遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

露のクリミア併合で米中が急接近

2014-03-19 23:52:37 | ロシア全般
 プーチン大統領は、クリミア自治共和国の併合に向けまっしぐらに突き進んでいますね。ウクライナのヤヌコビッチ大統領が親欧路線を転換したことに反発した野党勢力や市民が大規模な反政権デモにより国外に脱出する事態が勃発し、セバストポリを護るだけでなく、クリミア自治共和国の併合までも達成しようとしているのですね。
 更に、ウクライナ東部または、ウクライナ全土を併呑しようとしているのかとの懸念も払拭はされていません。
 米国とEUの国々はロシアの孤立化を目指して動いていますが、そこで、日本と中国の動向がロシアにとっても欧米にとっても重要となりますが、安倍政権がG7との同調を示す中、中国の動向がクローズアップされてきています。
 米露間でこの機を利用して存在感を強めようとしているとも、民族自決には課題を抱えていて自国への波及を恐れているとともとれる中国ですが、米国が急接近しているという記事があります。
 外交で失点を重ねるオバマ政権。中国の罠にはまりかねない危険をはらんだ行動です。

 
時事ドットコム:核サミット中に米中首脳会談=ウクライナで協力要請へ
 核安全保障サミットで中米首脳会談_中国網_日本語
 
露 クリミア併合 米、対中連携強化か 日米分断の危険性も (3/19 産経)

 【ワシントン=青木伸行】ロシアがウクライナ南部クリミア自治共和国の併合を決めたことで、オバマ米政権は今後の重要な対露戦略のひとつとして、中国の協力を取り付けるため対中関与を強めていくとみられる。ただ、その過程でオバマ政権が、中国の主張する「新型大国関係」に強く傾斜すれば、日米分断を含む「中国の罠(わな)」にはまる危険性を強く内包
してもいる。
 ウクライナ情勢に対し、中国はこれまで「中立」という微妙なスタンスをとっている。

 中国にとりロシアは「重要な戦略パートナー」である一方、ウイグル、チベット族による民族問題を国内に抱えている。「領土的一体性」を損なうクリミアの分離と独立、さらにはロシアへの編入を支持すれば、
中国国内の分離・独立運動に波及
しかねないためだ。
 このため習近平国家主席はこれまで、プーチン大統領との度重なる電話会談で、ロシアの軍事介入への支持を与えず、「政治的な解決」を主張。同時に、
オバマ大統領との電話会談では、主権と領土の一体性の原則を支持することで一致する一方、対露制裁には同調しない姿勢
を示した。また、国連安全保障理事会でのクリミア住民投票を無効とする決議案の採決に際しては、棄権に回った。
 これに対し、オバマ政権は当初から、ウクライナ情勢の対応における「中露接近」を警戒してきた。政権にとっては今後、中国に少なくとも「中立」の立場を維持させ、願わくば、ロシアのいっそうの孤立化を図るうえで、中国を引き寄せたいとの思惑がある。
 このためオバマ大統領は24、25両日にオランダ・ハーグで開かれる核安全保障サミットに出席する際、習主席と会談し、今後の対応への協力を取り付けたい考えだ。
 だが、「
中国は『中立』の立場を巧妙に利用し、米国を『新型大国関係』に傾斜させるという『漁夫の利』を狙っている
」(外交筋)との見方もある。
 オバマ政権は北朝鮮問題で中国の協力を引き続き必要としているうえ、これにウクライナ情勢が加わり、政権を「新型大国関係」へと後押しする力学が働く可能性は高い。
 また、ロシアが一方的にクリミア併合を決めた事実を利用し、中国が東・南シナ海などにおける自身の領土・領有権の“拡張主義”を、正当化しようと考える恐れもある。


 近年、対立色を強める米露関係。そのなかで、中国の覇権拡大に懸念を持ち始めているロシアと、パンダハガーの増大をはらむオバマ政権といった傾向はありました。

 余談ですが、日中関係は疎遠になる一方で、安倍政権はロシアとの接近を図っていました。日米関係も、靖国参拝や慰安婦問題に観られる様に、中韓のプロパガンダに米国が侵される傾向がみられています。

 シリアの化学兵器問題で揺れて維新失墜が明らかとなったオバマ政権。今回のロシア孤立化作戦では、リーダーシップが問われています。
 そこで、ロシアとの間に一線を引いて中立というか、揺れる姿勢を示している中国を自陣にひきこむとまでは行かないにしても、中立の立場を維持するよう"要請"(お願いに近い?)しようというのがオバマ政権の思惑。

 一方の中国は、内包する民族問題への影響懸念から、ロシアとの連携を強く取れない苦境を、逆に利用して、態度を不鮮明にすることで、米国とロシアの両方から関心を買い存在感を強める戦術の様です。
 外交手腕を疑問視される習近平ですが、今回は強かに動いている様子です。

 オバマ政権が、中国の作戦にはまって、G2路線の推進に走らないことを願うばかりです。

 蛇足です。
 北方領土問題で、交渉再開の兆が見え始めていたものが霧散するとの見方に対し、逆に好転する可能性を指摘する声もありますね。
 クリミアで強権を発動したイメージを回復するために、日本との領土問題で柔軟な姿勢を示すのではという、希望的観測ですが、どうでしょう。



 # 冒頭の画像は、「ウクライナを助けて」とアピールする首都キエフの市民



  この花の名前は、ミズギク   撮影場所;六甲高山植物園 (2013年 9月 撮影)


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ソ連が満洲に侵攻した夏 (文春文庫)




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2 コメント

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たいへん、 (ゆたか)
2014-05-25 01:16:12
たいへん、勉強になりました。

まだまだ予測が甘かったです。(自分の認識が)


まさか、ロシアと中国が接近すると予測してませんでした-~-)

ロ・中は利害の一致する事が多そうで(民族問題)協調してきそうですね--;

『アメリカやりすぎだろ!
(てめぇがしゃしゃり出てくんなっ!)』と自分は思ってましたが((アメリカ大嫌いなんで(笑))
その影響、ひずみが生じてきた感じですかね。。。

なんか、追い詰められてた以前の日本を見るようでいたたまれないです。

『追い込むのはよくない』
その認識はアメリカにはないんでしょうかね??

なぜアメリカが口出ししてくるのか理解できないです。世界を自分のモノにしとるつもりか!調子のんな!!
と自分は思ってます←
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アメリカ大嫌 (遊爺)
2014-05-25 21:04:13
ゆたかさん、はじめまして。

 中露は、くっついたり離れたりを繰り返していますね。
 ロシアが帝国時代に世界一の武力を誇っていた頃の清国との関係。米ソの二大国の冷戦時代。そして、中国が台頭し経済力が逆転した今日。その間、日清、日露戦争、冷戦時代と、日本や米国を共通の敵とする時には接近し、相互の国益が衝突するときは、劣勢な方が日本や米国に接近し敵対いるといった流れでしたね。
 今回は、ロシアがウクライナの件で国際的に孤立し、中国が中立に近い姿勢を示したので、中国に接近せざるをえなくなったのですね。
 欧州で脱露依存エネルギーが進みその売り先確保が死活的に重要で、平行線だったガスの価格を中国の要望に合わせて値下げして契約させられましたね。
 接近しても、同床異夢といったところで、プライドの高いプーチンは、機を観て逆転を企てるのではないでしょうか。

> アメリカ大嫌いなんで(笑)

 遊爺は、中国とロシアと南北朝鮮が、個人的な知り合いはいい人ばかりですが、国の政策としては大嫌いです。(^_-) 。
 一寸、多すぎですね。(^_^;
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