遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

トモダチ作戦 (その2)

2011-03-28 22:06:30 | 東日本大震災

 米軍の「トモダチ作戦」は、報道されることが少ないのですが、大規模にいまだに継続されています。
 数少ない報道から、作戦の内容をしっかり憶えておくために、書き留めておきたいと思います。
 未だ初期の段階で、周りが水没し孤島のようになった仙台空港が、ある日突然自衛隊機、米軍機で満たされました。孤立していた大島で、住民が孤立し放置されていると嘆いていましたが、突然電源車が届けられ、島に電気が流れました。これらはすべて「トモダチ作戦」によるもので、自衛隊など日本単独でこれほど素早くは出来ないものでした。
 

【東日本大震災】米軍精鋭部隊パラシュート降下 がれきの空港を復旧 - MSN産経ニュース

 日本側はお手上げだった。だからノウハウを持ったわれわれが最初に復旧を手がけることにした
 米空軍のブッカー大尉は24日付米軍準機関紙「星条旗新聞」でこう語った。大尉が所属する嘉手納基地(沖縄県嘉手納町など)の第320特殊戦術飛行中隊は16日、パラシュートで空挺隊員と装甲車ハンビーを宮城県松島町上空付近から空中投下した。
 目標は仙台空港。津波によって泥とがれきに埋もれて復旧のめどが全く立っていなかった。同中隊が空から降下したのは空港にいち早く陸路で入り、再開作業を始めるためだ。夜間や悪天候をついてひそかに敵の背後にパラシュート降下するのを得意とし、アフガニスタン戦争も経験した精鋭部隊の本領発揮だった。
 原子力空母ロナルド・レーガンも救援活動のため三陸沖に展開中だ。だが、いかに空母といえども大型輸送機は離着陸できない。物資の大量輸送を可能にする空港の重要性を熟知した上での判断があった。
 空港で米軍は自衛隊員らとともにがれきの撤去にとりかかり、3時間で大型輸送機C130が着陸できる長さ1500メートルの滑走路が完成。20日には、C130の3倍の積載量を誇る米空軍の大型輸送機C17が約40トンの人道支援物資を積んでアラスカから到着した。

<中略>

 
放射能汚染を回避しながら、戦地同様の思い切った作戦を展開する米軍。原発事故では、放射能被害管理の専門部隊450人の派遣準備に入った。原子炉を冷却する真水を積んだ米軍2隻目のバージ(はしけ)船も26日午後、米軍横須賀基地を出港した。
 米政府は持てる能力を日本側にフルに提供する姿勢を見せている。それを後押ししているのは、最高司令官のオバマ大統領だ。

 対応は素早かった。

<中略>

 世界各国で突出した米国の日本支援は、むろん人道的な側面だけではない。東アジア地域で、自由と民主主義という共通の価値観を持つ日本の復活が、地域の平和と安定に不可欠との認識がある。オバマ大統領が震災後、何度も日米同盟を強調するのはその証左だ。
<中略>

 
米軍と自衛隊が一体となった救援活動を「有事で日米が同盟力をいかに発揮するのか、国際社会が注視している」(陸自幹部)のも事実だ。日本が米国の同盟国として汗を流した実績も米国を突き動かしている。
 アフガン戦争ではインド洋で補給活動をし、イラク戦争では、どの国よりも早く「支持」を表明し、自衛隊をイラクに派遣。このとき、小泉純一郎首相(当時)はくしくも「有事に頼れるのは米国だけだから支持する」と語っている。
 元国防次官補のジョセフ・ナイ米ハーバード大特別功労教授は「友人である同盟国日本への心配と、悲劇から立ち上がる日本人の力をたたえる気持ちから米国は支援している」と語った。(ワシントン 佐々木類)

 報道各社で、度々中継ヘリで映しだされる仙台空港は、仙台空港アクセス鉄道も道路も水没して孤島の様で、人々も閉じ込められどうなることかと、空港の使用どころか人々の食糧などの物資や救援が案じられました。が、ある日突然、自衛隊や米軍機が沢山とまっていて、活動をしている光景が映し出されました。
 ある局の報道番組の女子アナは、軍用機ばかりいることに不満そうな口ぶりでその状況を説明していました。東京のスタジオでぬくぬくとして危機意識の全く欠ける姿勢でした。

 米軍は、全体を俯瞰し、効果が大きい優先度は何かを判断し、即断即決で動き、大型輸送機で救援物資輸送の中継基地を構築したのでした。
 別稿で書きましたが、逆に、ヘリの目視で捜索して、連絡が取れず孤立している避難所や人々を探しだしては、細かく物資を届けることもやっています。
 離島で支援がとどこうりがちだった大島には、日本のヘリ空母「ひゅうが」と連携して作戦展開中の、強襲揚陸艦「エセックス」のLCU(汎用上陸艇)が、東北電力の電源車を届けてくれています。
 
河北新報 東北のニュース/電灯、笑顔照らす 大島16日ぶり通電

 東北電力は27日、宮城県気仙沼市の離島・大島に電源車を配備し、大島小、中学校への通電を開始した。避難場所の大島小体育館にも震災発生以来、16日ぶりで、いつも通りの明るい電灯がともり、避難者に安心の笑顔が戻った。
 大島航路のカーフェリーが津波被害で運航できないため、電源車の搬送には米軍の上陸用艦艇が協力。同市港町の岸壁から高圧応急用電源車1台と震災復旧に使う高所作業車2台、建柱車1台、作業員9人を乗せて出発し、2時間かけて大島の小田の浜に到着した。
 大島小、中学校近くの空き地で、作業員が電源車と電線を接続する作業を行い、正午すぎに通電を開始した。
 大島小の避難所は、これまで島内の建設会社が提供した発電機を電源に急場をしのいでおり、夜間は入り口に1灯、体育館の天井の2灯の照明しかついていなかった。この日から玄関や廊下、ステージの蛍光灯も点灯できるようになった。
 大島小4年の菊田淳哉君(10)は「避難所が明るくなってひと安心」と喜んだ。主婦の菅原桂子さん(36)も「トイレまでの廊下が暗く、子どもたちは明るいうちに済ませていた。蛍光灯の明かりを見てほっとした」と話した。
 ただ、島全体への通電、断水復旧の見通しは立っていない。避難生活を送る白幡陽一さん(71)は「みんなの協力で食事や支援物資は何とかなっている」と語るが、妻の昌子さん(69)や、白幡さんの隣人の村上文子さん(79)ら女性たちは「洗濯や入浴もしたい。早く水道も復旧してほしい」と願っていた。
(小野寺司)

 各紙が「トモダチ作戦」の米軍機などへの同行記事が報じられるようになってきました。
 避難所に物資を運ぶ兵士も、艦船で応対する将校も、みな口をそろえていうのは、「同盟国の日本を支援することは誇りに思う」「復興に向け支援は継続する」です。
 規模といい、種類といい、本腰のいれかたといい、この恩は決して忘れられないでしょう。

 
【主張】日米トモダチ作戦 経験を同盟深化に生かせ - MSN産経ニュース

 原子力安全委員長(=日本の原子力の最高権威)の斑目氏は福島原発の現状を、「想像よりも、どんどん先にいっちゃっている」と、ギブアップ発言しています。この際、斑目氏ではなく、米国の知恵を借りて対処するべき段階を迎えている(炉心の高レベルの放射性物質を含んだ水が大量に流出)ように考えますが、いかがでしょう?


 # 冒頭の写真は、「強襲揚陸艦エセックス」です。





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写真素材 PIXTA


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