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カメさん日記

趣味のカメさん日記です。レア種で情報が少ない種を中心に書いていきます。

hydromedusa tectifera 水質編

2018-11-04 09:19:57 | ブラジルヘビクビガメ

おはようございます。

今日はギザミネ飼育の水質編です。

まずはこちらをご覧下さい。

http://www.breedingturtles.com/hydromedusatectifera.html

すごいですよ、このブリーダーさん。

水槽飼育なのにシェルロッドなしで仕上げています。

ポイントは大型水槽とシェルターへのこだわりです。

極論ですが水量があれば水換えしない方がいいカメです。

150×60×45水槽に水深20㎝、オーバーフロー濾過槽に90×60×45、ボールバルブで流量調整可能にすればきちんと飼えます。

ここまで出来る方はほぼいないと思うので簡単な方法はエーハイムでゆっくりと水を回して濾過を効かせるのです。

最新のプロフェッショナル4はかなりお勧めです。

http://www.eheim.jp/professionel4/

濾材を少しだけカルシウムメディアと入れ替えPH7〜8を維持できれば調子よく飼えるし、あのブリーダーのような素晴らしい個体に仕上げることも可能だと思います。

さて、肝心の水質ですがPH7〜8のややアルカリ性寄りの中性がベストです。

新水を嫌うカメですが甲長10㎝程度までは浅瀬で暮らしています。

浅瀬は降雨の影響を受け、雨がふれば新水が注ぎ込みます。

モンテビデオの降水量です。

参考までに東京の梅雨時で約200㎜、冬の間は約50㎜と比較すれば毎月の降水量が多い地域だと分かると思います。

つまり浅瀬に棲んでいる間は水換えしても大丈夫です。

濾過を効かながら毎日1/3程度の換水がベストです。

成長に伴い換水頻度・換水量を減らしていくのです。

またこのカメは古くからいわれているブラックウォーターではなく弱アルカリ性の硬水です。

上記のブリーダーがイタリア在住というのは偶然ではありません。

イタリアの水は硬水です。

従って成体が棲む深場の水質はおそらくPH8、TDS値が300ppm程度の硬水です。

これを再現するには濾材にカルシウムメディアやパワーハウスを混ぜるといいです。

http://mmcblog.jugem.jp/?eid=100&PHPSESSID=o3v6jea9tgt2tsa87ontgsbvp2

http://www.taiheiyo-cement.co.jp/service_product/powerhouse/products/filter-medium/product1.html

 控えめにこれらの濾材を使用し、添加剤で調整できれば飼育環境は万全となります。

http://aquainterior.marfied.co.jp/products/water/cichlid-essential.html

カメの世界では濾過の効用が語られることもなく、換水のみの飼育方法が長らく主流でした。

カメは排泄量も多く一般論としてはその通りですがことhydromedusa属はこの範疇ではありません。

彼等の代謝量は他のカメに比較して圧倒的に低いからです。

彼等の本来の摂餌量であれば濾過飼育は可能です。

高温・大量給餌・大量換水、この逆の低温・少量給餌・少量換水を実践すれば先のブリーダーのような素晴らしい個体を日本でも見られるようになることでしょう。

シェルターはこだわるべきです。

これは我が家のブラジルヘビクビですが、このように甲羅が触れるような遮蔽物を特に好みます。

ケージ内に気に入ったシェルターがあり水質・水温が合っていればhydromedusa属は動き回ることはありません。

そのかわり給餌の際には素早いダッシュ力に驚くことでしょう。

緩慢に動き回ることやモグモグと摂餌するのはベストな飼育環境ではありません。

彼等の本来の姿は極めて静と動のメリハリの効いたライフスタイルです。

私は飼育部屋に入ることも極力控えていますがやはり飼育3年目ともなると彼等も私の気配に気づくとシェルターから出てきてエサくれダンスをします。

どうやら家族を見分けるらしく私と家内が入室した時はシェルターから出てきます。

hydromedusa属はリクガメやハコガメと比べると飼育者との距離があり、今流行りのハンドリングとは対極にあります。

また給餌量が多いと死んでしまうので給餌の楽しみもありません。

しかしこれこそが本来の爬虫類飼育であり、爬虫類飼育の醍醐味だと私は考えています。

参考までにモンテビデオ市の来週の天気予報です。

ものすごい寒暖差ですね。更に今年5月の千葉市の気温です。

意外にも似ています。

更にブラジルヘビクビの棲息地の気温です。

彼等はこれからが産卵シーズンですがこんなに寒いのです。

 

彼等の 棲息地は雨季入りです。

hydromedusa属は雨と産卵の関係が深いと言われてますがそれはまた別の機会にします。

ギザミネのウルグアイCBは法人形式の研究所由来ですが、実情は1人のブリーダーさんが運営しています。

彼の本職は公認会計士であり、正直ブリーダーとして食べている訳ではなく、完全なる趣味です。

彼がブリードを辞めればギザミネCBはほぼ確実に我々の買える値段ではなくなるでしょう。

リスクに備え、ぜひとも日本でのブリード技術の確立を目指して欲しいと思います。


hydromedusa tectifera飼育論

2018-11-03 09:14:31 | ブラジルヘビクビガメ

今日は。 今週は久しぶりにまとまった数のギザミネが入荷しましたね。 とても嬉しく私も買う気満々でした。 過日我が家に届いた荷物です。

奥はオーバーホールに出していたクーラー、手前はエーハイムフィルターです。

ブラジルヘビクビにとってクーラーほど大切なものはありません。

3シーズン使用しセンサー異常を感じたので点検してもらったところ、やはりセンサー交換となりました。

おかげで来シーズンは安心して使用できます。

http://www.eheim.jp/filter_top/2232-html/

我が家では5台目のエーハイムになります。

プロフェッショナルシリーズがお気に入りですが今回は水量15ℓを回すだけなので最小機種を選びました。

これらをタフタンクと組み合わせてブラジルヘビクビの産卵用ケージを作り、役目を終えてからはギザミネのケージに使う予定でした。

お馴染みのショップさんにも3匹入荷しましたが即日完売…

やっぱり欲しいなぁと思います。

前回このカメの飼育方法を書きましたが野生下の生態が中心で、具体論は書きませんでした。

爬虫類飼育の楽しみ方は野生下での生態をイメージして飼育環境を作ることだと私は思います。

なので具体論は敢えて書きませんでしたが今回はかなりの数が入荷したので具体論を知りたい方もいらっしゃるかもしれないので私のアプローチ方法を紹介します。

まず、今回のCB個体を知りましょう。

ウルグアイ モンテビデオ市の気温です。

おそらく今回のCB個体はモンテビデオ市の屋外池で産卵された卵を人口孵化させたものです。

3月の秋に孵化し、冬越しし水温の上がり始めた春に季節が真逆の日本にやってきた訳です。

hydromedusa属は日本の月▲6ヵ月で考えると分かり易いです。

今は11月ですから日本の5月のイメージです。

ギザミネはこれから真夏の2月を経て秋の4月までに10㎝以上に成長するはずです。

ウルグアイのブリーダーは孵化仔も最高水温25度で育成します。

このカメの難しさは真逆の季節の国から来ることです。

私はブラジルヘビクビを飼育開始した1年目は彼等に冷夏と暖冬を演出することで日本の季節に慣れてもらいました。

具体的には2月の最高水温を24度にして、8月の最高水温も24度以下にします。

季節の水温差を抑えて2年目から抑揚をつけるとスムーズに日本の季節に慣れてくれます。

ただし夏でも最高水温は27度以下にした方がいいです。

現地では高くても水温は25度以下ですし、成体は好きな水温域に自ら移動するのです。

我が家のブラジルは夏はエアコンで飼育部屋を28度、水槽用クーラーでケージ水温を21度にしていますが、ギザミネはおそらく27度以下で大丈夫だと思います。

ここで水温が30度を越えたり、頻繁に換水すればシェルロッドを患うので水温低め、換水控えめは鉄則です。

風も好きなのでサーキュレーター等で空気を回してやると更に状態は上がります。

エサも控えめが上手く飼うコツです。

我が家のブラジルはガリガリに痩せてますがきちんと産卵します。

彼等にとって肥満は死を意味します。

1年目は週3回、2年目は週1回、3年目は月2回しか給餌していませんが状態は抜群です。

ギザミネはこの倍位のペースでいいと思いますが回数が多いときは1回あたりの給餌量を減らすのがコツです。

hydromedusaの調子がいい状態とは普段はシェルターに隠れていてエサを猛ダッシュで食べ、すぐにまたシェルターに戻っていくのが最高の状態です。

飼い主を覚えるとシェルターに戻らなくなりますが心を鬼にしてエサを切りましょう。

エサは導入初期は冷凍アカムシ、体力がついてきたらカンシャや冷凍コオロギ、私の場合はここから自家製タートルプリン、レプトミンスーパーに切り替えています。

我が家のブラジルヘビクビは水温13度でも普通にエサを食べますが私は必ず20度にしてから給餌しています。

換水を嫌うカメですから濾過対応すべきカメですが続きは次回に致します。


hydromedusa tectifera 完全飼育マニュアル

2018-10-21 11:06:54 | ブラジルヘビクビガメ

今日は。

実はTwitterのフォロワーさんにギザミネの飼育を開始された方がいらっしゃいます。

アートルゴッサさんの油彩標本を依頼される位なので「今時ヘビクビにここまで情熱を持てるなんてすごいなぁ」と思い、持てる知識を記事にしようと思いました。

私はナンベイヘビクビガメ属のフリークでして35年前にアルゼンチンのWCベビーを飼育して以来、実に5回もギザミネを飼育し5回とも落としています。

亡くなったカメには大変可哀想なことをしましたが、同時にカメ飼育の本質を教えてもらいました。

それは、飼育とは他人様の知識に頼るのではなく、自身の個体との対話において積み上げていくスキルの集大成だ、ということです。

はっきり言ってこの手のマイナーなカメの飼育書に書かれていることなどいい加減なものです。

私の結論を出す前にこのサイトをご覧下さい。

http://www.breedingturtles.com/hydromedusatectifera.html

私、この写真のギザミネ、てっきりWCの現地写真だと思いました。

その位個体の仕上げが完璧で、おそらく飼育下個体の状態の良さは世界一ではないかと思っています。

そしてこのカメを上手に育てる重要ポイントを惜しげもなく公開しています。

イタリアのブリーダーらしいですがこんな企業秘密を公開してしまうあたりにカメへの愛情が伝わってきます。

この文章の中にギザミネの重要な飼育ポイントが3点書かれています。

①水槽に多量の水草を入れていること。

②一日の温度差を6度もつけていること。

③バスキングスポット(上陸用地)を設置していないこと。

まさに野生下のギザミネの生態を知り尽くした飼育方法と言えます。

では詳しく解説しましょう。

野生下のギザミネは3月頃孵化します。

現地は秋です。

ウルグアイの例では秋から冬は気温が低く時には氷が張る位に冷え込みますが孵化仔は冬眠することなく代謝を下げて冬越しします。

彼等は水深が10㎝に満たない浅瀬で暮らすので冬の水温は5度〜10度ですが一冬に2回程度は小春日和があり、水温が20度を越えるのでここで僅かなエサを食べて冬を乗り切るようです。

冬越しを終えた幼体は孵化から一年程度で甲長10㎝を越えます。

体力の増した幼体はこれより成体同様に深場に移動して暮らします。

これが先の②の要因です。

成体は一日の大半を深場の沈水木の下や泥に潜って隠遁生活を過ごします。

ギザミネは河川よりは水草の茂った湖沼を好み、深場の水深は1.5〜2mです。

この深場の水温は18度程度と私は推測しています。

日が昇ると彼等は浅瀬で摂餌し、バスキングします。

浅瀬の水温は私は24〜25度とみてましたが先のブリーダーはこれを日中23度、夜間17度に設定しているのだと思います。

ここで③の要因です。

彼等のバスキングは上陸することなく、浅瀬で紫外線を浴びるのです。

 

ですからこのブリーダーはバスキングスポットを設けないがUVBを照射しているのです。

雑誌により強制乾燥なる飼育方法が敷衍してます。

私はこの強制乾燥、断固反対です。

自然界で行うことのない行為を飼育下ですることは個体にストレスを与えるだけで何のメリットもありません。

hydromedusa属は水質や環境が適正であれば上陸することはありません。

我が家のマキシも上陸スペースは一切ありません。

今はUVBライトも撤去しましたがお迎え時から上陸スペースはありません。

この設定でシェルロッドを患うこともなく2年半以上、元気に過ごしています。

最後に①の理由です。

実はここが一番難しい点です。

なぜ、水草を大量に入れているのか?

シェルター機能もあるでしょうが、私は硝酸塩対策だと思います。

濾過を効かせているとありますが濾過の最終生産物として硝酸塩があります。

おそらくこのブリーダーは換水を全くしないか最少化しているはずです。

湖沼に棲むカメは安定かつ固定化された水質を好み、表層水や河川水のような水質の変化を嫌います。

従ってギザミネは換水がストレスになるのです。

しかしカメが生存する限り排泄物処理として硝酸塩は必ず発生します。

これを換水なしに済ますには硝酸塩を水草に吸収させるか、デニボール等で脱窒還元させ気化するしかありません。

ブリーダーの水槽写真を見ると底床は敷いていないのでやはり硝酸塩対策だと思います。

この濾過システムを回すには大量の水量が必要ですから当然大型水槽でしょう。

私が写真を見て、驚いたのはシェルターへのこだわりです。

 

この写真からも、水深、シェルター、底床と色々なファクターに対してのブリーダーのアプローチ方法を通じて彼の推論が透けて見えます。

彼は本当に野生下のギザミネを知り尽くしています。

最後にもうひとつ。

ギザミネの分布域をご覧下さい。

 

彼等の分布域は太古は海底で、その地質は石灰岩が中心です。

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/石灰岩

彼等の棲む湖沼、特に深場はこの石灰岩に含有された炭酸カルシウムが溶解し、その水質はCa、Mgが高濃度のPH7以上の硬水のはずです。

ですから日本の水道水では硬度が不足します。

合わない水質と強制乾燥の組み合わせ、これがシェルロッドの原因だと私は考えています。

飼育書では甲羅が腐り易いとか高温が苦手とだけしか記述はありません。

これではこの種への知識は不足であり、当然飼育環境は当たり外れの大きな博打とならざるを得ません。

やはり現地情報、成功者情報を弛まず収集し、目の前の個体と対話することが素晴らしい個体に仕上げる要諦だと思います。

今回、このブリーダーのサイトを見て、私自身、本当に考えさせられました。

生きている、と飼育できているかは似て非なるものです。

この曖昧な境界線をこのブリーダーは喝破しているようで反省することしきりでした。

我々日本人飼育者もEU諸国のこの異常なまでのこだわりを見習うべき時期ではないかと思っています。


果たして卵は発生するのか?

2018-06-09 07:48:19 | ブラジルヘビクビガメ

おはようございます。

ただ今ひたすら南米曲頸記事ばかり読み漁っています。

まぁ不人気種だけに少ない情報量ですが…

しかし似田坂先生のクロハラヘビクビ国内CBの記事が一番詳しく、勉強になります。

あとはウルグアイのギザミネヘビクビの研究センター記事でしょうか。

まずはクロハラが産卵後4ケ月を経て発生するという記事は非常に興味深い内容でした。

何よりもブチハラヘビクビも同じ方法で発生するということは驚きです。

ブチハラヘビクビガメはブラジルヘビクビガメと同所的に分布しており、これは相当な情報です。

始めに結論を述べましょう。

私が推測するブラジルヘビクビガメの繁殖サイクルは以下の通りです。

初夏11月に産卵。

12月〜2月までの3ヶ月間、夏場の高温・高湿度を経て卵が休眠解除されます。

3月に発生を開始した卵は5月で発生終了します。

孵化仔は卵内に留まり6〜8月の冬場を休眠し、9月に孵化。

これが私の仮説です。

生息地の気候です。

5月20日〜8月10日の80日間は寒い日が続きます。

ブチハラヘビクビは秋、つまり3・4月に産卵します。

その孵卵は産卵後1ヶ月を室温、その後3ヶ月を15度にクーリングすると都合4ケ月で発生開始するそうです。

発生後2ヶ月を25度、その後3ヶ月を28度と丸9ヶ月間を経て10ヶ月目にハッチするそうです。

トゲヘビクビ属は4種全てが秋に産卵するので3・4月が産卵シーズンです。

これを現地気候データと照らすと孵卵方法と一致しています。

しかもクーリング中は低湿度にして乾季を再現すると良いそうです。

ブチハラヘビクビの孵卵期間は10ヶ月とブラジルヘビクビと同じです。

が…

ブチハラヘビクビとブラジルヘビクビの産卵時期は全く違うのです。

 ブラジルヘビクビガメの生息地は世界的にも貴重なホットスポットとして厳重な保護区として管理されています。

2007年から2009年の3年間、国家研究として114匹のブラジルヘビクビガメをマーキング調査したデータです。

気温と降雨量、月別雌雄別、成体・幼体別の観察数です。

最近は流石に英文の論文も読めるようになってきました。

観察個体数は114匹ですからかなりこの種の生態を掴んでいるデータだと思います。

これを見ると雨季の10月〜12月に雌の観察個体数が急増します。

更にこの雌達をレントゲン撮影したデータです。

黒棒線が抱卵した雌の個体数です。

いずれの年も11月までに産卵を終えたことの証左となるデータです。

また産卵の中央値が11月なのも非常に興味深いデータです。

我が家のブラジルヘビクビは5月10日に産卵しましたが、現地の11月にあたり極めて正常な季節サイクルでの産卵だったと推測できます。

私がどうしても分からないのがこのブチハラが4月に産卵し、ブラジルは11月、なのに孵化日数はどちらも約300日と言われる点なのです。

ブチハラは上記の孵卵方法と現地の気候変動が一致します。

またカメは発生から60〜90日で胚の形成〜孵化までを終えるのが一般的です。

孵化まで300日を越える種も例外ではありません。

つまり先述のブチハラも産卵後120日は休眠状態にあり、その後150日かけて孵化します。

そして卵内で再び休眠し、雨季を待って孵化し地上に出てくるのです。

南米のトゲヘビクビのCB化が難しいのはこのトリッキーさに加えて休眠解除の温度がかなり厳密に決まっていることだといわれています。

雨季9月〜11月までに発生〜孵化待ち=休眠状態で2月の真夏にハッチは理にかなっています。

対してブラジルは10〜11月に産卵、翌年の9〜10月にハッチリングが観察されます。

卵の期間は約330日。

5〜8月は冬季で、この期間のクーリングで発生開始とすれば30〜50日という極めて短期間に発生〜孵化する計算となり、これは非現実的ではないかと思います。

おそらくブラジルは何か?が休眠解除のキーファクターなのですが冬季のクーリングだと仮定すると孵化の計算が合わないのです。

やはり3ヶ月間の高温高湿度が休眠解除となるのか?

では同じ南米ヘビクビガメ属のギザミネヘビクビはどうでしょう。

ウルグアイのデビット・ファビウス氏の研究によればギザミネヘビクビは11〜12月に産卵し、ハッチリングは夏の終わりの3〜4月とのことです。

つまりギザミネヘビクビは産卵後は約1ヶ月後に発生開始、すなわち卵の休眠解除となるわけです。

つまり11月に産まれた卵は夏の雨季を4ヶ月過ごします。

そしておそらく12月に休眠解除となり発生を開始します。

更に約2〜3ヶ月間の孵化期間を経て3〜4月にハッチに至るサイクルです。

ファビウス氏はギザミネヘビクビの休眠解除キーは高温と高湿度、特に湿度がキーだと推測しています。

ギザミネヘビクビはウルグアイの市街地等でも生息しているそうなので首都モンテビデオの気候データを確認します。

ファビウス氏のいう降雨量は、

確かに11〜2月にかけて降雨量は増えるようです。

また気温も上がってきます。

この降雨と気温の上昇が発生開始のキーとなるのも頷けます。

ブラジルヘビクビガメの生息地の降雨量をみてみましょう。

特徴的なのは11〜1月の急激な降雨量増加です。

これは東京の梅雨の倍以上の降雨量です。

やはり高湿度が発生開始のキーとなっている可能性が高いと考えています。

私の仮説はこうです。

11月に産卵した卵は、2月までの3ヶ月間、雨季の降雨に晒されます。

これが発生のキー。

休眠解除された卵は3〜5月で発生開始から孵化仔まで成長します。

とりあえず手もとの卵をキャンドリングらしきことをしました。

 特に発生の兆しはありません。 

もちろん無精卵の可能性も高いです。

現在孵卵温度24度、庫内湿度85%で管理しています。

今後は7月を温度25度、庫内湿度90%。

8月1日〜14日は庫内温度26度、湿度85%で管理する予定です。

仮に有精卵であればこの管理が発生開始のキーとなるはずです。

発生開始が確認できればその時に改めてレポートします。

チェコでこのカメを殖やしたヒネック氏のHPでは孵卵温度21度〜25度としか記載がありません。

ブチハラも18度から28度の温度幅で問題なく孵化するといわれているので上記の比較的温度幅の狭い管理で孵化するのかもしれませんが私はもう少し温度幅を広くとるつもりです。

 似田坂先生のクロハラ記事、中野氏のコシヒロの繁殖記事を読むと両氏とも最後は卵殻を割り孵化仔を取り出しています。

やはり南米曲頸は一筋縄ではいかないカメのようです。

ギザミネの国内繁殖記事では小林氏の飼育下個体は5月下旬に産卵、28度で96日かけて孵化とあります。

同属のギザミネの3倍もの孵卵期間といわれるブラジルヘビクビ。

飼育自体も難しいですが、繁殖は更に上をいく技術と知識が必要なようです。

道は険しく、ゴールは遠いですが諦めずに挑戦するつもりです!

この記事を書きながら思ったのですが、頑張ればクリーパーの繁殖記事、自分でも書けるのではないか?と。

実現出来るようにブラジルヘビクビの国内CB取りたいですね。


ブラジルヘビクビガメの繁殖サイクル仮説

2018-06-03 16:38:03 | ブラジルヘビクビガメ

今日は。

Twitterで南米曲頸記事を読み漁り、ブラジルヘビクビガメの繁殖、孵卵サイクルの仮説を立てる予定でしたが、どうしても結論に辿り着けません。

やはり南米曲頸の孵卵と孵化はトリッキーで困難です。

次週を目標に仮説立案を鋭意努力中ですので今しばらくお待ち下さいませ。