遊爺雑記帳

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攻勢に出る戦力がなくなったロシア軍、11月までに火砲使い尽くす?

2022-08-30 01:33:55 | ウクライナ全般
 ロシア軍がウクライナに侵攻して、約6か月が経過。
 侵攻当初は主に戦車・装甲車と対戦車兵器の戦い、これらを支援する砲・戦闘機などによる攻撃が行われた。
 その後、次第に戦車・装甲車・戦闘機の損失が大きくなり、これらに代わって対砲兵戦と無人機による攻撃が増してきた。
 対砲兵戦に優れるウクライナが勝ち目を見出しているようだ。とはいえ、その数は少なく、大きな戦果を得るまでは至っていない。
 自衛隊幹部学校戦略教官室副室長等を経て、軍事・情報戦略研究所長の西村氏が、半年間の攻防の総括をしていただいています。
 時代(=兵器)の変化が実戦に変化を産み、米国等の新兵器やドローン、衛星情報の先端技術に先行しているウクライナが、圧倒的な軍事力で圧勝と観られていたロシアに対し、善戦しているのですね。
 
攻勢に出る戦力がなくなったロシア軍、11月までに火砲使い尽くす? 各種兵器の損耗率から見えてきたロシア軍の実態と戦況分析 | JBpress (ジェイビープレス) 2022.8.26(金) 西村 金一 軍事・情報戦略研究所長(軍事アナリスト)

1.侵攻から半年間、両軍の戦い方の変化
 
ロシア軍がウクライナに侵攻して、約6か月が過ぎた

 
この間の両軍の戦いを概観すると、侵攻当初主に戦車・装甲車と対戦車兵器の戦い、これらを支援する砲・戦闘機などによる攻撃が行われた。

 
その後、次第に戦車・装甲車・戦闘機の損失が大きくなり、これらに代わって対砲兵戦と無人機による攻撃が増してきた

 つまり、侵攻当初は敵を目視で確認しつつ射撃する最前線での戦い(近接戦闘)次に、最前線から10キロ以上も離れたところから射撃する砲兵戦の戦い、さらに現段階では、その砲を攻撃する対砲兵戦が増加しているということである。

 対砲兵戦には、長射程で精密誘導の砲弾や多連装ロケット、自爆型無人機が多用されている。

 
対砲兵戦に優れるウクライナが勝ち目を見出しているようだ。とはいえ、その数は少なく、大きな戦果を得るまでは至っていない

 戦闘機や攻撃ヘリコプターは、侵攻当初では活躍が目覚ましかった。ウォロディミル・
ゼレンスキー大統領は当時、欧米に「戦闘機が必要だ」と要求していた。

 
だが、現在、戦闘機などが防空兵器により撃墜されたためか、その出撃は頻繁には行われていない

2.半年の損耗率から見えるロシア軍の実態
 次に、
侵攻から6か月間の損耗率を分析し、現在の両軍の戦力の実態(戦える力)や近い将来の戦い方はどうなるのかについて考察する。

 具体的には、ロシア軍が保有する戦車など各種装甲車、火砲、多連装ロケット砲、戦闘機等、ヘリコプター、無人機、兵員について、1か月ごとの損耗率を算定して、この結果に基づいて、ロシア軍の実態について考察する。

 ロシア軍が保有する戦力の侵攻開始から1か月ごとの損耗率を算定すると、どの時期に大きな損耗を出しているのか、損耗の推移から残存戦力の推移を予測し、今後使える戦力はどの兵器になるのかなどが解明できる。

 以下、兵器の種類ごとの損耗率を算定し、各戦闘部隊(近接戦闘部隊・砲兵戦部隊・航空戦闘部隊・防空戦部隊・無人機)がどのような状態なのかを考察する。

(1)近接戦闘部隊兵器(戦車・装甲歩兵戦闘車・装甲車)の損耗率と今後の戦闘能力

 開始から1か月間の損耗率7~19%が最も大きく、開始から3か月間の累積損耗率も16~38%と比較的大きい。

 つまり、
3か月間の損失で、大攻勢に出られる能力は失われたとみてよい。

 
6か月間では、24~50%の損耗率である。装甲車は戦車等の2倍の損耗率であり、装甲車が撃破されやすいことを物語っている。

 
戦車等や装甲車の損害が大きいのは、ウクライナ軍の対戦車兵器「ジャベリン」や自爆型無人機の「スイッチブレード」が有効であることを証明している。

 これからは、小規模の攻撃はまだ可能だが、成果はあまり期待できない。近接戦闘部隊の主力は、壕に入り防御に転移しつつある。

 装甲車が50%の損耗率が出ていることから、装甲車は「走る棺桶」と呼ばれるだけあって、各種対戦車兵器に極めて脆弱であることが分かる。

 
戦車と装甲車が協同して果敢に攻撃に出ることは難しい

 
特に、装甲車に乗る兵は精神的に相当なダメージを受けていると思われる。彼らが、果敢に攻勢に出ることはなく、壕に入り身を守る防御を行うだろう。

 緊急に募集された志願兵がまともに訓練を受けることなく、前線に出されて、連携した攻撃行動ができるはずがないからだ。

(2)砲兵部隊(火砲・多連装ロケット砲)の損耗率と今後の戦闘能力

 侵攻開始後、
火砲と多連装ロケット砲の損耗率は、開始後1か月間が11~15%であり、最も大きい。さらに、その後も、高い損耗率で多くの被害を受けている

 
火砲の場合は、2か月から6か月までの各月で6~11%の損耗率が継続し、6か月後の損耗率は56%に達していて、他の兵器と比べて損害が最も大きい

 
ウクライナ軍には、ロシア軍の砲兵部隊からの射撃で市民が大きな損害を受けていることから、できる限り多くのロシア軍火砲を破壊したい思惑があった

 多連装ロケット砲の場合は、開始2か月から4か月の各月で、6~9%の損耗率であった。その後は、1~2%に減少した。

 
多連装ロケット砲の射撃を受けると、短時間に大きな損害を出す可能性があったので、ウクライナ軍は、ロシア軍の多連装ロケット砲を最も優先して、破壊したい思惑があった

 
しかし、多連装ロケット砲部隊は、ロケット砲の発射が敵から発見されやすいために、射撃したならば、直ちに陣地を変換するという行動をとり、火砲よりも被害を少なくできたのかもしれない。

 これらの兵器は、その他の兵器と比較して、最も高い損耗率である。

 
通常であれば、火砲の射撃は前線から離れているところから射撃するので、通常、戦車や装甲車などよりも比較的損耗が少なくなる

 
しかし、この戦争では多くの火砲が損害を受けている

 
これは、ウクライナが、米欧から供与された誘導可能弾が発射できる「ハイマース(HIMARS)」や155mm榴弾砲「M777」の射撃で、ロシア軍の火砲や多連装砲を狙って破壊しているからだ

 
ウクライナ軍地上軍兵士が、「ロシア軍の砲撃は少なくなったと感じている」と言っていたが、その通りであろう。

 
しかしながら、現在も、約800門の火砲が残っている。ウクライナ軍を狙って、火砲の射撃は続くだろう。

 ロシア軍火砲の損害が、引き続き8~9%の損耗率で推移すれば、1か月に145~165門、2か月で290~330門の損失となる。

 
ウクライナ軍のHIMARSなどがさらに増加すれば、1か月に200門以上、2か月で400門以上の損失が予想される

 
そうなると、ロシア軍が保有する火砲は約400門までに減少する。

 
現在、ロシア軍の弾薬庫や弾薬集積所が、ウクライナ軍の長射程誘導弾や無人機により爆破されている

 
火砲の門数が減少し、弾薬が不足すれば、ロシア地上軍は戦えなくなる

 
ウクライナ軍は、旧ソ連軍の兵器から米欧の兵器に逐次換装されている。その数は、徐々にではあるが増加している。

 
ロシア軍は、グリスアップされた旧式の兵器を倉庫から戦場に運び出している

 火砲や多連装ロケット砲の場合、直接照準射撃と異なり、観測班・射撃諸元を算定する射撃指揮班・実際に射撃を行う戦砲隊が連携しなければならない。

 したがって、
熟練した射撃技術が必要である。そのため、火砲を倉庫から出してきても、砲兵を訓練しなければ射撃はできない

 
火砲部隊が損失を出すと、短期間での補充は不可能である。つまり、ロシア軍の火砲等の損失は、今後、戦えなくなることを意味している

 
その時期は、10月末から11月の初めだろうと考える。

(3)戦闘機部隊および防空戦闘部隊の損耗率と今後の戦闘能力

 
戦闘機・攻撃機は、開始から3か月間で、31%の損耗率であった。その後は、各月に1%の増加であった。

 ここから、
戦闘機等は、3か月間は地上攻撃への対地支援、重要目標の攻撃を行い、30%の損耗率になってからは、急速に活動が低下して、損耗率も極端に減少したことが分かる。

 
ヘリコプターは、特に開始の1か月に21%の損耗率であった。ヘリボーン作戦失敗の結果だろう。その後の活動は低調であった。

 戦闘機等やヘリを撃墜させる
防空ミサイルは、6か月間で12%の損耗率であった。他の兵器に比べて、損耗率は著しく低い

 
前線から遠く離れた位置で活動しているからである

 各月には1~4%の損耗率で平均2%だが、6か月目の3%の損耗率は、平均の2%よりもわずかに多くなっている。

 
自爆型無人機やHIMARSなど遠距離誘導弾の射撃効果がわずかだが出てきている

 
戦闘機等の活動は、3~4か月目に著しく低調になっている。一方で、無人機が2か月目以降、多数撃墜されている。

 
戦闘機の代わりに、自爆用・偵察用の無人機が活発に攻撃に参加しているからだ。

 5か月目頃から損耗率がやや少なくなっているのは、運用できる無人機の数が減少していることが原因だろう。

 
ロシア兵は、イランの無人機の操縦訓練を受けているという情報があるが、ロシアが自国で生産ができなくなっているために、イランの無人機を導入するというのは、事実のようだ。

3.攻勢に出る戦力がなくなったロシア軍
 
この6か月のロシア軍の損耗からみれば、戦車・装甲車は攻勢に出られず、戦闘機等は防空兵器から撃墜されることを恐れて、積極的に対地攻撃できない

 
今後の戦いは、砲兵同士の戦い(対砲兵戦)が地上戦の主体になるであろう

 
現在、ロシア軍の火砲の損害が大きく56%の損耗率に達している

 
ウクライナ軍がHIMARSを増やし、ロシア軍の火砲に正確に射撃をすれば、あと2か月もすれば、ロシア軍の火砲も戦えなくなる

 そうなれば、ロシア軍は完全に陣地防御に移行して、どれだけ守り切るかといった戦いをせざるを得なくなる。

 
ロシア軍は東部では守り切れるだろうが、クリミア半島を含む南部では、今の抵抗線が破られたときには、クリミア半島まで攻め込まれる可能性が高い

 
11月までには、両軍にとって、大きな戦況の変化が生じているだろう

 侵攻当初は敵を目視で確認しつつ射撃する最前線での戦い(近接戦闘)、次に、最前線から10キロ以上も離れたところから射撃する砲兵戦の戦い、さらに現段階では、その砲を攻撃する対砲兵戦が増加と、闘い方が進化しているのですね。
 米国他の新技術の支援を得ながら戦っている、対砲兵戦に優れるウクライナが勝ち目を見出しているようだと、西村氏。

 現在の両軍の戦力の実態(戦える力)や近い将来の戦い方はどうなるのかについて解説いただいています。
 
 ロシア軍の、近接戦闘部隊兵器(戦車・装甲歩兵戦闘車・装甲車)については、開始から1か月間の損耗率7~19%が最も大きく、開始から3か月間の累積損耗率も16~38%と比較的大きい。
 つまり、3か月間の損失で、大攻勢に出られる能力は失われたとみてよいと西村氏。
 戦車等や装甲車の損害が大きいのは、ウクライナ軍の対戦車兵器「ジャベリン」や自爆型無人機の「スイッチブレード」が有効であることを証明。

 火砲と多連装ロケット砲の損耗率は、開始後1か月間が11~15%であり、最も大きい。さらに、その後も、高い損耗率で多くの被害を受けている。
 火砲の場合は、6か月後の損耗率は56%に達していて、他の兵器と比べて損害が最も大きいのだそうです。
 ウクライナ軍には、ロシア軍の砲兵部隊からの射撃で市民が大きな損害を受けていることから、できる限り多くのロシア軍火砲を破壊したい思惑があったのだと。

 通常であれば、火砲の射撃は前線から離れているところから射撃するので、通常、戦車や装甲車などよりも比較的損耗が少なくなる。
 しかし、この戦争では多くの火砲が損害を受けている。
 これは、ウクライナが、米欧から供与された誘導可能弾が発射できる「ハイマース(HIMARS)」や155mm榴弾砲「M777」の射撃で、ロシア軍の火砲や多連装砲を狙って破壊しているからなのだそうです。

 ウクライナ軍のHIMARSなどがさらに増加すれば、1か月に200門以上、2か月で400門以上の損失が予想される。
 そうなると、ロシア軍が保有する火砲は約400門までに減少すると、西村氏。

 現在、ロシア軍の弾薬庫や弾薬集積所が、ウクライナ軍の長射程誘導弾や無人機により爆破されている。
 火砲の門数が減少し、弾薬が不足すれば、ロシア地上軍は戦えなくなる。

 一方、ロシア軍は、グリスアップされた旧式の兵器を倉庫から戦場に運び出している。

 火砲部隊が損失を出すと、短期間での補充は不可能である。つまり、ロシア軍の火砲等の損失は、今後、戦えなくなることを意味している。
 その時期は、10月末から11月の初めだろうと考えると、西村氏。

 戦闘機等の活動は、3~4か月目に著しく低調になっている。一方で、無人機が2か月目以降、多数撃墜されている。
 戦闘機の代わりに、自爆用・偵察用の無人機が活発に攻撃に参加しているのだそうです。

 ロシアも、イランから攻撃ドローン「シャハド129」46機を導入するのだそうですね。
 イラン政府、攻撃ドローン「シャハド129」46機をロシア軍へ提供:米国シンクタンク発表(佐藤仁) - 個人 - Yahoo!ニュース

 この6か月のロシア軍の損耗からみれば、戦車・装甲車は攻勢に出られず、戦闘機等は防空兵器から撃墜されることを恐れて、積極的に対地攻撃できない。
 今後の戦いは、砲兵同士の戦い(対砲兵戦)が地上戦の主体になるであろうと、西村氏。

 現在、ロシア軍の火砲の損害が大きく56%の損耗率に達している。

 ウクライナ軍がHIMARSを増やし、ロシア軍の火砲に正確に射撃をすれば、あと2か月もすれば、ロシア軍の火砲も戦えなくなる。
 
 ロシア軍は東部では守り切れるだろうが、クリミア半島を含む南部では、今の抵抗線が破られたときには、クリミア半島まで攻め込まれる可能性が高い。
 11月までには、両軍にとって、大きな戦況の変化が生じているだろうと。

 米国はともかくとして、欧州勢には支援疲れが見られるとの報道を見聞するようになってきています。
 日本の岸田政権は、サハリン1, 2の撤退をしないと明言、三井、三菱は、ロシアの新会社移行(シェル、エクソンの撤退の影響も?)の暴挙にも関わらず、制裁包囲網の流れに逆行し、縋りつくことを決定。

 一進、一帯のプーチンのウクライナ侵攻。
 件名に国の存続を護るウクライナ国民の方々に暴挙を刊行するロシアに与することは、中国の台湾や日本への侵略にもはずみをつけることになります。
 「けんとうし」で、なにもしない岸田首相。よりによって、ロシアのウクライナ侵攻の軍資金調達には、世界の自由主義国の包囲網の流れに逆行する行動。
 何故?サハリンのガス輸入量比率がたかい、広島県のガス会社の氏江のためだとは思いませんが、安倍氏が高めた日本への信頼を壊そうとしている。



 # 冒頭の画像は、米国がウクライナに供与しているHIMARS




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