定年ジジイの夕焼け人生

朝日ほどの力強さはなくてもいいが、人生の黄昏期をせめて夕焼けほどに輝いていたい。

一年生の算数

2007-11-10 09:04:06 | 子ども学習支援
昨日も大瀬小学校に、外国人子ども学習支援に行ってきた。

最初の50分間は一年生のJ君が相手。日本語にはもうそれ程不自由していないレベルだ。外国人担当の山下先生から計算カードを徹底的にやってほしいとの要請があったので、先日からそれをやっているが、どうも繰り上がりのある足し算がまだ完全に分かっていない。

足し算の結果が10までの計算ならば、両手の指を使ってそれ程苦労なく出来るのだが、10を越す答えの場合両手では間に合わないので、時間ばかり掛かり、しかも間違った答えも多い。
8+3=11という足し算の場合、8と2を足せば10になり、3は2と1からなっていると言うことを考え、答えは11になるという順序で教わっているようだ。

大人の場合や、すでに何も考えずにこの足し算をこなすようになった子どもにはなかなか理解できないことかも知れないが、この計算の過程は、最初にこの問題にぶつかった子どもにはずいぶん大きな新しい概念が含まれているようだ。

まずなぜ3をわざわざ2と1に分割しなくてはいけないのかが理解できない。8と足して10になる数にしなくてはいけないからといっても、それはこの段階を通過してきた者が言える理屈で、最初にこれに出合った子どもにとっては訳の分からない理屈だろう。

1,2,3・・・9と数えていって次は10になり、その次にまた11,12・・・・となることはたんに数を数えるという点では、それ程難しいことではないだろうが、それが8と2をあわせると10になり、それに1加わると11になるという考え方は、最初にこれに直面する子どもにとって、相当に難しい概念なのだろう。

J君の場合も今この過程を通過している真っ最中のようだ。こんなときは大人に対するように理屈で教えても、それを理解して新しい概念を形成するということは、大変に難しいことだろう。
繰り返しの作業のなかから、自分の頭の中に自身で新しい概念を創り出し、植え込まなくてはいけない。
先ず機械的に、何度も何度も繰り返すようにすることが大切だ。

そんなことで、まず10になる数の組み合わせ(足し算)を徹底的にやってみた。
7+□=10、4+□=10と、足して10になる数の足し算を何回もやらせた。

次に8+3=10の場合の、3を2と1に分割するような考え方を計算上繰り返えした。

そんなことで50分は瞬く間に過ぎていった。しかしその間、彼がすべて集中してこの問題に挑戦していたわけでなく、散漫な時間の過ごし方をすることも多々あった。一年生だから無理もない。
この繰り上がりの足し算を、繰り返し練習することが必要だろう。

この問題は何も外国人だからと言うことではなく、日本人の子どももまったく同じことだろう。
4年生、5年生になっても両手の指を使って足し算をしている子どもを少しでも少なくしたいものだ。


コメント (1)
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