遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

8年5か月ぶり 中国外相来日

2018-04-16 23:58:58 | 中国 全般
 中国の王毅国務委員兼外相が15日に来日、河野外相と会談し、日中外相の相互往来が9年ぶりに実現、7年8か月ぶりに「日中ハイレベル経済対話」が、16日に開かれました。
 「日中ハイレベル経済対話」は、長らく再開を求める日本に対し、中国が応じてこなかったが、今回は中国が開催を逆提案したのだそうです。
 
日中関係改善へ弾み 外相会談 首脳往来に進展期待 (4/16 読売)

 河野外相は15日、中国の王毅国務委員兼外相との会談で、全面的な関係改善を進めることを確認し、安倍首相が目指す首脳相互往来の実現に弾みをつけた。ただ、沖縄県の尖閣諸島を巡る問題など火種は残っており、対北朝鮮政策でも圧力維持を唱える日本と対話を優先する中国の隔たりは大きい。 (政治部 酒井圭吾、中国総局 東慶一郎)

■歩み寄り
 「
日中外相の相互往来が9年ぶりに実現した。日中関係改善の大きな一歩と受け止めたい」
 
河野氏は会談冒頭、今年1月の自らの訪中と合わせた「相互往来」が久々に実現したことの意義を強調した。王氏は仏頂面を崩さなかったが、「日本は対中関係で前向きなメッセージを発し、友好姿勢を示してきた。双方の歩み寄りを通じ、両国関係には改善の勢いがあらわれた」と述べるなど、前向きな発言が目立った。
 王氏は2004年から07年まで
駐日大使を務めるなど知日派として知られるが、日本への厳しい姿勢が目立っていた。今回の来日は、日中関係の雪解けを印象付けるものだ。日中関係筋によると、王氏が3月に副首相級の国務委員兼任に昇格すると、すぐに来日が決まったという。国際会議や日中韓外相会談を除くと、中国外相の来日は09年11月以来、8年5か月ぶりとなる。
 16日に開く「日中ハイレベル経済対話」も7年8か月ぶりだ。長らく再開を求める日本に対し、中国が応じてこなかったが、
今回は中国が開催を逆提案した。

■経済協力
 日本政府は関係改善を確実にするため、安倍首相と習近平国家主席の相互往来を目指している。5月上旬の日中韓首脳会談に伴う李克強首相の初来日を布石とした上で、首相は年内に訪中し、習氏の早期来日に道筋をっけたい考えだ。9月に自民党総裁選を控え、「対中外交で政権浮揚を図る」(首相周辺)との狙いもある。
 
日本政府は、北朝鮮問題での速携や東シナ海での対立緩和、さらには経済関係強化を期待している。経済界には中国の巨大経済圏構想「一帯一路」を商機ととらえる向きも多い
 一方、
中国側の日中関係改善への意欲も強まっている。貿易問題で米中関係がぎくしゃくする中、「日本とまで事を構えたくない」(日中関係筋)との事情があるとみられる。習氏が「一極体制」を確立し、対日関係改善に踏み込んでも国内で批判を浴びるリスクが減ったことも背景にありそうだ。
 王氏は会談終了後、「ハイレベルの接触を含むお互いの努力を通じて、(関係改善の)勢いを保てば、中日関係を真に正常な軌道に戻すだけではなく、新たな将来図を切り開ける」と述べた。

■消えぬ火種
 尖閣諸島を巡る対立や歴史認識での隔たりなど、日中間には解決の糸口が見えない問題も多く横たわる。
王氏は15日の会談で「(日中は)一部、複雑で敏感な事情にも直面している」とクギを刺した
 日中両政府は李氏来日の際、自衛隊と中国軍の不測の衝突を防ぐ「海空連絡メカニズム」の運用開始で合意する方向だ。日本外務省幹部は「関係改善を象徴する進展」と評価するが、
中国は尖閣諸島や海洋権益の主張を後退させたわけではなく、火種は残ったままだ。
 
日本政府は、過去に中国が繰り返してきた「反日力ード」を切ることをなお懸念しており、「一帯一路」についても中国の覇権主義が強まることを危惧している。中国側も、日本の掲げる「自由で開かれたインド太平洋戦略」が対中包囲網になることを警戒している。

対北政策隔たり 圧力維持か 対話優先か

<中略>
 
中国としては、4月27日の南北首脳会談や6月初旬までに行われる予定の米朝首脳会談を前に、朝鮮半島問題で影響力を示したい考えだ。日中関係筋は「中国は北朝鮮の核問題についての6か国協議の再開を模索している」と指摘する。6か国協議は中国が議長国として調整役を果たした枠組みで、日本政府は「北朝鮮の時間稼ぎにつながる」(外務省幹部)と懐疑的だが、中国外務省は「朝鮮半島問題解決のための重要なプラットフォーム」との立場だ。
 
中国は6か国協議を通じ北朝鮮の非核化と同時に、自国の安全保障上の脅威となる在韓米軍のプレゼンス(存在)低下を図る思惑がある。短・中距離弾道ミサイルの脅威にさらされている日本とはアプローチが異なる。
 河野氏が3月末に北朝鮮の核開発が継続されていると発言したことについて、中国外務省の報道官は「皆が努力をしている時に足を引っ張るな」と批判した。
 
日本政府関係者は「今後、北朝鮮との対話が進展する過程で、日中間の溝がさらに際立ってくる可能性もある」と指摘する。

 河野氏は会談冒頭、今年1月の自らの訪中と合わせた「相互往来」が久々に実現したことの意義を強調し、王氏は仏頂面を崩さなかったが、「双方の歩み寄りを通じ、両国関係には改善の勢いがあらわれた」と述べるなど、前向きな発言が目立ったとのこと。
 王氏が3月に副首相級の国務委員兼任に昇格すると、すぐに来日が決まったとのことですが、中国の外交は、王岐山副主席が筆頭に登用され、政治局委員の楊潔篪氏、王毅国務委員兼外相の体制となりました。
 中国の対日姿勢が豹変? - 遊爺雑記帳

 そして、王岐山国家副主席が「対米摩擦激化をにらみ日本との早期接触を指示した」と言われています。

 何故中国が対日外交姿勢を180度変えたのか。
 記事では、貿易問題で米中関係がぎくしゃくする中、「日本とまで事を構えたくない」。習氏が「一極体制」を確立し、対日関係改善に踏み込んでも国内で批判を浴びるリスクが減ったことをあげています。
 日本が再開を求め続けた「日中ハイレベル経済対話」を、中国側から提案する変わり様には驚きです。
 トランプ大統領の、貿易赤字解消での鉄鋼やアルミの関税課税増では、同盟国の日本も中国同様に対象とされたのので、そこを突いて日米離反を画して日本接近策に転じたのでしょうか。
 それもありますが、「一帯一路」と「AIIB」の伸び悩みではないかと素人推察するのですが、いかがでしょう。
 その後どうなった「AIIB」? 中国主導の「AIIB」に日本が参加しない理由

 「AIIB」の格付けが暫くなされませんでしたが、昨年6月にムーディーズが最高位の格付けを発表しました。しかし、その後他社が続いたという話は聞きません。
 
 アジアの新興経済は成長を維持するには今後10年間でインフラ投資を最大26兆ドル(約2930兆円)必要としています。あまりにも莫大な金額であり、ADBとAIIBを足しても全く足りない規模の需要で、両者は対立する必要はなく、後発でノウハウの乏しい「AIIB」は「ADB」の支援を必要としているし、現実に「ADB」のおこぼれの案件を受注している。
 「一帯一路」でも、日本政府は、一部中国と協調しはじめているといった状況が見られます。
 つまり、中国経済のバブル崩壊対策でもある習近平の「一帯一路」政策の成功には、日本の協力が必要と、習近平が気づいた。
 (トランプ大統領も、「一帯一路」と対抗するには、「TPP」が適当と気づき始めた様ですか。。)

 そこで、習近平、王岐山コンビが、経済面での日本接近に転じたと考えるのですかどうでしょう。政経分離という関係がその昔、日中間で成立していたことがありました。

 記事が指摘している様に、東シナ海、尖閣諸島での中国の軍事力での侵略はエスカレートを続けています。
 そのなかで、昔の様に政経分離が成立可能なのか。「一帯一路」と、「自由で開かれたインド太平洋戦略」あるいは、「CPTPP(TPP11)」との関係はどう展開するのか。要注目です。



 # 冒頭の画像は、河野外務大臣と王毅国務委員兼外相




  稲木干し


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