カメさん日記

趣味のカメさん日記です。レア種で情報が少ない種を中心に書いていきます。

飼育情報のネットワーク化

2018-11-17 15:46:44 | 飼育論

今日は。

Twitterを利用するようになってからはフォロワーさんの飼育情報が沢山入ってくるようになり、自分の飼育技術アップに繋がっていると感じています。

そこまでするんだ?というこだわり派から、それ、長期は厳しそう…という簡略派まで様々ですが共通しているのはその時点では皆さん愛情に満ちていることです。

https://mobile.twitter.com/WsaMsZ9ZM9grAjp/status/1063068987544633344

ナガクビダイスキさんのtwite、凄いですねー。

何が凄いって、殺菌灯ですよ。

私もブラジル用に殺菌灯買いましたが1年以上納戸にストックしたままです…

http://www.rva.jp/shop/reisea/r18.htm

ただ殺菌灯は効果あります。

私もアッサムをお迎えした1年位は使用しました。

夜10時から朝6時まで1日8時間は点灯してましたし、お陰でアッサムは無事にたちあがりました。

私がアッサムを購入した頃はWCで輸送状態が悪かったせいか落ちる個体が多かったからです。

閑話休題。

ギザミネことhydromedusa tectiferaです。

今回ウルグアイから来たCB個体達、写真を見る限り当たり個体の気がします。

手にされた方は是非ともシェルロッド痕のない良個体に仕上げて欲しいと思います。

今年生まれのCBはこの時期冷やしてはいけませんが、生後2年目からは冷やした方が調子は上がると思います。

ブラジルを3年近く飼育して分かりましたがhydromedusa属は代謝にメリハリを効かせて効率よくエネルギーを使って生きています。

 

ですからこの種のカメは通年25度といった赤道付近のような飼育環境を好みません。

寒い期間をしっかりと3ヶ月再現し、真夏でも26度以下に抑えることが調子よく飼育するコツです。

やはり10月から温度を下げ、12月から2月にかけては10度まで冷やすのが理想です。

こうすると代謝スイッチがきちんと切れてカメが休むことができます。

4月から9月まではしっかり代謝スイッチが入り繁殖も視野に入ってくるでしょう。

更にこだわれば日較差に敏感な種ですから春と秋は水温の昼夜差を大きくつけると理想的だと思います。

フォロワーさん達の屋外で調子がいいという観察は狭いケージだからこそ水温の昼夜差が激しくなり他種ならば調子を落とすことがこの種には逆の結果をもたらしているのだと思います。

https://mobile.twitter.com/tantan4321/status/1060928711938035713

https://mobile.twitter.com/egakou_rep/status/1056695086929534977

https://mobile.twitter.com/PokeyRep/status/1059401910917062656

更に屋外飼育の利点は風です。

hydromedusa属は低い水温に加えて水面上を乾燥した風が吹く環境を特に好みます。

私自身が飼育するmaximilianiの観察や海外の文献から得た情報とフォロワーさん達の実践を突き合わせればよりhydromedusa属に合わせた飼育方法が見つかると信じています。

特に私は確信していますがtectiferaは maximilianiの+3度程度基底温度が高いこと、tectiferaは昼行性、 maximilianiが夜行性である以外は水質等は同じ条件で調子良く飼えると思います。

SNSの普及によりマイナーな種でも複数の飼育事例をネットワーク化し、情報を共有することが出来る時代になりました。

このことはやがて繁殖を狙う上で大きなアドバンテージとなります。

繁殖まで持っていくには仔亀の時期からストレスなく健康な個体に仕上げなくてはなりません。

やはりその種に合ったベストな飼育方法が必要なのです。

「愛好家に学ぶシリーズ」にナガクビ・ヘビクビがラインナップされることは絶望的ですから我々マイナー飼育者のネットワーク化は益々重要になっていくと思います。

 


hydromedusa tectifera 水質編

2018-11-04 09:19:57 | ブラジルヘビクビガメ

おはようございます。

今日はギザミネ飼育の水質編です。

まずはこちらをご覧下さい。

http://www.breedingturtles.com/hydromedusatectifera.html

すごいですよ、このブリーダーさん。

水槽飼育なのにシェルロッドなしで仕上げています。

ポイントは大型水槽とシェルターへのこだわりです。

極論ですが水量があれば水換えしない方がいいカメです。

150×60×45水槽に水深20㎝、オーバーフロー濾過槽に90×60×45、ボールバルブで流量調整可能にすればきちんと飼えます。

ここまで出来る方はほぼいないと思うので簡単な方法はエーハイムでゆっくりと水を回して濾過を効かせるのです。

最新のプロフェッショナル4はかなりお勧めです。

http://www.eheim.jp/professionel4/

濾材を少しだけカルシウムメディアと入れ替えPH7〜8を維持できれば調子よく飼えるし、あのブリーダーのような素晴らしい個体に仕上げることも可能だと思います。

さて、肝心の水質ですがPH7〜8のややアルカリ性寄りの中性がベストです。

新水を嫌うカメですが甲長10㎝程度までは浅瀬で暮らしています。

浅瀬は降雨の影響を受け、雨がふれば新水が注ぎ込みます。

モンテビデオの降水量です。

参考までに東京の梅雨時で約200㎜、冬の間は約50㎜と比較すれば毎月の降水量が多い地域だと分かると思います。

つまり浅瀬に棲んでいる間は水換えしても大丈夫です。

濾過を効かながら毎日1/3程度の換水がベストです。

成長に伴い換水頻度・換水量を減らしていくのです。

またこのカメは古くからいわれているブラックウォーターではなく弱アルカリ性の硬水です。

上記のブリーダーがイタリア在住というのは偶然ではありません。

イタリアの水は硬水です。

従って成体が棲む深場の水質はおそらくPH8、TDS値が300ppm程度の硬水です。

これを再現するには濾材にカルシウムメディアやパワーハウスを混ぜるといいです。

http://mmcblog.jugem.jp/?eid=100&PHPSESSID=o3v6jea9tgt2tsa87ontgsbvp2

http://www.taiheiyo-cement.co.jp/service_product/powerhouse/products/filter-medium/product1.html

 控えめにこれらの濾材を使用し、添加剤で調整できれば飼育環境は万全となります。

http://aquainterior.marfied.co.jp/products/water/cichlid-essential.html

カメの世界では濾過の効用が語られることもなく、換水のみの飼育方法が長らく主流でした。

カメは排泄量も多く一般論としてはその通りですがことhydromedusa属はこの範疇ではありません。

彼等の代謝量は他のカメに比較して圧倒的に低いからです。

彼等の本来の摂餌量であれば濾過飼育は可能です。

高温・大量給餌・大量換水、この逆の低温・少量給餌・少量換水を実践すれば先のブリーダーのような素晴らしい個体を日本でも見られるようになることでしょう。

シェルターはこだわるべきです。

これは我が家のブラジルヘビクビですが、このように甲羅が触れるような遮蔽物を特に好みます。

ケージ内に気に入ったシェルターがあり水質・水温が合っていればhydromedusa属は動き回ることはありません。

そのかわり給餌の際には素早いダッシュ力に驚くことでしょう。

緩慢に動き回ることやモグモグと摂餌するのはベストな飼育環境ではありません。

彼等の本来の姿は極めて静と動のメリハリの効いたライフスタイルです。

私は飼育部屋に入ることも極力控えていますがやはり飼育3年目ともなると彼等も私の気配に気づくとシェルターから出てきてエサくれダンスをします。

どうやら家族を見分けるらしく私と家内が入室した時はシェルターから出てきます。

hydromedusa属はリクガメやハコガメと比べると飼育者との距離があり、今流行りのハンドリングとは対極にあります。

また給餌量が多いと死んでしまうので給餌の楽しみもありません。

しかしこれこそが本来の爬虫類飼育であり、爬虫類飼育の醍醐味だと私は考えています。

参考までにモンテビデオ市の来週の天気予報です。

ものすごい寒暖差ですね。更に今年5月の千葉市の気温です。

意外にも似ています。

更にブラジルヘビクビの棲息地の気温です。

彼等はこれからが産卵シーズンですがこんなに寒いのです。

 

彼等の 棲息地は雨季入りです。

hydromedusa属は雨と産卵の関係が深いと言われてますがそれはまた別の機会にします。

ギザミネのウルグアイCBは法人形式の研究所由来ですが、実情は1人のブリーダーさんが運営しています。

彼の本職は公認会計士であり、正直ブリーダーとして食べている訳ではなく、完全なる趣味です。

彼がブリードを辞めればギザミネCBはほぼ確実に我々の買える値段ではなくなるでしょう。

リスクに備え、ぜひとも日本でのブリード技術の確立を目指して欲しいと思います。


hydromedusa tectifera飼育論

2018-11-03 09:14:31 | ブラジルヘビクビガメ

今日は。 今週は久しぶりにまとまった数のギザミネが入荷しましたね。 とても嬉しく私も買う気満々でした。 過日我が家に届いた荷物です。

奥はオーバーホールに出していたクーラー、手前はエーハイムフィルターです。

ブラジルヘビクビにとってクーラーほど大切なものはありません。

3シーズン使用しセンサー異常を感じたので点検してもらったところ、やはりセンサー交換となりました。

おかげで来シーズンは安心して使用できます。

http://www.eheim.jp/filter_top/2232-html/

我が家では5台目のエーハイムになります。

プロフェッショナルシリーズがお気に入りですが今回は水量15ℓを回すだけなので最小機種を選びました。

これらをタフタンクと組み合わせてブラジルヘビクビの産卵用ケージを作り、役目を終えてからはギザミネのケージに使う予定でした。

お馴染みのショップさんにも3匹入荷しましたが即日完売…

やっぱり欲しいなぁと思います。

前回このカメの飼育方法を書きましたが野生下の生態が中心で、具体論は書きませんでした。

爬虫類飼育の楽しみ方は野生下での生態をイメージして飼育環境を作ることだと私は思います。

なので具体論は敢えて書きませんでしたが今回はかなりの数が入荷したので具体論を知りたい方もいらっしゃるかもしれないので私のアプローチ方法を紹介します。

まず、今回のCB個体を知りましょう。

ウルグアイ モンテビデオ市の気温です。

おそらく今回のCB個体はモンテビデオ市の屋外池で産卵された卵を人口孵化させたものです。

3月の秋に孵化し、冬越しし水温の上がり始めた春に季節が真逆の日本にやってきた訳です。

hydromedusa属は日本の月▲6ヵ月で考えると分かり易いです。

今は11月ですから日本の5月のイメージです。

ギザミネはこれから真夏の2月を経て秋の4月までに10㎝以上に成長するはずです。

ウルグアイのブリーダーは孵化仔も最高水温25度で育成します。

このカメの難しさは真逆の季節の国から来ることです。

私はブラジルヘビクビを飼育開始した1年目は彼等に冷夏と暖冬を演出することで日本の季節に慣れてもらいました。

具体的には2月の最高水温を24度にして、8月の最高水温も24度以下にします。

季節の水温差を抑えて2年目から抑揚をつけるとスムーズに日本の季節に慣れてくれます。

ただし夏でも最高水温は27度以下にした方がいいです。

現地では高くても水温は25度以下ですし、成体は好きな水温域に自ら移動するのです。

我が家のブラジルは夏はエアコンで飼育部屋を28度、水槽用クーラーでケージ水温を21度にしていますが、ギザミネはおそらく27度以下で大丈夫だと思います。

ここで水温が30度を越えたり、頻繁に換水すればシェルロッドを患うので水温低め、換水控えめは鉄則です。

風も好きなのでサーキュレーター等で空気を回してやると更に状態は上がります。

エサも控えめが上手く飼うコツです。

我が家のブラジルはガリガリに痩せてますがきちんと産卵します。

彼等にとって肥満は死を意味します。

1年目は週3回、2年目は週1回、3年目は月2回しか給餌していませんが状態は抜群です。

ギザミネはこの倍位のペースでいいと思いますが回数が多いときは1回あたりの給餌量を減らすのがコツです。

hydromedusaの調子がいい状態とは普段はシェルターに隠れていてエサを猛ダッシュで食べ、すぐにまたシェルターに戻っていくのが最高の状態です。

飼い主を覚えるとシェルターに戻らなくなりますが心を鬼にしてエサを切りましょう。

エサは導入初期は冷凍アカムシ、体力がついてきたらカンシャや冷凍コオロギ、私の場合はここから自家製タートルプリン、レプトミンスーパーに切り替えています。

我が家のブラジルヘビクビは水温13度でも普通にエサを食べますが私は必ず20度にしてから給餌しています。

換水を嫌うカメですから濾過対応すべきカメですが続きは次回に致します。