遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

中国株暴落が原因の世界的株価下落が今週発生。何故今頃?

2015-08-22 23:58:58 | 中国 全般
 今週に入って、全世界で株価が下落していて、原因は中国株の暴落と報じられています。しかし、上海総合株価指数の推移は、昨年の6月は2,048で、今年の6月12日の高値は、5,178(終値=5,166)となり、2.5倍を超えていました。これが、7月9日には、3,374(最安値、終値=37,09)にまで一気に下がってしまったのでした。中国政府のなりふりかまわない株価維持対策で、一旦歯止めがかかって、小康状態を維持していました。2,048が、3,374なら暴落とは言えないとの説もあります。
 勿論、強引な政府の介入・維持対策は資金に限界があるので長期に継続は困難で、株価下落の原因が解消されない限り、戻らないのは、衆目が一致するところです。
 では、7月初旬の中国株の下落の原因は何だったのか、今回の全世界の株価下落に影響を及ぼしたのは、そのうちのどれかと関係があるのかを知る為に、再度7月初旬の下落の原因を探ってみました。すると、新たな情報として、今の中国の、主な不安要因の一つである、政局争いを指摘している見解がみつかりました。

 
世界の株式、全面安の展開 世界景気不安で売り広がる :日本経済新聞
 
中国震源 市場揺るがす 株2万円割れ 「世界同時不況」に警戒 (8/22 読売朝刊)

 中国を震源とする世界経済の先行き懸念が、市場を揺るがしている。世界第2位の経済規模の中国が失速すれば、主要国から中国向けの輸出が減るだけでなく、アジアの新興国にも影響が及ぶからだ。世界の投資家は急速にリスク回避に動き、日本だけでなく欧米市場でも大幅な株安が進んだ


独、仏、米も
 「
中国発、世界同時株安という様相を呈している」。甘利経済再生相は21日の記者会見で警戒感をあらわにした。同時に「中国政府は、中国が原因となる世界同時不況にならないように、万全の政策対応を取ると思う」と、中国当局による経済対策を促した

 市場への影響は、世界に及んだ。20日のドイツやフランス、米国市場ではいずれも株価が2%以上値下がりした。この流れが東京市場にも波及し、21日の日経平均株価は約3か月半ぶりの安値をつけた。アジアの主要な株価指数も軒並み下げた。
 「震源」の
上海市場では、この日発表された製造業に関する指標が予想を下回り、上海総合指数が前日終値比4・3%安の3507・74ポイントと、約1か月半ぶりの安値
で取引を終えた。
 この日も
中国政府による株価下支えの市場介入があったとみられるが、株安の流れを止められなかった

 投資家の不安心理は高まっており、21日の欧米市場でも主要株価指数は続落して始まった。外国為替市場では、比較的安全な資産とされる円が買われ、1ドル=122円台まで円高・ドル安が進んだ。

元切り下げ
 現在の株安・円高は、中国人民銀行(中央銀行)が今月、通貨・人民元の売買の指標となる対ドルレートの「基準値」を、大幅に切り下げたことがきっかけだ。中国の輸出を増やすためのテコ入れ策とみられるが、「
切り下げをしなければならないほど中国景気は悪いのかという懸念が広がった
」(大手証券)。
 人民元の切り下げについても「本当に効果があるかどうか、見極め切れていない」(三井住友アセットマネジメントの石山仁氏)との声も上がる。
天津市で起きた爆発事故も収束のメドが見えないため、日本企業などへの影響がどこまで広がるかも不透明なままだ。
<中略>

NY株 一時300ドル超下げ
 【ニューヨーク=越前谷知子】21日のニューヨーク株式市場で、ダウ平均株価(30種)は午前11時35分(日本時間22日午前0時35分)現在、前日終値比323・53ドル安の1万6667・16ドルの大幅安で取引されている。
中国で発表された経済指標が悪化するなど、世界経済の先行き不透明感の強まりから、幅広い銘柄が売られている

 ハイテク株の比率が高いナスダック店頭市場の総合指数は、同108・75ポイント安の4768・74で取引されている。


 これまでに、株価下落や、人民元切り下げの原因として挙げられていたのは、不動産バブル崩壊、シャドーバンキングや理財商品といった不良債権拡大に金融バブルの崩壊、その対策のひとつの官制株式バブルの崩壊。輸出の減少、海外からの投資減少といった、実質経済成長の低迷に反するギャップに伴うバブルの崩壊懸念でした。

 中国はギリシャよりもはるかに脅威 - 遊爺雑記帳
 人民元の対米ドルの基準値 2日連続大幅下げ - 遊爺雑記帳

 新たに指摘されているチャイナリスクとして挙げられている、政局争いによる混乱とは以下。
 

中国の株価乱高下は権力闘争なのか?:日経ビジネスオンライン 福島 香織 2015年7月8日(水)

<前略>
 
習近平政権の鉄板に見えた株高誘導政策がなぜ急に、破たんしたのか。

暴落の背景に、習 VS 江?
 
一般に言われているのは、「ギリシャ危機の影響」「実態経済を反映していない官製誘導の中国株バブルはいずれはじける運命」「外国の著名投資家が空売りを推奨した」など
だ。
 ここで、いかにも
チャイナ・ゴシップ的な一つの噂を紹介しよう。今回の株価暴落の背後には習近平と江沢民派の権力闘争
があるという説である。

 ネタ元が香港蘋果日報なので、注意しつつ読んでほしい。5月28日の株価暴落は、
中国国有投資会社・中央滙金が2008年以来保持していた四大銀行株を35億元分売ったことが一つのきっかけ
と言われている。5月29日、中央滙金の取締役社長の解植春の解任が発表されたため、いろいろと憶測が飛んだ。解植春自身はすでに2月に辞意を伝えており、ようやく承認されたので、株価暴落とは関係ない、と説明していたが。
 この中央?金は中国投資有限公司(中投)の傘下企業であるが、中投は
江沢民ファミリーと非常に密接
な関係があると言われている。中投は2007年9月に国の外貨準備を多元的に投資する目的で作られた国有企業だが、この設立に関わったのが、2003年から05年にかけて外貨準備管理局長だった江沢民の長男・江綿恒だったという。ついでにいえば、江綿恒の息子の江志成は、ハーバード大学卒業後、ゴールドマンサックスに入社し、投資手腕を磨いたのち、投資会社・博裕資本を創業したが、これには世界最大の投資ファンド運用会社・ブラックストーングループの出資があった。ちなみに、ブラックストーンが2007年に上場した際は、中投から30億ドルの投資を受けている。この時の中投が取得したブラックストーン株はこの7年間、年利にして4.38%の収益を上げた。
 
5月28日の暴落をきっかけに、外国機関投資家の上海市場撤退が相次いだ。
6月の第3週目に21億ドル相当の資金が引き揚げられ、その前の週には71億ドル相当が引き揚げられたと、オーストラリア・ニュージランド銀行がリポートしている。
<中略>

割を食うのはいつも普通の人民
 呉稼祥のつぶやきは、ネットでかなり論議の的となった。あるネットユーザーは、呉稼祥に「すでに単純な株式市場の問題ではなく、背後に激烈な政治の博打的な駆け引きがある!目的は改革のプロセスの扼殺だ」と述べていた。呉稼祥は「
中国最大の敵は、内鬼(獅子身中の虫)である」と語り、これに呼応したネットユーザーは「それは絶対にガマガエルと慶親王
だ」と答えていた。ガマガエルは江沢民、慶親王は曾慶紅を意味する隠語である。
 
証券監督管理委員会は、2日、現在の株価暴落に市場操作の疑いがあるとして調査を始めると発表
している。ターゲットは?金だというもっぱらの噂だ。

 中国株式市場の乱高下が、果たして江沢民派の習近平政権への反撃なのか、私には今のところ自信をもって言える根拠はない。ただ、これが社会不安につながり、すでに地を這うような中国経済にさらなるとどめをさすことになると、2017年の党大会に向けた習近平の権力基盤強化にも影響が出てくるだろう。そして習近平の株高誘導政策に結果的に踊らされた普通の個人投資家たちには、全財産を失い、借金まで抱えて、自暴自棄になり、自殺に走る人たちもいるそうだ。権力闘争で割を食うのは、いつでも、普通の人民なのである。


 もうひとつ。
 

天津大爆発でさらに強まる原油価格の下押し圧力 米国では大型シェール企業の倒産が秒読み 藤 和彦 2015.08.21

<前略>
中国経済に関するリスクは異次元の段階に?
 さて、爆発の起きた倉庫には40種類以上の危険化学物資が3000トン保管されていることが判明し、倉庫を保管する企業と、杜撰な危険物管理を見逃した地元当局の癒着疑惑が浮上している。しかし直接の事故原因は依然不明のままである。
 8月14日付の米華字ニュースサイト「博訊網」は、「
起爆装置を仕掛けたトラックが危険物倉庫を発火・爆発させた」としている。さらに、「爆発が起きた倉庫を有する『瑞海国際物流有限公司』の実質的な責任者は中国共産党・序列7位の張高麗副首相の親戚で、軍部にも密接な関係を持っている」と伝えている。張高麗副首相は江沢民の強い推薦で党中央政治局常務委員に選出された
と言われており、直前の5年間は天津市のトップを務めていた。

 また 8月18日付ニュースサイト「
大紀元」は、「今回の爆発事故が江沢民派によるもの
との報告を受けた習近平国家主席は、一時的に江沢民と息子の身柄を押さえ、同時に江沢民グループの中心人物である曾慶紅・元国家副主席を自宅に軟禁した」と報じている。さらに8月19日付大紀元は「党中央規律検査委員会の取り調べを受けている国家安全生産監督管理層局のトップ楊棟梁氏は張高麗副首相と親密な関係があり、楊氏の失脚で天津の政界で激震が起きる」とも報じている。

 
これらの報道の真偽は定かではない。だが、中国では例年、爆発事故が起きた時期に、中国共産党の重要会議「北戴河会議」が開かれる
。爆発と会議の開催になんらかの関連があることは間違いないと見られている。
 北戴河会議では、党中央政治局常務委員に加えて長老(江沢民もメンバーの1人)たちも発言権があるとされている。
反腐敗闘争に抵抗する江沢民派が攻勢に転じる絶好の機会
となることから、江沢民潰しに本気になっている習近平主席が今年は北戴河会議の開催を見送った。そこで、「反撃の機会を失った江沢民一派が死に物狂いの抵抗をするのではないか」という噂が中国国内で流れていたのだ。
 いずれにせよ、今回の爆発事故は、9月3日に北京で抗日戦争戦勝70周年記念軍事パレードを挙行しようとしていた
習主席にとって大打撃
となったのは確実である。

 中国経済は、8月10日の週の人民元切り下げ措置の悪影響が尾を引いている。8月17日にゴールドマンサックスが「人民元は今後1年間に1ドル=6.60元にまで下落する(現在は1ドル=約6.4元)」との見方を示したように、多くの投資家も「
人民銀行が人民元の下支えで介入することに伴い、同国の外貨準備高は月間約400億ドルのペースで減少する
」と見込んでいる(8月18日付ブルームバーグ)。
 人民銀行は資本流出を懸念して人民元の下支えに必死だが、「人民元のさらなる下落に備える機関投資家は『今は売れ、考えるのは後でいい』とばかりに
人民元資産の投げ売りを行いつつある」(8月18日付フィナンシャルタイムズ
)。
 おまけに今回の爆発事故である。中国メデイアは「爆発事故を契機に、中国の人件費や生産コスト高騰に悩まされていた日本企業が中国から撤退する可能性がある」と報じ始めている。18日の上海株式市場は、
今回の爆発事故の影響で国有企業など優良株の売りが売りを呼ぶ展開となり、6%超の暴落
となった。
 
中国経済に対する見方が冷え込んでいる上に、国内で「天安門事件」以来の大権力闘争が起きているとなれば、中国経済に関するリスクは異次元のものになる。
<後略>

 経済上の原因の他に、政局の権力争いによる社会不安がリスクとして存在するというのですね。
 真偽のほどは判らないが、噂が流れることで、社会不安は生まれるし、投資リスクが増すということですね。
 江沢民・上海閥に、胡錦濤・共青団派を加えた習近平・太子党との三派の主導権争いは、2017年に、党政治局常務委員7人の内、習近平と李克強以外の5人が定年となり改選されることから、今後、椅子取りゲームが激しくなっていきます。
 汚職追放を錦の御旗に掲げ、政敵を駆逐し政治基盤を固めつつある習近平ですが、泣き所の経済低迷、バブル崩壊懸念を抱えています。
 三派の争いが、低迷する経済を更に悪化させる不安要因となりつつあり、それが世界経済に悪影響を及ぼしかねない。そんな時勢が垣間見えます。





  この花の名前は、クサイチゴ


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