に大型水槽での飼育となっています。

この低頻度換水のメリットは水質変化が少ない点です。

週1回の換水飼育では年間52回ものphショックを経験するものの我が家のカメ達は12回で済んでいること。

加えてブラジルヘビクビとコウホソナガクビはドリップ式の注水ですからphショックを極限まで減じていると思います。

ブラジルヘビクビはRO水にKENTのシクリッドエッセンスを加え予め硬度を上げた水を、コウホソはテトラマリンソルトで塩分濃度0.3pptに調整した汲み置き水を注水しています。

ここで補足をします。

我が家では自家製のタートルプリンを多用します。

このエサは人工飼料よりも水を汚します。

ですから必然的に濾過が必要なのであって、人工飼料メインの飼育ならば換水で問題ありません。

とりわけ北米のカメは一部のチズガメを除いてほぼ日本の水道水は元来の生息地の水質と近似値であるため濾過でおかしな水質にいじるより素直に換水した方がカメのためだと思います。

オーストラリア東部も降水量が多く、日本の水道水で問題なく飼育できます。

つまりよほど高品質な飼育水を狙うのであれば濾過は一方法ですが、そうでなければ換水がベターだと思います。

ただし、phショックをなくすために汲み置き水をドリップ式の注水にして10年も飼育すればみちがえるほど綺麗なカメに育ってくれると思います。

では濾過の効いた高品質な水質とは何か?

ズバリ、それはカメの持つ常在菌が元気に暮らす水質、だと思います。

理由は明確には分かりませんが、セダカやパーカーのろ材は海水魚時代からのろ材なので30年位使用しています。

年に1回程度のヘドロ抜きで長らく愛用しているろ材なので何かが熟成しているのではないかと思います。

換水頻度を低くして濾過を効かせるとやがてはカメの常在菌が活性化するのだと思います。

水道水による高頻度の換水ではこの常在菌は減りこそすれ、増えはしないのだと思います。

コウホソがまだ新しい環境に慣れない頃、新水でも手足に肌荒れが出ることがありました。

新水ですよ、それもRO水に人工海水を溶かした。

この水質でも肌荒れを起こすコウホソに泣きたくなりましたが、ブラジルヘビクビの捨て水に人工海水を溶かした水に全換水したところ、驚くことに丸1日で完治するのです。

おまけに喰いも上がるのです。

私はこの時にいわゆる常在菌の存在とカメの調子は密接に関連しているのだと思いました。

参考までに常在菌の引用です。

コウホソのケースは上記の常在菌によるものではないか?と私は考えています。

ですから私は濾過に妥協しません。

濾過機を換水頻度を延ばす機材だとも思っていません。

常在菌に溢れてカメが喜んで飲んでくれる飲料水を作るための機材だと考えているのです。

ここまでの水が作ることができれば病気の不安が遠のくことに加えてワイルド個体のようなフォルムに近づくことになると私は考えています。

 


オブさん近況報告

2019-09-08 09:00:00 | オブさん日記

今日は。

2月9日の雪が降る中にお迎えしたオブさん。

こんな雪の中、東京駅でオブさんを受け取りました。

お迎え日のオブさんです。

明日で丸7ヶ月が経つオブさん。

 大きくなったオブさんの写真、小さく見えている甲板はお迎え時の初甲板です。

7ヶ月で甲長は4.5㎝から8.2㎝に成長しました。

手前味噌ですが綺麗なフォルムで成長していると思います。

お迎え当初から物怖じしない人慣れした個体でしたから家内ともほぼメスだろうと話していましたが写真を見る限りメスで間違いないでしょう。

写真ではお伝え出来なくて残念ですが甲羅表面は凹凸もなくツルツルです。

非常に綺麗に成長しているのでこのまま順調に大きくなって欲しいものです。

オスは2003年、メスは2004年に500円玉サイズでお迎えしたパーカーです。

主食は自家製タートルプリン、レプトミンスーパー、キョーリンのキャットフードです。

パーカーは非常に丈夫で病気を1度もすることなくスクスクと育ちました。

カメの甲羅を綺麗に大きくするのは意外に難しいです。

特にナガクビは甲羅ツルツルは意外に見かけません。

割とボコつき気味の個体が多いと思います。

私はナガクビの甲羅をツルツルに仕上げるコツはまずは水質だと思います。

種類により好む水質は違うと思いますが、まずは水質を合わせて飼育水を飲んでくれることが大切です。

水を飲んで初めて食欲が湧くというものです。

ナガクビ飼育個体のおそらくは80%以上を占めるであろうジーベンもパーカーと近い生息地なのでほぼパーカーと同じ飼育条件でいけると思います。

伝聞ですが現地ではジーベンが下流域、中上流域にはパーカーが生息しているそうです。

ジーベンと同産地の熱帯魚といえばノーザンバラマンディーやターポンです。

これらの魚は水質に寛容であることからジーベンもph7.0付近を維持すれば問題ないと思います。

これは個人的な考えですが甲羅のボコつきは水質変化による喰いムラも遠因ではないか?と考えています。

大型水槽ならまだしも、小型水槽の全換水では下手をすれば換水前のph4から換水後は一気にph7以上になります。

一般にカメはphの変化に耐性があるので問題ないと思いますがオブロンガはphが1.5も違うと水合わせをしても半日ほどは調子が落ちるので水質の急変は成長スイッチになんらかの影響を与えているかもしれません。

特に水道水は曲者で、地元水道局の水質検査情報を鵜呑みにしていると痛い目に遭うので気をつけた方がいいと思います。

私は公表データがph7.6とあったので水道水汲み置きを安易にオブさんの換水に使用しました。

3/4もの大量換水をしたところ、オブさんが暴れだしたので水道水をチェックするとなんとphが9.3もありました。

飼育水がph7.8から一気にph9.0に上がったのでオブさんはパニックを起こしたのです。

このように水道水の水質も変化していますので大量換水前に水道水のphをチェックするのもありだと思います。

ただこれほど水質にうるさいカメはブラジルヘビクビとコウホソナガクビくらいだと思いますから多くの方は神経質になることはありません。

しかし可能ならば濾過を基本としつつ1/3程度の換水を3日に1度程度するのが水質を急変させず、従って喰いムラを発生させずに綺麗に大きく育てられると思います。

カメの好む水質を維持できればカメは充分に飼育水を飲んで食欲が上がるはずです。

食欲が上がればカメに必要な栄養素を意図的に与えることが可能になります。

余談ですがカメ自体の常在菌は濾過が上手く働くと殖えていくような気がしています。

カメの種類により常在菌は違うようですが5年、10年と経つと種類別に常在菌が水槽内で繁殖しているようでカメ達も本当に居心地の良い水質になってくるように感じています。

我が家のカメ達が病気知らずなのもこの種類別の常在菌のお陰なのではないかと考えています。

カメに濾過が必要か?と聞かれれば、私は「不要です」とお答えします。

蘊蓄を語るより、無駄な試行錯誤を重ねるよりもとりあえず換水で間違いありません。 

ただ「ワイルド個体のように育てるには濾過は必要か?」と問われれば「もちろん必要だし、濾過システムは細心の注意を払って設計した方が良い。」とお答えします。

なんだか分からないけど、カメの調子がおかしいな、と思ったら水道水の水質が急変していることもあるので知っておくと良いと思います。

さて、来週は久々にタートルプリンを作る予定です。

いつかはこのプリンをリクガメ界のスペフーの如く量産・販売して日本全国津々浦々のナガクビ達を幸せにすることが夢なのでより良いタートルプリンとは何か?を追求していきたいと思います。