おはようございます。
さて、何かと話題のカメ飼育におけるメタハラ是非論、今回は非常に重たいテーマとしっかりと向き合い論じますので長くなると思います。
始めに結論を言うと「全てのカメにメタハラは必要だ」というのが私の持論です。
まぁこれ、あくまでも私の拙い経験値での意見です。
メタハラの有用性については「LIZARDHOLIC」という非常に秀逸なブログをお読み頂ければ、と思います。
私のメタハラ論はこの方のご意見と完全に一致しています。
ブログ主様、無断転載お許しください。
1.メタハラとの出会い
私が初めてメタハラを使ったのは今から20年前。
当時、ライブコーラルの世界ではメタハラ、プロテインスキマー、カルシウムリアクターを装備すればミドリイシが飼える!という魔法の飼育器具のひとつでした。
私はメタハラ必須の好日性サンゴではなく陰日性サンゴを飼育していたのですがイマイチ、目指す状態まで上がっていないなぁと悩んでいました。
そこで行きつけのお店の勧めでスーパークール150W集光型を購入しました。
当時の私の収入は平均年収の気持ち上程度でしたから定価7万円が5万円にしてくれても、「高いライトだなぁ。効果あるのか?」と半信半疑でした。
この頃は5万のライトを高いと感じる普通の金銭感覚だったんだなぁ…
結果は予想以上で陰日性でメタハラ不要と言われていたサンゴ達が全開して見たことのない姿を見せてくれたことに大変感動しました。
また蛍光灯で十分と言われていたウチウラタコアシサンゴはメタハラ設置で状態が上がりなんと水槽内産卵までしてくれました。
結局すぐに更に1台追加購入し、600×450×450のオーバーフローに合計300Wのメタハラと更にスパイラル蛍光灯を追加して状態良くサンゴ飼育をしていました。
生物と光の関係性の深さと生き物飼育の困難さを痛感する経験でした。
この時代に生体との距離、点灯時間、照射角度の試行錯誤を繰り返したことがメタハラを使いこなすスキルアップに繋がったように思います。
まぁ、サンゴは他に水流とか添加剤とか置き場所とか色々な条件があるのですが本題とは関係ないので割愛します。
2.カメにメタハラを設置する
サンゴをやめ、長く一生付き合える趣味と思い15年振りにカメを始めました。
パーカーナガクビガメです。
紫外線が出る蛍光灯を気休めに設置していました。
アッサム達は陽当たりの良いリビングにバスキングライトだけで飼育していました。
パーカーとトゲモモは北側の玄関に置いていたのですがやはりイマイチ調子が上がりません。
エムズワンから爬虫類用メタハラが出たので早速トゲモモ水槽に設置しました。
予想通り調子が上がり大満足です。
新型が出たので今度はリビングのアッサム達に設置。
こちらも状態が上がりました。
やはりメタハラすごいなぁと思っている中で、ソラーレがいいという情報を知りました。
安いので性能が心配でしたが、なんとソラーレが一番アッサム達が気持ち良さそうです。
リビングの水槽にソラーレを設置し、不要になったエムズワンをパーカーに設置しました。
今度は驚いたことにパーカーの調子も上がりました。
結果はサンゴと同じく吉と出ました。
なのでブラジルヘビクビも本水槽設置の際はメタハラを設置予定です。
3.私にとってメタハラとは
パーカーやトゲモモ、メタハラなしでブリードしている方は沢山います。
しかしブリードが爬虫類飼育のゴールなのでしょうか?
勿論、否定はしません。紛れもなくゴールの一つではあるでしょう。
カメのように長寿な生物は何年にも渡り繁殖活動ができます。
野生動植物の保全を考えればCB化の流れが必然だとしても私はこの繁殖=飼育成功、という常識にいまひとつ納得いかないのです。
仮にCB化の恩恵として価格低下が実現すれば練習と称する虐待が横行しまいか?
漠然とした表現にならざるを得ないのですが、やはり私は一瞬一瞬の目ヂカラにこだわった飼育を極めたいと思います。
私にとってメタハラとは、この目ヂカラを引き出すツールの一つなのです。
更に言えば、この丁寧な飼育の先に繁殖があるならば殖えた個体を自分で養っていくことが責務だと考えています。
現在は爬虫類の買取が盛んです。
様々な人の飼育環境下に置かれるカメ達は本当に幸せなのでしょうか?
私は飼育されるカメ達に最高の飼育者だと言われる飼育者になりたいと思っています。
11匹のカメで限界ですし、これ以上の飼育を目指すならやはりカメ牧場開設しかないかと思案しています。
水中産卵しているカメ達には広いスペースを用意できなくて申し訳ない気持ちで一杯です。
ですから今いる個体が出来うる限り殖えないことは私の本望でもあるのです。
しかし命を紡ぐことが彼らの使命ならばそれを叶えるのも飼い主の責務ですね…
カメのメタハラ論とは、そもそもの必要条件と十分条件をどこで折り合わせるか、だと思います。
その妥協地点こそは、飼育者個人のカメ飼育観に他なりません。
私の場合、野生下の目ヂカラにより近づくためにメタハラが必要かつ十分条件だったに過ぎません。
先述の「LIZARD HOLIC」にてブログ主様はこう結論づけてらっしゃいます。
「メタハラはマストではないがベターでありベストである」と。
私も全く同意見です。